2017年07月03日

症例検討会BRONCHO11−4

胸部X線写真では、右肺に元々あったコンソリデーションに加え、全体的に淡い濃度上昇(すりガラス影)が生じています。可能性としては上に挙げたいずれも、あり得るでしょうが、肺胞出血だったら血痰の有無を確認したいところです。なければ△、肺炎の悪化はある○でしょうが、それほど免疫抑制ではない状況で、PIPC/TAZでも効果がない病原体、というのは少しどうかな?というところで、薬剤などによる間質性肺障害◎、癌性リンパ管症○が想定されて胸部CTを撮影されました(第5病日)。


スライド26.JPG


スライド27.JPG


やはりすりガラス影主体と言えるでしょう。この所見から薬剤性や放射線による間質性肺炎>リンパ管症が疑われ、ステロイドパルス+後療法(PSL50mg/日〜)を行いましたが、症状の軽快はあるものの、胸部Xp、CT所見は増悪しました。増悪後が以下の通りです。


第14病日


スライド28.JPG


第20病日


スライド29.JPG


第29病日


スライド30.JPG



Q:所見の変化は?

右胸水出現
空洞病変形成
右肺の容積減少
左肺に陰影出現


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posted by 長尾大志 at 19:00 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月30日

症例検討会BRONCHO11−3

診察所見ではO2吸入を要する低酸素血症と右上の呼吸音減弱があり、炎症所見も見られます。


胸部X線写真では、右上にコンソリデーションがみられますので、検査結果から素直に考えると右上の肺炎○ということになります。原因が細菌かどうかはともかくとして。


右肋横角は鋭で、積極的に胸水を示唆する所見とは取れず×、結節が多発しているとも言いがたい×。右下肺野は濃度が高く見えますが、乳房外縁(黄線)をまたぐと微妙に元の濃度に戻っていそうで、これは乳房の濃度かと考えました。左乳房が乳癌のために全摘されていることから左右の濃度差が生じているものと考えます。


スライド24.JPG


LVFX投与3日目で効果なく、撮影した胸部X線写真で上記の所見であったところから、主治医はまず細菌性肺炎(LVFX無効例)と考え、抗菌薬を広域のPIPC/TAZに変更されています。その3日後、治療効果なく、胸部画像はこんな風になりました。


スライド25.JPG



Q:あれれ…何が起こったのでしょう?

肺胞出血
肺炎の悪化
間質性肺障害
癌性リンパ管症


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posted by 長尾大志 at 15:44 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月29日

症例検討会BRONCHO11−2

癌化学療法中に生じた発熱、咳、胸部異常影を呈した症例です。免疫低下が想定される状態でもあり感染症の可能性をまず考えたいところですが、比較的急性の発症であり、急性(細菌性)肺炎◎>>経過の比較的ゆっくりな肺結核・肺真菌症△ということになるでしょう。もちろん経過の早い真菌症もありますので、その時点における免疫状態(好中球数など)を把握しておく必要はあります。


もちろん抗癌剤の副作用としての薬剤性肺障害も想定する必要があります◎。というわけで身体所見、検査結果を早く確認したいですね。ご覧に入れましょう。



<入院時身体所見>
身長:161cm 体重:53kg  BMI:20.4
HR:107bpm BP:107/72mmHg BT:36.7℃ RR:16/min SpO2:95%(鼻カヌラ 3L)

眼瞼結膜貧血なし、眼球結膜黄染なし
咽頭軽度、舌に白苔あり
頸部リンパ節触知せず、甲状腺腫大なし
胸部:心音 整  肺音:右上呼吸音減弱
腹部:平坦 軟 蠕動音亢進減弱なし
四肢:下腿浮腫なし、両側足背動脈触知可



<入院時検査所見>
HT 36.1
HB 12.0
WBC 17.2 H
PLTS 328
SEG/NEUT 97.4 H
TP 5.4 L
ALB 2.5 L
AST 17
ALT 20
LDH 262 H
ALP 254
G-GTP 23
CHE 200 L
LAP 53
T-BIL 0.52
NA 135 L
CL 101
K 4.4
UN 12.3
CRE 0.35 L
IG-G 579 L
IG-M 145
IG-A 138
CRP 4.51 H
GLU 179 H
A1C(NGSP) 6.3 H


LVFX投与開始3日目の胸部X線写真は…


スライド23.JPG



Q:診察・検査所見の解釈は?

