2022年02月16日

第111回看護師国家試験問題 寸評

というわけで、今年の医師国家試験問題解説は3問担当でした。

続けて第111回看護師国家試験の問題解説もやって参りましたが、こちらも既視感のある問題が2問。やはり過去問やりこみはこちらでも重要だなあ、と改めて実感しました。

111A18は呼吸パターンの波形?をみてチェーンストークス呼吸を選ぶ問題。これも頻出ですし絶対取りたいですね。

111P43で気になったのは、いまだ問題文に「肺気腫」という用語が使われている点。ご丁寧にpulmonary emphysemaのルビまで振ってあるんですが、問題作成者の先生は一体いつの時代の知識をもって問題作成されているのか…はたまた、いまだに国試の用語基準が変わっていないのか…とするとそっちの方が問題かも…と、いろいろ心配になるレベルの、かつCOPDに関して基礎レベルの知識を問う問題でした。

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2022年02月14日

第116回医師国家試験問題解説6 慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の呼吸機能について

116F4
慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の呼吸機能について正しいのはどれか.
a 残気量減少
b 1秒率>70%
c 肺拡散能増加
d 静肺コンプライアンス増加
e 上に凸のフローボリューム曲線

昨今の国試では、こういう、必修といいますか、基礎事項を問う、絶対に落としてはいけない問題と、新傾向の、落とす人もいるだろうけれども、よく考えるとわかるよね、という問題がはっきりしてきている印象です。基礎事項を問う問題はこれまで過去に何度も何度も、手を変え品を変え、同じような事柄が問われ続けているわけで、過去問をしっかりやりこんで確実に取っていかなくてはなりません。こちらもそういう問題になると思います。

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2022年02月13日

第116回医師国家試験問題解説5 パン工場に出勤したときに出る咳、職業性喘息

ちなみに職業性喘息でよく知られているものを挙げておきましょう。

動物の毛|獣医師やトリマー

海産物の殻や肉片|エビ・カニ食品業者

小麦粉|製パン業者や製麺業者

キノコの胞子|ビニールハウス内作業者

ラテックスゴム手袋|医療従事者

茶葉|製茶業者

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2022年02月12日

第116回医師国家試験問題解説4 パン工場に出勤したときに出る咳

今一度問題文を読んでみましょう。

38歳の女性.
3週間前から乾性咳嗽が出現するようになり改善しない.
夜間には落ち着いているが日中仕事中に咳が出る.
これまで喘息を指摘されたことはない.
18歳から花粉症を認めている.
1年前から製パン工房でパートとして平日週5日働いている.
週末,家にいるときには日中も症状がないが,月曜日に職場に行くと咳が出る.
喫煙歴はない.ペットは飼育していない.
体温35.2℃.呼吸数16/分.SpO2 96%(room air).
呼吸音に異常を認めない.
血液所見:赤血球360万,Hb 11.4g/dL,
白血球5,700(分葉核好中球56%,好酸球12%,好塩基球0%,リンパ球32%),
血小板32万.
CRP 0.2mg/dL.
胸部X線写真に異常を認めない.

まあキーワードしかございませんね。3週間前から続く乾性咳嗽ですので、定義上は遷延性咳嗽ということになります。これまで喘息を指摘されたことがないということですが、18歳から花粉症(アレルギー性疾患)がある38歳の女性ですから、喘息の初発は十分あると考えられます。

何より製パン工房に行った時に咳が出て、職場から離れると咳が出ないというのは、いかにも何らかの物質への曝露によるアレルギーと考えるのが自然です。ここで国試過去問に毒されていると、「(入院して)曝露から免れると改善する」という病歴からは過敏性肺炎が想起されると思いますが、過敏性肺炎にしては発熱というキーワードがなく、選択肢の検査を見渡してみても、過敏性肺炎で行われるような検査がひとつもありませんね。

今回の選択肢を見てみると、見事なほど気管支喘息(または咳喘息)を念頭に置いた検査等が選択肢に並んでいます。問題文を読まずに選択肢だけ見て仲間外れを探す、としても正解は導き出されるのではないでしょうか。

喘息という病態は、気管支が刺激に対して過敏になっていて狭窄する、それが可逆性があり、日内変動をする。もうこれでb、d、eは気管支喘息のための検査であると分かりますし、cIgE抗体が気管支喘息やアトピー性皮膚炎の時に有用な検査であることはご存知でしょう。

一方、a肺拡散能検査は「肺胞に障害があるとき」に肺胞における酸素の拡散能を見る検査(拡散能が低下しているかどうかを見る検査)であり、喘息のような気管支の障害が生じる疾患では有用ではありません。

実臨床の現場では、職場でのストレスによる心因性咳嗽という可能性もあるかもしれませんが、この問題では選択肢を眺めることで正解にたどり着くと思います。

今回この問題は、このような「暴露から免れた時に改善するアレルギー性疾患としての」気管支喘息をQBやイヤーノートに掲載するという意味で、意義深い問題になったと考えます。

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2022年02月11日

第116回医師国家試験問題解説3 パン工場に出勤したときに出る咳

116D35
38歳の女性.咳嗽を主訴に来院した.3週間前から乾性咳嗽が出現するようになり改善しない.夜間には落ち着いているが日中仕事中に咳が出る.これまで喘息を指摘されたことはない.18歳から花粉症を認めている.1年前から製パン工房でパートとして平日週5日働いている.週末,家にいるときには日中も症状がないが,月曜日に職場に行くと咳が出る.喫煙歴はない.ペットは飼育していない.体温35.2℃.呼吸数16/分.SpO2 96%(room air).呼吸音に異常を認めない.血液所見:赤血球360万,Hb 11.4g/dL,白血球5,700(分葉核好中球56%,好酸球12%,好塩基球0%,リンパ球32%),血小板32万.CRP 0.2mg/dL.胸部X線写真に異常を認めない.

診断に有用な検査として誤っているのはどれか.
a 肺拡散能検査
b 気道過敏性試験
c 特異的IgE抗体
d 気道可逆性試験
e ピークフロー日内変動

なんか特徴的な病歴ですねー。病歴はホンマに大事。

何が特徴的って、職場へ行くと咳が出るんですよね。で、週末家にいる時には日中も症状がない。これ以上特徴的な病歴はあるでしょうか?いや、ない。

で、おそらく国試対策をやっている皆さんは「職場に行ったら症状が出る=過敏性肺炎」な〜んて思われてるかもしれませんが、今回はその裏をかくかのような、見事なよくできた問題だと思いました。作成はあの先生かな〜。

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2022年02月10日

第116回医師国家試験問題解説2 滲出性胸水

いろいろ間に挟まってスミマセン。一昨日の続きです。

滲出性胸水は、炎症など何らかの病変が胸膜に存在し、そのためにその部位の血管透過性が亢進したり、破綻が生じたりして水が出てくるもの、ということで、

a 肺梗塞
b 肝硬変
c 急性膵炎
d 結核性胸膜炎
e 全身性エリテマトーデス

のうち、炎症などの病変ではないものはどれか、という問題に早変わり。これはb肝硬変によって、低アルブミン血症⇒血管内膠質浸透圧の低下によるしみだし、ということになりますね。

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2022年02月08日

第116回医師国家試験問題解説1 滲出性胸水

第116回医師国家試験、受験生の皆さんはお疲れさまでした。今年もコロナ禍でいろいろとストレスの多い受験であったかと思います。皆様ご無事で終えられていれば幸いです。卒業生の方からの情報によれば、とうとう例の問題が出題された、とのことで、島根大学および滋賀医科大学の卒業生の皆さんは皆さん解けたであろうと思います!!

