昔?は肺好酸球性肉芽腫症とも言いました。Hand-(長い名前)病、Letterer-なんたら病と共に、histiocytosis(ヒスチオサイトーシス)Xという総称で呼ばれていましたが、今ではすべてランゲルハンス細胞が関わっていることが明らかとなり、まとめての名称はLCHと呼ばれるようになりました。そして肺好酸球性肉芽腫症は「肺」LCH、と呼ばれることが多くなっています。
20歳〜40歳の男性に多く、ほとんどが喫煙者であるため、機序は不明ですが喫煙が発症に関わっていると考えられています。実際、禁煙によって改善する事例も少なからず見られます。
病態としては、呼吸細気管支壁を中心に、ランゲルハンス細胞が増殖して結節を作ってきます。免疫染色でS-100蛋白陽性、というのがキーワードであります。

進行してくると結節が嚢胞化(薄い壁の場合)、ないし空洞化(比較的厚い壁の場合)してきます。嚢胞はいびつ、というか不整形であり、その変化とともに特徴的、とされています。
結節がチェックバルブによるエア・トラッピングを起こし、末梢の肺胞部分に空気が捕らえ込む現象が見られることが知られています。嚢胞形成もチェックバルブによる、という考えがあるようですが、確証は今のところないようです(私が不勉強なだけかもしれませんが…)。
今すぐ参照できるLCH症例はこちら。とっても微細な粒状影(胸膜から少し離れたところ=小葉中心部に存在)と、さまざまな大きさのいびつな嚢胞(黄矢印など多数)が見られます。

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