右上葉の肺炎
右胸水
右下肺野のすりガラス影
多発肺転移


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posted by 長尾大志 at 16:27 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月28日

症例検討会BRONCHO11−1

症例 70歳代女性


<主訴>
発熱、咳嗽


<現病歴>
20年前乳癌に対し乳房切除術を施行された。10年前に再発し、内分泌療法や経口抗癌剤で治療されていた。
このたびCTで多発骨転移、多発肝転移を指摘された。胸椎転移による背部痛に対し、放射線治療+内分泌療法(アナストロゾール)を施行した。その後化学療法としてアバスチン+パクリタキセルを開始。1サイクル目終了翌日(day29)に39度台の発熱、咳嗽が出現した(第1病日)。
そこで1-2日目にLVFX内服、3-6日目に PIPC/TAZ 4.5g✕3点滴投与したが症状、炎症反応の改善なく、CTで肺に異常陰影を認めたため、6日目に当科紹介受診。


[既往歴]
42歳 左乳癌(papillo-tubular carcinoma)→乳房切除術
44歳 胆石症→腹腔鏡下胆嚢摘出術
52歳 両側卵巣嚢胞→腹腔鏡下右卵巣切除+左卵管卵巣切除


[家族歴]
父:不整脈


[生活歴]
喫煙:20歳台の数年間 5本/日
飲酒:ビール350mL缶 1本/日
粉塵・アスベスト暴露歴:なし
職歴:主婦

<アレルギー>
ハウスダスト、花粉症など



Q:乳癌化学療法中に生じた発熱、咳、胸部異常影、まず考えたいものは?

免疫低下状態でもあり肺結核を考える
免疫低下状態でもあり肺真菌症を考える
免疫低下状態でもあり急性肺炎を考える
抗癌剤の副作用として薬剤性肺障害を考える



Q:LVFX、PIPC/TAZの効果がみられないことから何を考える?

肺結核
肺真菌症
薬剤性肺障害
転移性肺腫瘍


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posted by 長尾大志 at 17:56 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月27日

症例検討会BRONCHO10−8

昨日挙げたもの以外に、最近話題の疾患としては、デング熱やエボラ出血熱なんかも比較的徐脈で有名ですね。高熱の割にそれほど脈が速くない、というのは意識していないと気付かないことも多いですが、呼吸数と並んでバイタルサインで軽視されがちな項目、として注意喚起しておきたいと思います。


比較的徐脈を呈する状態で、ウチで多いのは圧倒的に腫瘍熱と薬剤熱なんですけれども、徐脈になるような薬剤を使っている症例でも「比較的」徐脈になりますから、確認は必要ですね。


聖路加国際病院の岡田正人先生の提唱された『薬剤熱の比較3原則』、すなわち

  • 比較的徐脈

  • 比較的CRPが低値

  • 比較的元気


は覚えやすくて有名ですが、薬剤熱の10%程度にしか比較的徐脈を認めないともいわれており、また、腫瘍熱でも上の比較3原則が合致することも少なくありませんので、イコールではないことに注意が必要です。



比較的徐脈、実例を2例ほど。


■ 20歳代男性

<病歴>
1,2週間前に虫に刺されたあとに気づいた。本日全身に発疹が出現し37.8℃の発熱があり近医受診、当院に紹介受診された。


<診察所見>
麻疹様にもみえる全身紅斑。
前頚部、鎖骨上窩、腋窩、鼠径部にリンパ節腫脹あり
手のこわばりあり。浮腫軽度。感覚・運動障害なし。
左上腕外側に4cm大の皮下硬結あり。中心に虫刺様の皮疹あり。圧痛あり。


スライド21.JPG


リケッチア感染症(ツツガムシ病)による発熱、比較的徐脈でした。



■ 60歳代女性

<病歴>
早朝から散歩に出かけたが、帰宅後に倒れた。激しい後頭部痛、後頚部痛の訴えあり、繰り返す嘔吐を認め救急搬入された。搬入時は、E1V4M5。瞳孔不同なく、対光反射は減弱してはいるが、両側あり。明らかな片麻痺なし。頭部CTでクモ膜下出血を認めた。


スライド22.JPG


体温調節中枢障害による発熱、比較的徐脈と考えられます。


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posted by 長尾大志 at 17:08 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月26日

症例検討会BRONCHO10−7

比較的徐脈(相対的徐脈)は、「発熱があるのに、それに比較して脈がゆっくり」という状態です。


一般的に体温が0.55℃上昇すると脈拍は10/分増加することが知られています。ですから、体温上昇があると、

(体温−平熱)÷0.55✕10 

だけ脈拍数が増えることになります。ですから平熱に対して現在の体温からおよそ計算した脈拍数より20以上少ない場合、比較的徐脈といいますが、いちいち計算は面倒ですね…それに、39℃以上でないと感染症の診断として意味がない、ともいわれております。


そもそも、健常時の体温や心拍数がわからないと、この計算式ではよくワカラン、ということにもなります。そこで、群星沖縄臨床研修センターの徳田安春先生は「39℃で110番」と覚えると覚えやすい、と教えて下さいました。確かに覚えやすいですね。39℃で110/分以下だったら比較的徐脈と考える、ってことです。


