繰り返し広域抗生剤を使っていて、肺に空洞形成を起こすような病変を生じる…
しかも、β-D-グルカンが0→20に上昇と来れば、やはり、アスペルギルスを疑いたいところです。
本症例では、アスペルギルス抗原陽性となり、診断され、L-AMBを使用開始しました。
ここまで読んでこられた皆さんなら、簡単でしたよね。
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2011年06月21日
2011年06月20日
今日の症例・真菌編2
肺癌の化学療法中、繰り返しFN(発熱性好中球減少症)を来していた患者さんです。発熱の都度、繰り返し血液培養を施行していたものの、起因菌はわかっていませんでした。
何度も広域抗生剤を使っていたら…。
こうだったものが



こんな感じに。



おお、空洞形成!
しかも、β-D-グルカンが0→20に上昇。
さて、何を想定しますか?
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何度も広域抗生剤を使っていたら…。
こうだったものが



こんな感じに。



おお、空洞形成!
しかも、β-D-グルカンが0→20に上昇。
さて、何を想定しますか?
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posted by 長尾大志 at 12:51
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2011年06月14日
昨日の今日の症例・真菌編 回答
喘息で吸入ステロイド導入し、通院中に、咳と痰が多い。と来院された患者さん。
胸部レントゲン写真とCTで…


棒みたいに見えるもの…
これぞ、粘液栓(子)。
というわけで、IgEや抗体陽性を確認し、ABPAと診断しました。
ステロイド(PSL 20mg)投与で改善!

…したのですが、5mgまでtaperしたところで再燃。

うーむ。ITCZ投与で!

軽快しました。
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胸部レントゲン写真とCTで…

棒みたいに見えるもの…
これぞ、粘液栓(子)。
というわけで、IgEや抗体陽性を確認し、ABPAと診断しました。
ステロイド(PSL 20mg)投与で改善!

…したのですが、5mgまでtaperしたところで再燃。

うーむ。ITCZ投与で!

軽快しました。
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posted by 長尾大志 at 08:38
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2011年06月13日
今日の症例・真菌編
喘息で吸入ステロイド導入し、通院中の患者さん。
ずいぶん長い間少量の吸入ステロイドで維持できていたのに、なんだか最近、咳と痰が多い。と来院されました。
胸部レントゲン写真を撮ってみると…。

おお!?ここが!まあ死角ですけどね。
CTを見てみましょう。

棒みたいに見えるもの…
これ、何でしょうか?
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ずいぶん長い間少量の吸入ステロイドで維持できていたのに、なんだか最近、咳と痰が多い。と来院されました。
胸部レントゲン写真を撮ってみると…。

