2019年10月16日

胸部X線読影道場ふたたび95

予告通り、以前の画像を供覧します。

スライド72.JPG

症例は悪性胸膜中皮腫で右部分切除を受けていて、その影響で気管の偏位や右胸郭の縮小が生じています。特に術後の右肺に何度か感染症を起こしていて、肺野も複雑な所見ですが…昨日の画像への変化を見て頂ければと思います。

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posted by 長尾大志 at 12:42 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年10月15日

胸部X線読影道場ふたたび94

今日の画像はこちらです。

スライド71.JPG

いろいろあった症例で、複雑な所見が絡み合っております。まずは虚心坦懐にご覧頂ければと思います。明日は「以前の画像」を供覧します。

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posted by 長尾大志 at 15:56 | Comment(3) | 胸部X線道場

2019年10月11日

胸部X線読影道場ふたたび93

まずパッと見て目に付くのは、胸骨縦切開痕の針金と置換された弁です。弁は向きから僧帽弁とわかります。

それはそれとして、異常影は…過去画像と比較してみますと、おわかり頂けますでしょうか。右下肺野に限局性の、べたっとした陰影が見られます。横隔膜はシルエットサイン陰性ですので、横隔膜には接していないことがわかりますが、前なのか後ろなのかは、正面像だけではわかりませんね。

CTでは…

スライド70.JPG

中葉、つまり横隔膜の前に位置する、限局性のコンソリデーションでした。診断は生検の結果腺癌、置換性増殖優位型腺癌のような感じでした。

解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/trt7OVal960

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posted by 長尾大志 at 17:01 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年10月10日

胸部X線読影道場ふたたび92+島根大学訪問

昨日の陰影でおわかりの方も多いかと存じますが、1年前の画像も比較のために上げておきます。

スライド68.JPG


さて島根大学での講演ですが、このようなものでありました。

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生涯初出雲、であります。

卒後臨床研修センターの和足孝之先生が、学生さんにお声がけ下さり、たくさんの方(80名以上!)が出席して下さいました。終わってから学生さんと記念撮影。

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その後はお招き頂きました礒部威先生にお誘い頂き、同席させて頂きました。大変もったいないお褒めのお言葉を多く頂き、恐縮することしきりでございました。とにもかくにも印象的な、忘れられない1日でした。


翌日は、松江城訪問。

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そして、神在月を控えた、出雲大社さまへ。縁結びで有名ですね。良縁祈願でございます。

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お招き頂いた礒部先生、津端先生、原先生。そして鬼形先生に和足先生、もちろんご参加頂いた皆さん、本当にありがとうございました!また伺います。

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posted by 長尾大志 at 13:59 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年10月09日

胸部X線読影道場ふたたび91

先ほど無事に島根から戻って参りました。
いろいろと印象深かった道中でしたが、振り返りは明日に致しましょう。

ということで、今日の画像です。

スライド67.JPG

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posted by 長尾大志 at 20:54 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年10月08日

胸部X線読影道場ふたたび90

元の画像では左上肺野に結節がありますね。

で、気づきにくいかもしれませんが、肺門上部、A-P window付近にもモコッと結節みたいな陰影が見えます。これは、15ヵ月後の写真でハッキリクッキリ増大しています。これは下行大動脈シルエット陰性で、接してはいないようです。15ヵ月後はその外側の肺野濃度も上昇していますし、少し下方に小結節もあるようです。

スライド65.JPG

15ヵ月後のCTはこちら。

スライド66.JPG

こちら、肺癌でした。15ヵ月後の濃度上昇は内部に線状影もあり、癌性リンパ管症のようですね。

解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/ZfDHexLUTRo


今日はこれから島根に伺います。島根大学の先生方、よろしくお願い申し上げます!

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posted by 長尾大志 at 10:27 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年10月07日

胸部X線読影道場ふたたび89

15ヵ月後の写真をご覧頂けますと、「ぁあ〜」みたいな感じでしょうか。

スライド64.JPG

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posted by 長尾大志 at 17:35 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年10月04日

胸部X線読影道場ふたたび88

今回の画像はこんな感じです。しっかりとご覧ください〜。

スライド63.JPG

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posted by 長尾大志 at 14:47 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年10月03日

胸部X線読影道場ふたたび87

最初の写真では右下の高吸収域に気づきます。端が鈍なので、胸水が存在していそうですが、高吸収全体が胸水なのかどうかは判然と致しません。

3日後の写真では、ドーンと高吸収域が増えました。比較的辺縁がハッキリしていて、内部の肺紋理もくっきり見えていますので、胸水なのかな、と思います。最初あったのも胸水だったのでしょうか。

スライド62.JPG

最初のタイミングで撮影したCTでは、やはり胸水と、部分的に肺内の病変(結節みたいなところ)を認めました。おそらくそこが膿瘍で、3日目に穿破してどっと胸水、というか膿が胸腔内に出た(=膿胸)ということだと思います。その後ドレナージを行っています。

解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/QjQa3Zj15f0

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posted by 長尾大志 at 18:29 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年10月02日

胸部X線読影道場ふたたび86

予告通り、3日後の写真を提示します。

スライド61.JPG

わずか3日間でこの変化…一体、どのような病態を思い浮かべられますか?

