- 病変の軽度な部分は小葉中心性粒状影
- 病変が拡がっている部分では浸潤影
を呈してくる。まだ続きます。
腫瘍が作る陰影で浸潤影、というところに違和感を覚える方も少なくないかもしれません。まあ、どちらかというと、粘液が作っている陰影、と考えていただく方が自然でしょう。
そのために、その陰影では
- air bronchogram
- CT-angiogram sign
を呈します。
air bronchogramは以前説明しましたが、CT-angiogram signって何や?って話ですよね…。説明しておきましょう。
普通「腫瘤」を形作るのは悪性腫瘍、まあ肺でいえば肺癌が多いです。で、肺癌の場合、腫瘤内部は壊死したり叩きつぶされたりで、元々ある血管がそのまま残っていることは少ない。
そんなわけで、造影CTを撮ったりすると、腫瘤内は中央部に壊死を伴い、周辺部(新生血管が多いエリア)が造影されているような陰影がよく見られます。

それに対し、腫瘤内部にある構造物がつぶされてしまわないような、BACやリンパ腫、リンパ増殖性疾患などでは、造影した血管がきれいに元の形のまま映ってきます。このような所見を、CT-angiogram signというのです。

これが見られるということは、組織の破壊を伴っていない、ということになります。
胸部CT道場に入門する
10年ほど前に、ある病院で人工呼吸器の加湿器に何時間も消毒用のエタノールを入れてしまい、患者様が亡くなるという医療事故がありましたよね。
死因は急性アルコール中毒となるのかと思いますが、もし、途中で気がついて、死に至らなかった場合、肺機能に与える影響はありますか?
アルコールが抜けてしまえば、後遺症などは大丈夫なのでしょうか?
調べ得た範囲では、エタノールによる肺障害について触れられたものはありませんでした。かなり揮発性が強く、すぐに拡散しますので、件の事例のように高濃度で吸入された症例というのは相当に特殊な状況下、ということになります。
本来でしたら症例報告ものでしょうが、まあなんというか…。
高濃度のアルコールが粘膜に触れればそれなりに障害はあるでしょうが、そういう影響は濃度と曝露時間にかなり依存すると思われますので、なんとも結論めいたことは申せません。薄くて短時間なら影響は少ないでしょうし、逆もまた然りでしょう。