ミカファンギン(MCFG;ファンガード Ⓡ )
カスポファンギン(CPFG;カンサイダス Ⓡ )
昨今よく使われているように思いますが、その主な理由は、副作用が少なく、併用注意もない、つまり何も考えなくても安全に使えるからではないかと思います。特に専門外の先生にとっては、何も考えずに使えるというのはポイントが高いため、頻用される傾向にあります。ただ、効果という点においては、カンジダにはいいが、カンジダ以外にはお勧めできません。
ところでカスポファンギンのメーカー(MSD)は「関西ダス」だの「効いとるんだ(キイトルーダ

フルコナゾール(F-FLCZ;プロジフ Ⓡ 、FLCZ;ジフルカン Ⓡ )
カンジダ、クリプトコッカスによく、髄液移行も良好です。予防投与を含め、よく使われていますが、アスペルギルスには無効です。
ボリコナゾール(VRCZ;ブイフェンド Ⓡ )
カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスに効きますが、接合菌には効きません。アムホテリシンBより副作用が少なく、効果もアムホテリシンBと同等以上とされ、アスペルギルス症に対する第一選択になっています。
ボサコナゾール(PSCZ;ノクサフィル Ⓡ )
アスペルギルスに加えて接合菌にも効く、新しい広域抗真菌薬ですが、いずれの菌に対しても第一選択薬を上回るものではなく、副作用で使えないときや無効時の代替薬としての役割、それに深在性真菌症の予防目的での役割が中心となっています。
イサブコナゾール(ISCZ;クレセンバ Ⓡ )
2024年12月現在の最新抗真菌薬で、最強というか最広域スペクトラムを持ちます。接合菌もそうですしCandida aurisという耐性菌にも効果があります。すなわち抗真菌薬のカルバペネム系的立ち位置になるでしょうか。副作用も比較的少なく、使いやすい、ということは裏を返せば、「大切に使うべき薬剤」ということになります。狙いを絞ってピンポイント攻撃的に使っていただきたいところです。
イトラコナゾール(ITCZ;イトリゾール Ⓡ )
カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスに効きます。当初カプセル剤しかなく、血中濃度が上がらず全然効かなかったことから、印象があまりよくなかったのですが、注射剤、内用液の登場で使いやすくはなっています。しかし、どの菌に対しても第一選択薬があり、こちらは併用注意が多かったりして、相変わらず考えて使う必要がある状況です。そのためあまり使われることはなくなっています。
アムホテリシンB(L-AMB;アムビゾーム Ⓡ 、AMPH;ファンギゾン Ⓡ )
接合菌までカバーするスペクトラムの広さと、殺菌力の強さ、それと引き替えの毒性の強さから、使用するには習熟が必要な薬剤でしたが、リポソーム製剤のL-AMBが出現してからはかなり使いやすくなったと思います。
副作用ではInfusion reaction(投与関連反応)と電解質異常(低カリウム血症、低マグネシウム血症、低カルシウム血症)、腎障害が有名です。腎障害は不可逆性ですから注意が必要です。
フルシトシン(5-FC;アンコチル Ⓡ )
古来からある薬ですが、単独使用では耐性となりやすく使用する場面は限られていて、クリプトコッカス髄膜炎のときにアムホテリシンBと併用する、というくらいです。