おお!?ここが!まあ死角ですけどね。
CTを見てみましょう。

棒みたいに見えるもの…
これ、何でしょうか?
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posted by 長尾大志 at 12:48
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2011年06月10日
真菌症のちょっとしたこと9・治療薬のこと
このブログでは、あまり特定の薬剤について云々することはしないようにしています(どれかだけをほめるとか、けなすとか…特定の製薬会社さんに偏らないようにしたいので)。
ただ、抗真菌薬については、数も少なく、特徴もハッキリしているので、少し私の印象というものを申し上げておきます。
■ファンガード(ミカファンギン MCFG)
よく使われているように思いますが、その主な理由が、副作用が少なく、併用注意もない、つまり、何も考えなくても安全に使えるからではないかと思います。
特に専門外の先生にとっては、何も考えずに使えるというのはポイントが高いため、頻用される傾向にあります。
ただ、効果という点においては、カンジダにはいいが、カンジダ以外にはどうか、というところがあるため、カンジダ以外の起因菌が想定されるときにはお勧めできないように思います。
■プロジフ、ジフルカン(フルコナゾール F-FLCZ、FLCZ)
カンジダ、クリプトコッカスによく、髄液移行も良好です。予防投与を含め、よく使われていますが、アスペルギルスには無効です。
■ブイフェンド(ボリコナゾール VRCZ)
カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスに効きますが、接合菌には効きません。何となくアムホテリシンBより安全そうなイメージと、発売時の「アムホテリシンBと同等以上」という謳い文句があり、アスペルギルスを疑う場合の第1選択になっています。
■アムビゾーム、ファンギゾン(アムホテリシンB L-AMB、AMPH)
接合菌までカバーするスペクトラムの広さと、殺菌力の強さ、それと引き替えの毒性の強さから、使用するには習熟が必要な薬剤でしたが、リポソーム製剤のL-AMBが出現してからはかなり使いやすくなったと思います。
■イトリゾール(イトラコナゾール ITCZ)
カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスに効きます。当初カプセル剤しかなく、血中濃度が上がらず全然効かなかったことから、印象があまりよくないのですが、注射剤、内用液の登場で効果的には使いやすくなっています。しかし、併用注意が多かったりして、相変わらず「色々考えて使う必要がある」状況です。そのため人気がないのでしょうか。
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ただ、抗真菌薬については、数も少なく、特徴もハッキリしているので、少し私の印象というものを申し上げておきます。
■ファンガード(ミカファンギン MCFG)
よく使われているように思いますが、その主な理由が、副作用が少なく、併用注意もない、つまり、何も考えなくても安全に使えるからではないかと思います。
特に専門外の先生にとっては、何も考えずに使えるというのはポイントが高いため、頻用される傾向にあります。
ただ、効果という点においては、カンジダにはいいが、カンジダ以外にはどうか、というところがあるため、カンジダ以外の起因菌が想定されるときにはお勧めできないように思います。
■プロジフ、ジフルカン(フルコナゾール F-FLCZ、FLCZ)
カンジダ、クリプトコッカスによく、髄液移行も良好です。予防投与を含め、よく使われていますが、アスペルギルスには無効です。
■ブイフェンド(ボリコナゾール VRCZ)
カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスに効きますが、接合菌には効きません。何となくアムホテリシンBより安全そうなイメージと、発売時の「アムホテリシンBと同等以上」という謳い文句があり、アスペルギルスを疑う場合の第1選択になっています。
■アムビゾーム、ファンギゾン(アムホテリシンB L-AMB、AMPH)
接合菌までカバーするスペクトラムの広さと、殺菌力の強さ、それと引き替えの毒性の強さから、使用するには習熟が必要な薬剤でしたが、リポソーム製剤のL-AMBが出現してからはかなり使いやすくなったと思います。
■イトリゾール(イトラコナゾール ITCZ)
カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスに効きます。当初カプセル剤しかなく、血中濃度が上がらず全然効かなかったことから、印象があまりよくないのですが、注射剤、内用液の登場で効果的には使いやすくなっています。しかし、併用注意が多かったりして、相変わらず「色々考えて使う必要がある」状況です。そのため人気がないのでしょうか。
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posted by 長尾大志 at 09:27
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2011年06月09日
真菌症のちょっとしたこと8・クリプトコッカス感染症と接合菌症