さてこちらは、試験後の恒例、第116回医師国家試験問題の解答・解説づくりに励んでまいります。

116C12
滲出性胸水をきたす疾患に含まれないのはどれか.
a 肺梗塞
b 肝硬変
c 急性膵炎
d 結核性胸膜炎
e 全身性エリテマトーデス

まさか、「滲出性胸水を来たす疾患」を丸暗記してる人はいませんよね……。

漏出性胸水と滲出性胸水の違い・本質を知っておくべきかと思います。漏出性胸水は、主に圧力の差、静水圧や浸透圧といった圧力の差でもって滲み出してきた水で、シャバシャバ、うすくちの水になります。タンパクやアルブミンは少なく、LDHみたいな炎症や細胞破壊にまつわる物質もあまり含まれていない。逆に滲出性胸水は、炎症など何らかの病変が胸膜に存在し、そのためにその部位の血管透過性が亢進したり、破綻が生じたりして水が出てくるものになります。

ということでLightの基準では

蛋白:0.5>胸水中蛋白/血清蛋白
LDH:0.6>胸水中LDH/血清LDHまたは
 施設の血清LDHの正常上限の2/3以上
このうち1個でも満たせば、滲出性胸水

となっています。

さあ、ということで、答えは如何でしょうか……?

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2022年01月21日

第116回医師国家試験対策動画、公開(肺結核のしくみ、機序その他)

引き続き、第116回医師国家試験対策動画、公開して参ります。

第116回医師国家試験対策講座 肺結核1
https://youtu.be/zfzJQrKGwrg

第116回医師国家試験対策講座 肺結核2
https://youtu.be/bTbuJwrqYeM

第116回医師国家試験対策講座 肺結核2‐2
https://youtu.be/rC_RCVbiASg

第116回医師国家試験対策講座 肺結核3
https://youtu.be/6jISU8N8tiI

第116回医師国家試験対策講座 肺結核4−1
https://youtu.be/t2E0_YbV15k

第116回医師国家試験対策講座 肺結核4‐2
https://youtu.be/D_FFIPwIYZ8

第116回医師国家試験対策講座 肺結核5
https://youtu.be/x2mZ4R5zDu0

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2022年01月20日

第116回医師国家試験対策動画、公開開始しました。

今年も医師国家試験まで1か月を切り、いよいよ追い込みの時期かと思います。そこで昨年も公開していた、医師国家試験対策講座動画を期間限定で公開したいと思います。ちょっとタイミングが遅すぎる気がしないでもないですが、5年生の皆さんにもお役に立つといいかなあと思いますので、公開してみます。

第116回医師国家試験対策講座1 これって肺炎?
https://youtu.be/X1WpYIUT7Og

第116回医師国家試験対策講座2 喀痰グラム染色のヤマ1
https://youtu.be/sCsZQq_P8Qs

第116回医師国家試験対策講座3 喀痰グラム染色のヤマ2
https://youtu.be/AyoYz5YnFJ8

第116回医師国家試験対策講座4 インフルエンザ桿菌・肺炎球菌の耐性パターン
https://youtu.be/8d3m7XLs4IY

第116回医師国家試験対策講座5 普通じゃない肺炎
https://youtu.be/DODar7K3eKU

第116回医師国家試験対策講座6 結核について
https://youtu.be/eyagEHjpEcM

第116回医師国家試験対策講座7 予想問題
https://youtu.be/Xj6z-y7FWyk

第116回医師国家試験対策講座8 予想問題
https://youtu.be/I5kGis5qzE4

第116回医師国家試験対策講座9 気管支鏡の適応
https://youtu.be/NCncDCdtzqo

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2021年02月26日

第115回医師国家試験問題解説17 こちらも出題の意図…診断のノイズ

115F63
83歳の男性。食欲が低下し元気がないため妻とともに来院した。
現病歴: 約5年前から物忘れが目立ち、Alzheimer型認知症と診断されていた。1年前から記憶の低下がさらに進行し、5分前のことも忘れていることが多かった。同居する妻によると、2週前に38℃の発熱があったが市販の総合感冒薬を内服して解熱したという。その頃から家でうとうとしながら座っていることが増え、食事量も半分くらいに減った。1週前、通い慣れている施設から家へ帰る道が初めて分からなくなった。昨日トイレ動作にも介助を要するようになったため、他院において緊急で頭部単純CTを行ったが、異常はなかった。本人は特に苦痛を訴えないが、妻によると3日前から喀痰がみられるという。
既往歴: 糖尿病でDPP-4阻害薬を服用中である。
生活歴: 喫煙は20本/日を40年間。飲酒は機会飲酒。妻と2人暮らし。 家族歴: 父母とも老衰で死亡。
現症: 意識レベルはJCST-2。身長165cm、体重60kg。体温37.0℃。脈拍96/分、整。血圧106/60mmHg。呼吸数22/分。SpO₂ 94%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音に異常を認めない。右下背部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。浮腫を認めない。瞳孔と眼球運動とに異常を認めない。腱反射は正常で運動麻痺、感覚障害および運動失調を認めない。
検査所見: 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に赤血球、白血球を認めない。血液所見:赤血球 370万、Hb 12.0 g/dL、Ht 36%、白血球 11,300 (好中球 79%、好酸球 1%、好塩基球 0%、単球 6%、リンパ球13%)、血小板26万。血液生化学所見: 総蛋白7.5g/dL、アルブミン 3.5g/dL、AST22U/L、ALT 11U/L、ALP 217U/L (基準115~359)、γ-GT 29U/L (基準8~50)、アミラーゼ 94U/L (基準37-160)、尿素窒素 29mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL、血糖 140mg/dL、HbA1c 6.8% (基準4.6~6.2)、Na 136mEq/L、K 4.6mEq/L、CI 96mEq/L、Ca 8.2 mg/dL。CRP 20mg/dL。
次に行うべき検査はどれか。
a 頭部MRI
b 腰椎穿刺
c 腹部造影CT
d 胸部エックス線撮影
e 上部消化管内視鏡検査

これは、まあまあノイズの多い病歴で。何を答えさせたかったのかなあ、と作問者になったつもりで考えてみますと、やはりノイズの多い「実臨床の現場」における臨床推論の型を身につけろ、ということでしょうかね。

Alzheimer型認知症があって意識障害悪化、他院で頭部単純CT異常なし、とまあ、ありがちな情報でノイズが多くなっております。そうはいっても呼吸数22回、SpO2低下、coarse cracklesを聴取する、と肺炎dを思わせる所見をしっかり拾うことができれば、それでいいのかもしれませんね…。

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2021年02月25日

第115回医師国家試験問題解説16 出題の意図??

