2013年05月24日

データの解釈19・腫瘍マーカー

データの解釈の最後は、毎度おなじみ?、ボヤキのコーナーです。


腫瘍マーカー。すっかり一般の方にも市民権を得ました。

腫瘍があったら増える。増えてたら腫瘍がある。
こんなふうに一般の方には思われているようです。


まさか、皆さんもこんなふうに思っておられないですよね。



腫瘍マーカーは腫瘍が産生したり腫瘍のあるところで多く見られたりする物質であります。なので、確かに腫瘍があると高値を取る、それはそうですが、逆は必ずしも真ならず。


最初にクギを刺しておきますが、腫瘍マーカーが多少高値であったとしても、腫瘍とは限りません。というか、そもそも腫瘍があるのかどうかもわからない段階で腫瘍マーカーを測定するのはナンセンスです。


言うまでもなく、腫瘍診断のgold standardは生検による組織診断です。ですからまずは生検で診断確定をする。その後に、例えば治療効果を見る、再発や悪化を見る、そういう目的で腫瘍マーカーをフォローする、というのは全く正しい使い方でしょう。


また、腫瘍を疑うような腫瘤が発見された時点で、その臓器、考え得る組織型に対応したマーカーを測定する。例えば気管支鏡による生検で診断がつかない場合に、「悪性腫瘍っぽいか、組織型は何が考えられるか」を知ることで、次に行うアクション(手術をするのか、再チャレンジか、経過観察か…などなど)の手がかりになるでしょう。


ここまでは私たちもよくやりますし、充分許容範囲だと思います。あるいはある腫瘍のハイリスク群に対して、発症しているかどうかの確認のために定期フォローする、これもありでしょう。



ただ…現時点で、何ら症状、問題のない方の、健康診断、人間ドックにおいて、闇雲に腫瘍マーカーを測定する、というのは、マーカーの感度、特異度を考えてもきわめて無駄の多い、非効率的なやり方と言わざるを得ません。


そもそも発症率が人口あたりべらぼうに高くない疾患を、感度、特異度ともに低い検査でスクリーニングする。1人の患者さんを発見するために、何人のマーカーを測定せねばならないか。そして、それが早期発見に本当につながるのか…。


「健康診断」に関するエビデンスはいろいろと出ておりますが、「胸部X線写真」でも結構微妙なことになっております。マーカーはお値段も決して安くありませんし、やる方としては実入りのよい検査、ナノでしょうか。


それで何となく正常範囲を逸脱していた、そういう方が医療機関を受診して保険診療で各種検査を受ける。しかもマーカーが陽性になる臓器は1つではないこともあり、色々と検査を受ける…。


これって、保健医療で行ってもいいものでしょうか。医療費高騰の折、こういう検査は自費扱いが理に叶っているような気もします。



今回の記事に関するご質問やコメントは一切お受けいたしかねます。あしからずご了承ください。

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posted by 長尾大志 at 19:29 | Comment(0) | データの解釈

2013年05月23日

データの解釈18・膠原病、血管炎と自己抗体

さて、膠原病が出てきたところで、例のアレ問題を取り上げないわけには参りません。


例のアレとはもちろん、自己抗体の話です。さんざん同じことを言うてますけど、膠原病やら血管炎を疑ったときには、自己抗体を測定するのが定番になっています。これはOK。


この時に順番を間違えてはアキマセン。膠原病やら血管炎を疑ったときに、疑った膠原病や血管炎に対応する自己抗体を、測定するのですよ。



たまに見かけるのが、なんかよくわからない〜手当たり次第に知ってる抗体を全部測定〜陽性になったのを見てそれから考える、というもの。


これをやっている人は、まあ、それなりの思考回路ですね。
もちろん、どんどん悪化している、測定にも時間がかかる、一つ一つ待っている暇はない、検査を出すだけ出しておいて早くステロイド投与したい…そういう状況もあるでしょう。