症状や身体所見があればもっと簡単だと思いますが、さしあたり画像だけで考えてみてください。

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posted by 長尾大志 at 16:48 | Comment(1) | 胸部X線道場

2019年10月01日

胸部X線読影道場ふたたび85

今回の写真はこちらです。

スライド60.JPG

明日の写真への変化が一つの見どころ?です。

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posted by 長尾大志 at 16:10 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年09月30日

胸部X線読影道場ふたたび84

コメントを頂いたお2人はご名答でございました。
右下肺野、CP角付近にぼんやりと結節のような高吸収域が、見えるような見えないような…。

CTを撮ってみますと…。

スライド59.JPG

限局するすりガラス影、というか、すりガラス濃度の結節、というか、まあそんな感じの陰影、肺の腺癌でした。3年後の写真は、右下葉切除後の変化を見たものでした。

解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/bNUtDxjiE3o

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posted by 長尾大志 at 17:45 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年09月27日

胸部X線読影道場ふたたび83

今回、以前の写真は入手できなかったのですが、3年「後」の写真がヒントになるかもしれません。なぜか…?

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posted by 長尾大志 at 15:28 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年09月26日

胸部X線読影道場ふたたび82

今回も何回、イヤ難解です。でもよく見れば、見えないことはない、という感じですね。

スライド57.JPG

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posted by 長尾大志 at 14:48 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年09月25日

胸部X線読影道場ふたたび81

2ヵ月前の写真でも、両側びまん性にうっすら高吸収域があり、最も強い部分が胸膜直下、横隔膜直上、網状影あり、という、典型的な線維化の所見が見て取れるかと思います。

横隔膜は少し高め、といいますか、毛髪線が低めですね。病歴の確認が必要ですが、UIPパターンのような所見と思います。

で、今回は全体の濃度が上がっていて、横隔膜や心陰影がぼやけて(シルエットが半分?陽性)おり、急性増悪を思わせます。心陰影が拡大して見えるのは、横隔膜が少し挙上している関係でしょうか。

病歴からは原因となるものはなく、特発性肺線維症(IPF)の急性増悪、と考えられました。

スライド55.JPG

CTでも、右(今回)ですりガラス陰影が増強しているのが分かりますね。

解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/IacK_lnXHGs

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posted by 長尾大志 at 13:34 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年09月24日

胸部X線読影道場ふたたび80

2ヵ月前は、こんな写真でした。

スライド54.JPG

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posted by 長尾大志 at 16:06 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年09月23日

hidden curricurum(隠れたカリキュラム)

以前にも書きましたが、ただいま発売中の『みんなの呼吸器 Respica(レスピカ)』最新刊、2019年5号
https://www.medica.co.jp/catalog/m/7183
にて、『子どもは親の真似をするもの。じゃあ、学生さん・新人さんは誰の真似をする…?』と題して、hidden curricurum(隠れたカリキュラム)について述べております。

『隠れたカリキュラム』とは、いわゆる『正規のカリキュラム』の対となる言葉です。

『正規のカリキュラム』とはすなわち、授業で取り上げられる内容であったり、教員が「教える」ことで学生に伝えられる内容のことですが、『隠れたカリキュラム』はそれとは異なり、教員や上級医の「態度・ふるまい・言葉遣い・ものの考え方」を、学生が「直接見る」ことで、「このように振る舞うものなのだ」という情報が「伝わってしまう」ことを指します。

深夜の救急患者さんや、不定愁訴の多い患者さんに対してつっけんどんに対応したり、陰口を言ったり…いや普段の患者さんに対する態度も、学生さんはよーく見ていますね。

前回の臨床実習班からは、某科の某医師に関する「患者さんへのひどい態度」が目に余った、とか、某医師のレクチャーはマジやる気がなく、その科の印象が悪かった、とかいう話を聞きました。

こういうことを見せる結果、そういうことをするような資質のある人が集まってくる〜それで、そのグループの「雰囲気」「風潮」みたいなものが決まってくる、ともいわれています。

すべての、学生教育に携わる教員、医師の皆さま、もちろん他のコメディカルスタッフの皆さまも、今一度「見られている」ことを意識されてみてはいかがでしょうか。…みたいなことを『みんなの呼吸器 Respica(レスピカ)2019年5号』では書いております〜。

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posted by 長尾大志 at 22:40 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年09月20日

胸部X線読影道場ふたたび79

それでは今回の画像です。これは割と特徴的ですね。

スライド53.JPG

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posted by 長尾大志 at 15:09 | Comment(1) | 胸部X線道場

2019年09月19日

胸部X線読影道場ふたたび78

以前の画像では、胸骨縦切開による、おそらく心臓手術の痕、そして、ペースメーカーかICDか、何らかのデバイス+リード線が挿入されていて、かつ心拡大がある。おそらく何らかの心疾患があるなあ、ということが見て取れます。

そして今回の写真では、心臓関連の陰影に加えて、左上〜中肺野に高吸収域、下肺野にも限局した高吸収域が見えます。

実はこの症例、1ヵ月以上、発熱〜抗菌薬投与〜軽快、を繰り返していて、結局抗菌薬の不適切使用による肺炎の遷延であった、ということでした。

解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/rIKaQJJcoUg

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posted by 長尾大志 at 17:34 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年09月18日

胸部X線読影道場ふたたび77

以前の写真はこちらになります。

スライド51.JPG

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posted by 長尾大志 at 16:09 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年09月17日

胸部X線読影道場ふたたび76

先週は見えない画像で失礼致しました。今回は大丈夫?だと思います!