この辺まで来ると、かなりレア感が漂い、もはや「ちょっとしたこと」ではないような気もしますが。
知っておいた方がいいポイントを箇条書きにします。
■クリプトコッカスの肺感染症は健常者にも無症状の結節を作ります。肺病変が生じること自体はまれですが、中枢神経系への親和性が高く、しばしば脳や髄膜に移行し、髄膜炎などの原因となるため、肺病変を診断した場合でも髄液検査が必要です。
■クリプトコッカスと接合菌症、いずれも深在性真菌症であってもβ-D-グルカン値の上昇は見られません。
血清クリプトコッカス抗原は測定可能で、ある程度以上の大きさ(2cm以上)の場合に陽性となりますが、小さい病変の場合には気管支鏡による生検でもアプローチが難しく、診断確定が難しいことがあります。
■治療では、一般的に「真菌症」によく使われるMCFG(ミカファンギン=ファンガード)は全くクリプトコッカスに効きませんので、注意が必要です。
■接合菌はムーコル(ムコール)をはじめとする菌類の総称で、生前診断は極めて難しく、かつ治療薬もほとんどない、大変難しい菌です。治療で効果がありそうなのはL-APB(アムビゾーム)のみでしょう。
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知っておいた方がいいポイントを箇条書きにします。
■クリプトコッカスの肺感染症は健常者にも無症状の結節を作ります。肺病変が生じること自体はまれですが、中枢神経系への親和性が高く、しばしば脳や髄膜に移行し、髄膜炎などの原因となるため、肺病変を診断した場合でも髄液検査が必要です。
■クリプトコッカスと接合菌症、いずれも深在性真菌症であってもβ-D-グルカン値の上昇は見られません。
血清クリプトコッカス抗原は測定可能で、ある程度以上の大きさ(2cm以上)の場合に陽性となりますが、小さい病変の場合には気管支鏡による生検でもアプローチが難しく、診断確定が難しいことがあります。
■治療では、一般的に「真菌症」によく使われるMCFG(ミカファンギン=ファンガード)は全くクリプトコッカスに効きませんので、注意が必要です。
■接合菌はムーコル(ムコール)をはじめとする菌類の総称で、生前診断は極めて難しく、かつ治療薬もほとんどない、大変難しい菌です。治療で効果がありそうなのはL-APB(アムビゾーム)のみでしょう。
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posted by 長尾大志 at 09:35
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2011年06月08日
真菌症のちょっとしたこと7・アスペルギローマと、アスペルギローシス(と、ABPA)の違い3・ABPA(アレルギー性気管支肺アスペルギルス症)
ABPA(アレルギー性気管支肺アスペルギルス症)は、感染症というか、アレルギー疾患というか、両方の性格がありますので、教科書でも載せるところに困っていたり、変なところに載っていたりします。そのためか、なじみが薄く、よくご存じない人が多いように思います。
理屈としては、気管支の中に粘液栓の形で住み着いているアスペルギルスのかたまりに対してアレルギー反応が起こっている、こう考えるとわかりやすいですね。
症状としては、喘息様の発作があり、好酸球も増えます。
ですので、治療はアレルギー反応を抑えるためのステロイド投与、となるわけです。それで症状が治まり、アスペルギルスが出ていってくれれば一件落着なのですが、しつこく居ついている場合は、抗真菌薬投与を行うこともあります。
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理屈としては、気管支の中に粘液栓の形で住み着いているアスペルギルスのかたまりに対してアレルギー反応が起こっている、こう考えるとわかりやすいですね。
症状としては、喘息様の発作があり、好酸球も増えます。
ですので、治療はアレルギー反応を抑えるためのステロイド投与、となるわけです。それで症状が治まり、アスペルギルスが出ていってくれれば一件落着なのですが、しつこく居ついている場合は、抗真菌薬投与を行うこともあります。
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posted by 長尾大志 at 14:45
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2011年06月07日
真菌症のちょっとしたこと6・アスペルギローマと、アスペルギローシス(と、ABPA)の違い2・アスペルギローシス
アスペルギローシスは深在性のアスペルギルス症で、侵襲性アスペルギルス症と呼ばれます。全身的に免疫力が低下した状態で、肺や他の臓器の中に直接菌糸が入り込んできます。
免疫力が低下した状態、というのは、以下のような場合。
一般的にT細胞の働きが弱っている場面で起こりがちです。
冒される臓器は、まず進入する肺から、血行性に全身に及びます。
好中球減少患者さんの病変部では血栓や梗塞を作り、それによる出血や浮腫を反映したhalo signが見られ、特異的所見といわれています。
また、好中球の回復とともに、好中球が壊死組織を処理して病変部に空洞ができ、 air-crecsent sign が見られます。