ですから、これはあくまで思考過程の問題。どれだけ矜恃を持って鑑別を考えていくか、そういう姿勢のことを言っています。


膠原病や血管炎は、全く症状がそろわないことも決して珍しくありませんが、多くの場合にはそれっぽい症状、というものが出てくるのですね。それから推測される鑑別診断を「確認する」ために抗体を測定する、という感じ。



特に、比較的特異性の高い症状、所見は鑑別診断のカギとなります
例えば…


  • 左右対称に生じている多発関節炎:RF、抗CCP抗体

  • 乾燥症状、環状紅斑:抗SS-B抗体

  • 中途半端に重複する膠原病症状、肺高血圧:抗U1RNP抗体

  • 頑固な上気道の炎症に引き続いての発熱、喀血や肺の結節:PR3-ANCA

  • 喘息を基礎に持つ頑固な炎症症状、神経症状:MPO-ANCA



などなど。他にも色々とありますが、こんな感じで考えられるようになると、臨床が楽しく、興味深くなるはずです。


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posted by 長尾大志 at 18:04 | Comment(0) | データの解釈

2013年05月21日

肺胞洗浄液の構成成分とその意義・肺胞洗浄液の成分について・細胞成分14・リンパ球が増える場合8・間質性肺炎の鑑別7・原因が特定できる=特発性群じゃないやつ1・薬剤性間質性肺炎

これまでに挙げた以外の間質性肺炎について、肺胞洗浄液の分画はどうなっているのでしょう。果たして、「間質性肺炎としての分類はともかくとして、肺胞洗浄液の分画がリンパ球優位であれば、ステロイドを投与する価値があろうかと思われる。」はこでも通用するのでしょうか。


間質性肺炎の分類を思い出してみましょう。特発性群はもう済みましたので、特発性以外の、原因が特定できるやつを見てみます。


原因が特定できる間質性肺炎は、原因ごとに予後、治療法が異なるため、分類も原因ごとに行うのでしたね。


主な原因は、以下の通り。

薬剤
膠原病
粉塵曝露(職業・環境)
 過敏性肺臓炎・じん肺・金属肺
 放射線肺臓炎・酸素中毒
感染
 ウィルス・ニューモシスチス・結核
 サイトメガロ・マイコプラズマ・真菌



薬剤性肺障害(薬剤によって起こった肺の障害)にも色々あって、分類のやり方も微妙に色々なものがあります。ここでは日本呼吸器学会の「薬剤性肺障害の診断・治療の手引き」に準じて臨床像を分類してみます。つまり、下に挙がっている疾患は本来薬剤以外の原因で起こるものですが、薬剤によって同様な臨床像を呈したものをその分類に当てはめているわけです。


  • 間質性肺炎(特発性群のうちAIPをのぞく6病型に準じたもの)

  • ARDS・急性肺損傷(AIP様病変を含む)

  • 好酸球性肺炎

  • 過敏性肺炎

  • 肉芽腫性間質性肺疾患

  • 肺水腫

  • capillary leak syndrome

  • 肺胞蛋白症

  • 肺胞出血

  • その他、気道病変、血管病変、胸膜病変など



これだけ見ると気が遠くなりそうな分類ですが、幸いなことに上に挙がっている(元々の)疾患に準じた予後、治療反応性を持っていると考えていただいて大間違いはありません。


しかも!ご安心下さい(笑)。肺胞洗浄液の分画も、おおよそ準じておるものであります。すなわち特発性間質性肺炎群のNSIPやCOPに似たタイプの薬剤性肺障害は肺胞洗浄液のリンパ球分画が増加し、ステロイド反応性が良好ですし、好酸球性肺炎タイプのものは肺胞洗浄液の好酸球分画が増加し、やはりステロイド反応性が良好、さらにARDS・AIPに似たものでは好中球が増加していて、予後不良となります。同じですね!