比較的徐脈を呈しやすいといわれている疾患たちを以下に挙げますが、必ずしもそうとは限らない、といわれているものもあり、あくまで鑑別診断を挙げるための参考として知っておくとイイ、位の感じでしょう。ですから、ガチガチに計算して厳密に定義を適用する、というよりも、ささっと「こういう可能性があるかも」と鑑別診断を挙げる、という使い方がかっこよさそうです。


比較的徐脈を呈しやすい疾患

  • 腸チフス・パラチフス・サルモネラ

  • マラリア

  • レプトスピラ感染症

  • オウム病など非定型肺炎

  • レジオネラ感染症

  • 下垂体や体温調節中枢の障害

  • 腫瘍熱

  • 薬剤熱



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posted by 長尾大志 at 18:14 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月23日

症例検討会BRONCHO10−6

レジオネラ肺炎の特徴は、一言で言うと「変な肺炎」です。


普通の細菌性肺炎ですと、肺以外の症状が出ることはあまりありません。せいぜい敗血症やショックなどかなり重症の肺炎で意識障害を来すとか、その程度ではないでしょうか。


でもレジオネラ肺炎では肺炎以外の症状が前面に立つことも多いものです。

  • 意識障害、頭痛:細菌性肺炎ではよっぽどの重症例。

  • 消化器症状:下痢、嘔気・嘔吐、腹痛など。

  • 高熱(比較的徐脈を伴う)

  • 関節痛



逆に咳や膿性痰といった、いかにも肺炎、な症状はあまりみられません。


ウチみたいな呼吸器科ですと「肺炎、だけど変」みたいな見つかり方をすることが多いのですが、救急の現場でしたら「意識障害、だけど肺にも所見」「下痢、消化器症状、だけど肺にも所見」みたいな見つかり方をすることも少なくないでしょう。


そういうときに参考になる検査所見。もちろん尿中抗原検査は特異的で、頼りになりますが、血清群が1のものしか陽性にならず、感度の低さが問題とされています。以下のような検査値異常があると、レジオネラを考えるきっかけになると思います。


  • 肝酵素上昇:肝機能障害=消化器症状を意味します。

  • 高CK血症:一般的には特異度の高い所見といえるでしょう。まあ細菌性肺炎でも、激しい悪寒戦慄があったり、筋肉注射を受けたりすると高値にはなりますが、レジオネラでは本症例のように4ケタぐらいになることも珍しくありません。

  • 低Na血症:結構特異度が高く、鑑別に役立ちます。

  • 低P血症:こちらも結構特異度が高いとされています。





明日6月24日(土)はメディカ出版セミナー『急性期・術後の呼吸器ケア』東京会場@損保会館です。これから東京に向かいます。明日参加予定の皆さん、よろしくお願い申し上げます!

http://www.medica.co.jp/seminar/detail/131


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posted by 長尾大志 at 16:55 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月22日

症例検討会BRONCHO10−5

肺関連の症状とデータ、画像的には肺炎の存在が考えられますが、発熱と同時に軟便、という違和感、さらにデータ上低Na、低P、高CPK、オマケに?比較的徐脈もあるとくれば、診断はレジオネラ肺炎となるでしょう。尿中抗原陽性で確認出来たかと思います。


治療はキノロン系抗菌薬投与になります。本症例でもLVFX使用し、経過は…


スライド20.JPG


いかにも、の比較的徐脈ですね。治療後経過は良好で、入院5日目には解熱し無事に退院されました。



Q:レジオネラ肺炎の特徴を挙げて下さい。


Q:比較的徐脈の鑑別は?


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posted by 長尾大志 at 17:45 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月21日

症例検討会BRONCHO10−4

昨日はあえて選択肢を書きませんでしたが、おわかりでしたでしょうか。


胸部X線写真では一見異常所見がわかりにくいと思いますが、cracklesを聴取したのと同じ左下肺野をよ〜く見てみると…濃度上昇が見られますね。


スライド18.JPG


下行大動脈のシルエットサイン陽性であり、下葉の濃度上昇があるとわかります。CTを見ますと…


スライド19.JPG


確かに左下葉、下行大動脈に接してコンソリデーションが見られます。


血液検査データを見てみると、目立つのが


WBC 17.4 H
CRP 26.26 HH
プロカルシトニン3.87 H
PLTS 138 L
FIBG 815 H
Dダイマ- 1.5 H
LDH 263 H
UN 31.4 H
CRE 1.27 H
NA 129 L
CL 95 L
P 2.1 L
CPK 2096 HH
GLU 512 HH


といったところですね。炎症反応が強く、フィブリノゲンやLDHの増加は炎症反応と臓器障害を想起しますし、高血糖は糖尿病症例のシックデイであまり特異的ではありませんが、低Na、低P、高CPK、これはいかがでしょうか。ここに先の『違和感』を解くカギがあるのではないでしょうか。