侵襲性アスペルギルス症は免疫能が落ちた方に起こるため、気管支鏡など、検査が困難であることも多く、生前!診断がつきにくい疾患であります(剖検で診断されることが多いわけですね…)。
幸いボリコナゾールやL-AMBなど、強力な治療薬が使えるようになっていますから、疑わしい症例には逡巡することなく、治療をはじめるべきです。
アスペルギローマと侵襲性アスペルギルス症の間のような、慢性壊死性肺アスペルギルス症という病態もあります。これは侵襲性アスペルギルス症ほどではない、軽度の免疫低下がある患者さんに起こるものです。アスペルギローマとは異なり、肺実質に浸潤していきますが、進行は比較的ゆっくりです。
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免疫力が低下した状態、というのは、以下のような場合。
- 好中球減少
- ステロイド大量長期投与
- 免疫抑制薬投与
- 既存の肺病変
- 低栄養
- 糖尿病
- ADL低下
一般的にT細胞の働きが弱っている場面で起こりがちです。
冒される臓器は、まず進入する肺から、血行性に全身に及びます。
好中球減少患者さんの病変部では血栓や梗塞を作り、それによる出血や浮腫を反映したhalo signが見られ、特異的所見といわれています。
また、好中球の回復とともに、好中球が壊死組織を処理して病変部に空洞ができ、 air-crecsent sign が見られます。
侵襲性アスペルギルス症は免疫能が落ちた方に起こるため、気管支鏡など、検査が困難であることも多く、生前!診断がつきにくい疾患であります(剖検で診断されることが多いわけですね…)。
幸いボリコナゾールやL-AMBなど、強力な治療薬が使えるようになっていますから、疑わしい症例には逡巡することなく、治療をはじめるべきです。
アスペルギローマと侵襲性アスペルギルス症の間のような、慢性壊死性肺アスペルギルス症という病態もあります。これは侵襲性アスペルギルス症ほどではない、軽度の免疫低下がある患者さんに起こるものです。アスペルギローマとは異なり、肺実質に浸潤していきますが、進行は比較的ゆっくりです。
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2011年06月06日
真菌症のちょっとしたこと5・アスペルギローマと、アスペルギローシス(と、ABPA)の違い1・アスペルギローマ
アスペルギルスは真菌なわけで、空中に胞子が浮いています。それを吸い込んで体内に入る。通常の免疫力がある人で感染が成立することはありませんが、何らかの理由で免疫力が低下していると感染が成立します。
〜omaというのは、かたまりを意味します。
元々結核や嚢胞性肺疾患などでできた空洞部分、そこは通常の免疫が働きません。そのため、その「場」にはアスペルギルスが生育します。
生育した菌体はキノコのようなかたまりを作り(菌球=fungus ball)、空洞いっぱいになるまで発育します。が、空洞の外は通常の免疫力が働いているため、空洞の外にはみ出して発育することはありません。
キノコ成分が空洞をうめてくると、残存している空気部分が三日月状になり、 air-crecsent sign と呼ばれる状態になります。
無症状のことも多いのですが、血痰や喀血を来すこともあり、治療を要します。治療は切除が原則ですが、患者さんの状態によって、抗真菌薬を使われることもあります。
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〜omaというのは、かたまりを意味します。
元々結核や嚢胞性肺疾患などでできた空洞部分、そこは通常の免疫が働きません。そのため、その「場」にはアスペルギルスが生育します。
生育した菌体はキノコのようなかたまりを作り(菌球=fungus ball)、空洞いっぱいになるまで発育します。が、空洞の外は通常の免疫力が働いているため、空洞の外にはみ出して発育することはありません。
キノコ成分が空洞をうめてくると、残存している空気部分が三日月状になり、 air-crecsent sign と呼ばれる状態になります。
無症状のことも多いのですが、血痰や喀血を来すこともあり、治療を要します。治療は切除が原則ですが、患者さんの状態によって、抗真菌薬を使われることもあります。
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posted by 長尾大志 at 12:26
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2011年06月03日
真菌症のちょっとしたこと4・ニューモシスチス肺炎
β-D-グルカンの高値が見られる真菌症のうち、緊急性が高いものとして、ニューモシスチス肺炎が挙げられます。
おそらく今の学生さん、若い先生方はこの病原体について、最初からニューモシスチス・イロヴェツィーとして習っておられるでしょうが、私たちの世代では「カリニ肺炎」と呼ばれていました。
ニューモシスチス・イロヴェツィー(Pneumocystis jirovecii)は、かつては原虫とかいろいろいわれていたのが、10年ぐらい前に遺伝子解析で真菌と決着した、何とも曖昧な立ち位置の微生物です。
多くのほ乳類に感染するのですが、種によって固有のものが感染します。かつての名称であるニューモシスチス・カリニ (Pneumocystis carinii)が動物由来のものを示す名称となり、ヒト由来のものはニューモシスチス・イロヴェツィーと呼ばれるようになりました。