ということですから、

「間質性肺炎としての分類はともかくとして、肺胞洗浄液の分画がリンパ球優位であれば、ステロイドを投与する価値があろうかと思われる。」

と理解していただいて結構であります。


ここまで、臨床病態的、あるいは肺胞洗浄液の分画から薬剤性肺障害を分類してみましたが、大元の原因、ということで考えますと、やはり原因薬剤による分類が予後、治療反応性を予見する、と言ってしまえると思います。


すなわち、例えばパラコートが原因の場合、病理組織はDADをとり、予後不良であるし、
イレッサが原因の場合、病理組織にかかわらず予後不良であるし、
ミノマイシンが原因の場合、好酸球性肺炎をとり、予後は比較的良好である、というようなことです。


ただ、昨今はたくさんの薬を内服されていることも多く、どれが原因か絞りきれない、ということも決して少なくありませんから、上のような臨床病態的分類、ならびに肺胞洗浄液の所見も理解しておかれると良いでしょう。



肺胞洗浄液と言えば、あと、肺胞洗浄液を使用したDLSTがあまり当てにはならない、ということ、それと、アミオダロンによる肺障害ではリン脂質貯留によると考えられる泡沫状マクロファージが特徴的、ということが特記されています。


今日の記事は思いっきりかいつまんで書いておりますので、薬剤性肺障害の勉強をしたい方は日本呼吸器学会の「薬剤性肺障害の診断・治療の手引き」を参照されることをオススメします。

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posted by 長尾大志 at 19:06 | Comment(0) | データの解釈

2013年05月14日

肺胞洗浄液の構成成分とその意義・肺胞洗浄液の成分について・細胞成分9・リンパ球が増える場合7・間質性肺炎の鑑別5・特発性間質性肺炎群の分類3・特発性器質化肺炎(COP)

特発性器質化肺炎(cryptogenic organizing pneumonia:COP)は亜急性の発症で徐々に進行するもので、IPFの「慢性(月〜年単位)」に対して「亜急性(週〜月単位)」の経過と言われます。時に自然消退もあるほどで、一般的にはステロイドが著効し、予後良好といわれています。


画像所見は一見細菌性肺炎に似た、浸潤影が胸膜直下主体・斑状に分布します。器質化肺炎は分類としては間質性肺炎に含まれるのですが、病理学的に肺胞領域の胞隔炎・浸出液(器質化肺炎:OP)と、細気管支のポリープ様閉塞性変化(閉塞性細気管支炎:BO)が特徴的で、肺胞を埋め尽くす病変が多いため、すりガラス影というよりもむしろ浸潤影よりの濃い陰影を取ることが多いとされています。


それ以外のポイントはこちらを見ていただければと思いますが、胞隔炎のところではリンパ球浸潤がみられますので、肺胞洗浄液の中にもリンパ球が多く含まれるであろうことは想像に難くありません。


診断基準として明確なカットオフ値があるわけではありませんが、ある報告で提唱されているものでは、

  • 肺胞洗浄液中リンパ球分画>25%、かつ

  • CD4+/CD8+<0.9、

  • そして、次の3つのうち少なくとも2つを満たす
    泡沫マクロファージ>20%
    好中球>5%
    好酸球 2〜25%


というものがありますので、リンパ球分画>25%というのは診断の一つの目安になるでしょう。


このようにリンパ球が多く、やはりステロイド反応性がよいため、結局のところ、

「間質性肺炎としての分類はともかくとして、肺胞洗浄液の分画がリンパ球優位であれば、ステロイドを投与する価値があろうかと思われる。」

というセリフに合致すると思われます。


今回記事を書くにあたって、「気管支肺胞洗浄(BAL)法の手引き(日本呼吸器学会びまん性肺疾患学術部会・厚生労働省難治性疾患克服研究事業びまん性肺疾患調査研究班編集)」を参考にしました。


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posted by 長尾大志 at 18:44 | Comment(0) | データの解釈

2013年05月12日

学会見聞録・プロカルシトニンのusefulness2・empiric therapyと抗菌薬使用期間など

日本呼吸器学会ランチョンセミナー見聞録の続きです。


昨日の最後にお示ししたデータは耐性菌の蔓延を防ぐため、抗菌薬の使用期間をなるべく短くしよう、という考えに基づいています。


いくつかの研究でその試みがなされていますが、そもそものempirical timeを減らそうという試み(JAMA 2003)では、原因菌によって(緑膿菌などのグラム陰性桿菌)具合が悪いものもあったものの、おおむね良さそうな結果が得られていました。


