- その場にある酸素の量
- Hbそのものの「くっつきやすさ」
まあ当たり前ですね。その場に酸素が多い方がたくさんくっつく。くっつきやすい方が飽和しやすい。で、知れば知るほどに、酸素を運搬するメカニズムがめちゃくちゃ効率よく運用されていることを実感します。
以前にも書きましたが、人間が万物の霊長とか言って偉そうな顔をしていられるのは脳がものすごく発達しているから、ですが、その脳が鬼のように要求する酸素をジャンジャン供給しているのは肺〜内呼吸系ですよ、ってことを忘れないで頂きたい。とにかく極限まで、あらゆる手段を用いて効率よく酸素を大気から組織へと運んでいるのです。
どのように効率的なのかを見てみましょう。

肺〜組織でのO2受け渡しにあたって、上図のように、肺胞(左側)ではHbが酸素を受け取るわけですから、HbとO2はくっつきやすい方がいいですね。一方、運んでいった先の組織(右側)では、HbからO2が放出されやすい、つまりHbとO2は離れやすい方が、具合がいいわけです。
で、肺胞と組織の環境を考えてみましょう。
- 肺胞(とそのエリアを環流する血液)には酸素が多い。
- 組織(とそのエリアを環流する血液)には酸素が少ない。
ということは…おー、イイ感じですね。
- 肺胞(とそのエリアを環流する血液)には酸素が多いため、Hbに酸素がくっつきやすくなる。
- 組織(とそのエリアを環流する血液)には酸素が少ないため、Hbから酸素が離れやすくなる。
Hbの性質上、PaO2=80TorrぐらいでHbはほぼ飽和(SaO2=95%程度)します。肺胞エリアではそれ以上のPaO2があるため、Hbはほとんどが飽和して=O2を満載して肺胞を出発します。
組織に到着すると、そこはゴーストタウン。PaO2が40Torrもない、荒れ果てた地。そこではHbの酸素結合率が急降下し、O2はジャンジャン離れていき、組織に供給されるのです。
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