スライド50.JPG

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posted by 長尾大志 at 17:56 | Comment(3) | 胸部X線道場

2019年09月13日

胸部X線読影道場ふたたび75

処置後のX線写真、左の中肺野末梢にコイルが塞栓されています。そう、AVM(肺動静脈瘻)でした…。

スライド49.JPG

分かった上で、CTで異常血管を認識した上で9月10日の写真を見ても、微妙…。何となく、血管の蛇行・太まりがあるようなないような…という感じです。分からなかった、と嘆き悲しむ必要は全くございませんです…。

解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/B8pXKs_sm8g

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posted by 長尾大志 at 16:18 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年09月12日

胸部X線読影道場ふたたび74

と、いうことで「処置後」の写真をご覧頂きましょう…。

スライド48.JPG

改めて9月10日の写真を見ても、よくわかりませんですかね…スミマセン。

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posted by 長尾大志 at 15:11 | Comment(4) | 胸部X線道場

2019年09月11日

胸部X線読影道場ふたたび73

10年前の写真を引っ張り出してみますが、変化をみてもよくわかりませんね…。

スライド47.JPG

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posted by 長尾大志 at 17:11 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年09月10日

胸部X線読影道場ふたたび72

今回の画像は、手強いです…。ホンマに。CTみても、よくわからないかも…。

スライド46.JPG

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posted by 長尾大志 at 14:39 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年09月09日

胸部X線読影道場ふたたび71

さて、まずこの症例、最初の画像ですが…。

左中肺野の、おそらく外向きに凸の腫瘤影があります。左の横隔膜がちょっと引っ張られているように見えます。左の腫瘤ですから左肺門をしっかり見ますと、少し目立つように思います。

それと、なんとなく右の肺野も、特に下肺野あたり、モヤモヤというか粒状影というか、淡い高吸収の領域があるようです。

それで気管支鏡検査後ですが、空洞とニボー形成があります。気管支鏡で孔を開けてしまったのか、開くべくして開いてきたのか…ちょっと引っかけ問題なところもございますが…。

スライド44.JPG

最初の時点でのCTですが、内部がまるっと壊死性変化をしている腫瘤のようです。肺門リンパ節も腫れています。CTの後行った気管支鏡検査では、昨日書きましたとおり、悪性細胞は検出されませんでした…。これだけ壊死していると、しばしば悪性細胞が検出されないことがございます。

その後腫瘤影はどんどん大きくなると共にニボーを伴う空洞が生じ、発熱がビュンビュン起こってきました。CTガイド下生検によって、未分化な非小細胞肺癌が認められ、結核菌までも検出されてしまいました…。

スライド45.JPG

左の横隔膜、無気肺か何か、引っ張る病変があるのかなと思ってCTをみるのですが…なんかfatpad、心周囲脂肪が見えるだけでした。パラパラと存在している淡い高吸収域は、粉塵吸入によるじん肺様の陰影でしょうか。

解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/rPNNoBM6UFg

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posted by 長尾大志 at 16:14 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年09月06日

胸部X線読影道場ふたたび70

左の中肺野に腫瘤影、まあこれは…大丈夫かと思います。

精査のために気管支鏡施行しましたが、特に悪性細胞は検出されませんでした。そうこうするうち、発熱が生じてきまして…胸部X線写真を撮影すると、こんな感じでした。

スライド43.JPG

おや…一体何が…??

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posted by 長尾大志 at 16:50 | Comment(3) | 胸部X線道場

2019年09月05日

胸部X線読影道場ふたたび69

続いては、こちらの画像です。

スライド42.JPG

割と目立つ所見がありますが、それだけでしょうか…?