その他の検査結果を見てみましょう。



【静脈血ガス】
pH7.417 PvO2 26.9, PvCO2:43.2, BE2.8, HCO3 27.3, Na128, K4.8, Cl97, AG9.0, 282.6Osm, Glu473, Lac 23

【尿検査】
WBC-, 蛋白2+, pH6.0、潜血3+、比重1.010、ケトン1+、糖5+

肺炎球菌抗原(-)
レジオネラ抗原(+)

【腹部エコー】
腎盂拡大なし、尿閉なし、IVC 4/16mm

【ECG】
HR 77bpm、V1でrsR'、V1-3で陰性T波→右脚ブロック



Q:診断は何でしょうか?治療はどうしましょうか?


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posted by 長尾大志 at 13:47 | Comment(2) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月20日

症例検討会BRONCHO10−3

診察上、腹部症状に乏しく、あまり胃腸系疾患を想起する感じではありませんでした×。むしろ低酸素血症と呼吸促迫、診察上左下肺に限局したcourse cracklesを聴取したということで肺に何かありそう○、でも肺炎にしては肺外症状が多く、なんか変だ◎、そんな感じになります。尿路感染はハッキリした所見に乏しい○ですが、否定するには尿検査が必要でしょう。



<入院時検査所見>
【血液検査】
HB 13.1
WBC 17.4 H
CRP 26.26 HH
プロカルシトニン3.87 H
PLTS 138 L
FIBG 815 H
PT-INR 1.24 H
APTTP 36.6
APTTC 29.0
Dダイマ- 1.5 H
ALB 2.8 L
AST 68 H
ALT 23
LDH 263 H
UN 31.4 H
CRE 1.27 H
eGFR 43.9
NA 129 L
CL 95 L
K 4.9
CA 8.4 L
P 2.1 L
CPK 2096 HH
GLU 512 HH
KL-6 180.1


胸部X線写真は…


スライド17.JPG


Q:所見を述べてください。他にほしい検査は?


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posted by 長尾大志 at 17:55 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月19日

症例検討会BRONCHO10−2

病歴聴取の段階ではいろいろな可能性が考えられると思います。急性発症の発熱と軟便(下痢)、であればまずは急性胃腸炎≒感染症○でしょうが、高齢者の発熱といえば尿路感染症や誤嚥性肺炎△、という連想もあるかもしれません。ただ、いずれも軟便が生じるのは典型的ではありませんね。感染というとHIV始めSTD関連もあるかもしれませんので、そういう生活歴もいずれ聴取する必要はあるかもしれません○。


発熱と軟便といえば炎症性腸疾患もそうなのですが、もう少し若年で、発見動機がもう少し慢性という感じでしょう△。急性に生じた膠原病や血管炎の可能性もありますから、他の症状が知りたい◎ところです。それから提示された以外の薬剤摂取についても要確認ですね。



ちなみに来院時の症状は発熱と軟便のみでした。パーキンソン病の重症度はYahr U度で、日常生活はほぼ可能、誤嚥も明らかなものはなかった模様です。提示された以外の薬剤摂取はありませんでした。



<入院時身体所見>
身長159.4cm 体重60.9kg(BMI 24)、BT 39.3℃、HR 82/分、BP 131/72mmHg
SpO2 93%(room air)→99%(マスク5L)、呼吸やや促迫
意識:JCS I-1,GCS E3V5M6 見当識障害ないが受け答えはゆっくり


口腔内:乾燥なし
頸部リンパ節腫脹なし
心音:整、雑音なし
肺音:左下肺にcourse crackles聴取
腹部:平坦、軟、圧痛なし、腸蠕動音亢進低下なし
CVA叩打痛なし
四肢:末梢冷感なし、下腿浮腫なし、明らかな筋力低下なし
強剛:両肘・膝関節の強剛なし


さて情報が増え、少し方向性が見えてきたでしょうか。



Q:この時点での鑑別診断は?

やはり急性胃腸炎だ
肺炎がありそう
肺炎にしては変だ
尿路感染はハッキリしない


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posted by 長尾大志 at 17:42 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月17日

岡崎市医師会学術講演会『胸部X線ルネッサンス〜』

昨日は、岡崎市医師会にて胸部X線写真の「異常陰影のとらえ方」と、肺炎の最新の話題を、なんと1時間に詰めこんでお話致しました。


どちらも本来でしたら90分ぐらい頂く話題でしたので、かなりテーマを絞り、なんとか合わせて65分ほどで無事に終わりました。岡崎市医師会の田那村先生、お招き頂きありがとうございました。


