2013年11月25日

第82回日本呼吸器学会地方会「稀少肺疾患・その他」セッション予習

12月7日に開かれる第82回日本呼吸器学会近畿地方会にて、「稀少肺疾患・その他」セッション座長を務めることとなりました。今回はお決まりの指定席(「稀少肺疾患・その他」)に戻った感があります。例によって、予習にお付き合いいただきたいと思います。


■胸水の原因精査に苦慮した、黄色爪症候群の一例

概要
胸水精査で紹介された中年女性。片側滲出性胸水であったが胸水検査では特異的所見を得られなかった。両側下腿浮腫、黄色爪より黄色爪症候群と診断された。


所感
胸水を採ってみたものの、特段診断に結びつく所見が得られなかった、というケースはしばしば経験されます。そういうとき、どのような鑑別疾患を挙げるべきか、しばしば悩みどころがあるものです。


黄色爪症候群は比較的稀な疾患で、リンパ管の発達不全の機序があるようですが、成因などはわかっていないようです。黄色爪、リンパ浮腫、胸水(呼吸器病変)を3徴とし、少なくとも2つの存在が必要です。


胸水採取では特段診断に結びつく所見が得られなかった、そのときの鑑別疾患にこれも入れる必要があるのでしょうか。Pleural diseasesにも「まれである。1986年までの報告数は97症例。」としてあり、それ以上あまり多くの事柄が掲載されていませんでしたが、どの程度の頻度で見られるものか、どういう所見が見られたら疑うべきか、というようなことをシェアできればいいなと思います。

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posted by 長尾大志 at 18:53 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録
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