115F40
74歳の男性。1週前に大動脈弁狭窄症に対して大動脈弁置換術を施行した。術後経過は良好で退院を目指し、一般病棟でリハビリテーションに励んでいた。昨日から食欲不振があり、今朝から息切れと全身倦怠感を訴えている。意識は清明。体温36.7℃。脈拍100/分、整。血圧94/74mmHg。呼吸数18/分。SpO₂98 % (room air)。眼瞼結膜は軽度貧血様で、眼球結膜に黄染を認めない。頸静脈怒張を認める。心音は減弱。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、胸部正中に手術痕を認める。血液所見:赤血球352万、Hb10.7 g/dL、Ht31%、白血球8,700、血小板10万。血液生化学所見:アルブミン3.3g/dL、総ビリルビン1.2mg/dL、AST 31 U/L、ALT52U/L、LD331 U/L (基準120〜245) 、CK50U/L (基準30〜140)、尿素窒素30mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL、Na136mEq/L、K5.1mEq/L、Cl99 mEq/L。CRP1.2 mg/dL。胸部エックス線写真及び胸部単純CTを別に示す。
症状に最も関連している病態はどれか。
a 気胸
b 貧血
c 縦隔炎
d 胸水貯留
e 心嚢液貯留

こちら、写真がないと何のことやら…?という感じですが、こちらへの引用は控えておきますので、自力でご覧ください…といっても、写真がすべて、の問題ではあります。

写真で見えるのは胸水と心嚢液です。大動脈弁置換術後の患者さんで、術後しばらく経過が順調であったものの、息切れと全身倦怠感が生じてきたと。ごく軽度の貧血がありますが、それだけでこの症状が来るとは考えにくい…。

キーワードとして頸静脈怒張・心音減弱があるというところですので、症状と考え合わせるとここは心不全かなと。胸水は少量で、症状が出るとは考えにくいですね。まあちょっと出題の意図がイマイチよくわからないのですが…。この程度の胸水ではあまり症状は出ない、ということを現場で見ておけよ、心嚢水がたまるとこの程度でも症状が出ることを知っておけよ、ってことなのでしょうか…??

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2021年02月24日

第115回医師国家試験問題解説15 計算問題

115F7
呼吸機能検査を行ったところ、肺活量 4,200 mL、1秒量 3,200 mL、努力性肺活量 4,000 mL、予測肺活量 3,900 mL、予測1秒量 3,000 mLであった。
1秒率(FEV1%)を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には小数第1位を四捨五入すること。
a 70
b 71
c 80
d 82
e 107

割り算です。この手の頻出計算問題は式を覚えておくしかありませんね。A-aDO2とかP/FとかAGとか肺気量分画とか。覚えておいてくださいませませ。

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2021年02月23日

第115回医師国家試験問題解説14 聞き覚えのない言葉にビビらないこと!

115E37
23歳の男性。咳嗽および血痰を主訴に来院した。3日前から乾性咳嗽が出現し、激しくせき込むようになった。今朝、咳嗽時に少量の血痰が1回出現したため心配になって受診した。悪心や嘔吐はなく、食欲良好で体重減少や盗汗はない。結核曝露歴や最近1か月の海外渡航歴はない。既往歴に特記すべきことはなく、喫煙歴と飲酒歴はない。意識は清明。診察中には咳嗽が時々出るが血痰は出ていない。身長160cm、体重72kg。体温36.1℃。脈拍72/分、整。血圧122/58mmHg。呼吸数12/分。口腔内と咽頭に異常はなく、頸部リンパ節腫脹を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。
この時点で最も事前確率の高い疾患はどれか。
a 肺癌
b 気管支喘息
c 急性気管支炎
d Goodpasture症候群
e 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〈Churg-Strauss症候群〉

事前確率…苦手意識を持っている人もおられるかもしれません。感度とか特異度とか尤度比とか。しかし、臨床推論を考えるうえでは、避けては通れない概念ですし、一度は馴染んでおかれるのがよいかと。こういう「苦手だな」と思っている用語を見たときに、無意識に避けてしまったりして点が取れないのはもったいない…あ、私だけですか?それは失礼いたしました。

要は「この時点で最もそれっぽい疾患はどれか。」ってことですからね。こういう、臨床の現場で優先すべきは「頻度の高いもの」です。基礎疾患や暴露のない若年男性の急性、単回のepisode、バイタル他特記事項がない、ということで、急性気道感染症cを考えることになるでしょう。

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2021年02月22日

第115回医師国家試験問題解説13 乳び胸・結節の診断

今回も必ず取らなくてはならない問題ですね。

115D14
乳び胸の原因となるのはどれか。2つ選べ。
a 心不全
b 食道癌手術
c 細菌性胸膜炎
d 月経随伴性気胸
e 肺リンパ脈管筋腫症〈LAM〉

ここ最近は臨床問題のテイでよくお目にかかる乳び胸。一般問題では知識を問われますが、「乳び胸がどんなものか」わかっていれば解けそうですね。胸管から乳びが漏出するので、胸管が損傷する外傷や手術b、それに悪性腫瘍と、まれな疾患としてLAMeは頭に入っていてほしいですね。


115D27
74歳の女性。胸部エックス線で異常陰影を指摘され来院した。3年前に直腸癌に対する手術を施行され、経過観察中である。昨年は異常を指摘されていない。胸部エックス線写真及び胸部造影CTを別に示す(肺野の結節影)。
診断確定のために最も有用な検査はどれか。
a 胸部MRI
b 喀痰細胞診
c 腫瘍マーカー
d 気管支鏡検査
e 骨シンチグラフィ

結節影の診断確定です。これは絶対に生検dが必要です。最近ちょいちょい、アンチ腫瘍マーカー問題が出てきますが、これもそうかもしれません。厚労省も腫瘍マーカー健診には参っていて、苦々しく思っているのかもしれませんね…。「腫瘍マーカーは診断には使えない」というメッセージを医学生に植え付ける、大変大事なことだと思います。

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2021年02月21日

第115回医師国家試験問題解説12 睡眠時無呼吸症候群・膿胸

115D5
睡眠時無呼吸症候群の合併を疑わせるものとして誤っているのはどれか。
a 気胸の既往
b 昼間の眠気
c 頻回の夜間覚醒
d 治療反応性が不良な高血圧
e 夜間発症の心血管イベントの既往

常識的な一般問題です。必ず正解すべき。気胸は関係ないですね。a


115D7
急性膿胸の原因にならないのはどれか。
a 肺炎
b 胸部外傷
c 食道穿孔
d 肺線維症
e 降下性壊死性縦隔炎

これもあまりにもみえみえの問題ですね…。

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2021年02月20日

第115回医師国家試験問題解説11 頻出問題・癌疼痛の対処

115D17
76歳の男性。血痰と腰痛を主訴に来院した。1か月前から腰痛が出現し次第に増強し、3日前から喀痰に血液が混じるため受診した。喫煙は74歳まで20本/日を54年間。意識は清明。身長165cm、体重56kg。体温36.2℃。脈拍76/分、整。血圧140/76mmHg。呼吸数16/分。SpO₂ 97%(room air)。食欲は良好。血液所見:赤血球420万、Hb 12.8g/dL、Ht 40%、白血球8,600、血小板42万。血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン 3.6 g/dL、総ビ リルビン 0.7 mg/dL、AST 25 U/L、ALT 19 U/L、LD 343 U/L(基準 120~245)、尿素窒素 20 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL。胸部単純エックス線写真で右下肺野に5cm大の腫瘤を認める。全身の造影CTと気管支鏡下生検により腰椎転移を伴う進行肺扁平上皮癌と診断され薬物による抗癌治療の開始を検討中である。
現時点で行うべき疼痛対策として適切でないのはどれか。
a NSAID経口投与
b 塩酸モルヒネ皮下投与
c 骨転移への放射線照射
d アセトアミノフェン経口投与
e ビスホスホネート製剤静脈投与

