2013年07月04日

胸部CT道場31・飛び飛びに白くなる陰影27・粒状影のいろいろ26・ランダム分布の粒状影2・どういう陰影が「ランダム」なのか?

血行に乗って散布され、粒状の病変を作る疾患は、既存の小葉構造とは無関係にランダムに分布する粒状影を呈します。



…ランダムっていう言葉はわかるんですけど、ランダム分布って、どんな影なんだろう?


これが、血行、いや結構長い間の疑問でありました。小葉中心性の粒状影だって、キッチリ規則正しく配列しているわけではなくて、見ようによってはランダムに見えるし、リンパ路だってそう。


まあ、大体ニュアンスはわかるんです。画像以外の情報からも、「あー、これはランダムってことかな」と推察はできるんですが、若い先生から「どういうのがランダムなんですか?」と聞かれたときにうまく説明できませんでした。



で考えた末の一応の結論が、「粒以外の所見を見る」。


例えば小葉中心性粒状影であれば気管支〜細気管支の病変ですから、tree-in-budのような分岐する細気管支影や、tram lineのような気管支の肥厚像、拡張像が共存することが多いわけで、そういう所見あれば自信を持って「小葉中心性粒状影」と言える。


リンパ路に存在する粒状影であれば、広義間質(気管支血管束、小葉間隔壁、胸膜)の肥厚見られ、そこに粒が乗っかっているように見える。


そういう所見がなくて、粒が(場合にもよりますが結構高密度に)バラバラに存在していれば、ランダムと言えるのではないか、今のところそんなふうに考えています。


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posted by 長尾大志 at 10:43 | Comment(0) | 胸部CT道場
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