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posted by 長尾大志 at 17:49 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年09月04日

胸部X線読影道場ふたたび68

元の写真は、右の中〜下肺野に粒状影のような高吸収域、左下肺野にも同様の陰影があるようです。左4弓はシルエット陽性ですが、右2弓は陰性ですね。

CTをみるとこのような感じでした。

スライド40.JPG

紛う事なき粒状影、そして気管支拡張像Tram lineもみられます。今でしたら非結核性抗酸菌症が第一に考えられますね。実際、喀痰からMACが出まして、結節気管支拡張型のMACと診断しました。

解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/IPlL0RDHAsw

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posted by 長尾大志 at 20:54 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年09月03日

胸部X線読影道場ふたたび67

こちらも以前の写真と比較いたしましょう。3年前はこんな感じでした。

スライド39.JPG

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posted by 長尾大志 at 17:42 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年09月02日

胸部X線読影道場ふたたび66

さて基礎編も一段落つきましたところで、また道場に戻りましょう。お待たせを致しました〜。

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posted by 長尾大志 at 16:43 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年08月30日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編16

毛髪線

毛髪線とは、右の上葉と中葉の間の境界である「水平裂」が線状に見えているものです。これは上葉の臓側胸膜と中葉の臓側胸膜2枚から成り、胸膜2枚が重なっていて厚みとしては0.3mm 程度のもので、(毛髪の幅も0.3mm 程度であり)この名前が付いています。

「水平」裂といいますが、場所的には肺野の真ん中あたり、肺門の上葉に行く血管と中葉に行く血管の分かれ目あたりのところから、水平に外に向かって走り肺の一番外まで到達する漢字で見えるのが標準的な見え方です。

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標準的にはそうなのですが、この位置、走り方は必ずしも「真ん中へんに、水平に」ではなく、斜めであったり、上の方であったり下の方であったりと個人差が結構あります。

肉眼で見えるか見えないかも微妙なところです。大事なことは見えるか見えにくいか、あるいは見えないかというところではありません。見えにくいものを目をこらしてみる必要はありません。はっきりくっきり見えるときが問題なのです。

つまり胸膜自体に病変があって、厚みが増して可視化してくるとか、胸膜と胸膜の間に胸水が入ってそれが可視化してくるとか、胸膜病変が存在するときに毛髪線の存在感が増してきて、はっきり見えるようになる、それが問題なのです。

あと、上葉や中葉の肺炎などの病変がある場合、その病変が葉間を超えず胸膜で堰き止められると、毛髪線がくっきりと境界線として認識できることがあります。この場合その病変が上葉に存在する、とか、中葉に存在する、とCTを使わずに自信を持って言い切ることができるので便利です。是非毛髪線を有効に使ってみましょう。


日曜日は、セコメディック病院さんの「第16回 救急・総合診療セミナー」です!肺炎からHRCTのお話をさせて頂く予定です。ご来場の皆さん、よろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 13:04 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月28日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編15

線の存在に注意

ここでいう線、というのは、シルエットサインの時に使う「(大動脈弓・下行大動脈・心陰影・横隔膜などの…)元々ある線」だけはありません。

病変、特に収縮を伴うような悪性腫瘍(肺癌)が発生すると、周囲の胸膜を引っ張り込んで胸膜陥入像が生じることはよくご存知かと思います。その胸膜陥入像が胸部X線写真でも見えて、新しい線が生じる現象があります。

本来の構造物による線とは違う場所、線があるはずのない場所に見える。これは肺炎後に収縮した、とか結核の治療した後の瘢痕像など陳旧性の陰影でも見られますが、例えば昨年の写真にはなかったのに今年の健診写真では見られる、というような場合には新たに結節が生じている可能性がありますので要注意です。

そのような収縮を伴う結節は得てして高分化腺癌で、本体の濃度は比較的淡くて見にくい、ということがしばしばあり、線を手がかりに発見されるということがありますから、線の終端付近を結節があるかどうかよくよく確認するとともに、積極的にCTで確認する必要があるかと考えます。


さてそれではこれから富山県へ出発致します。富山の先生方どうぞよろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 12:21 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月27日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編14

物陰ウラに注意

縦隔、心臓、横隔膜、肺尖部は、肺野が物陰になりやすい場所ですので、見落とさないように注意が必要です。

縦隔(緑)を見るときには気管、気管分岐部、肺門部あたりの線の見え方が普段と違わないか、心陰影(橙)の裏を見るときには左3〜4弓や下行大動脈のシルエットサインに注意して、横隔膜(紫)を見るときには裏を走る肺紋理(血管影)や横隔膜自体のシルエットサインに注意して、そして肺尖部(赤)を見るときには左右差をしっかり確認しましょう。

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posted by 長尾大志 at 17:56 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月26日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編13

左右の比較

肺野で左右を比較し、濃度差を見る、というところでも述べましたが、比較をしてその違いを見つけるというのは、比較無しで「異常」を検出するよりもやりやすいものです。1枚の写真を見るときにも左右の比較を必ず行います。


過去との比較

左右以外に、過去の画像があればそれと比較するというのは異常を見つけ出す上で大変重要な手順です。例えば先の誤嚥性肺炎の例で見てみると、以前の「陰影がない」時と比較することで陰影があるのが際立つのです。

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下が以前の陰影です。

スライド35.JPG

ですから、過去画像が入手できる時には必ず比較して頂くことが、異常陰影を発見する近道かと考えています。


ところで、すっかり告知が遅くなってしまいましたが、8月28日(水)、富山県で胸部X線写真読影に関する講演会があります〜。

日時 8月28日(水) 19時〜
場所 サンシップとやま 7階 703研修室

ちょうど今展開しているような、胸部X線写真読影の基礎+コツ、みたいな内容となっております。お近くの方はぜひお越し下さい〜。

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posted by 長尾大志 at 15:35 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月23日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編12

