2017年05月07日

『成人肺炎診療ガイドライン2017』が公開されました。

出る出るといわれていた、『成人肺炎診療ガイドライン2017』がついに公開されました。私も4月に参加した、第57回日本呼吸器学会学術講演会ではじめて公開されたかと思うのですが、呼吸器学会の会員であれば正本がそのうち送られてくるため、慌てて情報収集をしなくてもいいだろう、ということで、学会場では他の勉強をしておりました私でございます。


で、このたび、めでたく正本が送られて参りましたので、取り急ぎ、これまでのガイドラインとの違いなどを中心に目を通してみました。やはり私としましては、一番の関心事としては、『やさしイイ呼吸器教室 第2版』の内容がガイドラインとズレてはいないか?ということがありましたので。


印象としては、大筋の診断、治療のところはこれまでのガイドラインと変わらない、ただし時代を反映して、エビデンスであったり、クリニカルクエスチョンであったりがキッチリと記載されるようになった、という点でしょうか。もちろん、これまで市中、院内、NHCAPと3部に分かれていたものが1冊になったのも、非専門医の先生方や若手の先生方には取っつきやすくなっていると思います。


あとは、これまで付け足し?のように個別に語られていた、グラム染色や敗血症、それからキノロンの結核問題等がキッチリ盛り込まれていた点も、時代の要請かなあ、と思いました。この辺は『やさしイイ呼吸器教室 第2版』にも元々しっかり記載してあります。


NHCAPガイドラインで出てきた、いわゆる延命であったり、高齢者医療にまつわる諸事について改めて語られている点も、時代を反映しているところであるかと思います。


いずれにしても、『やさしイイ呼吸器教室 第2版』をはじめ、講演などでお話をしてきた内容は、特に改訂の必要がなさそうで、とりあえずホッとしました。というわけで購入を迷われている方は安心してご購入ください(笑)。

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posted by 長尾大志 at 16:36 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2017年04月13日

第57回日本呼吸器学会学術講演会予習3・腫瘍など様々な症例

  • 肺癌術後の慢性気胸部位に発生した肺肉腫の1例

  • 血清Pro-GRPが高値であった透析患者における肺炎症性腫瘤の1例

  • 経過中に急性骨髄性白血病を合併し、診断に苦慮した異型カルチノイドの1例

  • 労作時呼吸困難・喘鳴を契機に診断されたSwyer-James症候群の1例




・肺癌術後の慢性気胸部位に発生した肺肉腫の1例

左下葉肺癌に対して左下葉切除後、慢性気胸が持続していて、10年後に肉腫が発生し急速に進行したということです。気胸があれば2次性の腫瘍が発症しやすい、ということがあるのでしょうか。



・血清Pro-GRPが高値であった透析患者における肺炎症性腫瘤の1例

血清Pro-GRP。


血痰〜喀血があり、CTを撮ったら右S2の結節があり、Pro-GRPが215pg/mLと高値でした。その後気管支動脈塞栓術を行い喀血は軽快、気管支鏡検査では悪性所見が見られず経過観察となりました。


Pro-GRPはその後235pg/mLに漸増し、CT所見から炎症が疑われていましたが、再度の喀血があり右上肺切除を行って炎症性変化という所見でした。


こういうことはよく経験されるのでしょうか。血清Pro-GRP測定〜高値という結果が、症例のマネージメントにどう影響したのか、振り返りが必要でしょう。



・経過中に急性骨髄性白血病を合併し、診断に苦慮した異型カルチノイドの1例

7年前から健診で胸部異常影を指摘されていて、陰影増大傾向であり気管支鏡検査で小細胞肺癌LDと診断し、CDDP+VP-16と放射線治療の後脳転移・肝転移があり、免疫染色を追加したところ異型カルチノイドと確定診断されたということです。その後急性骨髄性白血病を発症され治療を行ったということです。


タイトルを見ると急性骨髄性白血病が経過に影響して診断が撹乱されたかのような印象を受けましたが、そうではなかったようです。経過と合併の点でまれであるとの判断で発表されるようです。



・労作時呼吸困難・喘鳴を契機に診断されたSwyer-James症候群の1例

Swyer-James症候群。疾患概念、機序がイマイチ掴みにくい…「胸部X線写真上、air-trappingを伴う一側肺の透過性亢進を特徴とする比較的まれな疾患である」。まれなんです。それゆえに存在を知らないと診断には至りませんね。

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posted by 長尾大志 at 16:48 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2017年04月12日

第57回日本呼吸器学会学術講演会予習2・様々な症例

  • 血漿交換療法と免疫抑制薬投与が奏効したステロイド抵抗性・MPO-ANCA陽性のGoodpasture症候群の一例

  • 肺Langerhans細胞組織球症に伴う肺高血圧症にタダラフィル、マシテンタン、ベラプロストの3剤併用が有効であった一例

  • たこつぼ型心筋症を合併した喀血症例の臨床的検討

  • 気管支喘息と間質性肺炎合併例の診断・経過の考察

  • 両側肺動脈腫瘍の肺浸潤に対し、TBLBで悪性軟部腫瘍と診断した一例




・血漿交換療法と免疫抑制薬投与が奏効したステロイド抵抗性・MPO-ANCA陽性のGoodpasture症候群の一例

自己抗体系と病態というのは、関連が深いようで、ときに違ったものがでてくることがある。ANCAなんか結構多いですよね。当初はもうANCA=血管炎、と決め打ちしていたのが、最近では血管炎ではないけどANCA陽性、という病態がいろいろ報告されています。


呼吸器でしたら、間質性肺炎でANCA陽性、さてこれは血管炎があるのだろうか、という問題。現状で発症はしていないけれども将来出てくるのか、それとも…みたいな。


本症例では抗GBM抗体とMPO-ANCAの両方が陽性である肺胞出血+急速進行性糸球体腎炎に対して、当初ステロイドパルスの効果なく、血漿交換+IVCY追加にて奏効したとのことです。


この症例では診断と病態の解釈がポイントになる気がしますね。MPO-ANCA陽性のGoodpasture症候群、という位置づけをされているので、文献的考察を期待しましょう。



・肺Langerhans細胞組織球症に伴う肺高血圧症にタダラフィル、マシテンタン、ベラプロストの3剤併用が有効であった一例

肺Langerhans細胞組織球症(PLCH)に伴う肺高血圧症(PH)は、肺高血圧症臨床分類では5群(詳細不明な多因子のメカニズムに伴う肺高血圧症)に分類され、他の肺疾患よりも高頻度にPHを合併することが知られています。


で、PLCHに合併したPHには肺血管拡張薬の有効性に議論があるところですが、本症例では3剤併用でmPAPが37⇒28mmHgと効果を認めた、ということです。


これまでの報告でも有効であった、というものもあればそうでもないというものもある。低酸素血症による血管攣縮以外に、PLCH特有の血管病変が肺動脈上昇に寄与している可能性が想定されています。メカニズムから、わかっていないことが多い疾患ですが、文献的考察も合わせてどのようにまとめられるのか、期待します。



・たこつぼ型心筋症を合併した喀血症例の臨床的検討

喀血の経過中にたこつぼ型心筋症(TTS)を合併した3例について検討されました。


TTSは心因的・身体的ストレスが契機になることも多く、中年以降の女性に多いとされています。中年以降の女性が喀血を来したら結構なストレスだと推察されますが、それ以外に、喀血がTTSを誘発する機序が考えられるかどうか。折角3例集めて頂いているので、臨床的に共通しているところやメカニズムの考察をお願いしたいと思います。



・気管支喘息と間質性肺炎合併例の診断・経過の考察

気管支喘息は人口の10%に迫ろうかという有症率ですから、かなり増えていて、様々な合併症・併存症がみられます。私の外来でも、間質性肺炎と気管支喘息の合併例ではないか、と考えられる症例が数例あり、しかしながら、診断を言い切ってしまうのになかなか困難を感じておりました。ですから、この発表には大いに期待しております。


そもそも既に片方が確定している状態で、合併をどういうきっかけで疑うのか。症状は咳・呼吸困難が共通であり、症状から疑うにはどこに気をつけるか。気管支喘息症例で胸部X線写真やCTを撮る機会は限られていると思われますが、適正なスクリーニングはどの程度のものか。クリニカルクエスチョンは尽きないところです。



・両側肺動脈腫瘍の肺浸潤に対し、TBLBで悪性軟部腫瘍と診断した一例

ご苦労されたであろう症例のご報告です。軟部腫瘍の診断は大きな組織が必要で、侵襲が大きくなることが多く、TBLBで診断出来ることは少ないのではないかと思います。

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posted by 長尾大志 at 18:10 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2017年04月11日

第57回日本呼吸器学会学術講演会予習1・IgG4関連疾患

  • 胸部に病変が見られたIgG4関連疾患の4例

  • 膿胸を契機に診断された著明な低補体血症を有するIgG4関連胸膜炎の1例

  • 局所麻酔下胸腔鏡で診断したIgG4関連胸膜炎4例の臨床病理学的検討



IgG4関連疾患、ずいぶん見かけることが増えてきましたが、まだ単施設で病像を把握出来るほどの症例経験はないかもしれませさん。そんな折、4例集めて病状をまとめて頂けるのはありがたい。


1題目の症例は、
  • 顎下腺腫脹⇒眼瞼腫脹、涙腺摘出にてIgG4+形質細胞浸潤あり。胸部に網状影・すりガラス影出現しTBLBにて肺胞領域にIgG4+形質細胞浸潤を認めた。

  • 好酸球増多の精査で血清IgG4高値と判明、胸部CTで肺門縦隔LN腫脹あり、顎下腺生検でIgG4+形質細胞浸潤あり。

  • 顎下腺生検で形質細胞浸潤を確認済みの症例で、12年後腹部CTでLN腫大を確認、胸部大動脈周囲にも軟部組織あり。血清IgG4が高値、口唇生検でIgG4+形質細胞浸潤あり。

  • CT健診で後縦隔腫瘍を指摘され、涙腺腫瘍、眼窩腫瘍も認めた。血清IgG4が高値、縦隔腫瘍生検で、IgG4+形質細胞浸潤あり。



2題目は、
膿胸の診断で加療するが再燃し、精査したところ血清IgG4高値、補体価低値と判明、FDG-PETにて左顎下腺、右肺門・縦隔・右腋窩のLN、左閉鎖動脈から両側外腸骨動静脈周囲に集積あり。左顎下腺生検にて線維化は乏しいがIgG4/IgG≧0.5でありIgG4関連疾患と考えた。アレルギー性鼻炎があり、間欠的にベタメサゾン/クロルフェニラミンを内服していたため、診断に苦慮した。


3題目は症例のまとめです。

滲出性胸水を呈し、局所麻酔下胸腔鏡による胸膜生検の組織像からIgG4関連胸膜炎と診断された4症例。基礎疾患はSjs、肺気腫、良性石綿胸水、黄色爪症候群。胸水はすべてリンパ球優位で、胸膜生検でIgG4+形質細胞浸潤を認め診断した。1例には肺病変があったが、他の3例には特徴的な臓器病変を認めなかった。ステロイドが奏効した。


おさらいですが、IgG4関連疾患の診断は、IgG4関連疾患包括診断基準2011を参考にして行われます。以下引用。


  • 1つもしくは複数の臓器で腫大した部分がある

  • 血液検査で血清IgG4の値≧135 mg/dLである

  • 生検で組織への著明なリンパ球、形質細胞の浸潤と線維化を認め、かつIgG4/IgG陽性細胞比≧40%でIgG4陽性形質細胞数>10/HPF



上記3つ全部を満たす:確定診断群
1と3を満たす:準確診群
1と2を満たす:疑診群
(引用ここまで)


さて臨床の現場においては、IgG4関連疾患を診断するには、

  • 唾液腺をはじめ腺組織やリンパ節の腫脹、自己免疫性膵炎など、特徴的な病変に気付く

  • 血清IgG4を測定したら高かった

  • 生検したらリンパ球、形質細胞の浸潤と線維化を認め、かつIgG4/IgG陽性細胞比≧40%でIgG4陽性形質細胞数>10/HPFだった⇒診断確定



という流れが多いのではないでしょうか。疾患概念が普及していなかった2011年当時であれば、「IgG4関連疾患を診断したど〜!」というだけで学会発表出来たものですが、今学会発表するからには、それなりの意義がほしいところですね。


1題目は4症例のまとめです。いずれも上記のような流れで診断に至っています。いずれも罹患臓器として有名な、唾液腺や涙腺以外の生検が行われていて、まとめとして、IgG4関連疾患は肺内や縦隔、大血管周囲にも病変を作るため、本疾患を鑑別に挙げることが重要である、とされています。


本疾患を鑑別に挙げると、@IgG4を測定するA生検をできる限り試みる、というところに反映されると思います。まあしかし、縦隔LNが腫大していたら、生検をするかな、とは思いますけれども…。



2題目も診断に苦慮した、というところが強調されています。気になるのは、そもそもの受診動機である膿胸はIgG4関連だったのか、という点ですね。3題目がIgG4関連胸膜炎ですから、それ関連胸膜炎であれば議論も盛り上がるかと思うのですが…。


あるいは、膿胸が難治であった理由として基礎疾患が何かあったのか、このあたりの機序、議論が興味深いです。


3題目は、他臓器に病変のないIgG4関連胸膜炎の4例です。胸膜病変は比較的まれではないかと思うのですが、ポイントとしては、これまでの報告では基礎疾患がなかったところが、本検討では基礎疾患を有した点。しかし基礎疾患との関連がこれまで不明ですから、なかなかモノがいいにくい。