WHO方式の三段階除痛(鎮痛)ラダー(最近また変わりましたが)、そして鎮痛薬使用の基本は頻出でした。

WHO方式の三段階除痛(鎮痛)ラダー
第一段階:軽度の痛み|非オピオイド鎮痛薬(NSAIDsやアセトアミノフェン)
第二段階:軽度から中等度の痛み|弱オピオイド(コデインやトラマドール)
第三段階:中等度から高度の痛み|強オピオイド(モルヒネ・フェンタニル・オキシコドン)

鎮痛薬使用の基本
@経口投与
A時刻を決めて規則正しく
B除痛ラダーにそって効力の順に
C患者ごとの個別の量で
Dその上で細かい配慮を

困ったことに2018年、WHOのガイドラインが変更になりまして。

7つの基本原則
@疼痛治療の目標
A包括的な評価
B安全性の保障
C薬物療法及び心理社会的・精神的ケアも含む
Dオピオイドを含む鎮痛薬はいずれの国でも使用されるべき
E鎮痛薬は「経口的に」「時刻を決めて」「患者ごとに」「細かい配慮をもって」投与
Fがん疼痛治療はがん治療の一部と考える

そのうえで推奨
鎮痛薬(アセトアミノフェン、NSAIDs、オピオイド)
鎮痛補助薬(ステロイド)
骨転移に対して(ビスホスホネート、放射線)

ということで、なんにしても原則から外れているbを選ぶことになります。ちなみに、骨転移への放射線照射やビスホスホネート製剤静脈投与は、骨転移の疼痛コントロール法として(いわゆる鎮痛薬以外の)標準的な治療とされていますので覚えておきましょう。

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2021年02月19日

第115回医師国家試験問題解説10 CTで肺区域はわかるようになっておくこと!

115C42
59歳の男性。肺がん検診で胸部異常陰影を指摘され来院した。胸部エックス線写真及び胸部単純CT(転載はしませんのでご自分で探していただければ)を別に示す。
病変の発生部位として正しいのはどれか。
a 右上葉
b 右中葉
c 右下葉
d 右胸膜
e 後縦隔

現場見ときなさいよ問題、胸部エックス線やCTで、「そこ」がどの区域にあたるのかは必ず知っておきたいところです。覚える方法としては「ブロンコ体操」を是非。

本問では異常陰影(結節)が葉間(無血管領域)の後ろにありますので、右の下葉にあることは間違いありません。この程度の解剖学的知識は必須ですので、「ブロンコ体操」を是非。大事なことなので二度言いました。

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2021年02月18日

第115回医師国家試験問題解説9 臨床問題の顔をした一般問題

115B38
59歳の女性。手指の腫脹を主訴に来院した。3週前から急に手指末節が腫脹し、爪甲が隆起し軽度の疼痛を伴うようになったため受診した。数日前から同様の症状が足趾にも生じてきた。関節痛はない。手指の写真(別冊No.5)を別に示す。
精査すべきなのはどれか。
a 子宮癌
b 腎癌
c 乳癌
d 肺癌
e 卵巣癌

ばち指の問題です。dですね。

115B39
68歳の男性。左肩痛を主訴に来院した。2か月前に左肩痛が出現し、増悪したため受診した。喫煙歴は30本/日を40年間、2年前から禁煙している。脈拍60/分、整。血圧120/88mmHg。呼吸数16/分。胸部エックス線写真(別冊No.6A)及び胸部造影CT(別冊No.68)を別に示す。経気管支肺生検で肺腺癌と診断された。
認める可能性が高いのはどれか。
a 左散瞳
b 顔面浮腫
c 左眼瞼下垂
d 左上肢の浮腫
e 左側の発汗増加

左pancoast症候群の問題です。一見臨床問題の顔をした、一般問題ですね。cです。

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2021年02月17日

第115回医師国家試験問題解説8 急性咳嗽の原因

115B15
急性咳嗽の原因として頻度が高いのはどれか。

a COPD
b 咳喘息
c 胃食道逆流症
d 副鼻腔気管支症候群
e マイコプラズマ肺炎

こちらも、出題の意図を今一つ測りかねると申しますか…。まあ、素直に考えて、急性咳嗽⇒急性感染症を選ぶということでよろしいでしょうかね。

例えば咳喘息だって、1回1回の発作は各々急性に生じるし、COPDも増悪時には急性に咳嗽・喀痰が出るわけで…逆にマイコは遷延性〜慢性咳嗽になるぞ…なんて言ってたら回答できませんかね。捻くれた大人の独り言でした。

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2021年02月16日

第115回医師国家試験問題解説7 キーワードだらけの間質性肺炎

115A37
47歳の男性。乾性咳嗽を主訴に来院した。2週前から夜間の微熱があり、1週前から出現してきた乾性咳嗽が増悪したため受診した。1年半前に原発性骨髄線維症に対して同種造血幹細胞移植を受けた。体温36.4℃。脈拍88/分、整。血圧110/62mmHg。呼吸数20/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球319万、Hb10.3 g/dL、Ht31%、網赤血球2.8%、白血球5,700(桿状核好中球3%、分葉核好中球80%、好酸球3%、好塩基球1%、単球8%、リンパ球5%)、血小板21万。血液生化学所見:IgG 480mg/dL(基準960〜1,960)、IgA21mg/dL(基準110〜410)、IgM28mg/dL(基準65〜350)。CRP 3.2mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.39、PaCO₂ 44 Torr、PaO₂61 Torr、HCO₃⁻ 25mEq/L。誘発喀痰のMay-Giemsa染色では栄養帯を、Grocott染色では黒く染まるシストをそれぞれ検出した。胸部エックス線写真(別冊No12A)及び胸部CT(別冊No12B)を別に示す。
検査所見として正しいのはどれか。
a KL-6正常
b 尿中抗原の陽性
c β-D-グルカン高値
d 喀痰培養検査で原因微生物を同定
e 2週間後のペア血清で抗体価4倍以上の上昇

キーワードがふんだんにちりばめられています。原発性骨髄線維症に対して同種造血幹細胞移植、呼吸数20/分、心音と呼吸音とに異常を認めない、PaO₂61 Torrの低酸素血症、誘発喀痰のMay-Giemsa染色で栄養帯、Grocott染色では黒く染まるシストを検出した。まあ最後のところで十分ですね。画像はまあ、別になくても、ニューモシスチス肺炎。

正解:c

だけど…よく勉強されている人は、却って迷われたかもしれません…なぜか。

血液生化学所見でIgG 480mg/dL(基準960〜1,960)、IgA21mg/dL(基準110〜410)、IgM28mg/dL(基準65〜350)と液性免疫低下がドドーンと示されているのです。あれ?ニューモシスチス肺炎って、細胞性免疫低下時だよな…となってしまうと迷ったかも。

出題者の意図は私にはわかりません。サッパリわかりません。もちろん悪性腫瘍、特に血液悪性腫瘍、造血幹細胞移植後にニューモシスチス肺炎が合併しやすい、という事象を押さえておくことも必要かもしれませんし、「免疫」低下がある、ということを明示するために、数値として認識しやすいイムノグロブリン値を示されたのかもしれませんが、こういう問題が一度出てしまうと、液性免疫低下もニューモシスチス肺炎と関係あり、みたいにミスリードされてしまう未来がちょっと見えてしまうのですね。

病〇がみえる、とか、M〇Cの教科書とかにそういう記載が増えたり、となってしまうと、なんだかなあ、と思ってしまうのですが、考えすぎでしょうか…?