胸部X線写真の読影をするにあたって、特にちょっとした異常陰影を見つけやすくするために知っておくと役に立つコツをいくつかご紹介します。


病歴からの情報

一つ目は、当たり前のことですが病歴や身体診察所見からの情報です。健診の写真では病歴はわからないものですが、何らかの症状をもって受診した患者さんであれば、その病歴からある程度疾患やX線写真上の所見が推測できるものです。

例えば、高齢の方で一週間前からなんとなく元気がない・微熱・食思低下がある、という場合、感染症の存在が疑われる病歴かと考えられます。そこで診察したときに、呼吸数が増加していたり、胸部聴診所見でcoarse cracklesが聴こえたりすると、肺炎の存在が疑われるわけです。

それで写真を見てみるとこんな感じ。coarse cracklesは右側で聴取される、そうなってくると右側、誤嚥があると考えるならば特に下の方に高吸収域を探すことになります。

スライド32.JPG

この写真であれば、右2弓付近、横隔膜のすぐ上あたりにべたっとした陰影が見られます。 CT だとこんな感じ。

スライド33.JPG

これは右下葉の誤嚥性肺炎でしたが、このように病歴や身体診察所見から、陰影を見つけるべき場所の目星をつけることで陰影が発見しやすくなりました。

それからこちらは突然発症した胸痛と呼吸困難です。

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元々肺に(他臓器からの転移による)多発結節影があって、所見が多いために見にくいところですが、突然発症した右の胸痛(吸気時に強くなる)と呼吸困難という病歴から胸膜痛〜気胸を疑い、よく見ると確かに右気胸が生じていました。

このように病歴から所見をある程度推測できるよう、疾患に特徴的な病歴を知っておくことが大切ですね。

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posted by 長尾大志 at 15:44 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月22日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編11

E肺野を左右比較しながら見ていく。

正常の肺は、およそ左右対称にできています。左右対称というのは肺内を走行する血管や気管支の分岐の仕方もだいたい左右対称ということで、肺野の同じ高さにある左右対称の場所の濃度(黒さ・濃さ)は同じぐらいになります。

ですから、ある場所を見たら、視線を平行移動させて、左右対称の位置にある同じ高さの肺野を比較し、大体同じ濃度であればOK、どちらかの濃度が高ければ(濃度差があれば)、その部位に何か問題がある、というように考えます。

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健診などで小結節を早期に発見するための見かたとしては、この「ホンの少し濃度が違う」、というところに気がつくことが大切です。

それから以前にも書きましたが、シルエットサインを使うことによって、肺野に存在する(一見正常と区別がつきにくそうな)濃度の高い部位の存在に気づくことができます。特に心陰影の裏や、縦隔・横隔膜の影に当たる部分は陰影が分かりにくいので、シルエットサイン陽性の所見は貴重な情報になります。

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posted by 長尾大志 at 18:29 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月20日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編10

C心陰影:心胸比、心臓の位置。

次に心陰影を見ます。そのときに心胸比をみておきますが、横隔膜が挙上していると心臓が横に寝てくるので、見かけの心胸比が上昇することがあります。

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心胸比をみるのは心拡大を見るためだと思いますが、その場合は心臓が薄く寝ているのではなく、全体的に大きくなっているかどうかで判断されるのが良いと思います。

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心胸比が低くなりすぎる状態はCOPDの滴状心の時に見られる初見ですが、これは主に左右対称かつ心臓が細く見られるという所見を表します。

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心胸比も大切ですが、むしろ心陰影で大切なことは、シルエットサインを使った陰影の存在確認でしょう。各々の線が接する肺の区域を理解し、シルエットサインをうまく使えるようになっておきたいもの。ここでは線が接する肺の区域を紹介します。

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右1弓は上大静脈で、右のS3に接します。右2弓は右房で右のS4と、左1弓は大動脈弓で左S1+2と、左2弓は左心耳で左S3、左3弓4弓は左室で主にS5と接しています。

横隔膜の見方は、最初に書いた高さ(高位・低位)以外に、心陰影と同様にシルエットサインを使って接するS8の陰影の存在を確認するところもあります。それ以外には肋骨横隔膜角の鈍化で胸水の存在を疑います。

それから、心陰影や横隔膜の裏にも存在する陰影にも注意を払う必要があります(後述)。

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2019年08月19日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編9

縦隔で他に見るべきは縦隔気腫です。これは気管や食道大血管など、縦隔内を通る大きな構造物周囲の隙間に空気が入り込むもので、これらの構造物に沿った、縦に細長い空気像(黒い縦線)が何本も見られるといった特徴があります。

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肺門は、もともと見えている肺動脈の変化はなかなか分かりにくかったりしますが、少なくともその幅が、それと交差する肋骨(通常は第7肋骨であることが多いです)の幅と大体同じぐらい(1cm程度)であるのが正常、ということを知っておけば参考になるでしょう。