また、診断の点で、原因不明の胸膜炎を見たらIgG4関連胸膜炎を考えるべき、とされているのですが、どの程度積極的に考えるべきか、原因不明でリンパ球優位だったら即胸腔鏡をすべきなのか否か、そのあたりでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 17:17 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2017年04月10日

第57回日本呼吸器学会学術講演会にて座長

再来週の週末に開かれます、日本呼吸器学会学術講演会にて座長をつとめさせて頂くこととなりました。担当はポスターセッション「症例・その他1」です。総会では初めてですが、やはりこちらでも私は専門のハッキリしない人間だと認識されている模様…。( ̄▽ ̄;)


ポスターなので数が多く、少し早めですが予習をしておこうかと思います。


  • 胸部に病変が見られたIgG4関連疾患の4例

  • 膿胸を契機に診断された著明な低補体血症を有するIgG4関連胸膜炎の1例

  • 局所麻酔下胸腔鏡で診断したIgG4関連胸膜炎4例の臨床病理学的検討

  • 血漿交換療法と免疫抑制薬投与が奏効したステロイド抵抗性・MPO-ANCA陽性のGoodpasture症候群の一例

  • 肺Langerhans細胞組織球症に伴う肺高血圧症にタダラフィル、マシテンタン、ベラプロストの3剤併用が有効であった一例

  • たこつぼ型心筋症を合併した喀血症例の臨床的検討

  • 気管支喘息と間質性肺炎合併例の診断・経過の考察

  • 両側肺動脈腫瘍の肺浸潤に対し、TBLBで悪性軟部腫瘍と診断した一例

  • 肺癌術後の慢性気胸部位に発生した肺肉腫の1例

  • 血清Pro-GRPが高値であった透析患者における肺炎症性腫瘤の1例

  • 経過中に急性骨髄性白血病を合併し、診断に苦慮した異型カルチノイドの1例

  • 労作時呼吸困難・喘鳴を契機に診断されたSwyer-James症候群の1例



の12演題。うん、なかなかバラエティに富んでおりますね。(^◇^)


基本的には、参加者の皆さんに何かメッセージをお持ち帰り頂きたい、と思っておりますし、できれば発表者の先生にも(特に若手の先生方には)何か少しでもフィードバック出来れば、という方針で進めていきたいと思っております。


バラエティに富んだ症例が集まっていますので、なかなかセッションを通してのメッセージ、というものは難しいですが、診断であったり、治療であったりに「注意すべき点」があれば、そのあたりを取り上げていきたいですね。

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posted by 長尾大志 at 17:23 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2016年12月17日

第10回びまん性肺疾患フォーラムに参加

今日は表記の、第10回びまん性肺疾患フォーラムに参加して参りました。これは年に1回、びまん性肺疾患をこよなく愛する?方々(ある先生は図らずも「Geek=オタクの会」、と称しておられましたが、まさにそれがピッタリかも…)が週末に大阪に集まって、びまん性肺疾患について長時間語り合う…という、濃厚な会でございます。


確か第1回の頃は不肖この私も、自分は「びまん性人間」の端くれだという自覚がありまして、端っこに列席させて頂いておりましたが、滋賀でのキャリアを経るにつれ、びまん成分が身体から抜け?、だんだん師走の大阪が遠くなってきておりました…。でも今回は、ちょっとした偶然があり、参加の幸運を得たものであります。


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数回のブランクの間に、やはり世の中は動いていました。私の中のオタク魂にも少し灯が点りました。勉強したことの備忘は、またブログにしたためたいと思います。今日は明日のために英気を養います。


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posted by 長尾大志 at 22:13 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2016年12月02日

第88回日本呼吸器学会近畿地方会にて座長2

● Schizophyllum communeによるアレルギー性気管支肺真菌症と考えられた一例
● Schizophyllum communeによるアレルギー性気管支肺真菌症を発症した一例

同じです。イヤ違うのですが、タイトルを見ても違いが分かりませんね。どちらもSchizophyllum commune(スエヒロタケ)によるABPMです。


どちらも、胸部CTで粘液栓を認め、気管支鏡検査で得られた検体から、組織の好酸球浸潤が確認され、粘液栓からSchizophyllum communeが発育し、抗Schizophyllum commune抗体を千葉大学で調べて頂いたところ陽性であった、というところは共通しています。というか、やっぱりほぼ同じですね…。


で、特筆すべきは、どちらも割とスンナリ良くなっていること。粘液栓を除去しただけで、ICS/LABA吸入で改善している模様です。昨日のABPA症例でもスンナリ良くなっていましたが、どうもABPA、ABPMにはいくつかのsubgroupがあるように思われます。


ABPAではGreenberger-Pattersonらのグループや他のグループも、subgroupの存在を提唱していますが、まあまだしもABPAは症例の蓄積も進んでいるし、診断基準らしきものもある。困るのはアスペルギルス以外の真菌によるABPMです。今回は二例とも、おそらく「Schizophyllum communeに感作した喘息」寄りの病態であって、組織に浸潤して排除に抗真菌薬を要する病態ではないのかもしれません。中枢の気管支拡張の有無、というところがカギになるかもしれませんが…。


あと、そもそもABPMの診断基準というものは、確立されてはいないようで、ABPAの診断基準を応用して適用されていることが多いようですが、果たしてそれで妥当なのかどうか、常套文句ですが、「今後いっそうの症例を集積しまして、検討の課題とします」てなことが望まれるのではないでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 15:08 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2016年12月01日

第88回日本呼吸器学会近畿地方会にて座長1

すっかり間質性肺炎のお話も長くなってしまいました。もうお腹いっぱいですね!まだもう少し残っていたりもしますが、一旦キリのいいところで話題を変えたいと思います。


そういえば、来週末には第88回日本呼吸器学会近畿地方会がありますね。今回も座長を仰せつかっておりますが、当初は「稀少肺疾患・その他4」という、まあ本当にアレなところだったところ、どうにも時間の都合がつかず、ウチの山口先生と交替して頂いたおかげで、「アレルギー性肺疾患1」という、ステキなところをさせて頂くこととなった次第です。



で、今回の「アレルギー性肺疾患1」なんですが、アレルギー性気管支肺真菌症(allergic bronchopulmonary mycosis:ABPM)祭りとでも言うべき、ABPMまみれのセッションとなりました。ちなみに「アレルギー性肺疾患2」は好酸球祭りの模様。


  • 重症喘息として加療されていたアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の1例

  • 環境調整などが有効であった肺アスペルギルス症の1例

  • Schizophyllum communeによるアレルギー性気管支肺真菌症と考えられた一例

  • Schizophyllum communeによるアレルギー性気管支肺真菌症を発症した一例



…祭りですね。もう質疑応答も「総合討論」形式にしたいぐらい。


ABPAやABPMを論じるときに、いつも問題になるのはその診断、というかそもそもの病態だと思うのですが、いろいろ調べれば調べるほど、わかったようなわからんような気分になるのがこの疾患です。


倉原優先生の『「寄り道」呼吸器診療』にABPAの診断基準(Greenberger-Pattersonの診断基準)の変遷と病態に関する考察がなされていますので、ご興味があれば一読頂きたいのですが、この病態は、そもそもアスペルギルスを抗原とする過敏反応、Th2免疫応答がだんだん増加してくることで、やがて気道の破壊〜気管支拡張が起こってくるのでは、という考え方のようです。


UpToDateには、International Society for Human and Animal Mycology (ISHAM) のABPAワーキンググループによる診断基準が載っていて、Greenberger-Pattersonの診断基準とも異なるのですが、考え方は似ています。大事なのはAspergillusに感作されていることを証明する、というところになります…。


ということで、検討をして参りましょう。


● 重症喘息として加療されていたアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の1例

25年前に喘息と診断、5年前から当院通院開始。ICS/LABA吸入、LTRA内服にて治療を受けていたが、2年前より喘息発作の頻度が増してきた。ICS/LABA増量、LAMA追加を行ったが改善無く、胸部X線写真を撮影したところ異常影を認め、胸部CTを撮影してABPAが疑われた。PSL 0.5mg/kg/日で改善した。



*喘息の患者さんって、あまり胸部X線写真に異常がないもんですから、撮らないことも多いのかも、と考えさせられた一例でした。胸部X線写真を撮っておられた間隔がいかほどであったのかは気になるところです。



● 環境調整などが有効であった肺アスペルギルス症の1例

咳と呼吸困難、発熱のある患者。好酸球増多とIgE高値、CTでmuciod impactionあり、喀痰からアスペルギルス検出、アスペルギルスに対する特異的IgEと沈降抗体が陽性、からABPAに近い病態と考えられた。


治療はFP/FM吸入とITCZ投与で症状は軽快した。自宅の掃除とエアコンの新調を行い、有効であった。



*喘息症状がなかったということと皮膚テスト即時型反応がない点から、診断確定には至らないようですが、全身ステロイドを使わずに軽快した、という経過のようです。definiteでないから吸入ステロイドが不要なのか?元々自宅やエアコンにはアスペルギルスが棲んでいたのか?疑問は尽きませんね。

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posted by 長尾大志 at 18:23 | Comment(4) | 学会・研究会見聞録

2016年10月23日

第14回 滋賀耐性菌研究会に参加

10月〜11月はお勉強のシーズンですね。今週も2件、勉強会に参加致しました。


特に今日の第14回 滋賀耐性菌研究会におきまして伺った、北野病院の藤本卓司先生によります『肺炎の診断と抗菌薬適正使用』のお話は、大変ためになりありがたかったです。


しかし、このお話をウチの若手がほとんど拝聴しに来ていなかったのが残念至極でありました。ということで、ウチの若手に今日の内容をシェアするためにかいつまんで箇条書きにしていきます。以前に拝聴した長崎大の迎先生による、最近話題の細菌叢解析の内容を盛り込まれたお話でしたので、その時のお話を思い出しながら、かなり自分の中で消化でき、今後の診療、指導に役立てられそうです。


(ここから講演内容引用)

・本当にいい検体が採れれば、グラム染色は強力な意思決定ツールになる。


・グラム染色をすると、感染症かどうか、原因菌の手がかりになる。


・ティッシュに包んで捨てた痰は、ティッシュに唾液成分が吸い取られて核となる膿性成分が残っているため、実はかなり有用な検体となる。あきらめずに染めて見るべし。


・塗抹で肺炎球菌が見えているのに、培養でH.influenzaeや緑膿菌が生えてくる、ということはしばしば経験されるが、塗抹で見えずに生えてきた菌は得てして口腔内のコンタミだったりする。


・今の細菌検査室では、培地の色によって、H.influenzaeか緑膿菌か、なんてことも提出翌日にはわかっていたりするので、細菌検査室と仲良くしておくと翌日には治療方針が固められる。


・PCGは1日6回投与、と思うとハードルが高いが、肺炎だったら1日4回で充分。100万UあたりKが1.7mEq含まれていて、300万Uだと5.1mEq。これを生食100mLで溶かすと51mEq/Lになる。Kは40mEq/Lを超えると血管痛が起こると考えていて、その計算で300万Uを200mLの生食に溶かして投与している。1日800mL投与することになるので、心不全や腎不全患者ではABPCを使っている。


・「嫌気性菌感染は混合感染だし、βラクタマーゼを産生するからSBT/ABPC使っとけ」みたいなことを全国でされているが、それには反対。腸内細菌を根こそぎ入れ替えることになり、長い目で見たときに人類の禍根となる恐れがある。実は口腔内、下気道由来の嫌気性菌でPCG耐性があるのはPrevotellaのみで、他のFusobacteriumPeptostreptococcusなどは100%PCG感受性なのである。で、「網羅的細菌叢解析」で確認すると、市中肺炎のうち無視できない割合(30%以上)でPrevotellaが関与していたのは6%、院内肺炎(+医療・介護関連肺炎)でも6%にしか過ぎなかった。要するに(βラクタマーゼを産生して)PCG、ABPCに耐性を持つ「嫌気性菌」は、肺炎の10%に満たない!誤嚥性肺炎=SBT/ABPCはもう止めよう!


・緑膿菌は弱毒菌なので、待てない重症例は少ない。


・緑膿菌が繰り返し痰からでている、という症例でも、まあそれは保菌であって、その症例が肺炎になったときは、やはり強毒菌である肺炎球菌とかが原因菌であることも少なくない。


・例えば緑膿菌が繰り返し痰からでている、という症例が肺炎になった。そこで喀痰グラム染色。双球菌が見えたら文句なくPCG。重症でなければ、藤本先生はペニシリン系で入ることが多く、その際には翌日もグラム染色。菌が減っていればそのまま続行する。


・緑膿菌肺炎に対して、PIPCとTAZ/PIPCはあまり差を感じない。緑膿菌ではなく、むしろMSSAや嫌気性菌に対して、βラクタマーゼ阻害薬が必要である。


・緑膿菌が喀痰培養で生えてきた症例のうち、肺炎の原因菌として考えられるのは25%。


・良質な喀痰を得るために、以下のような努力をしているか。

 1.体位ドレナージ 20-30分は寝てもらう。

 2.生食で喀痰を洗浄する。

 3.3%食塩水 はあまりやらない。

 4.吸引チューブの気管内挿入

(引用ここまで)

迎先生のご研究を引用されて、ともかく「できる限り次世代のために抗菌薬を温存する、適正使用を普及させる」という熱いご意志を感じました。私も大いに賛同します。今日(昨日)得た知識を滋賀でも普及させて参ります!