なお、jiroveciiは人名で、日本語で大変表現しにくいため、本によってイロベッチやイロベチーとも表記されて混乱の元となっています。
そんなわけで、変な混乱を避けるべく、ニューモシスチス肺炎と呼ばれるようになったこの病気です。
こういうエピソードは、布袋寅泰の名前が読めない人が「ほていさん」といってたり、小倉優子の名字がオグラかコクラかわからない人が「ゆうこりん」と呼んだり、というのに似た、そこはかとないごまかし感を感じますねー。
閑話休題。ニューモシスチス肺炎は、HIV感染からAIDSを発症し、CD4 陽性Tリンパ球が減少した患者さん、あるいは膠原病やリウマチ性疾患でステロイド使用中の、免疫抑制状態にある患者さん、血液腫瘍や骨髄・臓器移植後の患者さんに発症します。
他の真菌と比べてもβ-D-グルカン値は高めで、両側すりガラス影(地図状の分布)、A-aDO2開大(著明な低酸素)、LDH高値などの特徴的所見が見られます。
確定診断には気管支鏡によるBALで菌体を直接検出したり、PCRでDNAを検出したりします。
が、低酸素のため施行できないこと、あるいは施行しても検出できない(偽陰性)ことも
少なくないため、上記のリスクがあってβ-D-グルカン高値、CTでの特徴的な陰影から治療をはじめることも多いです。
治療は大量のST合剤+ステロイドを3週間。ステロイドを使うのは、呼吸不全の治療(予防)の意味合いがあります。
β-D-グルカンはニューモシスチス肺炎の診断時には大変役立つのですが、治療をして菌量が減ったからといって、すぐには低下しません。ですから、β-D-グルカンは治療経過を追うには不向きであると思っておきましょう。
リスクのある患者さんで定期的に測定し、上昇が見られたらすぐ検査、治療、というのが推奨される使い方だと思います。
治療の効果判定には、酸素飽和度や呼吸数、LDH値や炎症反応といったものが参考になります。胸部レントゲン写真は治療期間が終わってもきれいにならないこともあり、胸部レントゲン写真がきれいになっていない、という理由で治療を何週間もダラダラ続けることのないようにしましょう。
また、CMV(サイトメガロウイルス)肺炎がしばしば合併しがち、かつ悪化の原因になっているといわれています。特に免疫抑制剤を使用している方は、C7-HRPなど、定期的なチェックを。
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おそらく今の学生さん、若い先生方はこの病原体について、最初からニューモシスチス・イロヴェツィーとして習っておられるでしょうが、私たちの世代では「カリニ肺炎」と呼ばれていました。
ニューモシスチス・イロヴェツィー(Pneumocystis jirovecii)は、かつては原虫とかいろいろいわれていたのが、10年ぐらい前に遺伝子解析で真菌と決着した、何とも曖昧な立ち位置の微生物です。
多くのほ乳類に感染するのですが、種によって固有のものが感染します。かつての名称であるニューモシスチス・カリニ (Pneumocystis carinii)が動物由来のものを示す名称となり、ヒト由来のものはニューモシスチス・イロヴェツィーと呼ばれるようになりました。
なお、jiroveciiは人名で、日本語で大変表現しにくいため、本によってイロベッチやイロベチーとも表記されて混乱の元となっています。
そんなわけで、変な混乱を避けるべく、ニューモシスチス肺炎と呼ばれるようになったこの病気です。
こういうエピソードは、布袋寅泰の名前が読めない人が「ほていさん」といってたり、小倉優子の名字がオグラかコクラかわからない人が「ゆうこりん」と呼んだり、というのに似た、そこはかとないごまかし感を感じますねー。
閑話休題。ニューモシスチス肺炎は、HIV感染からAIDSを発症し、CD4 陽性Tリンパ球が減少した患者さん、あるいは膠原病やリウマチ性疾患でステロイド使用中の、免疫抑制状態にある患者さん、血液腫瘍や骨髄・臓器移植後の患者さんに発症します。
他の真菌と比べてもβ-D-グルカン値は高めで、両側すりガラス影(地図状の分布)、A-aDO2開大(著明な低酸素)、LDH高値などの特徴的所見が見られます。
確定診断には気管支鏡によるBALで菌体を直接検出したり、PCRでDNAを検出したりします。
が、低酸素のため施行できないこと、あるいは施行しても検出できない(偽陰性)ことも
少なくないため、上記のリスクがあってβ-D-グルカン高値、CTでの特徴的な陰影から治療をはじめることも多いです。
治療は大量のST合剤+ステロイドを3週間。ステロイドを使うのは、呼吸不全の治療(予防)の意味合いがあります。
β-D-グルカンはニューモシスチス肺炎の診断時には大変役立つのですが、治療をして菌量が減ったからといって、すぐには低下しません。ですから、β-D-グルカンは治療経過を追うには不向きであると思っておきましょう。
リスクのある患者さんで定期的に測定し、上昇が見られたらすぐ検査、治療、というのが推奨される使い方だと思います。
治療の効果判定には、酸素飽和度や呼吸数、LDH値や炎症反応といったものが参考になります。胸部レントゲン写真は治療期間が終わってもきれいにならないこともあり、胸部レントゲン写真がきれいになっていない、という理由で治療を何週間もダラダラ続けることのないようにしましょう。
