粟粒結核は結核菌が血行性に多臓器に播種し、粟粒大の病変を作ったものです。
まずは陰影というよりも、臨床情報ですが…。
結核のリスクファクターを覚えておられるでしょうか。主に細胞性免疫が低下するような状況なのです。
- 多量喫煙
- 糖尿病患者
- 胃切後患者
- AIDS
- 他の血液疾患
- 他の担癌患者
- 人工透析
- ステロイド治療
- 免疫抑制薬治療
- 珪肺患者
こういう基礎があるとあやしい。まあ、担癌状態に関しては、転移性肺腫瘍のリスクでもありますが…。
粟粒(ぞくりゅう)結核の陰影はまさに「粟粒(あわつぶ)」。ランダム分布を有するびまん性の1〜3mm大の小粒状影が多数散らばって見えます。
粟(あわ)、って若い人はご存じの方の方が少ない印象です。雑穀の類ですが、日常食べることがあまりないですからね−。鳥のエサ、というとおわかり頂けるでしょうか。米粒(5mm大)よりは少し小さい、1〜3mm大の粒です。
すなわち粟粒結核においては、いわゆる小葉中心性粒状影やリンパ路に存在する粒状影(これらは5mm大)より小さな、比較的粒のそろった微細な(粟粒大の)粒状影が特徴なのです。

胸部CT道場に入門する
肺結核と粟粒結核では,細気管支と血管に病変の首座が分かれると思うのですが,そういった分布の違いでCTで鑑別ができたりするのでしょうか。
言えることは、CTを丹念に見れば、「その陰影」がどの病変を指しているかがわかる、ということです。