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posted by 長尾大志 at 00:00 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2016年10月03日

第19回滋賀呼吸器感染症研究会見聞録

先週の木曜日行われた、第19回滋賀呼吸器感染症研究会では、長崎大学の迎寛先生をお迎えして、産業医大におられた頃からやっておられる「肺炎の細菌叢解析」でわかったこと、に関するお話を頂きました。


実は余り知られていませんが(笑)、私は以前カナダ、バンクーバーのブリティッシュコロンビア大に留学経験がありまして、迎先生はそこのラボに留学されていた大先輩であります。また、私がいたときに仲良くして頂いた、現在産業医大の教授であられる矢寺先生のボスでもあります。てなわけでいそいそと出かけていって、興味深いお話を拝聴して参りました。備忘のため、メモと考えたこと(カッコ内の記載)を一部皆さんとシェアしておこうと思います。かな〜り、刺激的な成分が含まれておりますのでご注意下さい。


(備忘録ここから)

  • 喀痰の塗抹グラム染色、培養だけで、本当に肺炎を起こしている「原因菌」がわかるのか。それを確認するためにマイクロバイオームの手法でRNAの配列解析を行い、肺炎局所の気管支鏡による洗浄液を解析して、局所に存在するであろう細菌たちの種類、その割合を調べた。

  • これまでの喀痰による検討では、どう頑張っても市中肺炎の半数が「原因菌不明」となっていたが、細菌叢解析ではその多くで嫌気性菌が検出された。

  • 嫌気性菌や口腔内レンサ球菌がその第一優先菌種(原因菌的な扱い)と考えられるケースでは、混合感染と思われる菌の割合を示すものが多かった。嫌気性菌にはβラクタマーゼを産生するものが多く、そのために抗菌薬の耐性につながっていると考えられる。(これはSBT/ABPCを使用するのを支持する話ですね。)

  • NHCAPにおいて、喀痰培養でMRSAや緑膿菌が見られていても、細菌叢解析ではその割合はずいぶん減る。

  • 院内肺炎において細菌叢解析を行うと、重症例の第一優先菌種には緑膿菌と大腸菌が多いが、MRSAはほとんどいない。大腸菌はESBL産生菌を念頭に置く必要があるだろう。

  • MRSAをはじめとする黄色ブドウ球菌は、局所にいなくても喀痰で生えやすい。それは喀痰で貪食像があろうと余り原因菌として想定する必要がないのかもしれない。(これまでにも「MRSA肺炎はほとんどない」とは言われていましたね。)

  • 「MRSA肺炎」として抗MRSA薬のみを使われた症例において、実際に細菌叢解析で検出した菌と抗MRSA薬の効果を「答え合わせ」した。結果、VCMを使った症例では(VCMがグラム陰性嫌気性菌に効かないので)治療失敗が見られたが、LZDは(効くので)治療がうまくいっていた。

  • 逆に喀痰塗抹とかでMRSAが見られているにもかかわらず、抗MRSA薬でない薬を使われていたケースでも、治療がうまくいっている例が多く見られた。(まあそういうことなんですね。)

  • 肺炎球菌やインフルエンザ桿菌は培養結果と細菌叢解析の結果が一致しやすい。(てことは、喀痰の塗抹、培養で肺炎球菌やインフルエンザ桿菌が見えたらそれを当てにしてよく、雑多な菌が見える、何も見えない、というときにはSBT/ABPC、というのは妥当な方針だ、ということですね。)

  • 健常者の肺常在菌は、メッチャ多様としかわかっていない。(やはり常在菌叢はあるようです。)

  • 肺化膿症を作るのは、嫌気性菌とStreptococcus anginosus(以前Streptococcus milleriグループと呼ばれていた群の1つ)が原因のほとんどである。Streptococcus anginosusは膿を作りやすい。


(ここまで)


迎先生、誠にありがとうございました。

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2016年09月03日

Meet the Expert on Lung Cancerに参加して

昨日は表記の会に草津にて参加。


新潟県立がんセンター新潟病院の三浦 理先生に『ガイドラインに載らない"ココだけの話"〜10th anniversary Bevacizumab編〜』と題したお話を拝聴しました。


三浦先生は2000年卒の気鋭の若手先生で、豊富な臨床経験、研究成果から大変面白くためになるお話を頂きました。


Macを持ち込まれていたので、プレゼンにこだわりのある方なのかな〜と思っておりましたが、やはり大変エレガント且つ説得力があり、これ取り入れたい!というワザがてんこ盛りでした。でもWindowsでは無理なことも多い様子。やっぱりMacはスゴイという結論。


あとでメーカーの企画の方にいろいろ伺っていたのですが、やはりあのプレゼンの裏にはいろいろな努力があった、ということでした。翻って自分のプレゼンを考えてみると、やっぱりまだまだ努力・工夫が足りないなあと実感。早速直近の講演でいくつか工夫してみます。また明日、詳しく告知致しますね。

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posted by 長尾大志 at 18:03 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2016年08月03日

第48回日本医学教育学会大会見聞録2・「最近のRA診療」

大阪医科大学の槇野茂樹先生によります「最近のRA診療」、備忘のため、「そうだったのか!!」と思った点をシェアしたいと思います。槇野先生のご講演はスライドの内容が盛りだくさんで、かつパッパッと送って行かれるので、メモが大体間に合いません。ですから本当に抜き書きになります。それでもありがたいお話なのです。


(ここから、講演内容を含みます)
・2000年以前と以後ではリウマチ診療が劇的に変化した。その立役者はMTX。MTXが出る前にはリウマチは不治の病で、平均寿命も短かったが、MTXでコントロールが可能になった。


・RAによる関節破壊は、以前思われていたよりも早期から着々と進行していることがわかった。すなわち、早期の診断・治療介入が必須であることが明らかになった。


・そのため、2010年のRA新分類基準は、原理主義的に「正しくRAと診断」することでなく、「MTXを使ってもいい関節炎を早く囲い込む」ことを主眼に作成された。


・「朝のこわばり」は特徴的ではあるが、他の疾患でもみられ、すごく特異的とは言えない。


・RAは滑膜の疾患である。したがって、「動く関節」がやられる。DIPには生じずPIPに生じるのはそれで理解出来る。


・OAは重みのかかる荷重関節がやられる。


・現在では、RA患者さんのおよそ60%が寛解、10−20%が低活動性と見込まれている。


・ただし、寛解になったからといって、特に生物学的製剤を止めるのかどうか、これは統一見解がなく難しい問題である。


・RAの死亡原因として、日本人はやはり肺病変が多い。欧米?人は心血管障害が多い。


・RA-UIPは怖い。RA-NSIPは怖くない。

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posted by 長尾大志 at 18:14 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2016年08月02日

第48回日本医学教育学会大会見聞録1・「漢方の効く人、効かない人!?」〜元外科医の体感話とこれからの漢方〜

第48回日本医学教育学会大会で学んだこと。1つめは漢方について。


有名なセンプククリニック 千福貞博先生がランチョンでお話しになるということで、迷うことなく参加しました。千福先生のお話は何度か伺ったことがありますが、お話し上手で面白く明快、わかりやすい。内容だけでなく構成や見せ方も大いに参考になります。


備忘のため、「そうだったのか!!」と思った点をシェアしたいと思います。


(ここから、講演内容を含みます)
・口訣(=clinical pearls)。


・漢方が即効性か遅効性か、というのは、いつの成り立ちか、と薬味の数で決まる。

 即効性のあるものはだいたい耐性(タキフィラシー)が生じる。


・ツムラの番号は売れ筋が前に来る。だから1番〜40番くらいが頻用薬で、それを覚える、というのが上達の道。

 じゃあ41番は?補中益気湯。このぐらいまで覚えるか。42番は??…


・名著、オススメは『漢方診療のレッスン』。

 そこには、「ご飯を食べて引き込まれるように眠くなる人は41番」のように具体例が書いてあって大変参考になる。


・高齢者は意外に漢方嫌いだったりする。

 その理由には、義歯に挟まる、科学万能、バシッと効く薬を希望する…などがある。
飲みやすくするには水で溶いてレンジでチン!


・99番、小建中湯は、腹診でくすぐったがる子供だったら何でも?効く。
 飲みにくいのでミロに溶かす。

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posted by 長尾大志 at 13:40 | Comment(1) | 学会・研究会見聞録

2016年07月08日

オフェブ 滋賀エリアセミナー

昨日は標記のセミナーに参加して参りました。


まあタイトルの通り、とあるメーカーさん主催の会ではあったのですが、特発性肺線維症、間質性肺炎の第一人者であられる、公立陶生病院の近藤先生が来られる、ということで万難を排して参加して参りました。とはいえ、第16回BRONCHOのあとでしたので、いささか遅刻しましたが…。


それはさておき、やはり多数例の経験をお持ち、かつ、最新の知見を数多くご存じの先生ですから、お話を大変面白く拝聴することが出来ました。


個人的に特発性肺線維症(IPF)の診療にはいろいろな面で困難を感じているのですが、その困難感を言語化して頂いて、かなりスッキリしました。私のような凡人には、この「言語化」が難しいのです。


多くのエビデンスがあって、その結果「やっぱりこうだ」というところもあるのですが、それを一言にまとめることが出来れば、多くの非専門医の先生方のお役に立つのではないか、とも思いました。でも、文献が多すぎて、まとめるのは大変だなあ…。



伺ったことで、大事なことを備忘的にメモしておきます。


  • IPFの診断は難しい。

  • IPFの進行速度にはかなりの幅がある。

  • %FVCの低下度合いが大きくなると、予後は不良である。

  • 当初ほとんど陰影がなく、陰影変化がない症例でも、蜂巣肺(HC)が出だしてIPFと後になって診断出来る例も多い。

  • しばしばfNSIPと鑑別困難なIPFが経験される。

  • fNSIPならステロイド+免疫抑制薬、IPFなら抗線維化薬であり、逆はほぼ禁忌と言ってもいいので、鑑別困難だとしばしば悩ましい。

  • 大事なことは経過観察と評価。ある診断、根拠で治療を開始しても、経過が想定と合わなければ方針を変更する必要もある。

  • 病理医の間での意見の不一致はかなり深刻である。Dr. Wells曰く”Miserable!”

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posted by 長尾大志 at 16:17 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2016年04月11日

徒然なるままに、第56回日本呼吸器学会学術講演会を振り返る

今回、臨床実習のタイムスケジュールに幅を持たせて融通がきくようになり、2日間の参加が可能となりました。おかげさまで割としっかり勉強出来たと思います。


症例検討会に参加してみました。でも、呼吸器学会でやる症例検討会、って、やっぱりああなっちゃいますよね。専門医向けにすると、マニアックになっていくわけで、病理の先生が「よくわかりません」、という症例が「面白い」症例なのか、という問いが残るわけです。


今後、「面白い」症例検討会、とはどういうものなのか、自分なりに考える手がかりにはなります。ハイ。考えていきます。



MRSAと緑膿菌感染症について、単に痰に「MRSAが見られた」「緑膿菌が生えた」からといって、それがMRSA感染症・緑膿菌感染症とは限らない、なので、抗MRSA薬、抗緑膿菌薬を使わなくてはならないとは限らない、というお話、昨今多くのデータが蓄積されてきています。


この話も学会の、上の方のレベルになると、権威の先生方の間に温度差が出来るところは興味深いですねー。COIの温度差、でもあるのでしょうか。


COI的な話でいうと、ニボルマブ(オプジーボレジスタードマーク)関連でお話をされていた先生方のCOI感もなかなかのものでした。薬価の話が問題、そこまではいいのですが、すべて患者さん個人の負担の話になっていて、保険制度や「国家」がどこまでまかなえるのか、という観点が全くなかったのには驚きました。後世の人々に申し開きが出来るのでしょうか。心配です。


IGRAs(IGRA)に関しては、日本の有病率と感度、特異度の考え方を学びました。結論としては、「IGRAは陰性のときにのみ意味がある」ということがよくわかりました。まあ、若い人の陽性は、ある程度マークする必要があると思いますが、そもそも取るべきかどうか、という議論もありますね。



あと気づいたのは、会場の割り振りがうまくいっていない感です。まあ、国際会館自体の造りの問題かもしれませんが、大きな会場はとことん大きく(1,800席)ガラガラで、200席レベルの会場があふれかえっているのと好対照でした。その割り振りも、COI感を感じるものでしたし。

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posted by 長尾大志 at 20:29 | Comment(2) | 学会・研究会見聞録

2016年04月10日

第56回日本呼吸器学会学術講演会に参加しました2

今日も第56回日本呼吸器学会学術講演会に参加してきました。今年は2日間たっぷり参加できましたので、いろいろと見聞を広めることができたように思いますし、多くの出会いもありました。


今回、ウチからは仲川先生と内田先生の研究発表が有りました。2人ともしっかりキャリアがありますので、何ら心配は無用で、気楽に眺めていられました。


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また今回、滋賀医大の卒業生で他施設に所属している先生方の発表を見ることができました。アドバンスポリクリで呼吸器内科に来てくれた人が、立派な呼吸器内科医になって学会発表をなさっている。これは感無量でしたね。


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1つの店舗ですが、売り上げ1位だそうです。かなり大きく並べて頂いていたので、責任を果たせてホッとしました。


また学会で得たこと、所感などは日を改めて書きますが、次の週末のセミナーの告知をしておきましょう。



Dr.長尾の「呼吸にまつわる」シリーズ第4弾!
急性期・術後の呼吸器ケア

http://www.medica.co.jp/seminar/detail/131


2016年04月16日(土) 9:30〜16:30 建築会館(東京)1階ホール

大阪会場のアンケートも好評の、呼吸生理と酸素・人工呼吸にドレナージの基礎知識もセットにした盛りだくさんのセミナーです。


場当たり的に「こうだったら、こうする」ということをお教えするのではなく、「呼吸とは、こうなっている」ことを身につけて頂いて、どんなことが起こっても理屈に基づいた対処ができるようになることを目指します。『やさしイイ血ガス・呼吸管理』の内容もふんだんにご覧に入れます。

http://www.medica.co.jp/seminar/detail/131

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posted by 長尾大志 at 19:21 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2016年04月08日

第56回日本呼吸器学会学術講演会に参加してきました。

今日は朝から1日、第56回日本呼吸器学会学術講演会に参加しておりました。


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宝ヶ池の国際会館あたりには、まだサクラが残っておりました。


当科の中野科長が熊谷賞を受賞、ということで記念講演を聴いたり…


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気になる、書籍コーナーの『やさしイイ血ガス・呼吸管理』を見て回ったり…


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丸善さん、てんこ盛りにしてくださってます!ありがとうございます!


