2013年03月22日

肺胞洗浄液の構成成分とその意義・肺胞洗浄液の成分についての話は置いといて、過敏性肺炎の特徴など

この機会に、過敏性肺炎についておさらいをして置きましょう。


吸入した抗原(主にカビ、Trichosporon asahi, Trichosporon mucoidesなど)によって、V型、W型アレルギーが起こり、細気管支末端周囲に強く間質性肺炎が生じます。


その結果、急性期に典型的には、小葉中心性に、飛び飛びに、すりガラス影が見られます。


急性型の診断には、病歴聴取が重要です。
季節性に発症、繰り返し起こる、抗原からの隔離で軽快、というアレルギー的な発症様式。


家屋(夏型過敏性肺炎)、職業(農夫肺)、ペット飼育や羽毛布団の使用(鳥飼病)、加湿器の使用(加湿器肺)、といった生活歴の聴取もカギになります。


…呼吸器疾患は、本当に病歴聴取がカギになる疾患が多いですね。


入院したら症状が軽快する、この時点でピンと来て、確定診断のための検査としては、カビに対する特異抗体があるのですが、なかなか商業ベースで気軽に測定できるものではありません。


それと、さんざん書いてきましたが、気管支肺胞洗浄液(BALF)中のリンパ球が増えるのが特徴です。また、過敏性肺炎のタイプ(原因抗原)によって、そのリンパ球のうちCD4+とCD8+、どちらが優位であるかが少し異なります。


夏型過敏性肺炎ではCD4+<CD8+、農夫肺や鳥飼病ではCD4+>CD8+となることが多いため、原因を推定することができるのです。


病理組織学的に、生検標本で肉芽腫を伴う胞隔炎を認めますが、これだけで確定診断はできません。病理が診断のゴールドスタンダードになり得ないことが間質性肺炎業界でしばしばあり、そこが初学者には少し難しい点かもしれません。


そういうことで、診断の確定は結局、環境誘発試験(入院して一旦良くなっていたものが、外泊してみて再増悪するかどうか)、抗原誘発試験、といった誘発試験もんになります。まあ、原因に対して反応が起こる、ということを確認して初めて診断に至るわけですね。


治療としては、これはもう抗原からの隔離が唯一かつ確実な治療と言えるでしょう(慢性型の場合は、隔離しても難しいことがありますが…)。


ただ家の中や職場に生えているカビ、であるとか、周りの環境に存在する抗原から隔離するのは時に困難を伴います。リフォームや転居・転職などには保険がききません(当たり前ですが…)ので、経済的に難しいこともあるのです。


抗原隔離だけで良くならない場合、あるいは、隔離が困難な場合、治療にステロイドを使用します。


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posted by 長尾大志 at 16:09 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2013年03月19日

肺胞洗浄液の構成成分とその意義・肺胞洗浄液の成分についての話は置いといて、過敏性肺(臓)炎

過敏性肺(臓)炎。


そうなんです。最近は臓に( )カッコがついた表記をよく見かけますし、日本呼吸器学会のHPにも過敏性肺炎って書いてあります。


元々は肺臓炎=pneumonitis、肺間質主体の炎症を表す言葉として、過敏性肺臓炎(hypersensitivity pneumonitis)や放射線肺臓炎(radiation pneumonitis)などの病名に用いられていたのですが、最近では特に日本語表記に於いて「肺臓炎」という言葉は使われなくなってきています。そもそも間質性肺炎は元々「肺炎」ですし。


こうなってくると、話がBALFから横道へ向かう予感がありあり、ですね。話のついでに、これまでそういえば解説していなかった、過敏性肺炎の発症機序について述べておきましょう。


そもそも過敏性肺炎、患者さんに説明すると、ほぼ100%の割合で「カビ性肺炎」と間違われます。まあ、確かにカビによって起こるのですが…。^ ^;)


家の中などに生えているカビが原因で過敏症(アレルギー)になる、これが過敏性肺炎の本態です。昨日も書きましたが、V型、W型のアレルギー性炎症のために肺胞領域にリンパ球が浸潤してきて、「間質性肺炎」を引き起こします。


ですから、過敏性肺炎はすりガラス影を呈します…
本当でしょうか。


過敏性肺炎にも、急性に起こるタイプと慢性に起こるタイプがあるのですが、ものの本をご覧頂くと、急性に起こるタイプではすりガラス影に加えて「粒状影」なんて書いてあったりします。これが初学者にとっては「なんでやねん」なのです。


だって、過敏性肺炎は間質性肺炎って言ったじゃないですか。なのに、何で粒状影になるんですか。粒状影と言えば、あ!まだ解説していませんでしたね…(⌒-⌒; )


レントゲン道場では連続性の陰影が終わりましたので、次は必ずや飛び飛びの陰影、粒状影を近いうちに解説いたしますが、要するに粒状影は、元々飛び飛びにある構造物がやられることでできる陰影であります。元々連続性に存在する肺胞ではなくて、元々飛び飛び。というのは気管支とか、血管とか、リンパ管とか、そういう構造物ですね。


ですから、間質性肺炎なのに粒状影、というのはなんかおかしいのです。
これは一体、どういうことでしょうか?


