2013年01月26日

EFGR?

今日は時間もないので小ネタで。


今週の学生さんのプレゼンで、非扁平上皮Kの治療選択に、「EFGR変異を調べます。」と。



おしい!


確かにEFGRの方が、語呂がいいのですが…。

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posted by 長尾大志 at 22:53 | Comment(0) | 用語は正確に!

2012年02月26日

特発性

とくはつせい

と読みます。


とっぱつせい

ではありません。


とっぱつせい、と読むのは、突発性、であり、

突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)

ぐらいです。


原因不明、あるいは原因がとなるものが明らかでない、という意味の

特発性



とくはつせい

と読みましょう。

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posted by 長尾大志 at 16:01 | Comment(2) | 用語は正確に!

2012年02月12日

ひつマブしとは関係ない話

最近出た新薬、ナンとかマブ、ナンとかニブ、って名前が多いと思いませんか?
肺癌領域で言えば、ベバシズマブ(アバスチン)、ゲフィチニブ(イレッサ)、エルロチニブ(タルセバ)なんか、そうですね。


何でだろ〜って思っていたら、ちゃんと理由があるのですね。
国際的な決まりがあり、それに従って命名されているだけなのです。


名前の最後にマブが付くのは、モノクローナル抗体(MAB=monoclonal antibody)です。monoclonal antibodyの頭文字を、名前の最後に入れなさい、となっているのですね。

ベバシズマブはこれです。



一方、名前の最後にニブが付くのは、阻害薬(ib=inhibitor)。Inhibitorの頭文字?が名前の最後に入っています。

ゲフィチニブとエルロチニブはこちらです。
念のため、ゲフィニチブじゃあ、ございません。



細かい話をすると、モノクローナル抗体(MAB)でも、どうやって作ったかによって、mabの前につく文字が変わってくるのです。


  • O=全くのマウス抗体(o=mouse)〜omab

  • XI=マウスとヒトのキメラ型抗体(xi=chimeric)〜ximab、リツキシマブなど

  • ZU=ヒト化抗体(zu=humanized)〜zumab 、オマリズマブなど

  • U=完全ヒト型抗体(u=human)〜umab



決して、テキトーに名前をつけているわけでは、ないのですね。

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posted by 長尾大志 at 13:56 | Comment(0) | 用語は正確に!

2012年02月08日

○○先生御侍史

医師になって、他の施設に患者さんを紹介、または紹介患者さんの返事を書くときに、相手の医師に対してつける敬称です。


卒業するまで一般社会では見たこともない、なにやら仰々しい敬称ですね。



敬称である「先生」に「御侍史」や「御机下」をつけるのはおかしい、という論調を最近ちょこちょこ見かけるようになりました。


「侍史」や「机下」は「脇付」と呼ばれ、本来、宛名の「様」の左下に添えて敬意を表すものです。よってに、先生に重ねると過剰敬語である、と。しかも、それに「御」をつけるのは完全に誤用である、と言われることもあります。


でも、この業界では、慣習的?に、○○先生御侍史って、やっちゃってますね。


いろいろな意見を見ていると、何段階かの意見があるようです。



敬称原理主義的意見:

紹介状は実務文書であるから、○○殿、あるいは○○様、外来担当医殿、という書き方をすべきである。



現在の多数派意見:

相手を敬う気持ちを最大限お見せするため、○○先生御侍史、○○先生御机下、あるいは、外来担当先生御侍史、とする。すでにこれが慣用となっているため、問題はないし、こう書かないと気分を害されることもある。



折衷型意見:

「先生」に何もつけないのも寂しい?ので、様を先生に置き換えて、○○先生侍史、○○先生机下、あるいは、外来担当医侍史、などとする。

まあ、本来の使い方を知ってますよ、でも、あなたを敬う気持ちはありますから、侍史とかつけますけど。みたいな感じですね。



ちなみに私が一年目に教わった先生は、「ほんまは『侍史』なんやけどなー、御をつけなんだら、『御をつけないとは、敬意に欠ける!』って怒る先生が結構いっぱいいるんやー。それでも間違いは書きたくない。そやから、せめてもの抵抗として、お机の下、という意味で御机下ってつけるようにしてる。」と教えてくださいました。


まあ、悪貨は良貨を駆逐するってやつですね。



ちなみにうちの病院では、相手方のお名前を入力すると、紹介状には

○○先生御侍史

って、自動的についてきますから、迷うことはありません(笑)。

Niho作るときに、誰も疑問を持たなかったのかなー。



まあ、「○○殿」って書けるのは、偉くなってからですかね〜。
敬称原理主義的なことを言っておられる先生も、偉い先生ばかりですから。

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posted by 長尾大志 at 13:18 | Comment(0) | 用語は正確に!

2012年02月07日

口腔内の肉芽腫

最近学生さんの読み方で気になったことです。

こうこうないのにくがしゅ

こうくうないのにくげしゅ

にくめしゅ


どれでしょうか。


一般常識では、

こうこうないのにくがしゅ

かもしれませんが、慣例的に医師業界では、

こうくうないのにくげしゅ

と読むことが多いです。


これら以外にも、医師業界ならではの読み方、というものがちらほらあります。

少しずつ、覚えていってください。

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posted by 長尾大志 at 18:12 | Comment(0) | 用語は正確に!