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『呼吸器内科 ただいま診断中!』もいいところにおいていただいてました。感謝しております。

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posted by 長尾大志 at 23:08 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2016年01月25日

教育方法改善に関するFD・SD研修会「アクティブ・ラーニングを促す30の教育技法」

先週19日の火曜日は盛りだくさんで、教育方法改善に関するFD・SD研修会「アクティブ・ラーニングを促す30の教育技法」に参加しました。その前には臨床実習前オリエンテーションがあり、その後には内科の新年会があり、結局新年会には大幅に遅れて行きました。


本セミナーでは、多様なアクティブ・ラーニングを促す教育技法を説明し、簡単に、手軽に講義法に取り入れる方法をお伝えします。ってことで、いろいろな技法を紹介頂きましたが、どちらかというと講演内容は「アクティブ・ラーニング、こういうもんですよ〜」「やっってみたらどうですか〜」みたいな内容でした。医学部のセッティング(1対100、知識伝達中心、思考力は症例問題)で例えばどんな授業を組み立てるのか、など、もう少し具体的なことも伺いたかったです。


本当はその辺を質問したかったのですが…言いたいこと(滋賀医大でも実践は問題なく出来るということ、学生さんの反応はすこぶるポジティブである、ということ)を言っただけで「時間の関係で」終わってしまいました。


紹介して頂きながら頭の中で、「これは使える」「これは無理」とシミュレーションしてみたのですが、大人数講義の中で使えそうなのは「クリッカー」「理解促進テスト」「間違い探し」「ペア・リーディング」「eラーニング」「Think Pair and Share」「間違い探し」「EQリスニング」「マインドマップ」「ミニッツペーパー」あたりかなあ、と思いました。


反転授業、バズセッション、ポスターセッション、KJ法、ロールプレイングなどは、小規模グループが形成できれば効果的に使えそうですが、カリキュラムの改革が必要になってきますね。


そう考えると、クリッカーはやはり優れているなあ、と再認識。今は60個しかお借りしていませんが、増員を検討したいところです。


それと、eラーニングは本気で作らなくてはならない、喫緊の課題としてそう思いました。そういえば以前教育用動画を作ってお蔵入りになった、それ以来多忙過ぎて取り組めていませんでしたが、ちょっと取り組んでみようかと思います。

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posted by 長尾大志 at 12:38 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2015年12月19日

第86回日本呼吸器学会近畿地方会に参加しました。

今日は第86回日本呼吸器学会近畿地方会in京都でした。


今日は座長もなかったので、いろいろと見て回ることができました。


今回は、ウチからの演題は1つでしたが、新入局の平山先生が発表してくださいました。


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堂々たる受け答えで今後が期待されます。


ウチのOB・OG諸君も大いに活躍。皆を見て回るのが大変でした。


大阪から鳳山先生と河島先生。


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坂下先生は、難解な超多剤耐性結核の症例を。


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そして滋賀医大卒業生の工藤先生の発表も。


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いろいろな経験を積んでおられますね〜。



明日からしばらく、冬休みを頂きます。更新が滞るかと思いますが、何卒ご容赦ください。

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posted by 長尾大志 at 21:07 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2015年12月11日

滋賀IPF研究会に参加して

昨夜は滋賀IPF研究会に参加してきました。


某メーカー主催の、まあCOIがらみの講演会なのですが、お話しになる先生方はいつも、お話を拝聴したいと思っている豪華メンバーで、自分の知識を確認する機会としては貴重な会です。


今回は天理よろづ相談所病院の小橋陽一郎先生によります、『間質性肺炎の病理:画像との対比を含めて』というタイトルでお話を頂きました。大変興味深く拝聴しました。


備忘のため、いくつかメモを残しておきます。ちょっとマニアックなので一般向けではありません。あしからず。


・牽引性気管支拡張の周囲にある線維化様のdenseな場所は無気肺硬化型の線維化であり、EvGで染めてみると肺胞壁は折りたたまれて残っている。そういうものはステロイドなどによる可逆性が期待できる。


・AIP/DADやLIP、それにRB-ILDやDIPには、結局、特発性例はほとんどない。


・NSIPは均質な病変、OPは斑状の病変。


・結局のところ、Honeycombingとはどのようなものであるのか、病理医の間で定まったコンセンサスはない。


・蜂巣肺の『嚢胞』は、肺胞構造が改変された線維化病変内の末梢気腔が拡張して出来たもので、牽引性気管支拡張とは違うものである。嚢胞なので『底』がある。牽引性気管支拡張には『底』がない。


・病理でいうothersには特発性でない、何らかの原因があるものが少なからず含まれている。わかっているものでは鳥と膠原病。


すごく面白かったんですが、伝わらないような気がしますのでこのぐらいにしておきます。




ところで明日、大阪駅前、グランフロント大阪にて開催される、こんなフォーラムで胸部X線写真のお話をします。

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宿坊合宿の熱気を持ち込んだ、楽しく聞けるお話になっていると思いますので、大阪近郊の方はぜひお越し下さい。すっかり告知を忘れておりました。

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posted by 長尾大志 at 16:52 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2015年11月14日

木曜日、雨森先生のお話を拝聴しました。

そういうわけで木曜日は結構あちこちでの勉強会を拝聴させて頂きました。


まず学内で行われた、平成27年度「在宅医療研修会」。


講師は弓削メディカルクリニック 院長の雨森正記先生でした。このあたりの医師で、ご存じない方は居られないと思いますが、竜王町で在宅医療に熱心に取り組まれています。また、若手の育成にも熱心で、本学からも学生〜研修医が数多く、常にお世話になっています。


講演内容としては、事前のメールでは在宅医療における大学病院の役割〜事例を中心に〜とアナウンスされていましたが、もっと実際に即した、「家に帰りたいと言われたら」というタイトルでお話し頂きました。


全国的にはなかなか在宅の看取りが進んでいない現在、竜王町は滋賀県下で最も在宅看取りに取り組まれています。在宅で看取るということ、その考え方と実際について教えて頂きました。



まず最初に「あなたは最期を迎える場所はどこがいいですか?」というような質問がありました。聴講者(医師、看護師、コメディカルスタッフ)の多くは「自宅がいい」との答え。そう、実際多くの人(患者さん)も、自宅での看取りを望んでおられる。最期の時間を自宅で過ごしたい、と思っている方が多いにもかかわらず、実際自宅での看取り、となるとハードルが高くなる理由はなんでしょうか。


いくつかのポイントをお話頂きましたが、竜王で在宅看取りが多く行われている理由は、もちろん地域に密着しておられる雨森先生の存在、地域の方々との信頼関係が大きい、そして先生以外のスタッフの方々のご努力、これは間違いありませんが、加えて、家族や本人の「家へ帰りたい、帰ってきてほしい」という意思の強さ、これも感じました。


「在宅では無理なんじゃないの?」という事例も、こちらがハードルを高くしているのだ、という観点もあり、納得できるものでした。周りの人と話し合って考えたりする時間もあり、その後具体例を挙げて実際にどのような対応をされたか、エピソード豊富にお話し頂きました。


もう、どの患者さんのエピソードも、信頼されているのがにじみ出ているんですね。27年間竜王に密着して、ずっとそこに居られる、それこそが信頼を生み、「先生に最期診てもらいたい」「先生にだったら任せられる」というご希望が後を絶たないのだな、と思いました。それで先生もno refusal policy。それは「じゃあ私も」「うちも」となるように思います。


大学の事例で言うと、ご本人やご家族が自宅での最期の時間を望まれないケース、大学がかかりつけ医、最も信頼されている医師になっているケースなどでは、難しいところも多々あるようです。地域性や患者さんと家族の関係性などもあるのかも知れない、と思うと、竜王町の方々はしあわせな家族関係を築いておられる方々が多いのではないか、そんな感想も持ちました。

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posted by 長尾大志 at 15:48 | Comment(5) | 学会・研究会見聞録

2015年10月10日

欧州呼吸器学会2015 in アムステルダム写真・番外編?本編?

アムステルダムで空いた時間に、美術館を訪問しました。中でもゴッホ美術館は、そもそもゴッホ作品を年代別に体験できるスゴいコレクションがあるのですが…

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今回、ムンクとゴッホ展という、須藤凜々花の握手に行ったら一緒に山本彩もいた!的な俺得企画がちょうど始まったところで、(普段から混んでいるらしいのですが)なかなかの混み具合でした。


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中の写真は撮影禁止でしたのでありませんが、年代を追って配置する以外に、同じようなテーマ、構図の両者の写真を並べるなどセンスのよい展覧で、ものすごく心に響きました。絵画を見て心が揺さぶられたのはあまり経験がなく、本当に行ってよかったです。


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ついつい。

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posted by 長尾大志 at 21:48 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2015年10月06日

欧州呼吸器学会2015 in アムステルダム写真5

肺エコーのお勉強もしました。エコーライブはやりとりが面白かった。

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PETの話題とかは特に目新しいものはありませんでした。日本素晴らしい。

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いよいよG先生の海外学会デビューです。緊張の一瞬!

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……発表は無難に終わりまして、無事に帰国となりました。

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posted by 長尾大志 at 19:20 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2015年10月05日

欧州呼吸器学会2015 in アムステルダム写真4

まだまだしつこく壮行会写真が続きます。こちらのお店。

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前菜をたんまり頼みました。

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ソーセージはセルフで切ります。

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私がメインに頼んだのは、タルタルステーキです。初めて食べましたが、生肉!って感じでおいしかったです。特段その後体調に変化はありませんでした。

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他の先生方はムール貝をオーダー。たんまりやってきました。

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その後散策。オランダの夜と言えば…(以下略)。

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posted by 長尾大志 at 14:36 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2015年10月03日

欧州呼吸器学会2015 in アムステルダム写真3

もう少し、備忘のため写真を整理します。


ACOSのセッションでも「ACOSなんて言うなよ」と言っちゃう。日本人だったらここで感情的になったりするけど、彼方ではあくまで合理的思考。

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個人的なベストディスプレイ。センスがいいのは文化の違いか、普段から触れているものの違いか??

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レンブラントの家。隣は美術館でしたが、閉館間際で入れず。

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運河の街ゆえ、跳ね橋があちこちにありました。有名なマヘレの跳ね橋は工事中でしたが、こちらも趣があります。

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エルミタージュ美術館の別館。こういうことができるのはやはり近しい関係だからなのでしょうね。うらやましい限りです。こちらも時間の関係で入館できず。

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こちらがマヘレですが、工事中で近くに行くとバリケードで何も見えません。

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こういう、運河の上の家がたくさんありました。しかしオランダって、洪水とか津波とか地震のない国なんですね。

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G先生の発表前壮行会はこちらで行いました。1700年代からあるそうです。

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posted by 長尾大志 at 12:12 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2015年10月02日

欧州呼吸器学会2015 in アムステルダム写真

もう少し、備忘のため写真を整理します。


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趣向を凝らしたメーカーブース。今回はあまり回りませんでした。


日経メディカルの連載のネタとして取り上げる予定の、ACOSに関するシンポジウムで勉強をしました。まあいろいろと賛否もありそうですが、自分の理解で大きく間違いはなさそうということが確認出来ました。

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いつも思うことですが、彼方の先生方はプレゼンが上手です。発表の内容よりも、プレゼン自体に目が行く、まあそれもどうかと思いますが、いろいろと学ぶ(盗む)べきところが多かったですね。

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posted by 長尾大志 at 10:43 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2015年10月01日

欧州呼吸器学会2015 in アムステルダムから帰ってきました。

というわけで、更新もままならないまま、無事にオランダから帰って参りました。
備忘に写真をupしてみましょう。おつきあい頂ければ。


アムステルダム中央駅。工事中ですが、東京駅のモデルと言われるだけに立派なものです。

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毎日お世話になったトラム。大変合理的で、オランダ語がわからなくても何とかなりました。この合理的考え方こそ、私たち日本人に欠けているもののような気が。

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これまた毎日お世話になった国鉄。今回、トラムは乗り放題だったのですが、こちらは地味にそこそこのお値段だったので、それなりに自己負担は多かったです。

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学会場入り口。

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入り口の反対側には"I amsterdam"のモニュメント?他の場所でも見かけたのですが、ダジャレにしてもそんなに上手くないです。日本語で言うと、「発表を見て回っテルダム」という感じでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 14:08 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2015年09月28日

欧州呼吸器学会2015 in アムステルダム 2日目

到着したのは昨日の夕方、無事に到着しました。ホテルは間際に取ったため市内が取れず、空港内のホテルでしたので、昨日は発表する先生を市内のホテルに送り届けて、軽食を食べたら時差ぼけ対策で早じまいしました。思いの外スンナリ事が運んで、ホッとしております。


そういうわけで今日からの学会参加です。いやあやっぱりたまには学会に参加しないと、って感じです。世の中進んでますねえ。


情弱のため写真がup出来ませんが、また帰国したらupします。とりあえず無事のご報告まで。

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posted by 長尾大志 at 06:00 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2015年07月12日