胸部レントゲン道場に入門する

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posted by 長尾大志 at 18:50 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2012年04月22日

日本呼吸器学会総会ガイドラインセッション「薬剤性肺障害の手引きについて」見聞録

引き続き、日本呼吸器学会総会のご報告。
ガイドラインセッション「薬剤性肺障害の手引きについて」見聞録です。


最近やはり当院でも薬剤性肺障害が多く、講演、質疑とも大変興味深く承りました。
超満員、立ち見多数でしたが、本講演が終わって質疑応答の時間になったとたん、
ぞろぞろと出て行く人が多く、最初の谷口先生の大変重要なご質問が聞き取りにくかったのが残念です。

出て行かれた方々は、もったいないことでした。



備忘のため、メモをoutputしておきます。
うちのスタッフ、誰にも会いませんでしたが、誰かいたかな〜?
追加事項があったら教えてください。


  • MTXとニューモシスチス肺炎は、臨床像(画像、BAL、組織)に差はなく、鑑別はしばしば困難。
    喀痰でのニューモシスチスPCRは常在との鑑別の問題あり、論議があるところ。
    βDグルカンも当初陰性例あり、治療開始をやめる根拠にはならない。

  • そもそもニューモシスチス肺炎自体、病原体による直接傷害というより、免疫機序による傷害であるので、ある程度の呼吸状態悪化あれば、ステロイド使用は必須である。

  • 逆にMTX肺炎の診断で、LSTは(特に外注では)手法の標準化ができておらず、信頼性が薄い。
    特に、漢方薬・MTX・TS1他、会社によってばらつきやすく、そこが問題である。健康コントロールが本来必要であることから、BALによるLSTは結局評価できないことになる。

  • 結局、PSLを0.5〜1mg/kg使用して改善なければ、STを使用してみる、というのが現実的。

  • 薬剤性肺障害は血液によって来る薬剤による反応なので、健康肺優位になることも有り。

  • ペメトレキセドによる間質性肺炎はあるデータでは0.5%程度報告されており、時に致死的。

  • インフリキシマブとエタネルセプトでは、市販後調査でも間質性肺炎の新規発症はほとんど報告されていないが、既存病変の悪化はあり、使用前のスクリーニングが重要である。

  • エルロチニブによる間質性肺炎は、HRCTにてすりガラス影を呈していても、組織的にDADであることが知られている。

  • エルロチニブは今後、膵臓癌に対してゲムシタビンとの併用療法を予定されており、ゲムシタビンにも間質性肺炎のリスクがあることから、気をつけておかなければならない。

  • ALK阻害薬に関しては、相当よい効果も得られているようだが、間質性肺炎についてはまだ1例のみの報告で、これからの評価が必要。

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posted by 長尾大志 at 12:17 | Comment(5) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年04月02日

薬剤性肺障害 実例さらに1例

込み入った経過なので、かいつまんで紹介します。

(経過ここから)
躁鬱病に対してラモトリギンの内服を開始してからの皮疹が出現し、その後、クエチアピン・炭酸リチウム・バルプロ酸ナトリウムの定期内服を開始したところ、38℃台の発熱を認め、同時に皮疹が増悪した。
ラモトリギンを中止し、アセトアミノフェンを内服し経過をみたが解熱しなかった。咳嗽と呼吸困難が出現し、39℃以上の発熱が生じたため受診したところ、好酸球増多(15%)を認めた。数日で労作時の咳嗽が増悪し、呼吸困難も悪化した。
その後40℃の発熱を認めて初めて当院を受診し、胸部CTで両側びまん性のスリガラス影を認めたため入院となった。ここまでの経過は約3週間。
(経過ここまで)


こんな陰影です。


016CR.jpg


CTはこんな感じ。


016CT1.jpg


016CT3.jpg


016CT4.jpg


特発性間質性肺炎との違いは、陰影の分布(場所)です。胸膜直下に病変が少ないのは、特発性間質性肺炎ではあまり見られないことです。


診断は薬剤性好酸球性肺炎でした。

一部DIHS(dug-induced hypersensitivity syndrome)様でもあり、関連薬剤の可能な限りの中止と、ステロイド治療で軽快しました。