また、CMV(サイトメガロウイルス)肺炎がしばしば合併しがち、かつ悪化の原因になっているといわれています。特に免疫抑制剤を使用している方は、C7-HRPなど、定期的なチェックを。
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posted by 長尾大志 at 11:51
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2011年06月02日
真菌症のちょっとしたこと3・β-D-グルカンのこと
若い先生は皆さん、検査とか測定が大好き?ですね。
患者さんのところへ行くよりも、PCの前でカタカタやりがち。
だもんで、あまり感度とか特異度とか、考えず、じゅうたん爆撃的に検査をオーダーして、なんか結果が出たら考える、みたいな情景をよく見かけます。
悪性腫瘍疑いの時や、膠原病の時なんかが多いでしょうか。本来、身体所見や生検などから診断がついてから、血清学的診断に行くべき、と私なんぞは思うのですが、考え方が古いのでしょうか。
真菌症がらみでいうと、β-D-グルカンという血清診断法があります。これは真菌の細胞壁に含まれる物質で、真菌による侵襲性病変のある患者さんで血中濃度が上がるというものです。
で、「測ってみたらβ-D-グルカンが高値。さあ何だろう?」となるわけです。
少なくとも、検査をオーダーする場合、「この数字が異常値を取れば、こうである可能性がある」、という見込みがあってオーダーをして欲しいわけですが、何となく、とか、上の先生に言われたから、とか、いろいろ突っ込みを入れたくなるような根拠でオーダーされていることも多いわけです。
とりあえずβ-D-グルカンは、真菌症で上がる。じゃあカンジダでしょうか?アスペルギルスでしょうか…。
ここでもやはり、患者さんの背景によって、何が疑わしいか、何の可能性があるかを考えておく必要があります。
おそらくβ-D-グルカンを測定している、ということは、それなりにリスクの高い、なんだか真菌が生えそうな患者さんだと思う(思いたい)ので、じゃあ一体、どんな状況だったらどういう真菌を疑うべきか、ということです。
まずは、深在性のカンジダ症を疑うべき状況です。
起こっている事象としては、菌血症や膿瘍などが挙げられます。
深在性のアスペルギルス症が疑われるのは、以下のような場合。
一般的にT細胞の働きが弱っている場面で起こりがちです。
冒される臓器は、まず進入する肺から、血行性に全身に及びます。
そして、もう一つ、β-D-グルカン高値となる重要疾患は、ニューモシスチス肺炎です。むしろ呼吸器領域ではこれが一番重要かもしれません。
なんかの時にリスクがあります。これは肺の病気です。
他の真菌と比べてもβ-D-グルカン値は高めで、両側すりガラス影(地図状の分布)、A-aDO2開大(低酸素)、LDH高値などの特徴的所見が見られます。
以上を逆に考えると、そもそも上に挙げた様な(カンジダ・アスペルギルス・ニューモシスチスの)リスクがある場合に限り、β-D-グルカンを測るべきなのですね。
あと、真菌といえば、クリプトコッカス、ムコール(ムーコル)などを思いつかれるかと思いますが、これらの真菌ではβ-D-グルカンの上昇は見られませんので、注意が必要です。
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患者さんのところへ行くよりも、PCの前でカタカタやりがち。
だもんで、あまり感度とか特異度とか、考えず、じゅうたん爆撃的に検査をオーダーして、なんか結果が出たら考える、みたいな情景をよく見かけます。
悪性腫瘍疑いの時や、膠原病の時なんかが多いでしょうか。本来、身体所見や生検などから診断がついてから、血清学的診断に行くべき、と私なんぞは思うのですが、考え方が古いのでしょうか。
真菌症がらみでいうと、β-D-グルカンという血清診断法があります。これは真菌の細胞壁に含まれる物質で、真菌による侵襲性病変のある患者さんで血中濃度が上がるというものです。
で、「測ってみたらβ-D-グルカンが高値。さあ何だろう?」となるわけです。
少なくとも、検査をオーダーする場合、「この数字が異常値を取れば、こうである可能性がある」、という見込みがあってオーダーをして欲しいわけですが、何となく、とか、上の先生に言われたから、とか、いろいろ突っ込みを入れたくなるような根拠でオーダーされていることも多いわけです。
とりあえずβ-D-グルカンは、真菌症で上がる。じゃあカンジダでしょうか?アスペルギルスでしょうか…。
ここでもやはり、患者さんの背景によって、何が疑わしいか、何の可能性があるかを考えておく必要があります。
おそらくβ-D-グルカンを測定している、ということは、それなりにリスクの高い、なんだか真菌が生えそうな患者さんだと思う(思いたい)ので、じゃあ一体、どんな状況だったらどういう真菌を疑うべきか、ということです。
まずは、深在性のカンジダ症を疑うべき状況です。
- カテーテルが留置されている
- 繰り返し広域抗生剤を使用されていた
- 絶食/中心静脈栄養
- 腹部手術・穿孔の病歴
- 糖尿病や透析
- 悪性腫瘍があり、化学療法を受けたりしている
- 白血球減少
起こっている事象としては、菌血症や膿瘍などが挙げられます。
深在性のアスペルギルス症が疑われるのは、以下のような場合。
- 好中球減少
- ステロイド大量長期投与
- 免疫抑制薬投与
- 既存の肺病変
- 低栄養
- 糖尿病