IMG_20170616_195654.jpg


特に抗菌薬の使い方のところでは、この4月に新しい肺炎ガイドラインが発表されたこと、そして厚生労働省が抗菌薬の使い方に関して『抗微生物薬適正使用の手引き』を公表したこともあり、これまで申し上げていたことをさらにしっかりとお伝えする必要性を感じておりましたので、後援頂いた第一三共さんには配慮しつつも『ガイドライン』『手引き』の骨子をしっかりと解説させていただきました。第一三共さんはさすが、懐が深いですね。こういう講演で演者の好きなようにやらせていただけるのはありがたいことです。

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posted by 長尾大志 at 23:57 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月16日

症例検討会BRONCHO10−1

症例 70歳代男性


<主訴>
発熱 全身倦怠感

<現病歴>
一昨日から家人が見るに少し歩きづらそうにしていた。昨日より40℃の発熱と倦怠感あり、発熱と同時に便が軟便となっていた。自宅で一晩様子を見ていたが解熱せず、本日朝当院救急外来を受診した。


<内服>
メネシット100mg 3錠分3
ミラペックス1.5mg 1錠分1
ミラペックス0.375mg 2錠分2
グリメピリド1mg 3錠分3
メトグルコ500mg 2錠分2
エクア50mg 2錠分2
アクトス15mg 0.5錠分1
オルメテック20mg 1錠分1
アムロジピン2.5mg 1錠分1
プラバスタチン10mg 1錠分1


<既往歴>
2型糖尿病
パーキンソン病

<家族歴>
母:パーキンソン病

<生活歴>
飲酒・喫煙:経験なし

<アレルギー>
食物:なし
薬剤:なし



Q:病歴から考えることは?

急性発症の発熱であり感染症を考えたい
誤嚥性肺炎の可能性もあるが軟便が不自然
尿路感染症があやしい
炎症性腸疾患がまず考えられる



Q:病歴で他にほしい情報は?

発熱と軟便以外に症状はあるのか
元々パーキンソンがあるがADLはいかほどか
嚥下はスムースか、誤嚥はないか
最近の活動範囲、訪問したところ


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posted by 長尾大志 at 16:01 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月15日

症例検討会BRONCHO9−8

…で、スルッと終わろうかとも思いましたが、やっぱり感受性検査の見かたも、ごく簡単に説明しておきましょう。


昨日の表をご覧下さい。MICというのは、最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration)といい、その抗菌薬がどのくらいの濃さになったら菌が生えてこないかを表すものです。当然、数字が小さい方が、薬がよく効くということですが、菌と薬によって臨床的に「効く」かどうかを判定するMIC(=ブレイクポイント)が異なっています。


いちいちこちらでMIC値から判断するのも大変ですから、S:susceptible=感受性あり、I:intermediate=中間、R:resistant=耐性、 と表記してくれているのです。まあ、Sだったら効く、Rだったら効かない、Iだとケースバイケース、基本はSを選択する、みたいな感じで考えておかれるといいでしょう。


表ではABPC、ABPC/SBT、AMPC/CVA、CCLがRで、その他はSです。Sだったらどれも同じ、ということはなくて、やはり少ない量で効く=MICの小さなものが効果が高い、と考えていいでしょう。もちろん投与量にもよってくるのですが…。


というわけで、表内でS、中でもMIC値の少ない(1未満の)ものから選ぶと、CTRX(セフトリアキソン)やCTX(セフォタキシム)、それにペネムやキノロンとなるので、その中ではなるべく狭域のセフェムで、みたいなことになるわけです。


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posted by 長尾大志 at 19:00 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月14日

症例検討会BRONCHO9−7

なぜか関西弁丸出しになってしまいましたが、カンファレンスではこんな感じだったりしますので、まあ臨場感があると思って頂ければ、


さて治療経過です。治療というものはある意味開始してからが勝負で、想定通りにことが進んでいるか、期待した効果が得られていないか、はたまた合併症・副作用が生じていないか、ということを考えながら経過を見るわけです。


肺炎だったら、そもそもの症状、すなわち発熱や呼吸状態がどのように変化しているかを見なくてはなりません。発熱はシンプルですが、呼吸状態だったらまず呼吸数。ハアハアしていたのが安らかな呼吸になっていたら、それは効果ありでしょう。


SpO2だって大事ですが、いつの間にか投与されている酸素流量が変わっていたりすることがあるのでご注意を。SpO2も血ガスも、同じ酸素の条件で比較しないと単純には評価できません。もちろん状態がずいぶん変わっているのに、無理やり同じ条件を維持する必要もありませんし、明らかに必要酸素流量が減っていればそれはめでたいことです。



で、本症例の経過ですが、3日目なのに解熱していません。うまくいっている×とはいいがたい。やっぱり経過がちょっと地味だし、グラム染色で見えた菌がGNRなので、H.influenzae⇒BLNARかなあ○。と考えるわけです。じゃあ、治療替えなアカンやろ○。


でも、PCsが効かない、イコール、ひょっとしたらレジオネラなんでしょうか×、とはならないでしょう。やっぱりレジオネラって、それなりの、それっぽい特徴(肺炎だけど肺だけじゃない)があって疑われるものであって、PCsが効かない、というキーワードだけで診断されるべきではないと考えます。


ということで、抗菌薬ABPC/SBTは効いていないのではないか、となったタイミングで、最近検査室から培養(H.influenzae)、および薬剤感受性結果がもたらされました。結果はこちら。


スライド15.JPG


Q:で、どうしますか?