治療日の胸部レントゲン。


022CR.jpg


翌日にはぐっと軽快。熱もその日には下がり、呼吸器症状も軽快しています。


023CR.jpg


10日後。ほぼ治りました。


103CR.jpg


DIHS:厚労省HPより→
http://www.info.pmda.go.jp/juutoku/file/jfm0706001.pdf


こういう疾患は、総合内科医としての実力が問われますね。


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posted by 長尾大志 at 14:23 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年04月01日

『臨床画像』4月号「びまん性肺疾患の臨床:臨床医が知っておくべき基本事項」

『臨床画像』4月号「びまん性肺疾患:これだけは押さえておきたいHRCT診断の基本」(高橋雅士先生ご編集)では、当院の高橋先生はじめ錚々たる顔ぶれの、放射線科の先生方がびまん性肺疾患の画像所見について執筆されています。
肺病理の第一人者、福岡先生も、病理に関する事項の執筆をされています。

そこの片隅に、寄稿させていただく機会をいただきました。


私の項は「びまん性肺疾患の臨床:放射線科医が知っておくべき基本事項」となっておりますが、もちろん、放射線科の先生のみならず、広く初学の先生方に向けて、このあたりを知っておいていただきたい、という内容になっています。


また、放射線科の先生方の書かれたところや福岡先生による病理の項目は、臨床医としても大変勉強になりますので、内科系の若い先生方にも広く推薦させていただきます。


私のところだけでよければ、別冊がありますので進呈しますが、是非是非写真も豊富な本誌をお手に取られてはいかがでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 09:50 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月31日

薬剤性肺障害 実例もう1例

ソラフェニブによる間質性肺炎を経験しました。


健常時.jpg

発症時.jpg


陰影はかなり早いタイミングでtraction bronchiectasisが生じ、予後の悪さを示唆しています。


Image003.jpg

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胸水も少しですが、あるようです。


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posted by 長尾大志 at 09:36 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月30日

薬剤性肺障害 実例

他科で抗癌剤治療中に発症しました。


tractionCR1.jpg


片側性ですが、すりガラス影ですね。


tractionCT1.jpg

tractionCT2.jpg


牽引性気管支拡張(traction bronchiectasis)もあり、線維化の進行が疑われます。

被疑薬の中止とステロイド治療により、軽快しました。


tractionCR2.jpg


CTでもかなり改善。しかし、一部線維化らしきところが残っていますね。


tractionCT21.jpg

tractionCT22.jpg


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posted by 長尾大志 at 14:22 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月29日

間質性肺疾患11・薬剤性肺障害の人種差

この薬剤性肺障害、困ったことに、どうも日本人で発症頻度が高い薬剤が多いようです。例えばゲフィチニブでは、日本人での発現頻度3.98%に対し、米国では0.3%と10倍の開きがあります。



すべての薬剤において人種差があるわけではないのですが、ブレオマイシンやレフルノミド(アラバ)などは著しく日本人に多く、他にボルテゾミブでも、日本人に発症が多いといわれています。


日本人はそもそも特発性肺線維症の急性増悪を起こしやすいとされていて、そもそも薬剤を含めたさまざまな刺激因子に敏感に反応する性質を有するのではないか、ともいわれています。

現在SNP解析が進行中で、近い将来、民族学・遺伝学的に回答が得られるかもしれません。たいへん興味深いところです。


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posted by 長尾大志 at 18:09 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月28日

間質性肺疾患10・注目される薬剤性肺障害の新規原因薬剤

日本内科学会誌1月号、薬剤性肺障害の最前線、という記事(日本医科大学斎藤先生、弦間先生著)より。


薬剤性肺障害で有名なものはゲフィチニブ(イレッサ)がありますが、同様に最近はやりの分子標的薬で、いくつか発症が報告されています。

間質性肺炎が重点調査項目とされている新規薬剤は以下のようなものがあるそうです。


エルロチニブ(タルセバ)
イレッサと同じEGFR-TKIで、非小細胞肺癌に使われます。
副作用調査では4,662例中237例(5.08%)に間質性肺炎が見られ、死亡例は65例でした。


ボルテゾミブ(ベルケイド)
再発または難治性多発性骨髄腫に対して承認されたプロテアソーム阻害薬です。何らかの造血幹細胞移植を施行されていることが危険因子で、ステロイドの併用はリスク減少因子です。
特定使用成績調査の中間解析では、525例中22例(4.19%)に間質性肺炎/肺障害が発現し、重篤例は11例(2.10%)でした。


