本来気管支と伴走する肺動脈の径はほぼ同じです。しかしながら、気管支が拡張してくると、明らかに伴走する血管よりも気管支の径が大きく(太く)なります(図の下)。
この様子を胸部CTの短軸方向で切って観察すると、血管よりも明らかに太い気管支が認識できます。血管は中に血液(水濃度)が走っていますから真っ白な円として見え、気管支は中を空気が通っていますからドーナツ、あるいは輪っか(リング)のように中が黒く見えます。
そのリングが明らかに伴走する血管(真っ白な円)よりも大きいと、あたかも指輪のように見える、ということからsignet ring signという用語ができました。1.3倍以上差があると、人の眼には明らかに大きく見えるそうで、病理学的な気管支拡張の定義は1.3倍、ということです。
図の右側、これこそが指輪であります。宝石部分は指を入れる部分よりも圧倒的に小さいもの。間違っても世の女性の皆さんは、左側のごとき指輪?を男性におねだりしないように!
実際の画像はこんな感じです。
この症例では左のみに気管支拡張があり、右側は正常、すなわち血管径と気管支径が同等ですが、左の拡張部でsignet ring signが見られます。少し指輪、歪んでますが…。
胸部CT道場に入門する
これを教えられて、スッキリしました。
これまで、CT図の説明があっても、
何のことか解りませんでしたが。
医療関係者でない人にも、当然あらゆる人がいますが、
ここは、有難い所と思っています。
気管支拡張のCT映像をいくつか見たのですが、
さっぱり訳が分からず、ここで血管の見え方と比べての説明で救われました。
医療関係者でない人々もいろいろでしょうが、
私は、ここは、大変ありがたいところと思っています。
不特定多数の方にきちんと当方の意図を理解して頂くのは並大抵のことではありませんので、医療関係者向けの発信とさせて頂いております。
医療関係の方でなくとも、きちんと理解頂ければ大変ありがたいことです。