男は黙ってそのまま継続!
CTRXに変更
治りが悪いのでMEPMを使っておこう
何にでも効くLVFXにしておこう



…これも、もういいですね。Qにするほどでもありませんでした。CTRXに変更です。MEPMやLVFXをこんなところで無駄遣いする意味がわかりません…。変更後はこういう経過でした。解熱してからは食事摂取も改善し、元気になられて退院となりました。


スライド16.JPG


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posted by 長尾大志 at 13:36 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月13日

症例検討会BRONCHO9−6

肺炎といえば、もちろんグラム染色を見たい◎わけですが、尿中抗原については、過去の感染でも陽性になったりしますから、そこまで強く思うわけではありません。でもあれば参考にはなりますし、気軽ですから、まあ取っておきましょう○。


本症例で使うべき抗菌薬については、いささか難しくて、まずはペニシリンでいけばいい○、ってなものですが、ちょっと経過が長くて地味な症状が若干気になるのです。喀痰の確認と、ペニシリンできちんとよくなるかどうか、確認が必要です。


ただまあ、キノロンでいく△、という発想にはならないように思います。効くとは思いますが…。理由はさんざん書いていますので、改めて書くまでもないと思います。


ちなみに、塗抹でこんな感じの菌が見えました(本症例ではありませんが…汗)。どうしますか?


スライド13.JPG


こちらではABPC/SBTが開始されました。入院3日目までの経過表はこんな感じ。


スライド14.JPG



Q:評価はいかがですか

うまくいっている。このままでいきましょう。
どこがやねん!治療替えなアカンやろ。
やっぱり菌が○○○なので、○○○○○かなあ。
PCsが効かない、ひょっとしたら○○○○○なんでしょうか。


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posted by 長尾大志 at 19:07 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月12日

症例検討会BRONCHO9−5

胸部X線写真の所見は、左下肺野のコンソリデーション◎ですね。左横隔膜が多少ぼやけているようでもあり、肋横角も若干鈍かもしれませんが、胸水の存在はハッキリしません△。


コンソリデーションのシルエットサインは、どの線とも陽性ではありません。まず心陰影と陰性なので下葉の陰影だろうと思われます。そういうわけで左上葉には特に異常はないと考えます。また、容量減少所見も認めないことから、この濃度上昇は無気肺ではない×とも考えます。



CTでは…


スライド11.JPG


スライド12.JPG


確かに左下葉のコンソリデーションでした。胸水はありません。というわけで、肺炎の診断でよいと思います。


<A-DROP>
年齢-
BUN上昇-
呼吸不全±呼吸数24回で軽度増加あり
意識障害-
血圧低下なし
→1-2点


一過性意識低下のエピソードがあり、頭部CTを撮影されていますが、脳に器質的な病変はなく、ECGも確認しましたが不整脈も認めませんでした。意識は来院時にはすっかり回復していました。



Q:さて肺炎、抗菌薬治療はどうしましょうか。できたら根拠も考えて頂きますようお願いします…。

グラム染色を見たい
まずはペニシリンで
ここはキノロンで
尿中抗原が見たい!どうしても!


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posted by 長尾大志 at 20:41 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月09日

症例検討会BRONCHO9−4

ここまでで、だいぶ肺炎はカタいのではないでしょうか。早く確認したいところですね。


検査として、胸部X線写真は必須ですが◎、それでハッキリすればCTは必須とは言えないでしょう△。喀痰培養、尿培養、血液培養は必須ですね◎。プロカルシトニン測定△は必須とは言えませんし、広域抗菌薬投与は×でしょう。



<入院時検査所見>
<血液検査>
HT 33.9 L
HB 11.1 L
RBC 3.74
WBC 11.9 H
SEG/NEUT 87.3 H
PLTS 314
SEG/NEUT 87.3% H
EOSIN 0.2
BASO 0.1
LYMPH 5.1 L
MCV 91
MCHC 32.7
MCH 29.7
TP 5.3 L
CRP 17.48 H
ALB 2.8 L
AST 12 L
ALT 11
LDH 161
ALP 250
G-GTP 22
T-BIL 0.62
A/G 1.12
NA 141
CL 107
K 3.6
UN 7.6 L
CRE 0.35 L
eGFR 135.3