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2021年02月15日

第115回医師国家試験問題解説6 酸素投与器具と流量

115C4
酸素投与器具と流量の組合せで適切なのはどれか.
a 鼻カニューラ・・・・・・1L/分
b 鼻カニューラ・・・・・・7L/分
c フェイスマスク・・・・・・1L/分
d フェイスマスク・・・・・・3L/分
e リザーバー付マスク・・・・・・4L/分

さあ、今年はこちらできたか、という感じですね。何が?臨床実習で器具を見とけよ問題です。これまで酸素投与器具と流量が主役になったことがあったでしょうか?いやない。知らんけど。

ちなみに酸素投与器具については、こちらのブログでも何度か取り上げていますが、主に看護師さんに向けての記事で取り上げました。

鼻カニューラとマスクについて⇒
http://tnagao.sblo.jp/article/47770328.html
ローフローシステムについて⇒
http://tnagao.sblo.jp/article/182815853.html

ちなみにですが、「フェイスマスク」という言い方、こちらはあまり一般的な用語とは言えないと思います。日本呼吸器学会の「酸素療法マニュアル」では『簡易酸素マスク』となっておりますし、他には『シンプルマスク』などがいいのではないかと思います。というところで、一応常識問題、知っとけ問題ということのようです。わからん、という方はリンク先をご覧ください。

正解:a

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2021年02月14日

第115回医師国家試験問題解説5 急性好酸球性肺炎と慢性好酸球性肺炎

これまで、急性好酸球性肺炎はしばしば臨床問題で出題されていましたが、慢性好酸球性肺炎が主役となったことはそれほど多くなかったように思います。

急性好酸球性肺炎は比較的病像がしっかり定まっていますね。若い男性がタバコを吸い始めたら、急性の経過で発熱と呼吸困難。胸部X線で両側が真っ白になって、胸部CTで肺水腫みたいな陰影が出てきて、両側胸水やカーリーB線なんかが出てきて、肺局所に好酸球は動員されているものの、末梢血の好酸球はむしろ正常と、典型的な要素が割とはっきりしています。過去問を数回やればつかめると思います。そういう意味で問題を作りやすい。逆にワンパターン、マンネリ化しているとも言えます。

それに対して、この慢性好酸球性肺炎というのは、疾患概念が定まっているような定まっていないような、急性と慢性という用語で対照的に語られることが多々ありますが、急性ほどがっちり定まっていないと思っています。

一応例えば、中年女性に多いとか、気管支肺胞洗浄で好酸球が増えている+末梢血の好酸球が上がっているとか、移動する浸潤影とか、もちろん慢性の経過である(=線維化が組織に生じている)とか、一応急性と対照的な考えとして語られる概念というのはあるのですが、ちょっとこれって本当に単一の疾患なのか?みたいなところがあるのです。

「好酸球が増える病態」というのはいろいろな原因で生じます。代表的なところで言いますと寄生虫、アレルギー(喘息、ABPMなど)、血管炎(EGPAなど)、それ以外に血液疾患、好酸球が増多して臓器障害を起こす、というところにフォーカスを当てた好酸球増多症候群(HES)という疾患概念があります。

一方臓器特異的な疾患概念として、特に肺局所に好酸球が浸潤してくる病態が多く、教科書的にPIE症候群(好酸球肺浸潤症候群:Pulmonary infiltration of eosinophilia)というくくりがあり、その中に急性好酸球性肺炎と慢性好酸球性肺炎が含まれる、という分類をよく見かけると思います。

好酸球増多症候群、そういった「好酸球の増える、肺局所に浸潤してくる疾患」を含んだ、それこそ寄生虫や喘息も含めた、そういった分類の縦糸と横糸の絡み合いがややこしく、そういうグラデーションの中に存在するという意味で、個人的にはこのテの疾患は問題を作りにくいかなと思っていたのです…。

まあ、今回出題されてしまった以上、次の『病気がみえる』の改訂時には、もうガッツリと慢性好酸球性肺炎の項目が充実するんじゃないかな、と思います。まあややこしい分類を理解しなくても、上で申し上げたようないくつかの特徴、これらを押さえておけば、この問題を解くこと自体は難しいものではありません。

a 高齢者に多い.
 →中年女性です

b 喫煙が発症に関係する.
e 末梢血好酸球は正常である.
 →これらは急性好酸球性肺炎の特徴ですね。これだけでも、この症例は「急性」でないことがわかります。2つ正解があることになりますから。

d ステロイド抵抗性である.
 →ステロイドの反応性は良好です。「好酸球はステロイドですぐ逃げる」ってやつですね。

c 気管支喘息の合併が多い.
 →直接これを知らなくても、上の選択肢が誤りであることがわかれば、好酸球が増えるんだから、気管支喘息も合併するだろう、みたいな感じで解けるかと。

正解:c

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2021年02月13日

第115回医師国家試験問題解説4

115A46
54歳の女性.咳嗽と喀痰を主訴に来院した.喀痰は白色であり,発熱はなかった.自宅近くの診療所を受診し,胸部X線写真で異常陰影を指摘され,細菌性肺炎として抗菌薬の投与を受けたが陰影は増強したため紹介され受診した.3ヵ月前にも胸部X線写真で異常陰影を指摘されたが,症状が軽かったため経過観察したところ自然軽快したエピソードがあった.気管支鏡検査を施行し,気管支肺胞洗浄液中の好酸球は37%で,経気管支肺生検では好酸球浸潤を伴った肺胞隔壁の線維化病変を認めた.
この疾患について正しいのはどれか.
a 高齢者に多い.
b 喫煙が発症に関係する.
c 気管支喘息の合併が多い.
d ステロイド抵抗性である.
e 末梢血好酸球は正常である.