セツキシマブ(アービタックス)
EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対して承認された抗ヒトEGFRモノクローナル抗体です。
市販直後調査では、3,436例中、16例の間質性肺炎が報告され、全例が重篤であり、うち4例が死亡されています。


ソラフェニブ(ネクサバール)
根治切除不能または転移性の腎細胞癌、肝細胞癌に対するキナーゼ阻害薬です。
特定使用成績調査では2,010例中5例の間質性肺炎か報告され、うち2例が亡くなっています。なお、ソラフェニブによる間質性肺炎は全例が胸水を伴っていたということです。


スニチニブ(スーテント)
イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍、根治切除不能または転移性の腎細胞癌に対するキナーゼ阻害薬です。
市販直後調査結果では、664例中2例の間質性肺疾患が報告され、うち1例が死亡に至っています。


エベロリムス(アフィニトール)
根治切除不能または転移性の腎細胞癌に使われるmTOR(mammalian target of rapamycin)阻害薬で、間質性肺疾患の発現頻度が非常に高いことが知られています。
頻度は高いのですが、軽症例も多く、薬剤性肺障害が発現しても無症状であれば投与を継続することが可能とされています。


他に、最近使われるようになってきた抗リウマチ薬では既に多くの事例が知られています。もともとリウマチには間質性肺炎の合併が多いため、薬剤そのものによる肺障害との鑑別が困難であることも多いのですが、薬剤開始前後でCTや各種指標を比較し、これまでの報告を参照することで診断は可能です。

古くは金製剤、最近よく使われるメトトレキサートやレフルノミド(アラバ)、他の生物製剤でも注意喚起されていますので、気をつけましょう。


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posted by 長尾大志 at 09:25 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月27日

間質性肺疾患9・薬剤性肺障害の治療

日本内科学会誌1月号、薬剤性肺障害の最前線、という記事(日本医科大学斎藤先生、弦間先生著)より。治療についての内容をご紹介します。


基本は被疑薬剤の中止です。被疑薬がすぐに同定可能であればよいのですが、患者さんは往々にして多くの薬を投与されていることが多く、被疑薬がいくつか想定される場合、あるいはDrug-induced hypersensitivity syndrome(DIHS:薬剤性過敏症症候群)のように多剤感作が想起される場合には、使用中の薬剤を全剤中止せざるを得ないこともあります。


また、中止で軽快する場合は話が簡単ですが、薬剤によっては、あるいは薬剤性肺障害の病型や重症度によっては、ステロイド投与が必要です。例えば、最近話題のゲフィチニブ(イレッサ)で間質性肺炎が生じた場合には、直ちにイレッサ中止とステロイド・パルス療法を行います。そのぐらい、イレッサの肺障害は予後が悪いということが知られているわけです。

ですから、診断のところでも書いたように、被疑薬における薬剤性肺障害の報告、その臨床病型(表現型:CTのパターンや他の検査所見、臨床経過など)を調べることが重要なのです。


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posted by 長尾大志 at 17:15 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月26日

間質性肺疾患8・薬剤性肺障害の診断

将来呼吸器内科を目指す人も、そうでない人にとっても、どんな薬であっても薬を使う以上、避けて通れないのが薬剤性肺障害です。

眼内、膀胱内に注入した薬でも起こったりするのですよ


先頃、日本内科学会誌1月号に、薬剤性肺障害の最前線、という記事が掲載されていました。(日本医科大学斎藤先生、弦間先生著)。

私なんぞが一から書くよりもずっと整理して書かれていましたので、内科学会に所属されて学会誌が届いている全ての先生方に、是非ご一読をお願いしたいところですが、学生さんや若い先生で、アクセスできない方もあろうかと思いますので、内容をかいつまんで紹介します。




薬剤性肺障害は現在でも非常に重要な疾患群ですが、さらに今後ますます重要度が高まると考えられています。

それはなぜか。
近年どんどん開発されている、抗癌剤(分子標的薬)、抗リウマチ薬などの副作用として多く見られるものであるため、今後ますます症例数の増加が予想され、また、欧米人よりも、日本人に発現頻度が高く、遺伝的素因が考えられていることもあります。



診断について

やはり、まずは薬剤性肺障害を疑うことが重要で、薬剤投与、摂取歴を詳細に聴取すること、もちろんこれは内科医の基本ではありますが、呼吸器内科医では特に求められるスキルであります。