第85回日本呼吸器学会近畿地方会見聞録

昨日行われた第85回日本呼吸器学会近畿地方会でもいろいろと勉強に励んで参りましたが、中でも間質性肺炎に関するランチョンセミナー(自治医科大学呼吸器内科 板東先生)と教育講演(国立病院機構姫路医療センター 河村先生)を興味深く拝聴しました。


ランチョンではこれまた噂レベルであったニンテダニブがいよいよ承認された、とのことで、各種試験の結果を教えて頂きました。昨日も書きましたが、これから出てくる、こういう革命的な新薬は、どうしても薬価の問題を避けて通れなくなるところがありそうです。今回は薬価に関する言及はなかったように思いますが、どう考えても安くなるとは思えません。


まさに○○の沙汰も○次第、1人の人の予後を○ヶ月延長するのに○千万円かかります。その負担は○人で割ってください、という時代は多分そう遠くない将来やってきます。今はまだ割る人数が多いからやっていけてますけど、この患者さん1人にかかる薬価、締めて6ヶ月2千万円を4人で負担してください、と言われてニコニコ払えますか、ということです。どこまでだったら許容されるのか。線を引けるのか。国民、いや、世界人類の全てが考えなければならない時代はすぐそこです。


河村先生のお話は、やはり間質性肺炎診療の難しさを教えて頂けました。とにかく難しいです。自分的には、「やさしイイ呼吸器教室」の理解に大間違いがないこと、初心者向けによくできているなあ、ということを再確認できてよかったですが。

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2015年07月11日

第43回Shiga Chest Disease Conference、Lung Cancer Seminar in Shiga 2015に参加しました。

今週の後半は、インプット活動に充てました。木曜日に第43回Shiga Chest Disease Conference(大阪市立総合医療センター腫瘍内科 武田先生)、金曜日にLung Cancer Seminar in Shiga 2015(北海道大学呼吸器内科 大泉先生)、いずれも今年のASCO(米国臨床腫瘍学会)便りで、新しい知見をたくさん学ぶことができました。


噂にしか聞いていなかった「免疫チェックポイント阻害剤」の衝撃!これまでの常識がひっくり返りました。


これまではピンポイントの変異に対する分子標的薬しかなかった、すなわちタバコ癌以外の、ピンポイント変異によって癌化したような症例にしか分子標的薬の恩恵はなかったわけですが、免疫チェックポイント阻害剤であるペンブロリズマブは、遺伝子変異が多く存在していればしているほど効果があると言います。


いやあこれまでは、タバコを吸って癌になったというケースには最新治療の恩恵がないものだ、と思っていましたが、これでタバコを吸って癌になってももう大丈夫、どんどんタバコを吸いましょう、ということになるのかと、少し心配なところもあります。


それとなんといっても医療費ですね。抗癌剤だけで1ヶ月何百万、ですか。多くの癌の保健適用になるとすると、保険財政はもう持たないですねー。



それ以外にも第3世代のEGFR-TKIとか、グレリン様物質とか、化学療法の比較試験とか…盛りだくさんでありましたが、免疫チェックポイント阻害剤のいろいろな意味での衝撃が強すぎて…復習にも身が入りません。いったい、どうなるのだろう…。

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2015年02月01日

第21回びわこ臨床研修ネットワーク学術講演会見聞録2

昨日参加した表記の会、教育講演は滋賀医科大学精神医学講座の助教、栗本直樹先生による
『 今日から役立つ精神科―うつ病は治る。抗不安薬、睡眠薬のホントの使い方― 』。


自分が不勉強なこともあるのだと思いますが、結構目からウロコのお話が聞けました。医師臨床教育センターの西田先生も来られていたので、イブニングセミナーで是非話をして頂くよう進言しておきました。


栗本先生にどこまで書いていいか聞けなかったので、概要だけ紹介します。


・うつ病を考えるときに、うつ病=気分が落ち込んでいる、と考えると本質を見誤る。


・うつ病には本質(制止=意欲、集中力、思考力などの低下による活動力の低下)と周辺症状(不安とか不眠とか)がある。


・本質のところをよくする根本治療は抗うつ薬、電気痙攣療法のみ。


・周辺症状に対する対症療法は抗不安薬、睡眠薬があるが、これらでは決して根本治療にならず、却って症状をマスクし治癒を遅らせることになるため、決して使わない方がいい。


・問題は根本治療である抗うつ薬が、効果発現が遅く、副作用が速やかに出てしまうこと。ちょっと副作用が出て「こりゃダメだ」と中止されてしまうと、治療にならない。対して、抗不安薬や睡眠薬は、副作用が少なく効果が直ぐに見られるので、使いやすくつい使ってしまうのが問題。


対症療法で何となく症状が良くなると、根本治療がなされなくなる。喘息の治療に通じる考え方で、非常に納得できました。



引き続き、特別講演は京都府立医科大学付属病院救急医療科/救急医療部の教授、太田凡先生による

『救急室でのあんなトラブル、こんなトラブル』。

有名な先生でいらっしゃるのですがこれまでお話を伺ったことがないので、楽しみでした。


救急をやる若い医師への心構え、トラブルに発展する事例をいろいろ例示されて教えて頂きました。なかなかここでお示しすることは出来ませんが、心に残ったこととして…


例えばコンビニ受診、軽症患者の救急車要請は医療資源の無駄遣いであり、患者、市民にそういうことを避けるよう教育はすべきだが、患者を叱責しても決してうまく行くことはない。


などなど、救急の現場ではこちらの態度、対応が何よりも重要であることを強調されました。


栗本先生、太田先生、ためになるお話をありがとうございました。

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posted by 長尾大志 at 11:31 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2015年01月31日

第21回びわこ臨床研修ネットワーク学術講演会見聞録

今日は表記の会に行ってきました。県下の研修医の先生方による一般演題もいろいろな意味で興味深く、教育講演、特別講演が普段なかなか拝聴することの出来ない、精神科領域のお話と救急領域のお話であったので、とっても勉強になりました。


教育講演と特別講演の見聞録はまた明日。今日は、県下の研修医の先生方の発表を聞いて、あるいはお話をして思ったこと。


  • 県下の有力病院の少なからずに呼吸器内科医がいない弊害はやはりまだまだある。

  • 呼吸器内科医がいないことで指導されないことは○○や○○。

  • 「やさしイイ呼吸器教室」「やさしイイ胸部画像教室」は、呼吸器内科医がいない中核病院における研修医教育に、結構役立っているらしい。



時間もないので、手前味噌で終わっておきます。( ^ω^ )

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posted by 長尾大志 at 21:12 | Comment(2) | 学会・研究会見聞録

2014年12月13日

第84回日本呼吸器学会近畿地方会見聞録

今日は、第84回日本呼吸器学会近畿地方会に参加してきました。


今回は珍しく座長の依頼がなく(呼吸ケア・リハビリテーション学会の座長を秋にやったから?)、気楽に参加することが出来ました。ウチからは初期研修医、後期研修医による3題と、ウチから他施設に出ている4年目の先生、合計4題出していましたが、やはり自分が出すよりも緊張します。(+ε+;; )


質問に戸惑っている様子が見えたときも、助けに入るべきか、いや助けに入るのは最終手段、ここは自分で対処させて経験値を上げるか、結構ドキドキしながら見守っているのですが、当の発表者の先生方は割とひょうひょうと「わかりませーん」みたいな感じだったりします。また返答の仕方など、フィードバックしましょう。


今回は発表の時間帯が重なったりして、1人の発表が終わるやいなや次の会場へ…みたいなことをしてしまいましたが、基本は自分の発表が終わっても、そのセッションが終わるまでは参加し続けるのがマナー、かつ勉強になります。付き添いの先生も。1人済んだらその施設の先生方がゾロゾロ出て行くのは、見ていてちょっとアレだなと思います。そこは繰り返しておきましょう。


以前にも書いたような気がしますが、他施設からの発表を見ていると、発表とか以前に診断や評価の際の基本的なことが出来ていない人をチラチラ見かけ、気になりました。それが結構名のある施設だったりするのでなおさら、ちょっと心配になりました。



それから、自分がワーキンググループをやっている、「呼吸器科診療にたずさわる医師支援を考えるフォーラム」に参加しました。奈良医大の須崎先生のお話は、大学教員に女性が少ない、特に上級職に少ない、増やすための取り組みについてでした。それから、あすかい内科の飛鳥井先生のお話は、30年ほど前に結婚、妊娠、出産、育児と医師としての生活を振り返ってのご苦労されたお話。いずれも興味深かったです。


お2人のお話に熱が入り、最後に発言する時間はありませんでしたが、思ったことは3点。


・学生は、大学教員にロールモデルを求めているので、ワークライフバランスをうまくやっている女性医師が大学にたくさんいることこそが、女子学生が大学に勤めやすくなる方策になると思いました。


・飛鳥井先生は、出産後一旦職を辞めておられました。一旦辞めるとなかなか復職に至れないケースが多い、という須崎先生のお話もありましたが、辞めて子育てをされていた方が、復職して一線で働こうと思われるに至った、モチベーションの源泉は何であったか、ここにヒントがあるように思いました。


・飛鳥井先生の最後のお言葉は非常に重いもので、お母さんが子育てをしながら働くことの難しさを物語るものでした。結局は、どこにどの程度時間を割くか、人生観、価値観の問題になるでしょう。それが、ひょっとすると最近は、志向がライフ>ワークになってきていることで、大学離れが加速しているのかも、と思いました。

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posted by 長尾大志 at 21:06 | Comment(2) | 学会・研究会見聞録

2014年10月06日

第24回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会「安全管理」セッション予習1

というわけで、例によって予習におつきあい下さい。


■ 呼吸リハビリテーションにおける脱落理由の検討

概要
呼吸リハビリテーション開始した85例中、12週終了時の評価が欠落している27例を後方視的に解析した。内訳はCOPD10例、間質性肺炎11例、肺MAC症3例、肺結核後遺症3例であった。脱落理由は他科疾患の合併が8例、自己中断7例、感染症4例、心理的要因3例、その他5例であった。


心理的要因による脱落は整形外科疾患合併と自己中断による脱落に対して、6分間歩行距離・ADL・PaO2・徒手筋力テストにおいて多重比較で統計的有意差を持って悪い結果であった。


所感
せっかくリハビリテーションを導入しても、脱落してしまったのでは元も子もありません。脱落理由はいろいろありますが、その理由を知ることで脱落を防ぐ、介入につながるような検討が望まれます。


本検討では、心理的要因による脱落は、筋力・ADL・持久力などが、整形外科疾患合併と自己中断による脱落に比べて不良な傾向があった(有意差あり)ということですが、心理的要因と自己中断を厳密に区別することはなかなか困難なようにも思われます。


しかし結果の意味するところは、体力が弱いとリハビリの負担が大きく、心理的にも負担になってしまう、ということでしょうか。整形外科疾患合併症例においては、それまで体力はあったものの、骨折などで運動自体が出来なくなったために脱落した、ということでしょうか。


標本数が少ないので統計学的検討で全てを語るのはかなり苦しいと思います。こういう場合は文献的考察を盾に、思うところ、描いたストーリーを語る、というのが順当な流れですね。当日の発表を拝見したいと思います。

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posted by 長尾大志 at 18:50 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2014年09月23日

平成26年度日本内科学会生涯教育講演会Aセッション見聞録

9時半から15時半まで、という、メディカ出版さんのセミナーと同じスケジュールで行われましたので、このスケジュールでじーっと座って話を聞いている、受講者のしんどさがよく理解できました。もちろん、しゃべる方はもっとしんどいですが…。


やはり間に手を動かしたり頭を動かしたり口を動かしたり…、いろいろ挟みながらやらないと集中力が持ちませんねー。その場で復習のために問題を解いて頂くのはやはり有用だと思いますし、ちょっともう少し工夫できることを考えようと思います。


ちなみにセミナーの申し込みはこちら。
http://www.medica.co.jp/seminar/detail/131



さて今回のAセッションでは、消化器、内分泌・代謝、神経、アレルギー・膠原病、内科一般という領域の、日本における第1人者の先生方によるご講演を頂きました。例によって備忘のため、いくつかメモをとっておきたいと思います。


(メモここから)

  • 胃癌やMALTリンパ腫以外に、ピロリ菌の持続感染によって、多様な疾患が発症することが知られている。特発性血小板減少性紫斑病・鉄欠乏性貧血・慢性蕁麻疹など。

  • ピロリ菌は癌の発症に関わっているのではなく、できあがった癌の増殖を促進している。除菌によって5年間は癌の発症が抑制されるがその後は非除菌群と同じように発症してくる。日本人の胃癌の99%以上がピロリ関連であることは確かであるが、結局除菌のメリットは明らか、と言うのが難しくなってきている。

  • IgG4関連疾患の治療にステロイドを使うが、中止で再燃が多い(3年で9割)ことから日本では少量ステロイドによる維持が勧められる。欧米では6ヶ月で止め、再燃時にアザチオプリン、リツキシマブを使っている。

  • 極端な低糖質・低炭水化物ダイエットは、かえって耐糖能悪化を来す。

  • HbA1c値はNGSPで7%未満を目標にする。

  • SGLT2阻害薬はやっぱり夢の薬である。

  • 降圧薬を使ってもなかなか血圧が下がらない場合、@腕が太すぎないか A服薬出来ているか B白衣高血圧 CNSAIDsなど血圧を上げる薬を内服していないかを確認する。

  • それでもダメなら二次性高血圧の除外を考える。多いのは原発性アルドステロン症で、@低カリウム血症 A若年 BU度以上 C40歳以下で脳血管性障害 であればスクリーニングを行う。最近注目されている二次性高血圧の原因は睡眠時無呼吸症候群で、@顎が小さい A頸が短い B太っている 等があれば一考すべきである。