- ADL低下
一般的にT細胞の働きが弱っている場面で起こりがちです。
冒される臓器は、まず進入する肺から、血行性に全身に及びます。
そして、もう一つ、β-D-グルカン高値となる重要疾患は、ニューモシスチス肺炎です。むしろ呼吸器領域ではこれが一番重要かもしれません。
- HIV感染症
- 膠原病・リウマチ性疾患に対するステロイド長期投与
- 膠原病・リウマチ性疾患に対する免疫抑制薬投与
- 骨髄・臓器移植後
- 血液疾患
なんかの時にリスクがあります。これは肺の病気です。
他の真菌と比べてもβ-D-グルカン値は高めで、両側すりガラス影(地図状の分布)、A-aDO2開大(低酸素)、LDH高値などの特徴的所見が見られます。
以上を逆に考えると、そもそも上に挙げた様な(カンジダ・アスペルギルス・ニューモシスチスの)リスクがある場合に限り、β-D-グルカンを測るべきなのですね。
あと、真菌といえば、クリプトコッカス、ムコール(ムーコル)などを思いつかれるかと思いますが、これらの真菌ではβ-D-グルカンの上昇は見られませんので、注意が必要です。
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posted by 長尾大志 at 10:21
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2011年06月01日
真菌症のちょっとしたこと2・カンジダ肺炎?
いきなり全否定します。
いわゆる「肺炎」という意味では、カンジダ肺炎って、まずありません。
もちろん、免疫力が低下したときに全身に生じる血行性播種の一環としての肺病変はあり得るので、「絶対ないです」とは言えませんが、かなりまれです。
「喀痰からカンジダが生えています。カンジダ肺炎ではありませんか?」という質問をされたら、「ああ、この先生、何も…」と思います。
カンジダが、経気道的に肺に進入して病巣を作ることはまずありません。しかし、抗生剤の使用で他の常在菌が死滅した結果、カンジダが生き残り増殖していくことはしばしばあり、そのために喀痰から検出されることはよくあるのです。その場合はただ「定着」しているだけ、と見守るだけでいいのです。
逆に、カンジダが検出されたときに治療対象となる検体は、何はともあれ血液。それ以外には、髄液とか、膿瘍などを穿刺した穿刺液などです。そのあたりから検出された場合、深在性真菌症である、ということですから、直ちに治療開始します。
昨日の記事で書いたような、肺炎で入院した患者さん、広域抗生剤開始したが、なかなか良くならない、という症例は、以下のような可能性が考えられます。
そのあたりの判断は、正しい知識がないと苦しいのも確かですが、安直に「カンジダ肺炎」という病名を付けるのは、抗真菌薬のメーカーさん以外には誰も喜ばないことを覚えておきましょう。
真菌症のちょっとしたことを最初から読む
いわゆる「肺炎」という意味では、カンジダ肺炎って、まずありません。
もちろん、免疫力が低下したときに全身に生じる血行性播種の一環としての肺病変はあり得るので、「絶対ないです」とは言えませんが、かなりまれです。
「喀痰からカンジダが生えています。カンジダ肺炎ではありませんか?」という質問をされたら、「ああ、この先生、何も…」と思います。
カンジダが、経気道的に肺に進入して病巣を作ることはまずありません。しかし、抗生剤の使用で他の常在菌が死滅した結果、カンジダが生き残り増殖していくことはしばしばあり、そのために喀痰から検出されることはよくあるのです。その場合はただ「定着」しているだけ、と見守るだけでいいのです。
逆に、カンジダが検出されたときに治療対象となる検体は、何はともあれ血液。それ以外には、髄液とか、膿瘍などを穿刺した穿刺液などです。そのあたりから検出された場合、深在性真菌症である、ということですから、直ちに治療開始します。
昨日の記事で書いたような、肺炎で入院した患者さん、広域抗生剤開始したが、なかなか良くならない、という症例は、以下のような可能性が考えられます。
- 抗生剤の使い方に問題があった
- 肺炎が治りにくい、他の基礎疾患があった
- そもそも診断が違っていた
そのあたりの判断は、正しい知識がないと苦しいのも確かですが、安直に「カンジダ肺炎」という病名を付けるのは、抗真菌薬のメーカーさん以外には誰も喜ばないことを覚えておきましょう。
真菌症のちょっとしたことを最初から読む
posted by 長尾大志 at 10:26
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| 真菌症のちょっとしたこと
2011年05月31日
真菌症のちょっとしたこと1・菌交代で真菌になる?
よくある光景です。
肺炎で入院した患者さん、広域抗生剤開始。
が、なかなか良くならない。
「これは、菌交代を起こして、真菌になっている。」と判断され、
抗真菌薬を開始…でも良くならない。
何が問題なのか?
まあ、問題は色々ありますが、まず第一に、「ある疾患に対する知識がないと、わからなくなったときに、無条件に『それだ』と決めてしまう心理」があるようです。
呼吸器の知識がないDr.が、胸部レントゲン写真で肺野が白くなっているのを見て、無条件に「肺炎に違いない」と思われるのと同じですね。
真菌や肺炎の知識がないと、「真菌性肺炎」という、滅多にお目にかからない病名を付けてしまいがちです。じゃあ、この場合の真菌とは何か?カンジダ?アスペルギルス?はたまたクリプトコッカス?…