特に、比較的急性〜亜急性に発症し、典型的な特発性間質性肺炎の画像に合致しないようなパターンを取っていると、疑われることが多いです。

薬剤性肺障害の可能性があると判断した場合には、被疑薬でそれまでに薬剤性肺障害の報告があるかどうか、あれば、その臨床病型(表現型:CTのパターンや他の検査所見、臨床経過など)はこのたびのepisodeに合致するか、を確認する必要があります。

診断基準は、以下の通り。

  • 原因となる薬剤の投与歴があること

  • 臨床・画像・病理所見が被疑薬剤に関する過去の報告と一致すること

  • 薬剤以外の原因を除外すること

  • 被疑薬剤の中止により改善すること

  • 再投与により症状が再燃すること


再投与は今では倫理的に問題があり、行いません。



薬剤以外の原因、特に、すりガラス影を呈する間質性肺炎の原因となる感染症の除外は重要です。ニューモシスチス肺炎やサイトメガロウイルスをはじめとするウイルス性肺炎では、抗原や血清マーカーがいくつか適用でき、鑑別に役立ちます。

診断の参考に、薬剤リンパ球刺激試験(DLST)がしばしば実施されますが、偽陽性、偽陰性が多く、結果の解釈はしばしば難しいものです。なかなかクリアカットにこの数字を満たしたら診断、といえるものはありません。

最終的には経過を含めた総合判断、ということになり、臨床的センスが問われるところであります。


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posted by 長尾大志 at 11:12 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月25日

間質性肺疾患7・原因が特定できる=特発性群じゃないやつ

原因が特定できる間質性肺炎は、原因ごとに予後、治療法が異なるため、分類も原因ごとに行います。

主な原因は、以下の通りです。

薬剤
膠原病
粉塵曝露(職業・環境)
 過敏性肺臓炎・じん肺・金属肺
 放射線肺臓炎・酸素中毒
感染
 ウィルス・ニューモシスチス・結核
 サイトメガロ・マイコプラズマ・真菌



原因ごとに予後、治療法が異なるというのは、例えば薬剤であっても、
パラコートが原因の場合、病理組織はDADをとり、予後不良であるし、
イレッサが原因の場合、病理組織にかかわらず予後不良であるし、
ミノマイシンが原因の場合、好酸球性肺炎をとり、予後は比較的良好である、というようなことです。


また、膠原病が基礎にある場合、
筋症状のない皮膚筋炎(って、皮膚炎じゃないですよ!)は、病理組織がDADを取るような、きわめて予後の不良な間質性肺炎を引き起こしますが、慢性関節リウマチなんかですと、特発性よりむしろゆっくり進行する例が多い、とかですね。


明日からは、どの科に行っても遭遇するであろう、薬剤性の肺障害について取り上げようと思います。


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posted by 長尾大志 at 12:21 | Comment(2) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月24日

間質性肺疾患6・NSIP : nonspecific interstitial pneumonia(非特異性間質性肺炎)

NSIP : nonspecific interstitial pneumoniaは、1994年Katzensteinにより提唱された、間質性肺炎で最も新しい疾患概念です。


提唱された当初は、これまでに分類されていた間質性肺炎の、どのタイプにも当てはまらない病理パターンがあるな〜、という感じで、今までになかったやつ、という意味で“nonspecific=非特異性”なんちゅう名前がついてしまったのですね。


気軽に、「じゃあこれもnonspecificで、これも、これも」と、症例を集積していったら、修正されるタイミングのないまま今に至ってしまった、ある意味かわいそうな?疾患群です。


で、意外に、似たような病理組織をパターン分類してまとめてみると、症例数も結構多かったりして。
名前からして多そうなIPF=UIP(通常型間質性肺炎)に次いで多くみられます。



臨床的な特徴
亜急性の発症で徐々に進行します。IPFの「慢性」は、月〜年単位、「亜急性」は週〜月単位の変化を表します。

細胞型と線維化型があり、細胞型の予後はCOPとほぼ同等、つまり、結構よいです。
線維化型の予後は細胞型より悪いが、IPFよりはよく、ステロイド治療の甲斐があることが多いです。


HRCT(高分解CT)では蜂巣肺形成は少なく、すりガラス影や網状影主体です。分布はIPFと同じく、肺底部と胸膜直下優位となります。典型的には、気管支と血管の走行に沿って陰影が分布します。

NSIP: nonspecific interstitial pneumonia(非特異性間質性肺炎)の病理組織型もNSIP : nonspecific interstitial pneumonia(非特異性間質性肺炎)です。NSIPの病理組織を持ち、原因のない(わからない)特発性間質性肺炎をNSIPと呼ぶわけです。


病理学的には、比較的均一に肺胞壁が肥厚(細胞浸潤/線維化による)し、本来の肺組織構造は比較的保たれているのが特徴で、そのために病変に比較的可逆性が見られるわけです。