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それと肺門部の肺動脈から分岐する区域肺動脈の短軸像が、径5mm程度のくりっとした結節に見えることがあり、しばしば結節との区別が紛らわしいので注意が必要です。例外はありますが、肺動脈に重なる陰影でくりっと見えるということは多くはなく、血管の短軸像や、せいぜい石灰化像であることが多いものです。

肺門が拡大しているときに鑑別すべきものとして多いのは、肺門リンパ節の腫脹です。これは通常外向きに凸になっていてモコモコ、いかにも腫瘤という印象があります。それに気管の横や気管分岐部下の縦隔リンパ節腫脹を伴うこともあり、参考になります。

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posted by 長尾大志 at 17:36 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月18日

学生さんとの会

一昨日のことですが、とある学生さんたちと、会合を持ちました。

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いくつかの研究!などなどを考えておられて、微力ながらご協力することになったのです。これは本当に楽しみな試み、といいますか、実は自分でもずっと温めていた構想…があったのですが、学生さんのリクルートや計画の立案など、いろいろなハードルがあり、取りかかれないままでいたものです。

それが学生さんの方から、ほぼ同じような計画を持ってこられたのが、本当にビックリで、とってもうれしかったのです。本学の現状に危機感、というか、不満があり、それをどげんかせんといかん、ということで、evidenceを作ろう、という動機は私の思いと同じで、方法論も似た感じのものであったのです。

是非このまま形にしていきたいですね!!

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その後もいろいろお話ししたのですが、例の調査の話題で、実際のDisrupting teacher behaviorの事例を、いろいろと教えてもらいました。当然ここには書けませんけど。

ちょうど、『日常臨床に潜むhidden curriculum −professionalismは学習可能か? (「ジェネラリスト教育コンソーシアム」シリーズ 12) 』を拝読したところで、和足孝之先生による「医学部教員の問題行動Disrupting teacher behavior」論文に感銘を受けていたところでした。まさに「教育という大義名分の元に教員の問題行動は正当化されやすく〜(中略)〜場合によっては【大変熱心な指導】であると受け止められてしまうことさえもある〜」「それを集団や組織のなかで客観的かつ公正に取り上げ、改善していこうとする取り組みは未だ一般的でない。(至極もっともなその理由が9つこの後挙げられていますが、興味のある方は是非元論文をお読みください。)」というところの実例、といった趣で、いろいろと思うところがあり、また越えるべきハードルのあまりの高さにまたまた絶望感しかありませんでした。

しかし若い人たちがこのように同じ気持ちで頑張ってくれそうなので、ともかく何らかの形に出来るよう、目の前のことを1つ1つ頑張っていきたいと思います。

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帰るときには以前ウチの特定看護師コースで学んでくださった皆さんと偶然に再会。教え子(といえるほどのことはしておりませんが…汗)との再会はやはりうれしいものですね。

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posted by 長尾大志 at 22:27 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月16日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編8

B縦隔:気管、肺門、大動脈弓〜下行大動脈。

これは@のパット見、に通じるものですが、縦隔を見る時に大事なことはその動きです。

特に気管が右や左に偏位しているのは、片側の肺の大きさの変化によることが多く、肺が縮めば気管は引っ張り込まれますし、何か膨張するようなもの(胸水や腫瘤など)があると気管は圧されるわけです。ですから縦隔(気管)をパッと見て、その動きに気付くことが重要です。

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それ以外に縦隔で見るべきものとして、縦隔リンパ節の腫脹や縦隔気腫などがあります。特に腫瘍の早期発見のためには、前者に気づくことが重要です。気管の周囲や大動脈の周辺にモコモコと腫瘤ができてくるような所見、それから気管分岐部の下に腫瘤ができて、分岐角が開大するような所見に気をつけます。

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一方、術後や無気肺、線維化などで一側の肺が縮むと気管が引っ張り込まれますが、特に上葉が縮むとそちら側の肺門、主気管支が不自然に引っ張りあげられ、挙上する場合があります。

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そして縦隔で見ておくべきなのが、大動脈弓から下行大動脈のラインがきっちり見えているかどうか。これは後で出てくるシルエットサインを使う時に役立つ所見です。下行大動脈はしばしば蛇行しますが、多くのものは加齢による変化であり、不自然に飛び出していたり(大動脈瘤)する所見があるかどうかが見所になります。

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posted by 長尾大志 at 15:37 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月15日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編7

左右のバランス、対称性が損なわれるものとしては、

・そもそも胸郭の形が異常
 側弯、漏斗胸など

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・片側の肺が縮んだり(無気肺・線維化)、胸郭が大きくなったり(緊張性気胸)したもの
 通常は気管や縦隔の移動を伴います

・胸水や腫瘍などで肺野の一部が白くなる
・気胸や嚢胞などで肺野の一部が黒くなる
 このような、パッと見でわかる異常は、胸部X線写真の得意とするところです。


A骨軟部陰影:骨折、溶骨や皮下気腫。

肺野以外の部位にはなかなか気づきにくいだけに、皮下なんかは最初のうちに見ておきましょう。とはいえ、通常は痛みなどの症状や身体所見から気づかれることが多いものですが…。

