2014年06月15日

第83回日本呼吸器学会地方会「腫瘍3」セッション予習2

6月28日に開かれる第83回日本呼吸器学会近畿地方会にて、「腫瘍3」セッション座長を務めることとなりました。今日もあれこれ忙しかったのですが、予習を少しだけやってみました。


■ Bevacizumabを含む化学療法が脳転移病巣に奏効した進行肺腺癌の1例

概要
初診時脳転移ありStageWの肺腺癌症例に対しサイバーナイフ施行後CDDP+PEM2コース投与したが、脳転移新病変を認め増悪と判定した。2次治療としてCBDCA+PTX+Bevacizumabを投与したところ脳転移病巣は縮小し、脳出血などの毒性も認めなかった。


所感
当初脳転移があったらほとんど禁忌、みたいな扱いだったBevacizumabですが、それほど脳転移病変のトラブルは経験されていないようです。それでも、「大手を振って〜」というのとはまだ違う、微妙な扱いになっているように思います。


「慎重投与」を外すということになると、確たるエビデンスを必要とします。まだ今は蓄積の時期でしょうか。


また、実際使用していての疑問は、効果がある症例とない症例があるという点です。確かに脳転移にも効いたように見えることもあるのですが…効果が期待できる症例かどうか、予見することはできないものでしょうか。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:54 | Comment(2) | 学会・研究会見聞録
この記事へのコメント
いつも勉強させていただいております。
更新を楽しみにしております。

地方会の1セッションを予習しつつ検討していくという内容がとても新鮮で、先生のブログの中でもいつも特に楽しみにしております。

正直、「特に珍しくない」の指摘や、「特にポイントの無い」など、発表する価値や発表自体の意義を問う、大変、厳しいご指摘も多く、思い当たることの多い身としては、滝のように汗をかきながら、先生のご指摘やご指導を読ませていただいております。
Posted by at 2014年06月16日 23:38
なかなか自分一人では予習もできないもので、読者の方を巻き込む形で予習をさせて頂いております。とはいえあまり関心を持って頂ける内容ではなかろうと、独り言のように思いつきで書いておりました。こんな記事に興味を持って頂いて、こちらこそ、大汗をかいております。
我が身を省みても偉そうなことを言えたものではないのですが、自身の反省も込めて、指摘するところは指摘し、地方会本番の発表がより有意義になるようにできれば、と思っております次第です。何卒、ご容赦頂けましたら幸いです。
Posted by 長尾 大志 at 2014年06月18日 17:54
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。