7月13日に開かれる第81回日本呼吸器学会近畿地方会にて、「間質性肺炎2」セッション座長を務めることとなり、予習中。お付き合いいただけましたら幸いです。
■免疫抑制剤MTX治療中に発症した薬剤性肺障害と思われるRAの一例
治療開始時より両側肺底部に陰影を認め、MTX+PSL5mg開始したRA症例。経過中MTX増量後に咳、痰、息切れの訴えありすりガラス影の増強を認め、MTX中止しPSL25mgに増量したところ陰影は消退した、という報告です。
RAに合併した間質性肺炎症例はそう珍しいものではありませんが、いつも問題になるのは、「それは、RA肺か、薬剤性か」ということで、根拠をもって「こちらだ」と言い切るのはしばしば勇気が必要です。タイトルからして、「薬剤性と思われる」にはそれなりの根拠があるようで、その根拠が一つの考察ポイントになるでしょう。
そもそも間質性陰影を合併したRA症例は治療に苦慮することが多いものです。生物学的製剤、MTXさえも間質性肺炎には具合が良くない。サラゾスルファピリジンやタクロリムス、そして結局は、(最近はRAに使われなくなっている)ステロイドを使わざるを得ないこともしばしばです。
本症例では当初両側肺底部に陰影を認めていたところでMTX+PSL5mgを開始されていますが、この薬剤チョイスの理由もお聞きしたいところです。
2013年07月09日
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