こちらもキーワードがちりばめられていて、ある程度過去問を解いていれば難しくはない、絶対に落とせない問題でしょう。

経過は慢性で、自然軽快というキーワードがあり、気管支肺胞洗浄で好酸球増多、肺政権でも好酸球浸潤があり、肺胞隔壁の線維化という、慢性の変化を思わせるワードが出てきています。肺胞内に好酸球浸潤が生じる、すなわち好酸球増多疾患ということで、慢性好酸球性肺炎を想起することはそれほど難しくはないでしょう。急性じゃないの?急性好酸球性肺炎と慢性好酸球性肺炎は、全く違う疾患だと思っておきましょう。

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2021年02月12日

第115回医師国家試験問題解説3

夏型過敏性肺炎と分かれば、選択肢のうち誤っているのは、すぐわかりそうです。

a 入院で改善する.
→抗原回避、隔離で改善することはよく知られています。入院で改善する、ということ自体が診断の手掛かりになります。

b LDが高値である.
d KL-6が高値である.
→間質性肺炎で上昇する数値は過去にも頻出でした。これは知っておきましょう。あとはSP-A、SP-Dあたり。

c IgEが高値である.
e 気管支肺胞洗浄液でリンパ球増多を認める.
→こちらがまあ、キモといえばキモの問題。夏型過敏性肺炎はV型、W型アレルギーなので、リンパ球が増多となりますが、T型で増える好酸球やIgEは増えません。まあでもこれは一般問題レベルの話ですね…。一般問題を、臨床問題風にアレンジした、てな感じでしょうか。これは必ず正解しておきましょう。

正解:c

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2021年02月11日

第115回医師国家試験問題解説2

では問題文を順番に見ていきましょう。臨床問題の、呼吸困難を主訴とする症例では(臨床の現場に出る前に)必ず心得ておきたいポイントでもありますが、やはり病歴の中で経過というものは是非とも注目しておきたいところです。

この症例は、うまい具合に?一か月前という、割と微妙な、決して急性の経過ではない数字、かつ慢性でもない。この経過は、例えば過去問の、IPF(特発性肺線維症)の症例なんかですと数ヶ月という経過が多い、これが典型的な慢性の経過です。一方この症例は1ヶ月の経過で、1週間前に発熱が生じている、ということは症状が増えてきていると。

まあ症状には、波があるともっとわかりやすかったのかもしれません。2週間〜1か月の経過というのは微妙ですね…でも決して急性ではない。いわゆる細菌性肺炎ではないと思われます。ここが一つポイントになるかなと思いました。

で、ご丁寧に、タバコを吸ってないとかペット飼ってないとかは、キーワード的に言うとタバコなし→COPDを除外できる、ペットなし→ねわざわざ書くっていうのはどうなんでしょう。オーム病じゃないよ、鳥関連の過敏性肺炎でもないよということがおそらく言いたかったのかなと。まあ、とってもとってもとっても親切ですね。

で、ここから怒涛のキーワード攻撃。呼吸数24/分、SpO2 94%(room air)、胸部の聴診でfine crackles、ここでは肺が悪いことによる低酸素、聴診からは間質性肺炎を想起です。

で、築50年の木造建築、日当たりの悪い家に転居し、初めての夏であること、血液検査ではTrichosporon asahii特異抗体が陽性。これだけ並べてもらえたら、まあ夏型過敏性肺炎ですわね。

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2021年02月10日

第115回医師国家試験問題解説1

第115回医師国家試験、受験生の皆さんはお疲れさまでした。無事に終わりましたでしょうかね。SNSなんかを見ていると、時々エキセントリックな問題が見られたものの、取るべき問題は王道の問題が多く、ちゃんとやっている人は点が取れたのではないかという印象です。

さてこちらは、試験後の恒例、第115回医師国家試験問題の解答・解説づくりに励んでまいります。

115A19
63歳の男性.呼吸困難と発熱を主訴に来院した.1ヵ月前から乾性咳嗽があり,息苦しさが出現,次第に悪化してきたため受診した.1週前から37℃台前半の発熱が続いている.既往歴に特記すべきことはない.喫煙歴やペット飼育歴はない.昨年,築50年の木造建築,日当たりの悪い家に転居し,初めての夏である.体温37.7℃.呼吸数24/分.SpO2 94%(room air).胸部の聴診でわずかにfine cracklesを聴取する.胸部単純CTを別に示す.血液検査ではTrichosporon asahii特異抗体が陽性であった.

誤っているのはどれか.
a 入院で改善する.
b LDが高値である.
c IgEが高値である.
d KL-6が高値である.
e 気管支肺胞洗浄液でリンパ球増多を認める.

いやもうヒントが多すぎて、CT写真イランでしょ、って感じですね。割とサービスのいい問題だなと思いました。これでもかこれでもか、というぐらいヒントが出されています。最近の国試はどうなんでしょう、正解すべき問題においては間違えようのない問題作りを目指されているのかもしれませんね。

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2021年02月05日

第115回医師国家試験対策講座 肺癌の化学療法2

こちらは以前収録した動画ですが、第115回医師国家試験の呼吸器分野対策として、何かのお役に立てれば、ということで国試までの期間限定で公開します。ていうか、間、に、合、わ、ん…

小細胞肺癌の治療について述べています。

https://youtu.be/i_ktzrFVaPo

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2021年02月04日

第115回医師国家試験対策講座 肺癌の化学療法1

こちらは以前収録した動画ですが、第115回医師国家試験の呼吸器分野対策として、何かのお役に立てれば、ということで国試までの期間限定で公開します。

肺癌の化学療法に関しては、毎月のように新製品が出て論文が出てガイドラインが書き換わって…という現状ですから、細かいところを問う問題は出ない!…と確信しておりますが、考え方の根幹はぜひとも理解しておきたいところです。

https://youtu.be/M7N9K6FOrPk

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2021年02月03日

第115回医師国家試験対策講座 気胸

こちらは以前収録した動画ですが、第115回医師国家試験の呼吸器分野対策として、何かのお役に立てれば、ということで国試までの期間限定で公開します。

気胸の基礎的なことと、重要事項を一発で覚えられる魔法のキーワードについて述べています。

https://youtu.be/PJNnv9RBo5Y

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2021年02月02日

第115回医師国家試験対策講座 肺結核5

先日、第115回医師国家試験の呼吸器分野対策講座として行いました「肺結核の基礎的な理屈から治療まで」、国試直前ではありますが、何かのお役に立てれば、ということで国試までの期間限定で公開します。

第5回は肺結核の治療について述べています。結核シリーズはいったんこちらで終わりです。

https://youtu.be/x2mZ4R5zDu0

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2021年02月01日

第115回医師国家試験対策講座 肺結核4−2

先日、第115回医師国家試験の呼吸器分野対策講座として行いました「肺結核の基礎的な理屈から治療まで」、国試直前ではありますが、何かのお役に立てれば、ということで国試までの期間限定で公開します。

第4回の後半は昨今何かと話題のワクチンと、誤解している人がとっってても多い、IGRAについて取り上げました。どうぞご覧ください。

https://youtu.be/D_FFIPwIYZ8

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2021年01月31日

第115回医師国家試験対策講座 肺結核4−1

第115回医師国家試験呼吸器分野対策講座として行いました「肺結核の基礎的な理屈から治療まで」、国試直前ではありますが、何かのお役に立てれば、ということで国試までの期間限定で公開します。