また、PCTを使う研究では、5病日にPCTが90%以上減少していれば抗菌薬を中止し、その後毎日PCTを測定して、90%以上の減少に至ったらその時点で抗菌薬を中止できる、としたデータが紹介されました。いずれにしても5日間抗菌薬を使用したら、再悪化の率は2-3%ということで、思っているよりも抗菌薬使用期間は短くていいのかもしれない、という印象でした。


これにはさすがに「毎日PCTを測定するなんて日本では無理」という意見がフロアーからあり、それに対して「フランス、イタリア、ドイツ、スイス…などではPCTは何度も測定できるそうですが、アメリカでは権威者が否定的(苦笑)なんで困難なんですよ…」とのコメントでした。


また、ポロリと「ICUでは何となく抗菌薬続けといたらええやん、みたいな態度になってますからね〜」、みたいなこともおっしゃり、日本だけじゃないのだな〜と妙にホッとしたりしました。




最後のまとめとして、PCTは炎症が起こったときに、身体中の全ての臓器が産生するものであり、全身に及ぶ、severeな感染症で上昇するものであり、sepsisの診断には”classical, clinical, paraclinical signs”とPCTを組み合わせるのが有用である。ぶっちゃけ、PCTを測定して低ければ細菌感染の可能性は低く、高ければ(細菌感染の可能性は)高いと言える。

ICU症例の抗菌薬投与期間は、empirical ruleをより症例に合わせて決める方がよいが、それにはPCTを使用したガイドラインが一助になると思われる。

てな感じできれいにまとめられました。エレガントな講演でした。


*文中の引用部分は私の勝手な訳であり、実際に演者の先生が意図されたこととずれている可能性があります。こんな感じなんか〜という雰囲気を知っていただければ。
もっときっちりしたことを知りたい方は、原著にあたってお勉強しましょう。

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posted by 長尾大志 at 17:09 | Comment(0) | データの解釈

2013年05月11日

学会見聞録・プロカルシトニンのusefulness・speakerの力量

気がつけば日本呼吸器学会から3週間も経っていました。日本呼吸器学会の記事は拙著の宣伝一色でしたが、ちゃんとお勉強もしてきましたよ。


ちょうど学会の前にプロカルシトニン(PCT)のお話をこちらで書いていたのですが、学会のランチョンセミナーで、タイムリーなお話を聞くことができ、大変参考になりましたので少しシェアを。


まあ、こういうお話は、多くはそれ関連の論文、データをたくさん紹介して下さるので、普段からその分野の論文をしっかり読んでいる方にとっては、「まあ知ってるよね」「今更だよね」だったりするのでしょうが、私は普段からそれほど論文を読んでいないこともあり( ̄▽ ̄;)、大体いつも「おーなるほど」「へー知らなかった」となることが多いのですね…。


加えてこのたびのお話はProf. Jerome Puginという方で、プレゼンテーションがとてもsmart。わかりやすい英語でいろいろなデータを有機的に関連づけてお話しいただきました。まあその次に聴いたお話がちょっとアレでしたので、余計にお話の上手さが際だった、という感じでしょうか。



■SIRS、sepsis、severe sepsis、septic shockの4群に分けた検討

PCTは各群できれいに別れて分布し、SIRSとsepsisを分けるカットオフ値は1.1で、感度97%、特異度78%となった。PCTを診断に加えたことで診断率が向上した。一方、同様に炎症マーカーであるIL-6では、そうはいかなかった。


■IL-6とPCTの比較

初診時?に測定したIL-6は、予後とよく相関し、予後予測因子としてすぐれている一方、PCTは経過とよく相関する。すなわち、予後がいい(生存した)症例ではPCTは低下し、1.1を下回ることが多かったが、死亡症例ではPCTは横ばいで、1.1を下回ってくることはなかった。


