肺胞と組織ではPaO2が異なるため、結果としてO2が多いところではO2がくっつきやすく、少ないところではO2を離しやすい。この原則をさらに推し進めるメカニズムがあります。それが、あの、例の、いわゆる、酸素解離曲線の右方移動とか左方移動とかいうやつなのです。
基本、肺胞の環境においてはO2がくっつきやすく、組織の環境ではO2が離れやすい、というのが望ましいわけです。そうすると、酸素解離曲線において、より肺胞っぽい?領域では、同じPaO2に対して飽和する酸素量は多くなり、より組織っぽい?領域では、同じPaO2において飽和する酸素量が減る、という方が都合がよいわけです。
そこで、もう一度酸素解離曲線を見てみましょう。

この曲線よりも、さらにO2がくっつきやすくなる、ということは、この曲線が上に(左に)移動すればいいですね。
一方、O2が離れやすくなる、ということは、この曲線よりも下に(右に)移動する、ということになります。
したがって、こんな感じで移動することになります。

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