安静により測定された肺活量に対し、空気を頑張って、無理矢理押し出して測定する、努力して呼出する肺活量測定を考えましょう。
安静肺活量に対して、努力肺活量、と呼ばれるものです。
大きく息を吸うまでは安静肺活量と同じです。

最大吸気位から、最大限の努力でもって、思いっきり息を吹きます。肺の中に入っている空気を、できる限り早く吐きだしてしまいましょう、という感じです。
いっぱいに息を吸い込んだ状態から、思いっきり息を吐きますと、流速は一気に高まりますね。

実際は、思いっきり息を吐くと、瞬時に最高の流速になります。
フローボリューム曲線は、一瞬で立ち上がります。

この一瞬で到達する流速(フローのピーク)を、ピークフローといいます。

で、ここからがミソなのですが、その、最大吸気位(肺の100%の容量分、空気が入っています)で思い切り息を吹く、そのときの流速と、50%程度息を吐き出した、(肺の50%の容量だけ空気が入っている)状態での流速は、どのくらい違うのでしょうか。

流速というのは、単位時間あたりに流れる空気の量です。頑張り(上の図の矢印)は一定であります。
これは、素直に考えていただいて、残っている空気に比例する、と思いましょう。
残っている空気が減ってくれば、単位時間あたり出て行く空気も減る。
たとえば空気が半分出て行った、肺の50%の容量だけ空気が入っている状態(赤矢印の先端)での流速は…

最大吸気位(100%容量)で吐く空気の流速の50%になります。

つまり、肺の50%の容量だけ空気が入っている状態での流速は、ピークフローの1/2、ということです。
同様に、肺の25%の容量だけ空気が入っている状態での流速は、ピークフローの1/4。

最終、全部空気を吐き出してしまった、最大呼気位(肺の0%、空気が入っている状態)では、流速は0になるわけです。

まとめますと、最大呼気位から一気に、頑張って息を吐くと、一瞬でピーク(フロー)に到達し、その後は一次関数的に(直線的に)フローは減弱し、息を吐ききったときにちょうどフローは0になる、ということです。

たぶんこれで大丈夫だと思うのですが…わかりにくければご質問ください。
これを踏まえて、明日からは、異常なパターンをとるメカニズムを考えましょう。
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