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posted by 長尾大志 at 16:28 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月14日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編6

正常よりも横隔膜が1肋間分以上高いと、肺が縮んでいる、あるいは胸郭が縮小している、と考えます。また後で述べますが、気管や縦隔が引っ張り込まれていても、その部分が縮んでいると判断されます。


■ 肺が縮むもの

肺そのものが縮む病態として、無気肺と線維化の二つがあります。

無気肺は肺の中の空気がなくなる状態です。よくあるのは空気の通り道である気道が、腫瘍や異物などで閉塞されて、空気が入らなくなってしまうという機序です。他には、胸水などで肺が押されて空気が抜けてしまう、受動無気肺という病態もあります。

無気肺は肺の中の空気がなくなっているわけですから、肺は真っ白に見えるようになります。そして通常は片側に起こるものですから、片側で肺が真っ白になっていて、横隔膜が上昇したり縦隔が引っ張られたりして、縮んでいることが分かる場合に無気肺と考えられます。

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もうひとつの縮む病態は、肺の線維化です。肺線維症のように肺が硬くなって縮んできます。通常は両側で起こり、肺は真っ白になるのではなくて、網状影や蜂巣肺といった所見を呈します。

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posted by 長尾大志 at 19:03 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月13日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編5

正常よりも横隔膜が1肋間分以上低いと、肺が大きくなっている、と考えます。


肺が大きくなるもの

肺が大きくなる疾患の代表はCOPDです。COPDは、長期間・大量の喫煙によって肺胞壁がエラスターゼなどによって分解され、徐々に破壊される疾患です。

肺胞壁が破壊されることによって肺の弾性収縮力が失われ、末梢の気道が閉塞しやすくなる〈閉塞性肺障害換気障害〉が生じます。特に呼気時に末梢気道が閉塞することによって、吸い込んだ空気が吐き出されにくくなるエアトラッピング(空気のとらえこみ現象)が生じます。

そのため、肺内に吐き出せない空気がだんだん溜まってきて、肺容積が大きくなっていきます(肺の過膨張)。肺が膨張することで横隔膜は圧されて位置が低下し、平らになります(平低化)。同時に胸郭の前後径が大きくなってきて左右径と同じくらいになり、樽のように見えます(樽状胸郭)。これを X 線写真で見ると、横隔膜が低く平らになり、肺が大きく見えるのです。

心臓は、横隔膜が下がることと肺に圧されることで、縦長になって左右対称に見えるようになります。その様子があたかも水滴のように見えることから、滴状心と呼ばれます。

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元々の体格や病態によっては、COPDでも必ずしも過膨張所見が見られないことがあります。横隔膜の位置が低下する過膨張以外にCOPDで見られる所見としては、以下のようなものがあります。

・肺野の濃度が低下し、黒っぽく見える
・肺紋理が見えにくくなる
⇒COPDでは肺胞や血管が破壊されるため
・(嚢胞壁からなる)線状の陰影が目立つようになる
⇒嚢胞がたくさんできるため

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posted by 長尾大志 at 18:01 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月09日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編4

肺が大きいか小さいか、はたまた正常の大きさなのか、は肋骨と横隔膜の交差する高さでおよそ見当がつきます。

正常の場合、右横隔膜が、第10肋骨の後ろ側と鎖骨中線辺りで交差します。

それから上下半肋間程度 は正常範囲で左の横隔膜は右の横隔膜と同じ高さから1肋間程度の下程度の高さであると言われています

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…いや、ちょっと待てよ!第10肋骨ってどれだよ!という声が聞こえてきましたね。

スライドやブログ上、書籍上もなかなか肋骨を数えるのはハードルが高いのですが、数えてみましょうか。

肋骨は、後ろ(椎骨についている部分)が高く、前に来るほど下がってきます。
また、後ろの肋骨は分厚くハッキリ見えますが、前の肋骨は薄く、見えにくくなってきます。
横向きに走っている、ハッキリ見える肋骨は後ろ肋骨で、前の肋骨はあまりよく見えません。

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試しに、字だけにしてみましょう。前がハッキリ見えるのは第1肋骨くらいのものです。

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第4肋骨くらいまで数えると、あとは後ろの肋骨だけ数えていけば…

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このように、第10肋骨の後ろが、右横隔膜と、鎖骨中線上で交差していることがわかります。

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(肺野を見て、肺が縮む原因がないのに)横隔膜が正常より高位の場合、吸気不足を疑うことがあります。

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posted by 長尾大志 at 18:05 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月08日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編3

それでは実際に胸部X線写真を眺めてみるわけですが、皆さんはどのような順番でご覧になっていますか。

特に、必ずこれといった決まりがあるわけではありませんが、見逃しを防ぐという意味では@自分なりに見る順番を決めておき、必ずすべての場所に目をやる習慣をつける
A見逃しそうなところ死角を意識し、あえてその部分をしっかり見る
B左右の比較・過去画像との比較を意識する
といったことが必要かと思います。