第4回の前半は、一次結核と結核発症の危険因子について述べています。

https://youtu.be/t2E0_YbV15k

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2021年01月30日

第115回医師国家試験対策講座 肺結核3

第115回医師国家試験呼吸器分野対策講座として行いました「肺結核の基礎的な理屈から治療まで」、国試直前ではありますが、何かのお役に立てれば、ということで国試までの期間限定で公開します。

第3回は感染と発病の違い・喀痰検査について取り上げています。

https://youtu.be/6jISU8N8tiI

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2021年01月29日

第115回医師国家試験対策講座 肺結核2‐2

先日、第115回医師国家試験の呼吸器分野対策講座として行いました「肺結核の基礎的な理屈から治療まで」、国試直前ではありますが、何かのお役に立てれば、ということで国試までの期間限定で公開します。

第2回の後半は発病から結核菌がばらまかれるまでを考えてみます。

https://youtu.be/rC_RCVbiASg

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2021年01月28日

第115回医師国家試験対策講座 肺結核2

先日、第115回医師国家試験の呼吸器分野対策講座として行いました「肺結核の基礎的な理屈から治療まで」、国試直前ではありますが、何かのお役に立てれば、ということで国試までの期間限定で公開しますので、よろしければご利用ください。

第2回の前半は結核菌の立場になって物事を考えてみます。

https://youtu.be/bTbuJwrqYeM

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2021年01月27日

第115回医師国家試験対策講座 肺結核1

先日、第115回医師国家試験の呼吸器分野対策講座として「肺結核の基礎的な理屈から治療まで」を取り上げて、収録までしたのですが、動画を公開するのを完全に忘れておりました。

国試までの期間限定で公開しますので、よろしければご利用ください。 第1回は導入、疫学編です。

https://youtu.be/zfzJQrKGwrg

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2021年01月13日

第115回医師国家試験対策講座 予想問題 チェストドレーンバック

第115回医師国家試験、呼吸器分野対策講座動画、期間限定で公開します。

今回も予想問題です。この器具、見たことありますか?見たことない方は一度見ておきましょう。5年生より下の学年の方は、実習を回る時にぜひとも見ておいてください。

皆さんの健闘をお祈りしております!
https://youtu.be/I5kGis5qzE4

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2021年01月12日

第115回医師国家試験対策講座 予想問題 気管支鏡所見

島根大学の学生さん有志に行なった、第115回医師国家試験、呼吸器分野対策講座動画、期間限定で公開します。

今回は予想問題です。気管支鏡に限らず、内視鏡で見える内腔の所見、「実習にちゃんと出て見とけよ」という問題がこれから続々と出題されると予想します。一度見ておきましょう。5年生より下の学年の方は、実習を回る時にこういうことに気を付けて見ておきたいですね。

皆さんの健闘をお祈りしております!
https://youtu.be/Xj6z-y7FWyk

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2021年01月11日

第115回医師国家試験対策講座 結核について

先日島根大学の学生さん有志に行なった、第115回医師国家試験の呼吸器分野対策講座動画、期間限定で公開しますので、よろしければご利用ください。

今回は結核を取り上げます。結核もこれ頻出かつ必須です。なぜなら現場に出たときに、絶対に知っておかないといけないから。感染・伝染という意味では公衆衛生的にも問題になりますし、診断の遅れ(Doctor's delay)はあってはならないことです。必ず問われる、いくつかポイントがありますのでぜひ知っておきましょう。

皆さんの健闘をお祈りしております!
https://youtu.be/eyagEHjpEcM

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2021年01月10日

第115回医師国家試験対策講座 普通じゃない肺炎

先日行なった第115回医師国家試験の呼吸器分野対策講座動画、期間限定で公開しますので、よろしければご利用ください。

今回は普通じゃない肺炎を取り上げます。普通じゃないけど頻出です。なぜなら現場に出たときに、絶対に知っておかないといけないから。いくつかポイントがありますのでぜひ知っておきましょう。

皆さんの健闘をお祈りしております!
https://youtu.be/DODar7K3eKU

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2021年01月09日

第115回医師国家試験対策講座 インフルエンザ桿菌・肺炎球菌の耐性パターン/A-DROPとqSOFAについて

先日島根大学の学生さん有志に行なった、第115回医師国家試験の呼吸器分野対策講座動画、期間限定で公開しますので、よろしければご利用ください。

今回はちょっとマニアック?な、インフルエンザ桿菌・肺炎球菌の耐性パターンについて取り上げます。ちょっとややこしいのですが、一度動画をご覧いただいて、頭の片隅においておかれるといいと思います。

後半ではA-DROPとqSOFAについて取り上げました。肺炎業界を代表?して、皆さんに謝ることがありますのでこちらもご覧いただければ。

皆さんの健闘をお祈りしております!
https://youtu.be/8d3m7XLs4IY

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2021年01月08日

第115回医師国家試験対策講座 喀痰グラム染色を見る

いよいよ近づいてまいりました第115回医師国家試験。受験される医学生の皆さん、お疲れ様です。今年はとにかく感染対策に注意し、受験せずしてまた来年、とならないよう気を付けてください。

先日島根大学の学生さん有志に行なった、呼吸器分野の国家試験対策講座動画、(編集などはできておりませんが…汗)期間限定で公開しますので、よろしければご利用ください。

今回1つ目の動画ではグラム染色の、「これぐらいは問われる」というところを解説しています。
https://youtu.be/sCsZQq_P8Qs

2つ目の動画では、細菌が何か、ということまでいかなくても、「これぐらいは問われる」というところを解説しています。後半はもう少し複雑な喀痰所見ですが、これも「見方」「考え方」をお伝えしたいと思って提示しました。
https://youtu.be/AyoYz5YnFJ8

皆さんの健闘をお祈りしております!

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2021年01月06日

今年もやります!第115回医師国家試験対策講座 これって肺炎?

いよいよ近づいてまいりました第115回医師国家試験。受験される医学生の皆さん、お疲れ様です。今年はとにかく感染対策に注意し、受験せずしてまた来年、とならないよう気を付けてください。

さて先日、島根大学の学生さん有志に、呼吸器分野を中心に国家試験対策講座をいたしました。動画収録しましたので、(編集などはできておりませんが…汗)全国の受験生の皆さんにもお役立ていただけるよう、動画をいくつか期間限定で公開します。

カテゴリは「過去問つまずきポイント」となっておりますが、必ずしも過去問でなく、予想問題も含みます。よろしければご利用ください。皆さんの健闘をお祈りしております!