  • 群発性頭痛は必ず片側である。

  • 多発性硬化症はRAや炎症性腸疾患と同様のSNPsを持つ自己免疫性疾患であり、IFNβや分子標的薬が使われる。最近急増しているが、腸内細菌の偏倚が原因として考えられている。

  • 抗リン脂質抗体症候群は、血栓傾向で動脈血栓(特に脳梗塞)を起こす唯一のものである。他のものは静脈血栓のみ。生命予後に関わり、再発が多い。ステロイドや免疫抑制薬は無効で抗凝固治療が中心。

  • 抗リン脂質抗体症候群を疑うときは、@若年発症(50歳以下)血栓 ASLEに血栓が合併 B妊娠合併症、流産の既往 C血小板減少症。

  • RAにMTXを2年以上使用すると、リンパ腫が発症する。EBV陽性となることが多く、節外病変が多い。MTXの中止で自然退縮するが、免疫抑制をかけると再発するのでその後は使わない。


(メモここまで)


あと、湘南鎌倉から京都府立医大に来られた太田先生のお話「高齢者には敬意を払うべし」は有り難いものでした。また若手に伝えていきたいですね。

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posted by 長尾大志 at 15:15 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2014年09月20日

第17回滋賀呼吸器感染症研究会見聞録『肺炎クラミジアは肺炎を引き起こすか?〜マイコプラズマ肺炎との比較』2

クラミジア以外の非定型病原体についても面白いお話がいっぱいでした。


(理解サマリーここから)

  • マイコプラズマは、菌体先端のTipが気管支粘膜上皮細胞の線毛にくっつき、滑走することで感染する。したがって、線毛が脱落してきている喫煙者や呼吸器基礎疾患のある人、高齢者には少なく、若くて気道のきれいなヒトに多い。

  • 若くて喫煙せず呼吸器基礎疾患のないマイコプラズマ症例がしばしば劇症化しARDSとなる。IL-18 が増えることが観察されている。

  • マイコプラズマは病原菌そのものが組織を傷害するのではなく、生体の免疫反応によって症状が起こっている。それ故、PC肺炎同様、特に重症例の治療にはステロイドを使う方がよい。しかし適切な抗菌薬を必ず併用する。さもなければ、菌を播種する結果になってしまうから。

  • 重症マイコプラズマの治療にステロイドが効く、というランダマイズドコントロール試験を行うのは難しく(そもそも早期の診断が難しい)、現段階ではエビデンスに乏しいが、効くかも、という感じはある。LDHが高い症例にて効果が期待できるようである。

  • マイコプラズマは気道に持続感染を起こし、気道過敏性亢進を来す。喘息の増悪に関与することはわかっているが、発症に関与するというエビデンスはまだない。

  • マイコプラズマの診断に用いられるリボテストは、1✕10^4の菌がいないと陽性にならず、感度が低い。プライムチェックは偽陽性が多すぎる。

  • マイコプラズマ、クラミジアの感染で気道の過分泌が起こる。臨床的に、乾性咳嗽が多いとされているが、果たして…。

  • 成人マイコプラズマ肺炎にマクロライドを投与して重症化、死亡例は見られなかったことから、耐性の問題はあるとはいえ、1st choiceはマクロライドでよい。症状だけで言えば自然軽快もあるのではないか。マクロライド無効ならばMINO、キノロンになるが、キノロンはできる限り温存する。マクロライドは分泌物を減らす効果も期待できるのでなおよい。

  • レジオネラ肺炎における尿中抗原の感度はきわめて低く、多くの症例が診断されていない。ただその多くは軽症例であり、重症例になると尿中抗原の意義は増す。現段階で現実的には尿中抗原でしか診断できないので、臨床症状から疑うことも重要である。

  • レジオネラ肺炎のCT画像は非区域性に拡がるすりガラス影の中に、明瞭かつ直線的に(小葉間隔壁で)境されたコンソリデーションが見られる。

  • 頑固な咳症例で、非定型病原体感染が咳喘息との鑑別困難なことがあるが、NOとβの反応性で多くは鑑別可能である。

  • クラミジア感染にフルチカゾンを使用すると菌がどんどん増えた。咳喘息との鑑別が重要と考えられる。慢性咳嗽でICS無効、あるいは悪化する症例の一定の割合で、クラミジア感染が含まれているのだろう。

  • かつて使われていたヒタザイムIgMは偽陽性率が10-30%もある○○。同様に山口株、東浜株も○○。

  • NHCAPでも、誤嚥を繰り返している症例には抗菌薬を使っても意味はない、とみんな思っているが、ガイドラインにはそうは書けない。



(ここまで)


いやあ、本当に面白いお話でした。積年の謎が氷解する瞬間がいくつもあり、時間の経つのが早かったです。こんな講演が出来るようになりたい…。

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posted by 長尾大志 at 11:29 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2014年09月19日

第17回滋賀呼吸器感染症研究会見聞録『肺炎クラミジアは肺炎を引き起こすか?〜マイコプラズマ肺炎との比較』1

昨日は表記の会で勉強をさせて頂きました。毎年この時期、滋賀県下の医師と、主に細菌検査領域の臨床検査技師の方々を対象に、D日本S友さんの共催でやって頂いている会です。


毎回、M先生による丹念な細菌検査のお話、県下の有力病院におけるP.aeruginosaの感受性調査があり、大いに参考になるところと、だいたい毎年感染のスペシャリスト中のスペシャリストの先生によるとっても面白いお話を聴くことが出来るので、万難を排して聴きに行っています。ちなみに昨年はこんなお話でした。昨年もじゃんけん大会の翌日だったんですね。( ̄▽ ̄;) あれからもう1年か…。


メ○ペンの後発品が出てしまったそうで、D日本S友さんの行われているこの研究会、先行きが心配されるところです。メーカーさんにはとかく逆風の多い昨今ですが、何とか頑張って頂きたいものです。



さて、それでは今年の特別講演、川崎医科大学総合内科学1の准教授でいらっしゃる、宮下修行先生による『肺炎クラミジアは肺炎を引き起こすか?〜マイコプラズマ肺炎との比較』見聞録です。


私はずいぶん前に宮下先生のお話を聴かせて頂いたことがあって、そのときに「クラミジアの診断はしなくても大丈夫そうだ」という結論だけをtake homeしました。そのときのメモなどもなくなり、当時ブログも書いていなかったので、今回のお話を楽しみにしていたのです…。


公演中に何度も、「学会ではこんな話は出来ない。この規模の研究会だからぶっちゃけられる」「ガイドライン作成委員会ではもっと本音を語るけど、できあがったガイドラインは…」「こんなことは公の場で言っちゃダメ」など言っておられましたので、宮下先生のお言葉をそのまま掲載することは止め、講演を元に作り替えられた私の理解を備忘的に書いていきたいと思います。


なお、宮下先生の講演内ではクラミドフィラでなく「クラミジア」で統一されていましたので、ここでも踏襲して記載します。



(理解サマリーここから)

  • そもそも肺炎のうち、原因がクラミジアであることはまれで、割合はせいぜい1〜2%でしかない。他の非定型肺炎はマイコプラズマが10〜20%と多く、レジオネラは3〜6%程度と見込まれている。

  • 1980年代に「クラミジア肺炎が結構あるぞ」「重症化する」と言われていたのは、診断基準がIgGを使ったものであったためで、診断自体が誤りであった。あまりないし、重症化もしない。

  • C.pneumoniae、C.trachomatisは自分の身を守るために、目立たぬようにしており、強い炎症を起こさない。それに対してC.psittaciは本来鳥に感染する菌であり、人への感染はirregularであるがゆえに、鳥インフルエンザのごとく、強い反応を起こす→激しい症状が出る。

  • クラミジアの集団感染例で最も多いのは感冒様症状、次に気管支炎であり、肺炎はきわめて少なく細菌との混合感染がほとんどである。肺炎であっても健診発見とか、無症状のものが多い。

  • クラミジアはβラクタム系抗菌薬の存在で慢性持続型感染を起こし、薬剤感受性が低下する。したがって、市中肺炎で非定型を疑う場合、βラクタム系抗菌薬は使わない方がよい。

  • クラミジアをキッチリ診断するには抗体価の経過を追うしかない。現段階ではエルナスプレートIgG、IgA、IgMがよい。IgMは4週目以降がピークになるので、シングル血清で診断するには4〜6週目に採血をしないと意味がない。同様に、PTIgGも4週目以降に採ったものでなくては意味がない。

  • 肺炎クラミジアは症状が軽く、抗菌薬で治療されないことから、かえって集団感染が拡がりやすい。

  • クラミジアのCT画像はS9のみ、など区域性のコンソリデーションが多い。



(サマリーここまで)


まだまだ続きますが、今日のところは時間切れです。

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posted by 長尾大志 at 18:03 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2014年07月02日

第83回日本呼吸器学会近畿地方会見聞録・血管炎

呼吸器学会の近畿地方会では、大阪医科大学リウマチ膠原病内科の槇野茂樹先生によります血管炎のお話も拝聴しました。


最近名称が変わったり、診断基準が入り乱れていたりで、改めて知識の整理ができて良かったです。それとやはり、たくさんの症例を診ておられる先生のお話は聞いていて気持ちいい。特に槇野先生は「これは、こういうものである」ということをクリアーに言い切ってくださいますので、大変理解がしやすいのです。
というわけで、講演内容の覚え書きを、備忘のためまとめておきます。



(ここから講演内容)

そもそもWegenerが、戦時中にナチに関わった、ということから、病名からWegenerを外そう、ということから血管炎の病名、改名の機運が盛り上がった。当初「人名は全て外す」となっていたが、日本で開催されたアジア太平洋血管炎・ANCA国際会議(AP-VAS)で、「日本人の名前は残して!」という話になり、なんやかんやで結局高安病と川崎病は残った。


てことでCHCC2012(2012 Revised International Chapel Hill Consensus Conference Nomenclature of Systemic Vasculitides)で定義し直された主な血管炎の名前と分類。

★大血管
巨細胞性動脈炎(Giant Cell Arteriris:GCA)←元側頭動脈炎
高安病(Takayasu's arteritis:TA)


★中血管
結節性多発動脈炎(Polyarteritis nodosa:PAN)
川崎病(Kawasaki disease:KD)


★小血管
●ANCA関連小血管炎
・顕微鏡的多発血管炎(Microscopic polyangiitis:MPA)
・多発血管炎性肉芽腫症(Granulomatosis with polyangiitis:GPA)←元Wegener肉芽腫症
・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(Eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA←元Churg-Strauss症候群

●免疫複合体性小血管炎
・クリオグロブリン血症性血管炎
・IgA血管炎←元Henoch-Schonlein紫斑病
・低補体血症性蕁麻疹様血管炎(抗C1q血管炎)
・抗GBM病←元Goodpasture症候群



・血管炎は最初、詳細不明の炎症+関節痛で発症する。初期症状として特徴的なのは多発性単神経炎。そしてANCA陽性。これらのみの段階で発見されると、予後は良い。しかし実際問題、特異性の高い臓器症状が出てから診断されると、予後は不良である。


・日本の厚労省が定めている「診断基準」は、米国リウマチ協会など海外の診断基準とは異なるが、診断のコツ、解説が細かく書かれており、親切である。米国リウマチ協会は雑だが、論文を出すときにはこちらを適用せざるを得ない。


・血管炎は人種差が大変大きいので、海外の論文を見るときには注意が必要である。


・欧米ではGPAが多い。30〜40歳代に好発。北欧、北に行くほどGPAが多く、スペインはMPAが多い。
・欧州において、GPAは好発年がある(周期性あり)。
・GPAの再発予防にST合剤が用いられることからも、感染が何らかの形で関与していることが推測される。
・MPAは冬発症が多い。


・日本ではMPAが多く、60〜70歳代に好発。
・日本人のGPAではMPO-ANCA陽性例が多いが、欧米ではほとんどない。PR3-ANCAと両方陽性、という例もある。


・日本人のMPAのみ間質性肺炎が多い。海外では見ない。
・MPAの間質性肺炎は治療が入るとあまり悪化しない。
・MPA本体の病勢と間質性肺炎の活動性は必ずしも連動しない。


・日本人のTAは大動脈弓が病変になることが多い。
・インド人のTAでは腹腔動脈付近が病変になることが多い。
・欧米人のGCAは北に行くほど多い。


・TAの特異性のある症状がまだない段階では、PETがとてつもなく役立つ。
・TAで生命予後に関わるのはAR。


・GCAでは間歇性下顎痛が特徴。PETがここでも有用。高齢者のTAはGCAとの異同が問題となる。


・網状皮斑は中小血管の閉塞でできた側副血行路を見ている。


・EGPAのうちMPO-ANCA陽性例は半数。
・EGPAをよく検索すると心病変、消化器病変は多く、これらは生命予後に関わる。
・IVIGはEGPAの心病変、神経病変に効く。


・GPAはEGPA、MPAに比べて再発が多く、再発を繰り返して身体が痛んでいき、命に関わってくるという印象。
・GPAにはリツキシマブが強い。


・MPAはGPA、EGPAに比べて、押さえ込めば再発が少ない。
・リツキシマブはMPAにおいて、GPAほど絶対的に効かない。

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posted by 長尾大志 at 19:41 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2014年06月30日

Lung cancer seminar in Shiga 2014見聞録

昨日も書きましたが、Lung cancer seminar in Shiga 2014ではがんセンター東病院呼吸器外科の坪井正博先生による、今年のASCOからのトピックを含めた最新のエビデンスをご紹介頂きました。


外科の先生だからこそ、のクリアカットなお考え、それに手術をされている実感を交えてのお話が、いつもよく聞く内科サイドからのお話とはまた少しニュアンスが異なり、びんびん刺激的なお話として聞かせて頂きました。


