
機序としては、癌の不均等な発育によって腫瘤の辺縁にみられる凸凹、と説明されます。癌の起源は1個の細胞でも、遺伝子が不安定であり、細胞分裂を繰り返すうちにどんどん突然変異を起こしてきて、結果きわめて不均一な細胞集団になっています。そのため、部分部分で増殖速度が異なり、凸凹になってくるのです。
また、ノッチの凹んでいる部分にちょうど血管や気管支といった構造物が観察されることがあります。そういう構造物はさすがに癌の進展を多少堰き止めているのでしょう。
ノッチが見られるのは原発性肺癌(特に扁平上皮癌や小細胞肺癌)、またはある程度の大きさになった転移性肺腫瘍でよく見られます。
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