左下肺にcoarse cracklesを聴取したことから、胸部X線写真では、左下に陰影がありそうですよね。実際に見てみましょう。


スライド10.JPG


Q:所見を述べてください。

左胸水
左上葉に空洞病変
左下肺野に無気肺
左下葉にコンソリデーション
両側過膨張


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posted by 長尾大志 at 16:45 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月08日

症例検討会BRONCHO9−3

SpO2低下、呼吸数増加、呼吸音などから、肺に問題があるであろうことはわかります◎。しかし敗血症にまでなっているかどうかは確証がありません△。悪寒戦慄もないですし。


意識低下は、来院時意識清明であったことから一過性であったと考えられます◎。アナフィラキシーとするには、皮膚症状や消化器症状など、他の症状が少なすぎるように思います×。早く検査が見たいところですが、もう少し待ちましょう。



Q:やるべきことは?

胸部X線写真、CT
喀痰培養、尿培養、血液培養
プロカルシトニン測定
広域抗菌薬投与


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posted by 長尾大志 at 16:24 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月07日

症例検討会BRONCHO9−2

2週間前から発熱、咳嗽、喀痰があって一旦軽快したあとに、高めの(38度の)発熱、緑色喀痰、咳嗽、食欲低下が生じた。この経過は上気道炎〜二次感染としての肺炎発症に典型的な経過です◎。


既往歴にM.avium排菌陽性(非結核性抗酸菌症)がありますが、通常悪化するにしても経過はゆっくりであることが多く、こういう経過になることは少ないと思います△。


直接の来院契機は一過性の意識消失で、過去の薬剤アレルギー歴もありますから、薬剤摂取を契機に生じたepisodeの可能性もあります○。薬剤性の失神に加えて、アナフィラキシーの可能性を想定する場合、その他の症状、徴候を確認することも大切です。


それ以外にも意識消失については、一過性で済んでいるのか、現在きちんと戻っているのか、原因は、など、きちんと詰めておかないと気持ち悪いですね◎。



そこで病歴で他にほしい情報として、1つは発熱、咳・痰、食欲低下に関するものと、もう一つは意識消失によるものがあるでしょう。


前者は肺炎にまつわる、最近のADL◎、誤嚥の有無など、最近温泉に行ったか△は、レジオネラにまつわるものですが、本症例では強く疑う感じではありませんね。


後者でしたら失神の原因として糖尿病の有無◎、不整脈の有無◎、意識障害が遷延していればAIUEOTIPSも要チェックですが、取り急ぎバイタルと身体所見をチェックしましょう。



<入院時身体所見>
BT 39.2℃、HR 106整、BP 143/85、SpO2 92-95%(Room Air)、呼吸数20、JCS 0、意識清明


眼瞼結膜貧血なし
頸部リンパ節腫脹なし
甲状腺腫大なし、圧痛なし
口腔内乾燥軽度

心音:整、雑音なし
肺音:左下肺にcoarse crackles聴取

腹部:腸蠕動音ノーマル、圧痛自発痛なし、平坦やや張っている
四肢:冷感なし、浮腫なし、ツルゴール軽度低下、皮膚乾燥なし、両足背動脈触知良好
CVA叩打痛なし、左肋骨下部に咳嗽時の疼痛あり、圧痛軽度あり



Q:この時点での鑑別診断は?

肺炎はありそう
敗血症が疑わしい
アナフィラキシーが疑わしい
やはり意識消失は一過性であった


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posted by 長尾大志 at 19:13 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年06月06日

症例検討会BRONCHO9−1

症例 60歳代男性


<主訴>
発熱、咳嗽、喀痰

<現病歴>
2週間前から発熱、咳嗽、喀痰あり、一度症状は軽快したが、1週間ほど前より、38度の発熱、緑色喀痰、咳嗽、食欲低下が生じた。
本日昼食後に解熱剤と胃薬を内服。2時間後にトイレで倒れており、声かけに反応しない患者を家族が発見し救急要請。家族、救急隊の呼びかけで意識は清明に戻ったが、SpO2 92%と低下あり。トイレに立った前後の記憶はないとのこと。

<既往歴>
2009年よりM.avium排菌陽性にて当科かかりつけ。画像フォローのみ、内服治療歴なし。

<アレルギー>
抗生剤で蕁麻疹(詳細不明、若い頃は多かったが、最近はあまりないと)

<生活歴>
喫煙:経験なし
飲酒:機会飲酒
職業:パート勤務



Q:病歴からの第一印象は?

肺炎はありそう
M.aviumの関与を疑う
昼食後服用した薬がクサイ
意識消失の原因が気持ち悪い



Q:病歴で他にほしい情報は?