いくつか印象に残った点を備忘のため記しておきます。キッチリエビデンスがあるお話とは限りませんが…。



・Single N2はLocal disease、Multi N2はSystemic disease


・EGFR+にケモラジすると、腫瘍細胞の性質が変わったためか、RFS短縮→それだったら手術→TKIの方がいいのかもしれない。


・区切ではマージン取らないと再発する。Mixed GGOでも脈管侵襲がたまにある。


・SBRT vs lobectomyでは意外に差が付いたので、特に若い症例ではlobectomyが良い。


・EGFR+の1stにイレッサとタルセバ、優劣なし。2ndも優劣なし。ちなみにイレッサ✕タルセバの比較試験を「入れたる(イレ・タル)試験」という。


・アファチニブはdel19なら良さそうだが、L858RだとOSが短縮し、1stで使うと耐性を誘導するのかもしれない。


・アファチニブは下痢がきついことがあり、要注意。


・ディオバン事件以降臨床試験の倫理指針が変わろうとしているが、若い人の柔軟な発想が研究になりにくくなるのではないかと心配している。


・EGFR+の1stはTKI。しかしどこかでプラチナ併用を使う方が、成績は良い。同時に使う試験が進行中。


・TKIフレアについて、TKIを使用中に病変による症状が出てきた人はTKIにケモを上乗せし、無症状の人はケモにスイッチ、としている。


区切vs葉切で、葉切の方が他病死が多いというデータを見ると、LN郭清しすぎるのも考え物かもしれない、という気持ちになる。縦隔リンパ節は他の病気の発生を抑制する役割を担っているのではないか。

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posted by 長尾大志 at 15:28 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2014年06月21日

第24回月輪呼吸器疾患研究会「肺・縦隔腫瘍に対する経動脈的治療の試み」見聞録

水曜日に行われた表記の会にて、ゲートタワーIGTクリニックの院長先生、堀 信一先生に「肺・縦隔腫瘍に対する経動脈的治療の試み」と題した講演を頂きました。


肺や縦隔の腫瘍に対する経動脈的塞栓術は、随分以前に一時多く試みられ、その効果と合併症の兼ね合いなどからなかなか難しく、広く一般に施行されることなく衰退してしまっている感があります。


しかし堀先生のご施設では、ここ10年間で格段の進歩を遂げたカテーテルデバイス、それに塞栓物質、薬剤を駆使され、私たちの持っていた印象を覆す、驚異的な治療例を見せて頂きました。


とにかく情熱がスゴくて、動脈をかなり細かく選択して、DSAをやった上にCTで染まりを確認、さらにspinal arteryへの流入を確認するためにキシロカインテストを行う、という、相当な手間をかけて緻密に施行されている塞栓術治療。


ケモで押すしかない内科医の治療とはひと味違う、大変印象的な事例の数々でした。


途中で引用されていた「エビデンスはなくとも患者さんのために最良と思われることをやる」という言葉に深く同意します。昨今のエビデンス至上主義では、このような治療の選択肢は上がってこないでしょうが、実際にいろいろな事例を見ると、こういうこともありなのか、もっと多くの施設でできれば、とも思います。


ではありますが、いや、であるからこそ、エビデンスの構築も是非お願いしたいものです。それにはやはり多くの症例が必要でしょう。今後ますますのご発展を念願するものであります。

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2014年06月18日

第83回日本呼吸器学会地方会「腫瘍3」セッション予習5

6月28日に開かれる第83回日本呼吸器学会近畿地方会、「腫瘍3」セッション予習の続きです。


■ 進行期胸部悪性腫瘍患者の薬剤投与量決定における日本人向けGFR推算値の実用性についての検討

概要
カルボプラチンの投与量決定に際してGFR値には24hrCcr値やCockcroft法による推算値を用いることが多いが、日本人向けGFR推算値(eGFR値)の実用性を検討した。60歳未満ではeGFR値と24hrCcr値の差はわずかであった。


所感
こちらも日々の疑問を、実際のデータで検証するという試みです。eGFRはCKDの時などに使われ、最近では検査結果のついでに出てくるようになって身近な存在ですが、薬剤の投与量などを決定する際には、24hrCcr値やCockcroft法による推算値を用いることになっています。そんなに違うものなのか?疑問でしたが、やはり全く同じように、というわけにはいかないようですね。


小柄な高齢者はeGFRが高く推算され、Cockcroft法はより加齢の影響を受けやすく、いずれも筋肉量が少ない=Creが低いと不正確になるようです。結局のところ、24hrCcr値を測定すべし、ということなのでしょうか。


最近腎機能低下時などにシスタチンCを測定されることもあるようですが、まだ確立されていると言いがたいようです。



■ 間質性肺炎合併の高齢者非小細胞肺癌に対するカルボプラチン+パクリタキセル療法の後ろ向き検討

概要
間質性肺疾患合併非小細胞肺癌に対して、しばしばカルボプラチン+パクリタキセル(CP)療法が用いられるが、高齢者に対してのプラチナ併用療法を検討した報告はほとんどない。


75歳以上高齢者11例の後ろ向き検討。奏効率54.5%、生存期間中央値8.2ヶ月、Grade 5の肺障害は1例に認めた。


所感
ウチでも間質性肺炎合併の高齢者非小細胞肺癌症例が多く、抗癌剤の選択に苦慮する場面は少なくありません。CP療法は比較的安全な印象がありますが、間質性肺炎の悪化がしばしば見られるのも紛れもない事実であります。また、しびれ(末梢神経障害)の問題もしばしば頭を悩ませます。


それでもやはりCPがベストなのか、このような症例に安全安心なレジメンは他にあるのか、考え討論できればと思います。

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2014年06月15日

第83回日本呼吸器学会地方会「腫瘍3」セッション予習2

6月28日に開かれる第83回日本呼吸器学会近畿地方会にて、「腫瘍3」セッション座長を務めることとなりました。今日もあれこれ忙しかったのですが、予習を少しだけやってみました。


■ Bevacizumabを含む化学療法が脳転移病巣に奏効した進行肺腺癌の1例

概要
初診時脳転移ありStageWの肺腺癌症例に対しサイバーナイフ施行後CDDP+PEM2コース投与したが、脳転移新病変を認め増悪と判定した。2次治療としてCBDCA+PTX+Bevacizumabを投与したところ脳転移病巣は縮小し、脳出血などの毒性も認めなかった。


所感
当初脳転移があったらほとんど禁忌、みたいな扱いだったBevacizumabですが、それほど脳転移病変のトラブルは経験されていないようです。それでも、「大手を振って〜」というのとはまだ違う、微妙な扱いになっているように思います。


「慎重投与」を外すということになると、確たるエビデンスを必要とします。まだ今は蓄積の時期でしょうか。


また、実際使用していての疑問は、効果がある症例とない症例があるという点です。確かに脳転移にも効いたように見えることもあるのですが…効果が期待できる症例かどうか、予見することはできないものでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 18:54 | Comment(2) | 学会・研究会見聞録

2014年06月13日

第83回日本呼吸器学会地方会「腫瘍3」セッション予習1

6月28日に開かれる第83回日本呼吸器学会近畿地方会にて、「腫瘍3」セッション座長を務めることとなりました。例によって、「その他」に近いセッションになります(//∇//)


何が気になるかって、どんな服装でいったものか、ということです。例年夏の地方会はメッチャ暑いので、クールビズにさせて頂くことが多いのですが…座長でもあり、上着はあった方がいいかと思ったり、遠いので荷物になるかとも思ったり。


姫路であるからか、演題は若干少ないようですが、逆にいつも精力的に学会など参加されている姫路の先生方には敬意を表します。閑話休題、恒例の予習にお付き合いいただきたいと思います。



■ 胸壁軟骨肉腫の一例

概要
中年女性。3年前から検診胸部X線写真で右肋骨骨折を指摘されていたが放置。本年は同様の右肋骨骨折と左肺の陰影を指摘されて受診。右肋骨の腫瘤と左肺結節、左肺動脈に塞栓を認めた。胸壁原発の軟骨肉腫と診断した。


所感
軟骨肉腫がまれである上に胸壁原発もまれですので、文献に基づいた考察といってもなかなか難しいですね…。やはり確認したいのは転移が生じる前に診断できなかったのか、ということになるかと。



■ 肺癌が原因のバゾプレシン分泌過剰症(SIADH)に対してV2受容体拮抗剤であるトルバプタンを使用した2例

概要
本邦で使用可能なV2受容体拮抗剤モザバプタン塩酸塩とトルバプタンの2種類がある。SIADHへの保険適応は前者のみで、希少疾患治療薬であることから煩雑な手続きや制限がつきものである。今回SIADHの2症例にトルバプタンを使用したが問題はなかった。


所感
サムスカレジスタードマーク(トルバプタン)が発売されたとき、私も同じことを考えました。しかしウチでは保険適応外の使用はかなりハードルが高く、SIADH症例もそれほど多くないことから、昔ながらの治療を行っていました。もちろんエビデンスの問題、メーカーの考え方などの理由ははあるのでしょうが、モザバプタン塩酸塩とトルバプタンの違いがどこにあるのか、今後保険適応拡大にあたっての課題は何か、などを議論できればと思います。

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posted by 長尾大志 at 17:15 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2014年03月22日

2014 NSCLC Treatment Forum in Nagoya見聞録

昨日行ってきたのは上記の会です。


イーライリリーの会だったのですが、アリムタのことではなくEGFR変異陽性のNSCLCに対する化学療法の方針について、がメインテーマでした。


EGFR変異陽性のNSCLCの一次治療に関する世の中の趨勢はTKIが優先なんですね。


でも何人かの先生は(前に出てしゃべっている先生方の中でも)、それぞれの考え方でプラチナダブレットを優先させておられる。T病院のT先生もダブレット優先されると聞いて、(私自身もプラチナダブレット優先派なので)ちょっとうれしかったです。


TKI優先時に問題になるPDの時の対処、RECIST PDかClinical PDか、どの時点で切り替えるか、という議論も、ウチのカンファレンスでもしばしば議論になるところですが、自分の考えが現在あるエビデンスに照らし合わせて妥当な考え方をしていることを再確認。やはり皆さん、患者さんとの対話の中で、患者さん一人一人にとって最適な解は何か、真剣に考えておられることがよくわかりました。


TKIと従来からの化学療法における耐性の概念、新しい研究デザインの考え方など、興味深かったです。

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posted by 長尾大志 at 18:17 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2014年02月22日

滋賀医科大学呼吸循環器内科湖筍会第28回定期総会特別講演見聞録

先週の土曜日の話でいささか旧聞ではありますが、滋賀医科大学呼吸循環器内科(湖筍会)の定期総会(いわゆる同門会)で、退官される三ツ浪教授による特別講演がありました。聴講していていろいろと思うところがありましたので、備忘のため記しておこうと思います。


■学生による診療所実習を行ったところ、診療所の先生方から「良かった」「若い人が来るとやりがいがある」などのフィードバックがあった。

私も思うんですけど、若い人ってエネルギーがあるんですね。で、いろんなきっかけでそのエネルギーに火がつくと、すごいパワーを発揮する。これを見ているとすごくこちらの萎びた身体にもやる気がもらえる気がする…のです。


また、診療所の先生方は医師1人で診療されていることが多いとなりますと、いろいろとしんどいことが多いんじゃないか、と思うのです。私自身、一人で診療していて「?」と思うときに、誰かと言葉を交わして…ということがあります。それが若い先生で返事がもらえなくても、口に出してしゃべるだけで自分の中に「回答」が出てきたりするものです。誰か聴いてくれる人がいるだけでいい、みたいな。


もちろん看護師さんや他のスタッフの方もおられるでしょうが、なんというか立場的にお話ししにくい事柄もあるでしょう。


診療上難しいことがあって悩んでいても、普段はそれをなかなか出せないのが、学生相手だとしゃべられたりするかもしれません。


それとやはり「教える」ことによって自分での理解が深まる、ということも私自身が常に実感していることです。私のように体系立てて物事を学んでいないものが、少しはモノがわかるようになったのは、「教える」ことをはじめてからなのですね。それまでは本当に、イイカゲンな知識しかもっていませんでした。


ですから、ある程度のキャリアを持つ方は、どんどん若手に教えて頂きたい、と思っているのです。診療所の先生方も、そのようなことからポジティブなご感想を下さっているのかもしれません。



■理想の総合診療は、一次〜二次あたりまで総診で診て、二次以上の診療を専門科に引き渡す、というものになる。

そうですね…総合診療部の盛んなところは、大体スゴイ有名な先生がいて、その方に惹かれて多くの若い人が集まる、みたいな感じでスタッフの多い印象があります。


それで救急部門を(救急と合併した形で)一手に引き受け、さまざまな症例をある程度まで対応、その後専門医に引き継ぐ、みたいな形のところが多い印象があります。そうなると、たいていのことはそこでやってしまう、出来てしまうということになり、やる気のある若い先生たちには人気があるようです。


ウチでは、まあ、諸事情というヤツで、そうはいかなかった、ということです。



■家庭医は英米で既に1つの専門医という扱い。日本でもようやくこうなった。

日本では今までのところ、病院勤務の専門医がそれなりの年齢になったら開業して、家庭医のようなことをする、という流れであったわけですが、実は家庭医には特別な専門的スキルが必要で、研修で会得した医師が家庭医になることが出来る、とのことです。


何となく開業していろいろあるうちに何となくいろいろな知識を身につけて…みたいなことで、体系的に学ぶ機会がないと、例えば○○県には呼吸器の知識のある家庭医は少ない、のような事態になりかねないわけですね。



