ランダムに粒が配置しているということは、どういうことか。
何らかの機序によって、例の小葉単位、あるいは小葉に関連した構造物に関係のない分布をする、ということ。

ではなぜこのような分布をするのか。細気管支に関連する疾患だったら小葉中心部に、リンパ路に関連する疾患なら小葉の辺縁部に、というふうに病変の存在する構造物が元々存在する場所に陰影が分布するはず。では元々ランダムに存在する構造物は何か?
…あまりもったいぶってもしょうがないので申しますと、これは肺胞壁に存在する毛細血管です。肺胞は肺内あまねく広くどこにでも存在しますので、その壁に存在する血管も、小葉内のどこ、ということなくどこにでも存在しうるのです。
ですから、血行に乗って散布される疾患では、小葉内の細気管支や小葉間隔壁といった構造物に関係なく、ランダムに粒が散布して見えるのです。
胸部CT道場に入門する
最近、長尾先生が作成されているHPと出会い、拝読させていただいております。
私は大阪市内の病院に、理学療法士として勤務している西田と申します。
週に2回、早朝に、呼吸器内科の医師のもとで、胸部X-PおよびCT画像を見ながら、呼吸器疾患の病態などを学ばせていただいています。
患者さんの症状をみることに併せて、画像を見ることも大事だと感じています。
長尾先生のHPを通じて、良き学習の場をいただいています。ありがとうございます。
この記事も病態を理解できるように工夫しているつもりです。是非しっかり身につけて頂けるよう頑張って頂きたいと思います。