NSIPの病理組織パターンは、膠原病肺・薬剤・感染・過敏性肺臓炎で多く見られます。

特に膠原病の場合には、肺病変先行型であったりすると、当初特発性と考えていたが、あとからリウマチが発症したとか、結構ありがちで、特発性の診断には慎重であるべきです


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posted by 長尾大志 at 11:55 | Comment(2) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月23日

間質性肺疾患5・COP: cryptogenic organizing pneumonia(特発性器質化肺炎)

Epler, Colbyらが1983~1985年にかけて提唱した疾患概念(当初はBOOPと呼ばれる)です。


臨床的な特徴
亜急性の発症で徐々に進行します。IPFの「慢性」は、月〜年単位、「亜急性」は週〜月単位の変化を表します。時に自然消退もあるほどで、一般的にはステロイドが著効し、予後良好といわれています。


画像所見は一見細菌性肺炎に似た、浸潤影が胸膜直下主体・斑状に分布します。器質化肺炎は肺胞を埋め尽くす病変が多いため、間質性肺炎なのですが浸潤影よりの濃い陰影を取ることが多いとされています。

また、教科書によっては1/3の症例で移動する、と書かれていたりしますが、実際、病変がえっちらおっちら移動するはずもなく、ある部分が自然消退して別の部分に新病変が出てきたのを、そう表現していると思って下さい。


特発性器質化肺炎(COP: cryptogenic organizing pneumonia)の病理パターンはOP: organizing pneumonia(器質化肺炎)です。

肺胞領域の胞隔炎・浸出液(器質化肺炎:OP)と、細気管支のポリープ様閉塞性変化(閉塞性細気管支炎:BO)が特徴的であることから、一時期BO+OP=BOOPという名称が使われていたこともありました。が、なぜか、いつの間にか、COPに取って代わられました…。


OP: organizing pneumonia(器質化肺炎)の病理組織は、感染症・膠原病・薬剤性間質性肺炎・悪性腫瘍などでも見られます。OPの病理組織を持ち、原因のない(わからない)特発性間質性肺炎をCOPと呼ぶわけです。

さらっと書きましたが、潜在性の悪性腫瘍に伴って、OP病変が肺に出現することがあるため、安易にCOPという診断を下すのではなく、基礎疾患(特に悪性腫瘍)をしっかり除外する必要があるのです。


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posted by 長尾大志 at 19:23 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月22日

間質性肺疾患4・IPF: idiopathic pulmonary fibrosis(特発性肺線維症)

IPFは、慢性型で線維化のある間質性肺炎で、ゆっくり、着実に悪化し、ステロイドの効果は限定的とされています。

肺の下・外側(肺の中で一番よく動くところ)に間質性肺炎〜線維化病変(蜂巣肺)が生じ、硬くなることで肺が動かなくなり、拘束性障害となります。

身体所見としてばち指や捻髪音(ベルクロラ音・fine crackles)が特徴的です。


HRCT(高分解CT)で肺底部と胸膜直下優位に浸潤影・すりガラス影・蜂巣肺形成を認めます。典型的なものは、それだけでIPFの診断基準にも用いられるほど特徴的で、UIPパターンとも呼ばれています。


特発性肺線維症(IPF : idiopathic pulmonary fibrosis)の病理組織型は通常型間質性肺炎(UIP : usual interstitial pneumonia)です。その名の通り、間質性肺炎の中では通常よく見られる病型、とされてきました。

UIPの病理組織は、膠原病・石綿肺・慢性過敏性肺臓炎・薬剤性間質性肺炎などでも見られます。UIPの病理組織を持ち、原因のない(わからない)特発性間質性肺炎をIPFと呼ぶわけです。


治療は、ガイドラインにはステロイド+免疫抑制薬(アザチオプリン・シクロホスファミド・シクロスポリン)と書いてありますが、本物の?IPFでは効果がなかなか難しいのが現実です。

抗線維化薬として鳴り物入りで登場したピルフェニドン(ピレスパ)にしても、進行してしまった線維化を戻す能力は期待できませんので、軽症例で進行を抑える、というのが現実的な使い方かもしれません。でも軽症例で使うには、副作用が多すぎてためらわれることも多いです。


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posted by 長尾大志 at 18:16 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月21日

間質性肺疾患3・特発性群の分類2

昨日挙げた7つの病名、病理所見名をごらんになって、
途方に暮れた方も多いと思います。

特に専門家になるのでなければ、さしあたり、
頻度の多い下の3疾患を覚えましょう。


IPF
病名:IPF: idiopathic pulmonary fibrosis(特発性肺線維症)
病理:UIP: usual interstitial pneumonia(通常型間質性肺炎)


