2013年06月18日

胸部CT道場20・飛び飛びに白くなる陰影16・粒状影のいろいろ15・小葉中心性粒状影を来す疾患の鑑別5・気管支肺炎(マイコプラズマ以外)

気管支肺炎。


若い頃はこの概念が、イマイチよくわかりませんでした。肺炎じゃないのか?気管支炎じゃないのか?浸潤影は作るのか?マイコプラズマと違うのか?


…要するに、気管支から肺胞領域に至る部位の炎症であります。細気管支炎ほど範囲が限定されておらず、大葉性肺炎ほどべったりと肺胞がやられるわけではない。


まあ、マイコプラズマを含んで分類されることも多いので、マイコプラズマの説明で大体いいのですが、細菌性肺炎の場合、肺胞領域の病変は肺胞腔内を埋める滲出物であることも多く、粒の濃度的には浸潤影と同じ、真っ白である、と理解するとわかりやすいと思います。


39(細)気管支〜肺胞内に浸出液←限局する.jpg


ただ滲出物の産生がそれほど多くないと、ドバ−っと広範に拡がって大葉性肺炎みたいな浸潤影を作る、とまでは行かず、病変が限局してしまうのですね。それで粒状影。


そんな小葉中心性粒状影が癒合してくると、もうちょっと大きな、気管支に沿った浸潤影を作ってくることもありますが、大葉性肺炎までには至らない、ということを知っておきましょう。


40小葉中心性粒状影〜気管支に沿って癒合.jpg


気管支肺炎と大葉性肺炎の違いはこんな感じです。同じような濃度の白い陰影が、片や限局(気管支肺炎)し、片やドバーッと拡がって(大葉性肺炎)いる様子がおわかり頂けるかと思います。


41気管支肺炎と大葉性肺炎.jpg


気管支肺炎の場合、菌は気管支を通じて各地にばらまかれるため、葉をまたいで病変が形成されうるのに対し、大葉性肺炎ではKohn孔を通じて横方向?に病変が拡がっていきます。


42気管支肺炎と大葉性肺炎、進展の仕方.jpg


その結果、気管支肺炎ではこのように、あちこちに斑状の(限局した)浸潤影が出来てきます。


43葉をまたいで病変が進展.jpg


昨今では抗菌薬の進歩などにより、大葉性肺炎を来す症例は少なくなっていますが、古典的には肺炎球菌、クレブシエラ、レジオネラが大葉性肺炎となる、といわれています。


それ以外のH.influenzae、黄色ブドウ球菌をはじめとする多くの細菌で、気管支肺炎のパターンをとるとされています。


マイコプラズマやウイルスは、そんなわけで、微妙に違う感はありますが、気管支肺炎に分類されてもいます。


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posted by 長尾大志 at 20:14 | Comment(2) | 胸部CT道場
この記事へのコメント
はじめまして。
放射線技師をしております。
大葉性肺炎ではKohn孔を通じて横方向?に病変が拡がっていくとのことですが、小葉間隔壁はどのように抜けていく!?のでしょうか?
Posted by 放射線技師 at 2014年07月08日 14:19
小葉間隔壁はずっとがっしり小葉を取り囲んでいるわけではなく、すき間?があります。また、かなり末梢の細気管支を通じても拡がっているのかもしれません。隔壁そのものは超えられないので、その辺のルートを通っているようです。
Posted by 長尾 大志 at 2014年07月08日 18:41
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