順番ということでは「小三J法」や「人の肺(ハイ)」など、語呂合わせとともに色々な順番が提唱されていますが、どれが優れている、というものでもなく、ご自身が覚えやすい方法にしたがって、確実に読影して頂くのが大事なことです。

ここでは私が若い頃に教わった、実際に読影する時の順番をご紹介したいと思います。

@第一印象(パッと見):外観、肺の大きさ、左右のバランス。
A骨軟部陰影:骨折、溶骨や皮下気腫。
B縦隔:気管、肺門、大動脈弓〜下行大動脈。
C心陰影:心胸比、心臓の位置。
D横隔膜:肋骨横隔膜角、横隔膜裏。
E肺野を左右比較しながら見ていく。

この順番を採用している理由は、最も所見が目立つ肺野をあえて後回しにする、見落としがちな物陰を先に見るというところにあるかと思います。


@第一印象(パッと見)

胸部X線写真の(CTよりも!)優れている点の一つが、この一覧性、パッと見で何となく異常がわかるというところです。ここでの感度を上げるためには、何といっても正常像を数多く見ることが大事です。今後はAIが補助をしてくれるでしょうが…。

ここで気づいていただきたいのは、まず肺の大きさと形、左右の対称性です。そして肺野に目立つ陰影があれば、ここで指摘できるかと思います。

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posted by 長尾大志 at 11:26 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年08月07日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編2

PA像とAP像の違いはいくつかありますが、まずポータブル写真というのが、ベッドやストレッチャーで臥床している状態で撮影されることが多いものです。それゆえにX線管や検出器と、体の関係が必ずしも真正面ではありません。

つまりAP像だと真正面から撮られていない、斜めに撮影されることが多いわけです。すると左右の対称性が失われ、例えば気管の位置が中心からずれたりするのです。

他に見られる違いとしては…。

・ポータブル写真の方が、横隔膜が腹部臓器に押されるために挙上して写りがちである、
・鎖骨や肋骨の角度、見え方が少し違う。
・肩甲骨が外に出せないので、肺野にカブって来る。
・X 線量の違いもあって、ポータブル写真の方が肺野濃度が黒っぽく見える。

また、心臓や縦隔は身体の「前より」にあるのですが、PA像AP像とでは縦隔のX線管からの位置関係が変わってくることもあって、AP像の方が心臓や縦隔が拡大される傾向にあります。

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以上のような理由から、ポータブル写真はポータブル写真とわかった上で読影をしないと思わぬミスに繋がってしまう可能性があります。ですから読影の前に、まず撮影条件を確認するということが必要になるのです。

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posted by 長尾大志 at 16:26 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月06日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編1

さてここまで、令和になりました記念としていくつか症例を見ていただきましたけれども、やはり今一度基礎をしっかりおさえておく必要を感じておられるかも知れませんね。

ということで、胸部X線写真読影の、基礎編を改めて書いてまいります。なーんーどーめーのー基礎編〜か〜


それでは早速、胸部X線写真を見てみましょう。

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…どこから見ましょうか?
えーっと、骨軟部組織…ちょっと待ったー(古い)!

まずはこの写真がどうやって撮られているかを確認しましょう。立位正面なのか、はたまたポータブル写真で、臥位なのか坐位なのか。その条件が認識できていないと、思わぬ間違いをしてしまう恐れがあります。

昨今多くの施設では、ポータブル写真の場合何らかの「印」が写真に入っていることが多いかと思います。例えば滋賀医科大学附属病院においてはこのような感じです。

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胸部立位正面写真、つまり(普通に)前胸部をX線検出器につけて、後ろからX線を当てて撮影した写真は、X線が後ろ(背部:posterior)から前胸部(anterior)に向けて通りますのでposterior(P)からanterior(A)に抜けるという意味でPA像といいます。

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それに対してポータブル写真は、X線が前(A)から後ろ(P)に抜けますので、AP像、といいます。

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posted by 長尾大志 at 18:44 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月05日

胸部X線読影道場ふたたび65

一般的な間質性肺炎、というには少々胸膜直下がスペアされすぎ、という印象を持ちます。

ということで、3ヵ月前のCTはこのような陰影でした。

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気管支血管束周辺の病変が目立ちますね。10年間の経過でゆっくり進行してきた、ということで、実はこちら、サルコイドーシスの肺野型でありました。それが今回肺炎発症し、このような陰影となった次第です。

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解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/vaTrkEJhAMo

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posted by 長尾大志 at 16:05 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月02日

胸部X線読影道場ふたたび64

平和そう、とはいえ、両側下肺野にはモワモワッとした高吸収域があるようです。

それが10年の経過で、徐々に悪化してきました。こちらが半年前の写真です。

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両側下肺野の高吸収域ですから、「間質性肺炎」といいたくなるところですが、何となくですが、それにはちょっと合わないような気もします。それはどんな点でしょうか…?

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posted by 長尾大志 at 16:07 | Comment(2) | 胸部X線道場