NSIP
病名:NSIP: nonspecific interstitial pneumonia(非特異性間質性肺炎)
病理:NSIP: nonspecific interstitial pneumonia(非特異性間質性肺炎)


COP
病名:COP: cryptogenic organizing pneumonia(特発性器質化肺炎)
病理:OP: organizing pneumonia(器質化肺炎)


病理所見によって分類されてはいますが、
現在、これらの疾患を診断するために生検を行うことはほとんどありません。

というのも、これらの疾患を診断するためには、
1cm程度の大きな組織が必要だからです。

それほどの大きさの組織を得るのは、気管支鏡では無理で、胸腔鏡を用いた生検(外科的肺生検)が必要なのですが、これは侵襲が大きく、しばしば急性悪化の原因にもなります。

また、HRCTにより多くの情報が得られるようになってきたことから、HRCTなどから病理組織を「推測」し、病名診断を行うことが多くなってきています。

それぞれの特徴を明日から挙げていきます。

教科書的な、細かいことは、成書に譲り、大きくつかんでいただけるような事柄を書いていこうと思います。

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posted by 長尾大志 at 23:59 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月20日

間質性肺疾患2・特発性群の分類

疾患群を分類する理由は、予後を推定し適切な治療を行うためです。
分類あるところに治療あり。ん?治療あるところに分類あり、でしょうか。

例えば、大まかに言って以下のような特徴があります。

AIP:急性で予後不良
NSIP・COP:亜急性・ステロイドはCOPとNSIPの一部(細胞型)に効果有り
IPF:慢性でステロイド単独ではしばしば効果がない


IIP: idiopathic interstitial pneumonitis(特発性間質性肺炎群)には、
以下の7つの分類があります。


病名の分類

IPF: idiopathic pulmonary fibrosis
 (特発性肺線維症)
NSIP: nonspecific interstitial pneumonia
 (非特異性間質性肺炎)
COP: cryptogenic organizing pneumonia
 (特発性器質化肺炎)
AIP: acute interstitial pneumonia
 (急性間質性肺炎)
RB-ILD: respiratory bronchiolitis associated interstitial lung disease
 (呼吸細気管支炎を伴う間質性肺炎)
DIP: desquamative interstitial pneumonia
 (剥離性間質性肺炎)
LIP: lymphocytic interstitial pneumonia
 (リンパ球性間質性肺炎)


この「病名」に対応する「病理所見」が、以下の7つです。
これらは、通常「〜パターン」と呼ばれています。


病理組織のパターン分類

UIP: usual interstitial pneumonia
 (通常型間質性肺炎)
NSIP: nonspecific interstitial pneumonia
 (非特異性間質性肺炎)
OP: organizing pneumonia
 (器質化肺炎)
DAD: diffuse alveolar damage
 (びまん性肺胞障害)
RB-ILD: respiratory bronchiolitis associated interstitial lung disease
 (呼吸細気管支炎を伴う間質性肺炎)
DIP: desquamative interstitial pneumonia
 (剥離性間質性肺炎)
LIP: lymphocytic interstitial pneumonia
 (リンパ球性間質性肺炎)


初学者の方がわかりにくいのは、この「病名」と「病理所見」が微妙に
一致していたりしていなかったりするからでしょう。

長い歴史の中で、色々な病名の混乱・変遷・統合があったためにこうなってしまったのですが、今となっては迷惑なだけですね。

「病名」と「病理所見」の対応は、以下の通りです。























病名病理所見
IPFUIP
NSIPNSIP
COPOP
AIPDAD
RB-ILDRB-ILD
DIPDIP
LIPLIP



つまり、UIP: usual interstitial pneumonia(通常型間質性肺炎)という病理組織を持つ、原因のない(わからない)特発性間質性肺炎をIPF: idiopathic pulmonary fibrosis(特発性肺線維症)と呼び、

NSIP: nonspecific interstitial pneumonia(非特異性間質性肺炎)という病理組織を持つ、原因のない(わからない)特発性間質性肺炎をNSIP: nonspecific interstitial pneumonia(非特異性間質性肺炎)と呼び、

OP: organizing pneumonia(器質化肺炎)という病理組織を持つ、原因のない(わからない)特発性間質性肺炎をCOP: cryptogenic organizing pneumonia(特発性器質化肺炎)と呼び、

DAD: diffuse alveolar damage(びまん性肺胞障害)という病理組織を持つ、原因のない(わからない)特発性間質性肺炎をAIP: acute interstitial pneumonia(急性間質性肺炎)と呼び、