■PCTを、市中肺炎において抗菌薬を中止するための参考にする(AJRCCM 2006)

PCT値 開始または継続
<0.1   NO(強くno)
0.1-0.25  no
0.25-0.5  yes
>0.5   YES(強くyes)


抗菌薬使用期間を12日→6日に6日間短縮したものの、予後は不変であった。

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posted by 長尾大志 at 17:47 | Comment(0) | データの解釈

2013年04月05日

働きはじめる研修医の先生へ・データの解釈1

働きはじめる研修医の先生へ(だけでもないけど)、もう少しメッセージを書いておきましょう。


しばらく前から言われ続けていることですが、「医師が診察時に患者さんの方を見ない」「PCばっかり見ている」みたいなこと、皆さんも聞いたことがあると思います。


これはどういうことか。


PCには各種の「データ」が表示されます。そのデータを見て、診療をする。そうなると、どうしてもそちらばかりに気を取られるわけですね。


でも、そういう時代だからこそ、あえて「患者さんを診る、見る」ことの大切さを強調しておきたいと思います。


データはあくまで、その患者さんから得られた情報の一部でしかありません。数字を見ると、何だか正確なことをしている気分になりますが、その数字に引っ張られて誤った判断を下す陥穽にはまることもあるわけです。どのようなデータも、感度、特異度が100%ではありません。「状況証拠」に過ぎないのです。


できる限り正確な判断をするためには、まずは物的証拠を得ること。
物的証拠を得れば、「お前はクロだ!」と犯人を特定できますね。血培から肺炎球菌が出たら肺炎球菌による菌血症とか。


そういうものが得られない場合、できる限り状況証拠を積み重ねて、検討を重ねて、最終的に「犯人はお前に違いない」と逮捕状を取る(治療を決定する)ことになります。


この過程で、はなはだ弱い状況証拠と思い込みで犯人を決めつける、ということが、あちこちで日常茶飯事となっている、としたら…。


時々新聞で見かける「冤罪」になってしまい、罪のない人に濡れ衣を着せる(誤った治療を行う)ことになりかねません。何よりも迷惑を被るのは患者さんです。


で、繰り返しますが、データはあくまで状況証拠なのです。さらに聴取した病歴や身体所見、画像所見といった、それ以外の状況証拠を積み重ねて、最終的な診断の精度、確度を上げる努力が必要です。


これは自分でもしばしば陥りそうになるもので、自戒を込めて、書いておきたいと思います。


臨床推論のところでは、感度が○%、特異度が○%で、L/Rがナンボ、であるから…といった数字が出てくるとどうしても苦手、という方も決して少なくないと思うのですが(私がそうなので少なくないと信じているのですが)、これとこれ、これだけの状況証拠があるからこの診断が妥当である、という「臨床的」判断はそう決して難しいことはないはず。


逆に、身体所見でも感度、特異度が高いものだってたくさんあるのです。そういったものを拾い上げるようになる、これも初期研修で是非身につけて頂きたいものであります。初期でそのあたりをスルーする習慣が身につくと、なかなか後で身につけるのは大変なのです(実感しています…)。


「データ」を見るだけなら、「お医者さん」でなくても、極端な話、誰でもできることです。お医者さんの価値は、お医者さんにしかできないこと、臨床診断、総合判断にあるんじゃないか、と思っています。プライドを持って診療を行うために、今身につけておくべきことがあるはずです。



とはいうものの、ブログ上で身体所見や臨床推論に触れるのは少し難しいところです。とはいえ、次の書籍化のオファーでそんな感じのものもあったり無かったりするので、機が熟したらやっていきたいと思っていますが、さしあたっては、データの解釈をする上で陥りやすい罠について、いくつか取り上げていきたいと思います。身体所見や臨床推論は研修で指導していきます。



もちろん、「患者さんと向き合って、お話しして、患者さんを理解する」こと自体も劣らず重要なことですが、またそれは別の機会に取り上げます。


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posted by 長尾大志 at 10:45 | Comment(0) | データの解釈