2011年10月09日

肝機能上昇と腎機能上昇

GOT、GPT(AST、ALT)の数値が上昇しているということは、どういうことでしょう。

これらは肝酵素とか、肝逸脱酵素と呼ばれていて、肝細胞が壊れるときに出てくるものです。

とすると、これらの数値が上昇しているということは、肝臓の機能としては低下しているといえるでしょう。

間違っても、肝機能上昇などといってはいけませんね。


クレアチニンも同じこと。上昇しているということは、腎機能の悪化を意味しますから、間違っても腎機能上昇などといわないようにしましょう。

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posted by 長尾大志 at 11:56 | Comment(0) | 用語は正確に!

2011年10月01日

頻出!日舞症候群

う〜ん、おしい。

今回のポリクリ、発表は実にスムースで、よかったのですが、1点だけ残念なことが。


例のゲフィニチブ=ゲヒ日舞症候群です。

イレッサを取り上げていた諸君のほとんどが言い間違い、あるいはスライドの記載を間違えていました。


ゲフィチニブですよ〜。よ〜く見て下さいね。

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posted by 長尾大志 at 15:20 | Comment(0) | 用語は正確に!

2011年09月19日

上肺野と上葉は違う

胸部レントゲンの読影をやってもらっていると、よく用語を混同されますね。

ここで整理。


胸部X線写真で場所を表す用語は、


  • 肺尖:鎖骨より上

  • 上肺野:鎖骨と第2肋骨(前方)の間 主にS1〜3が含まれます。

  • 中肺野:第2肋骨(前方)と第4肋骨(前方)の間 主にS3、S6が含まれます。

  • 下肺野:第4肋骨より下の部分 主に中葉、舌区とS6をのぞく下葉が含まれます。



となり、おおよそこんな感じになります。


silhouette123.jpg


上葉とか、中葉とか、下葉とか、胸部X線写真ではあまり申しません。
まあ、シルエット・サインを使うと結構わかるのですが、確証がない限りは、「葉」という言葉は使わない方が無難です。


上葉と上肺野が混ざってしまって、「上肺葉」とかいわれると、もう何のことだか…ですね。

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posted by 長尾大志 at 09:54 | Comment(8) | 用語は正確に!

2011年09月18日

易感染性

何と読みましょうか?


「い」かんせんせい、です。


「えき」ではありません


「えき」と読むときは、貿易みたいに交換する意味のとき。


感染しやすい、容易、という意味のときは「い」と読みましょう

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posted by 長尾大志 at 14:43 | Comment(0) | 用語は正確に!

2011年09月10日

増悪(ぞうあく)は憎悪(ぞうお)じゃあございません。

とは、しばしば申し上げているところでありますが、
前回のポリクリでもありました。


しかもスライドで…「憎悪までの期間の中央値(3.6ヶ月)に大きな違いはなかった」としっかり書かれていました。

これは、「ぞうお」とタイピングしないと憎悪とは出ませんので、
確信犯。

増悪(=悪化すること)は、「ぞうあく」です。
憎悪(=にくむこと)は、「ぞうお」です。


S君、今後はよろしく!

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posted by 長尾大志 at 11:17 | Comment(2) | 用語は正確に!

2011年04月23日

急性増悪

今日はただ一言。

急性増悪は

「きゅうせいぞうあく」です。

ぞうおじゃありません。憎悪(ぞうお)とは、憎むことです。ゾウの字が違います。





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posted by 長尾大志 at 13:34 | Comment(0) | 用語は正確に!

2011年03月16日

間違えやすい言葉

イレッサの一般名は何でしょう?

ゲフィニチブ?
いえいえ。
ゲフィチニブです。

日舞じゃありません。


カルセドの一般名は?

アムルビジン?
いえいえ。
アムルビシンです。

美人じゃありません。

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posted by 長尾大志 at 13:18 | Comment(0) | 用語は正確に!

2011年02月19日

略号は、略号のままにしない

例えば抗生剤、抗癌剤では略号が頻用されます。
疾患名、薬剤名でもありますね。

それは書くのが楽だから。


慢性閉塞性肺疾患と書くよりも、
COPDと書く方が楽。

ベバシズマブよりBV、
セフトリアキソンよりCTRXの方が楽です。

私も、いっぱい使ってます。ハイ。


しか〜し!

若者が略号を使うのになれると、ロクなことがない!

単純に、覚えません。


もうね、1ヶ月呼吸器内科回る間にCBDCAの一般名すら覚えられないとか、
ざらにありますよ。

とにかく、書いて読んで覚える。
まあ、最近は電子カルテなので、書く機会が失われがちなのですが、
キーボードを打ってでも何でも良いので、フルスペル、きちんとした名前に常に触れるようにしましょう。

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posted by 長尾大志 at 18:23 | Comment(0) | 用語は正確に!