RB-ILD: respiratory bronchiolitis associated interstitial lung disease(呼吸細気管支炎を伴う間質性肺炎)という病理組織を持つ、原因のない(わからない)特発性間質性肺炎をRB-ILD: respiratory bronchiolitis associated interstitial lung disease(呼吸細気管支炎を伴う間質性肺炎)と呼び、

DIP: desquamative interstitial pneumonia(剥離性間質性肺炎)という病理組織を持つ、原因のない(わからない)特発性間質性肺炎をDIP: desquamative interstitial pneumonia(剥離性間質性肺炎)と呼び、

LIP: lymphocytic interstitial pneumonia (リンパ球性間質性肺炎)という病理組織を持つ、原因のない(わからない)特発性間質性肺炎をLIP: lymphocytic interstitial pneumonia (リンパ球性間質性肺炎)と呼ぶ、ということです。


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posted by 長尾大志 at 06:37 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月19日

間質性肺疾患1・特発性か、それ以外(原因のあるもの)か

間質性肺炎の分類を考えるときに大事なことは、原因のあるものか、ない(わからない)ものか、を分けるということです。

原因のない(わからない)ものを、特発性の間質性肺炎(群)といいます。
IIP: idiopathic interstitial pneumonitis(特発性間質性肺炎群)

原因のわかっているものは、その原因に応じて分類します。

なぜ、このように分けるかというと…。
特発性群の予後、治療は病理学的な分類で決まるのに対し、原因のわかっているものは(病理学的にもある程度規定されるとはいえ)、その原因に予後、治療が左右されることが多いからです


間質性肺炎の主な原因
薬剤
粉塵曝露(職業・環境)
 過敏性肺臓炎・じん肺・金属肺
 放射線肺臓炎・酸素中毒
感染
 ウィルス・ニューモシスチス・結核
 サイトメガロ・マイコプラズマ・真菌
膠原病


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posted by 長尾大志 at 10:10 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ

2011年03月17日

間質性肺疾患シリーズ開幕にあたって

学生さんや若い先生で、必ずつまずくポイントになっているといえば、間質性肺疾患のところでしょう。

まず第一に、用語が色々あって、よくわからない。
そして、定義が混沌としている。病気と病理がごっちゃ。

私自身、なかなか整理できませんでした。若い非専門の先生方はなおさらだと思います。

授業や講義において、解説にはかなり時間をかけているつもりですが、ポリクリなどでは時間の関係で触れられないことも多く、忸怩たる思いでいるのです。この機会に、じっくりと取り上げてみたいと思います。

ただ、かなり膨大であるので、シリーズを一気にやるのは難しいかもしれません(これからテキスト化していきますので、どんな感じで進んでいくかはちょっと不確定です)。ある程度のところで区切るか、休み休み行くことになるかもしれませんが、その辺はご容赦下さい。



そもそも、間質性肺疾患というと、間質性肺炎だけでなく、サルコイドーシスやら癌性リンパ管症やらを含めるとあまりにも範囲が広範になるので、まずは、間質性肺炎に絞って考えましょう。



間質性肺炎とは、肺の実質でなく、間質の炎症です。



実質とは何か?

肺の果たすべき役割を行うところ、つまり、肺胞隔壁(肺胞上皮)と肺胞腔内(空気のところ)です。



それに対して間質とは何か?

実質以外のところ、つまり、肺胞隔壁でも上皮と隣の肺胞上皮の間(裏側)、結合組織と考えましょう。


間質と実質図.jpg


一般的に「間質」というと上記を指します(狭義の間質)。上皮と上皮の間ですから、nm〜μmという単位の話です。実は広義の間質というものがあって、肺胞の集まりである二次小葉の間を区切る小葉間隔壁などを指すのですが、それはもう少し大きい、mm〜cm単位での話になります。ここもごっちゃになっている人が多いように思います。

今回取り上げるのは、狭義の間質の方です。広義のことはいったん忘れて下さい。



実質が炎症を起こすとき、炎症細胞(主にリンパ球、好中球など)は肺胞腔内に分布し、浸出液が肺胞腔内を充満します。

それに対して、間質の炎症では、炎症細胞(主にリンパ球)肺胞の壁内、いわゆる「間質」に分布します。


すりガラス影浸潤影.jpg


そのため、実質性肺炎では、水の含有度合いが大きい「浸潤影」になり、間質性肺炎では、空気の含有度合いが大きい「すりガラス影」になるのです。


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posted by 長尾大志 at 10:05 | Comment(0) | 間質性肺疾患シリーズ