おそらく、学生の時に習った、↓↓↓この知識が問題なのでしょう。
〜抗生剤を使い続けていると、菌交代が起こる。グラム陽性菌→陰性菌→真菌の順番である〜
ふむふむ。そこまでは間違いではありません。その場合の真菌はカンジダを指す、これもそう。
問題は、「どこで?」ということ。
本来カンジダは皮膚、消化器、泌尿器などに(いるときは)いる真菌で、それが抗生剤の使用で他の常在菌が死滅した結果、生き残り増殖していく。カンジダが検出されたとき、その臓器でただ「定着」しているだけなのか、「感染症」を起こしているのか?は、臓器によってある程度決まるわけです。
例えばカンジダ肺炎って、まずありません。
「喀痰からカンジダが生えています。カンジダ肺炎ではありませんか?」と尋ねられることは本当に多いですが、だいたい、「違うでしょ」と即答です。
カンジダで、あるのは表在性(皮膚、粘膜)と、深在性(血液、髄液、尿路)ぐらい。
だから、カンジダが検出されたときに治療対象となる検体は決まっているのです。
肺で病変を作る真菌としては、アスペルギルスがありますが、こちらは相当免疫能が低下した患者さんで起こるものです。また日を改めて取り上げます。
真菌症のちょっとしたことを最初から読む
肺炎で入院した患者さん、広域抗生剤開始。
が、なかなか良くならない。
「これは、菌交代を起こして、真菌になっている。」と判断され、
抗真菌薬を開始…でも良くならない。
何が問題なのか?
まあ、問題は色々ありますが、まず第一に、「ある疾患に対する知識がないと、わからなくなったときに、無条件に『それだ』と決めてしまう心理」があるようです。
呼吸器の知識がないDr.が、胸部レントゲン写真で肺野が白くなっているのを見て、無条件に「肺炎に違いない」と思われるのと同じですね。
真菌や肺炎の知識がないと、「真菌性肺炎」という、滅多にお目にかからない病名を付けてしまいがちです。じゃあ、この場合の真菌とは何か?カンジダ?アスペルギルス?はたまたクリプトコッカス?…
おそらく、学生の時に習った、↓↓↓この知識が問題なのでしょう。
〜抗生剤を使い続けていると、菌交代が起こる。グラム陽性菌→陰性菌→真菌の順番である〜
ふむふむ。そこまでは間違いではありません。その場合の真菌はカンジダを指す、これもそう。
問題は、「どこで?」ということ。
本来カンジダは皮膚、消化器、泌尿器などに(いるときは)いる真菌で、それが抗生剤の使用で他の常在菌が死滅した結果、生き残り増殖していく。カンジダが検出されたとき、その臓器でただ「定着」しているだけなのか、「感染症」を起こしているのか?は、臓器によってある程度決まるわけです。
例えばカンジダ肺炎って、まずありません。
「喀痰からカンジダが生えています。カンジダ肺炎ではありませんか?」と尋ねられることは本当に多いですが、だいたい、「違うでしょ」と即答です。
カンジダで、あるのは表在性(皮膚、粘膜)と、深在性(血液、髄液、尿路)ぐらい。
だから、カンジダが検出されたときに治療対象となる検体は決まっているのです。
肺で病変を作る真菌としては、アスペルギルスがありますが、こちらは相当免疫能が低下した患者さんで起こるものです。また日を改めて取り上げます。
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posted by 長尾大志 at 18:05
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| 真菌症のちょっとしたこと
2011年05月30日
真菌症のちょっとしたこと
うちのように、担癌患者さんであったり、膠原病にステロイドと免疫抑制薬を使っていたり、免疫力が落ちがちなケースを多く診ていると、しばしば「日和見感染」らしき状態というものを経験します。
で、そうそう症例としては多くないのですが、多くないが故になかなか学ぶ機会が少ないのが「真菌症」ではないかと思います。
でも、やはり時々迷う場面に遭遇したりして、ちょっとしたことが疑問であったりしがちですので、何回かに分けて真菌症を取り上げようと思います。
今思いつくのは、以下のような事項ですが、何かリクエストがあれば追加していきます。
内容としては、主に「深在性真菌症の診断・治療ガイドライン2007」に基づいています。
真菌症のちょっとしたことを最初から読む
で、そうそう症例としては多くないのですが、多くないが故になかなか学ぶ機会が少ないのが「真菌症」ではないかと思います。
でも、やはり時々迷う場面に遭遇したりして、ちょっとしたことが疑問であったりしがちですので、何回かに分けて真菌症を取り上げようと思います。
今思いつくのは、以下のような事項ですが、何かリクエストがあれば追加していきます。
- 「カンジダ肺炎」のこと
- β-D-グルカンのこと
- ニューモシスチス肺炎
- アスペルギローマと、アスペルギローシス(と、ABPA)の違い
- クリプトコッカス感染症
- 治療薬のこと
- 予防投薬のこと
- 治療期間のこと
内容としては、主に「深在性真菌症の診断・治療ガイドライン2007」に基づいています。
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posted by 長尾大志 at 10:26
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