これはBACのうち、悪性細胞が粘液(ムチン)を産生するものです。粘液を産生しないBACとの違いはまさに粘液の存在で、症状としては多量に痰が出たりします。

肺胞内にムチンが溜まるため、X線写真ではそのエリアは水濃度になります。ということは、粘液を産生しないBACにおいて、X線、CT所見が限局するすりガラス影であったところが…

粘液産生性BACにおいては肺胞腔内にムチンが貯留して空気濃度→水濃度(すりガラス影→浸潤影)となりますから、そのエリアの濃度が上がり、限局する浸潤影になります。

これは限局した範囲ですから、浸潤影と粒状影の区別がつきません。したがって、存在する場所からして小葉中心性粒状影と同じ陰影になるのです。いわゆる「粒」「カタマリ」ではなく、飛び飛びに存在する粘液も粒状影に見えるってことですね。
胸部CT道場に入門する