動画はこちらから⇒
https://youtu.be/X1WpYIUT7Og

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2020年07月22日

医師国家試験対策症例問題症例問題・診断

呼吸器領域で「病歴が特徴的・特異的で、病歴から診断名を引っ張り出してくるべきもの」は、それほど多くありません。国家試験対策には、このあたりの疾患を熟知しておく必要があります(し、臨床の現場でも典型的な症例においてはピーンと来る必要があります)。

病歴の中から、特徴的な言葉を取り出してみましょう。

難治性喘息でかかりつけ。
脚から大腿に掛けて、境界比較的明瞭な浸潤性紅斑としびれ感が出現。
湿疹の悪化と下腿に紫斑が出現した。
歩行に膝がおれて、足があがりにくい、長時間たてないといった症状が出現した。

呼吸器の疾患にしては、呼吸器の症状に乏しいですね。まあ、そういう方向から考えるのは邪道ですが…。

(難治性)喘息に始まり、皮膚症状、神経症状(つまり多彩な症状)と来れば…あとは発熱や関節痛などがあれば、血管炎を想起して頂きたいところです。血管炎の中でGPAとEGPAは、診断基準にも「経過」が記されているとおり、かなり典型的な経過をとることが多いので、必ず知っておきたいところ。本症例は年齢が少し典型的とは言いがたいのですがANCA陽性、皮膚生検からEGPAと診断されました。

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2020年03月06日

第114回医師国家試験問題速報解説15

114F17
気管支喘息患者で日内変動を認めるのはどれか.
a 残気量
b 肺活量
c 肺拡散能
d 1回換気量
e ピークフロー


気管支喘息症例においては、変動性があるのが疾患の特徴であり、ガイドラインの定義にも「変動性を持った気道狭窄(中略)で特徴付けられる疾患」との文言があります。つまりこの問題は、肺機能のうちどの要素の変動性が気管支喘息の特徴か、ということを問われています。

選択肢の中ではe ピークフローが閉塞性障害、つまり気道狭窄の指標となりますから、これを選択することになります。

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2020年02月28日

第114回医師国家試験問題速報解説10

114D63
A 65-year-old woman was diagnosed with stage TB right lung cancer.She underwent right lower lobectomy with lymph node dissection for the cancer.She developed a milky white pleural effusion of 860mL,which was drained after starting meals on the first postoperative day.
Which pleural effusion test should be performed for a definitive diagnosis?
a Protein
b Bacteria
c Triglyceride
d Malignant cells
e White blood cells

でました。完全英文問題。こちらも心臓に悪そう。ギョッとした受験生諸氏も多いのではないでしょうか。

まあでも、こちらは和文だと簡単な問題です。英文もしっかり腰を据えれば平易です。要は、「肺癌で葉切後、乳白色の胸水が大量に出てきた。何を測定しますか?」ってことで、乳び胸ですからc Triglycerideとなります。

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2020年02月27日

第114回医師国家試験問題速報解説9

114D59
65歳の女性.胸痛を主訴に来院した.1ヵ月前から右胸痛を自覚していたが改善しないため受診した.13年前に右乳癌で手術の既往がある.30年前から建設業に従事していた.呼吸音は右下胸部で減弱,胸部の打診で右背側に濁音を認めた.胸部X線写真(別冊),胸部造影CT(別冊)及びFDG-PET/CT(別冊)を別に示す.胸腔鏡下生検を施行した結果,カルレチニン免疫組織染色が陽性である悪性細胞を認めた.

この患者で高値を示すのはどれか.
a 胸水ヒアルロン酸
b 胸水トリグリセリド
c 血清α-フェトプロテイン〈AFP〉
d 胸水アデノシンデアミナーゼ〈ADA〉
e 血清アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉

カルレチニン免疫組織染色…カルレチニン…ナニソレ??うわああああ(混乱)となった方もおられるかも。心臓に悪い?問題です。

現段階では病みえにもイヤーノートにもカルレチニンの記載は見当たりませんが、そのうち記載されるようになるでしょう。いやそれでも、今でしょ!今解けるのかって問題で。

まあでも、胸部X線写真、胸部CTでは胸水と胸膜肥厚像のみ、PETでも胸膜に集積あるのみ、となりましたら、やはり中皮腫、であればa 胸水ヒアルロン酸だろう、ということで回答には何とかたどり着かれるのでは?

もっといえば、選択肢に挙がっている物質で、胸部疾患がらみのものは、他にはdのADAくらいですから、結核を示唆する情報がない⇒中皮腫、でたどり着けるかもしれませんね。

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2020年02月25日

第114回医師国家試験問題速報解説8

114D56
42歳の男性.喘嗚を主訴に来院した.幼児期に気管支喘息を発症したが,12歳以降は喘息発作もなく過ごしていた.半年前から再び発作が生じるようになったため受診した.アレルギー性鼻炎の既往はない.吸入副腎皮質ステロイド薬,吸入長時間作用性β2刺激薬,吸入長時間作用性抗コリン薬,ロイコトリエン受容体拮抗薬,テオフィリン徐放薬で治療したところ最近症状が落ち着き,減薬を考慮している.血液所見:赤血球430万,Hb 14.5g/dL,白血球7,800(分葉核好中球63%,好酸球10%,好塩基球1%,単球5%,リンパ球21%),血小板25万.特異的IgE抗体は全て陰性.
治療方針として,中止すべきでないのはどれか.
a テオフィリン徐放薬
b 吸入副腎皮質ステロイド薬
c 吸入長時間作用性β2刺激薬
d 吸入長時間作用性抗コリン薬
e ロイコトリエン受容体拮抗薬

これは正解してください。これまでは「治療に必要なものは」みたいな問いだったのを、寛解状態になったときに中止していくシチュエーションで若干ひねっておりますが、要は「治療のキーになる薬はどれか」ってことで、b 吸入副腎皮質ステロイド薬で決まりです。

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2020年02月21日

第114回医師国家試験問題速報解説7

114D44
気胸なんだから、もうドレナージ入れましょうよ、脱気しましょうよ、っていう話じゃないかなと思ったのですが、さらに検査をすると。検査するんですか?とおそらく多くの学生さんは思われたんではないでしょうか。

これ、現場の呼吸器内科医や救急医だったら何か検査するのかな?なんて深読みをされて墓穴を掘った方もおられたりするかもしれませんね…。まぁ百歩譲って検査をするとして、この五つの選択肢の中で選ぶとすればa胸部CTしかないと思います。もうそれでいいと思います。

なぜに気胸で喀痰細胞診や負荷心電図、それに気管支鏡が必要なのか。この辺は論外。呼吸機能検査に至っては禁忌肢と言ってもいいかもしれません。申し訳ありませんが本当に意図が分からない問題です。

例えば、これが高齢の重喫煙者だったり、気胸を繰り返していたり、胸部の既往歴があったりで、癒着が疑われる、ドレーンを入れる際にどこから入れるかをCTで確認する、ということはあると思います。でも本症例は20歳女性で素直な気胸のように見える。それでCTはどうなんでしょうか?

この問題を過去問として解くことになるこれからの受験生の皆さん。『病○がみえる』や『イ○ーノート』などに「気胸の場合胸部CTを撮影する」と記載されることになると思います。それで勉強する皆さんが、気胸といえばCTという短絡思考に陥ってしまわないか、ちょっと心配です…。

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2020年02月20日

第114回医師国家試験問題速報解説6

114D44
20歳の女性.右胸痛を主訴に来院した.昨日夕方,急に右胸痛と呼吸困難を自覚し本日増悪したため受診した.呼吸数22/分.SpO2 95%(room air).右胸部の呼吸音が対側と比べ減弱している.胸部X線写真(国試参照)を別に示す.

次に行うべき検査はどれか.
a 胸部CT
b 喀痰細胞診
c 負荷心電図
d 気管支鏡検査
e 呼吸機能検査

イヤこれは…胸部X線写真は、完全に気胸なのですよ。で、次何する?って…

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