■仕事にモチベーションが保てないと辞めていくことになる。

非常に重要な視点であります。多少しんどくても、やはり仕事に楽しさ、やりがいを感じられることが人の幸せに通じるもの。仕事がつまらなければ、人生つまらないですね。ここの工夫も本当に大事ですね。

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posted by 長尾大志 at 13:32 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2014年02月16日

第23回月輪呼吸器疾患研究会見聞録

12日夜、第23回月輪呼吸器疾患研究会が開催されました。


毎回、会の規模に見合わない?、高名な先生方をお招きして開催され、大変ありがたい機会となっております。D日本S友製薬さんには感謝しております。本来の研究会とはこのように、聴衆のニーズにあったものを淡々と継続すべきものだと思います。他社さんにも見習って欲しいものです。


閑話休題。今回は、

「胸腺腫」個別化治療の確立をめざして

というタイトルで、名古屋市立大学大学院医学研究科 腫瘍・免疫外科学の准教授 矢野 智紀先生にお話を頂きました。


呼吸器内科医としてはなかなか勉強する機会のない胸腺腫。特に外科の先生がしっかり診ていただいている施設だと、内科医は疎遠になりがちじゃないかと思うのですが、矢野先生には基本的な、基礎的なところから現在の治療の考え方まで、興味深く教えていただきました。


ご存じの方も多いかもしれませんが、名古屋市立大学第二外科の先代教授は、かの正岡分類(胸腺腫の病期分類)を作られた正岡昭先生なのですね。つまり胸腺腫のメッカ。そういう症例の多い、また研究も熱心にされている施設の先生のお話はやっぱり面白い。


正岡昭先生、二代目の藤井先生に関する意外な一面のお話も大変興味深かったのですが、やはり胸腺腫の位置づけ、治療の考え方を基礎的な側面から教えていただけたのが良かったです。


胸腺腫は腫瘍細胞と非腫瘍性のリンパ球がさまざまな比率で混じっている独特の腫瘍ですので、程度の差はあれ「悪性」である、それゆえに必ず切除すべきなのです。


また、重症筋無力症(Myasthenia Gravis:MG)との合併が必ず言われていますが、胸腺腫を合併しているMGと合併していないMGは状況が異なっているとのことです。合併していない方は胸腺腫でなくても過形成があり、そこでB細胞が増殖し、骨髄など他の器官で抗体を産生している。したがって、過形成のあるところを全部とる拡大胸腺切除術でvolume reductionを図るのが理に叶っているとのこと。


浸潤型胸腺腫の術前化学療法として、骨髄抑制などのないステロイドパルスをよく使われているというのは、根拠を含めてなるほど納得でした。


他にもいろいろと興味深いお話を頂けてよかったです。矢野先生、ありがとうございました。

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posted by 長尾大志 at 18:27 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2014年01月20日

Asthma symposium見聞録2

大林浩幸先生による「吸入指導」「医療、医薬連携」のお話をもう少し。



・どこの薬局に行っても同じ吸入指導が受けられる、ということのメリットは計り知れない。行く場所によって言うことが違うと、患者さんのモチベーションは低下してしまう。

・よい吸入指導とは「見ざる、聞かざる、言わざる」の逆である。患者さんを見て、患者さんのお話をよくよく聴いて、(患者さんの状況にあった吸入を考えて)よくお話しすること、これが大事。

・統一検定試験を行い、実技を取り入れることで認定薬剤師を認定する委員会を立ち上げた。テキストは寄付を集めて出版した。

・当初全国でスキルを統一しようと製薬メーカーに働きかけたこともあったが、今では各地域性もあるとのことで、地域ごとに認定、という形式にしている。

・デバイスは工業機械の特許で守られている。そのおかげでなかなか後発品が出ない。なので、無理やり感?のあるデバイスが出たりする。

・一般医家に対する啓蒙はどうしたか。まず講演会を毎月やる。有名人をたくさん呼ぶ。不便なところにはこちらから出向いて、各地区を回ることで参加率を上げる。参加者はドクターだけでなく、薬剤師さん、看護師さん、理学療法士さん、MRさんも会社のバッジを外して(会社の垣根を越えて)参加される。

・基本を何度も繰り返す。基本的なことは簡単なんだ、ということを紹介し、そこを越えたら専門医に紹介して頂く。結果、どこの医療機関からでも同じような処方をされるようになった。

・認定をとりたい薬剤師の方は熱意があるので、一緒に物事をやるとどんどん進む。そしてその薬剤師の方から一般医家の先生方にいろいろな情報がフィードバックされる、という好循環を生む。
(内容ここまで)


特に本編終了後の、委員会や講演会の立ち上げに関わるお話が、とても参考になりました。
大林先生、本当にありがとうございました。


滋賀でも、以前大林先生と一緒にやっておられた小熊先生を中心に、同様の基準で「滋賀吸入療法連携フォーラム」を立ち上げ、多くの熱心な薬剤師さんが集っておられるようです。これからのフォーラムの発展を祈って止みません。

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posted by 長尾大志 at 17:56 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2014年01月17日

Asthma symposium見聞録

昨日はAsthma symposiumという、メーカー主催の会に参加してきました。


子供が小さい間は、仕事以外の会には極力参加を控えていましたが、子供も2歳を超え、何となく参加要件がゆるんできたので、これからは外に出て勉強せねば、と思っています。


ということで、会への参加要件は「仕事」「話を聞きたい講師の先生」「若手にとって役に立つ講演への引率」としておきます。


MRさんへの私信みたいになってしまったので、話を戻します。今回の目玉は、東濃地区の喘息診療をお一人で立て直されたといっても過言ではない、大林浩幸先生による「吸入指導」「医療、医薬連携」のお話でした。


多くの興味深いお話を聞かせていただきましたが、印象深かったのは、「熱意」。たくさんの患者さんと向き合って、吸入指導をし、確認をしてこられた方ならではの事例をたくさん紹介頂きました。


あまり具体的なことをかくのはどうかとも思いますので(詳しくは書籍とDVDをご覧下さい、とのこと)、吸入指導で大事な精神と、お話を伺って感じたことを備忘的に書いてみます。



・とにもかくにも、吸入を続ければ喘息は必ず良くなる。

・逆に、喘息が悪くなるのは吸入を怠ったときである。

・ゆえに、医療者はチームを組んで、患者さんが吸入を続けられるよう支援すべきである。

・初診患者さんが、思ったほど喘息が良くなっていないときは、必ず吸入出来ているかどうかを確認する。多くの場合、出来ていないのである。

・喘息死の多くは高齢者であるが、吸入ステロイドが吸えていないのも一因ではないか。

・メーカー製の指導箋にはいくつかの「ピットフォール」がある。できが良くないとか失敗とかいう意味ではなく、文字通りの「落とし穴」である。1つは静止画で動きがないことによる勘違い、もう一つはキレイなお姉さんに目を奪われることによる。

・ずっと吸入を続けている患者さんのコントロールが悪化したときに、投薬を上乗せされがちであるが、吸入指導の確認で良くなる事例も少なくない。

・薬の分類は、患者さんにとってはデバイス側からの分類の方が分かりやすい。回転型かプッシュ型か。

・確認するときには、出来ないことをチェックする。


まだまだ続きます。後半はいろいろなシステムを作る上でのお話も。

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posted by 長尾大志 at 17:25 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2013年12月09日

滋賀IPF研究会見聞録「特発性間質性肺炎の診断と治療のUP to date」2

@IPFをしっかり同定すること(続き)
Aステロイドを使うべき例を見極めること

前回HRCTにおけるUIPパターンの特徴(ATSガイドラインに掲載されているもの)をご紹介しましたが、さらに付け加えてご紹介いただいた所見。


・しばしば蜂巣肺とtraction bronchiectasisの異同が問題になるが、胸膜面に(嚢胞によって)凸凹が見られる場合それは蜂巣肺、胸膜面がなめらかな場合、肺末梢の変化はないと解釈できるのでtraction bronchiectasisと考えている。


・1円玉程度の狭い範囲に正常、網状影、蜂巣肺が同居していたら、それがheterogeneietyである。


また、1時点で診断を決めてしまうのではなく、経過での悪化や、治療反応性など、「時間」を勘案して診断を考えるようにしている、とのことでした。確かにHRCTで当初診断に迷うことや、病理で初期診断を決めても後に膠原病が出てくることもあり、「決めつけてしまわない」ことがカギかとも思いました。



ステロイドを使うべき例は、前回挙げた「HRCTにおけるUIPに矛盾するパターン」を参考にします。また、「膠原病や血管炎のにおい」がしたら、ステロイド+免疫抑制剤を積極的に使う、とも言われていて、大いに賛同しました。


ピルフェニドンについては、本来IPFの軽症、中等症の時期から使いたい、ということで、導入の基準として%VC>70%、労作時SpO2 <90%の症例で、特定疾患申請をして使われているとのこと。また、NSIPでも、線維化が進行している症例では効果が見られたこともあるようです。



B肺癌の発症、急性増悪を起こしやすいことに注意する。

結局のところIPF患者さんが亡くなる原因の多くは肺癌発症か、急性増悪です。これは実感としても、統計上も確かなことです。


特に急性増悪の多くは冬場に起こっていることから、「如何に冬を越すか」が大切である、ということをおっしゃっておられて、これも共感しました。そもそも冬は血管収縮しやすいことがあるからか、皆さん調子が悪くなられる。


そこへ感冒が加わり、ドッと急性増悪。↓↓↓


急性増悪の治療はどこも共通で、パルス、CsA、IVCY、それに施設によってはPMXと。リコモジュリンも試験的に使われることがあるようです。


ということで復習完了。明日からまた、診断手順に戻ります。

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posted by 長尾大志 at 16:34 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2013年12月06日

滋賀IPF研究会見聞録「特発性間質性肺炎の診断と治療のUP to date」

昨日は第4回滋賀IPF研究会という、まあ何というかマニアックというか…な会に参加してきました。


賢明な読者の方はおわかりと思いますが、シオノギ主催の会です。( ̄▽ ̄;)


そこでウチの新人Y先生が発表デビュー戦を飾り、堂々とハキハキと発表して頂きました。デビュー戦としては申し分なかったと思います。




その後特別講演として神奈川県立循環器呼吸器病センター副院長の小倉高志先生による、「特発性間質性肺炎の診断と治療のUP to date」と題した熱演を拝聴しました。


流石に、多くの症例を診ておられる、VATsもたくさんしておられる小倉先生だけに、特発性間質性肺炎診療を考える上で大切なこと、これまで何となく思っていたことを明確に言語化して頂き、とてもスッキリしました。いくつか備忘のため、メモに私見を交えてoutputしておきます。


■特発性間質性肺炎診療で大切な基本戦略

  • IPFをしっかり同定すること

  • ステロイドを使うべき例を見極めること

  • 肺癌の発症、急性増悪を起こしやすいことに注意する。



@IPFをしっかり同定すること

小倉先生は特発性間質性肺炎(IIPs)であれば早期からVATsを施行され組織学的情報も含めて評価されています。しかしなかなかそれはハードルが高いことも確か。


それゆえに、2011年版ATSガイドラインで挙げられているHRCTパターン別の読影がやはり重要になってきます。



*HRCTにおけるUIPパターン(4つの所見全てを満たす)

  • 胸膜直下、肺底部優位の分布

  • 網状影

  • 蜂巣肺(traction bronchiectasisはあってもなくても)

  • UIPパターンに矛盾する所見がない(後述)




*HRCTにおけるUIPの可能性ありパターン(3つの所見全てを満たす)

  • 胸膜直下、肺底部優位の分布

  • 網状影

  • UIPパターンに矛盾する所見がない(後述)


要するに蜂巣肺がないと、UIPパターンとは断言できない、ということですね。逆に蜂巣肺がなくても、分布などからUIPの可能性あり、とすることがあるってことにもなります。



*HRCTにおけるUIPに矛盾するパターン(7つの所見いずれかがある)

  • 上〜中肺優位の分布

  • 気管支血管束周囲の分布

  • 広範囲のすりガラス陰影(範囲が網状影の範囲より大きい)

  • 小粒状影が豊富に見られる(両側、上葉優位)

  • 不連続の嚢胞(多数、両側、蜂巣肺から離れた場所に存在)

  • びまん性のモザイクパターン/エア・トラッピング(両側、3葉以上に存在)

  • 肺区域や葉に拡がるコンソリデーション


これらの所見のいずれもUIPでは見られない所見です。問題になるのが3番目のすりガラス陰影(の範囲)で、ここの解釈が放射線科医の先生でも若干ずれることがある、と言われていました。


実際問題、これだけ厳密にHRCTでUIPパターンと判断しても、組織を見てみると異なっていた、という事例は少なからずあり、それゆえに病理組織を見ているのだ、という論理には説得力があります。


逆に、IPFでない症例を如何にピックアップするか、というところにからめて、以下のようなこともご紹介いただきました。


  • IPFでKL-6>3,000はあまりない。chronic HPや他の疾患を考えるべき。

  • 50歳以下の間質性肺炎は必ず2次性、を考える。特にIPFは老化の面もあり、高齢者の疾患である。

  • 胸膜下線状影curved linear shadowは細気管支の病変を表すので、膠原病や吸入物質による間質性肺炎を示唆する。



2次性のところでは、特にchronic HPにおける詳細な病歴聴取の重要性を説かれました。
鳩糞によるものでは、自宅から300mのところにある鳩小屋が原因であった例を挙げ、自宅から1km以内!の鳩小屋はチェックするようにしている、とのことでした。


他にクジャクの剥製で発症した例もあるそうです。住居関連では治療に難渋した例も紹介いただきました。


…まだまだご紹介したいので、もう少し続きます。

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posted by 長尾大志 at 17:31 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録