最近のADL
糖尿病の有無
不整脈の有無
最近温泉に行ったか


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posted by 長尾大志 at 18:52 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年05月30日

症例検討会BRONCHO8−9

MJ分類P3、Geckler分類5、についてはしっかりした炎症の現場から採取された、よい痰だということですね。

喀痰塗抹検査はGram陽性球菌1+(双球菌貪食像あり)、血液培養検査でもGram陽性双球菌がしっかり見え、尿中肺炎球菌抗原+もあわせて肺炎球菌肺炎+菌血症であると確認しました。



Q:治療薬は?


適切な治療薬投与により、経過は順調で、入院4日目以降は解熱し、軽快退院されました。


スライド9改.jpg


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posted by 長尾大志 at 14:31 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年05月29日

症例検討会BRONCHO8−8

肺炎から敗血症を疑っているわけですから、喀痰塗抹培養と血培は必須。尿中抗原もグラム染色ができない場面、グラム染色とあわせて、いずれも有用ですから、やっておきたい検査でしょう。


インフルエンザ、マイコプラズマに関しては、臨床的に強く疑うかどうかです。インフルエンザを強く疑うかどうかは、時期的なものと周囲の流行がポイントになります。ただ本症例では、症状が始まってから日数が結構経っていますので、この段階でインフルエンザの確認をしても治療介入への影響は少ないと考えられ、積極的に勧められるものではない×でしょう。


臨床情報からはマイコプラズマはじめ非定型肺炎による肺炎の要素(表引用)はなさそうですし、マイコプラズマによる敗血症もあまり経験されません。積極的にほしい検査とは言えないでしょう×。



〈喀痰塗抹検査〉
MJ分類P3、Geckler分類5 好中球3+急性炎症所見あり
ヒメネス染色 陰性
Gram染色


スライド7.JPG


血液培養検査:2セット中2本陽性


スライド8.JPG


〈感染迅速検査〉
尿中肺炎球菌抗原+、レジオネラI抗原−
インフルエンザA,B − (汗)


Q:喀痰塗抹/血液培養の結果は?


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posted by 長尾大志 at 16:45 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年05月26日

症例検討会BRONCHO8−7

全部気になるワイ、といわれたらその通りなのですが、問いたかったこととしては、肺炎〜敗血症としたときに評価すべき項目でした。


敗血症のSOFAスコアでは、

  • 呼吸状態

  • 凝固能

  • 肝の予備能

  • 循環状態

  • 中枢神経への影響

  • 腎(クレアチニン・尿量)


を確認することになっています。そういう意味では肝胆道系酵素○、腎機能≒循環動態○が気になる、と答えて頂きたかった。


CKもWBCもCRPもプロカルシトニンも、もちろん気になるでしょうし気にして頂くのですが、予後因子、治療方針の変更までには至らない△ということですね。


Q:あと、ほしい検査は?

喀痰塗抹培養
血液培養
尿中抗原(肺炎球菌・レジオネラ)
インフルエンザ抗原
マイコプラズマ迅速


あ、血培は必須でしたね。


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posted by 長尾大志 at 16:18 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年05月25日

症例検討会BRONCHO8−7

その他の検査も見ていきましょう。


<入院時検査所見>
〈血液検査〉

HT (% ) 32.7 L
HB (g/dl ) 11.3 L
RBC (1000000 ) 3.63 L
WBC (1000 ) 34.8 H
PLTS (1000 ) 270
NEUT (% ) 95.6 H
EOSIN (% ) 0.0
BASO (% ) 0.3
LYMPH (% ) 1.5 L
MONO (% ) 2.6
MCV (μ3 ) 90
MCH (pg ) 31.1
MCHC (% ) 34.6
A型インフル ( ) (−)
B型インフル ( ) (−)
TP (g/dl ) 6.9
ALB (g/dl ) 3.0 L
AST (U/l ) 66 H
ALT (U/l ) 54 H
LDH (U/l ) 265 H
ALP (U/l ) 445 H
G-GTP (U/l ) 92 H
T-BIL (mg/dl ) 1.34 H
A/G ( ) 0.77 L
NA (mmol/l ) 140
CL (mmol/l ) 103
K (mmol/l ) 3.9
UN (mg/dl ) 44.1 H
CRE (mg/dl ) 2.35 H
eGFR ( ) 22.2
CA (mg/dl ) 8.4 L
CPK (U/l ) 1537 HH
CRP (mg/dl ) 29.52 HH
ヨウケツ ( ) (-)
ニユウビ ( ) (-)
CEA (ng/ml ) 1.4
プロカルシトニ (ng/ml ) 9.71 H



Q:気になる所見は?

肝胆道系酵素上昇
腎機能悪化
CK上昇
WBC,CRPの高値
プロカルシトニン高値


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posted by 長尾大志 at 18:30 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年05月24日

症例検討会BRONCHO8−6

だいぶ引っ張って参りましたが、いよいよ胸部X線写真を見て頂きましょう。そもそも呼吸器系の症例検討では、まずX線、みたいな風潮がありますが、本来はこのくらい、病歴と診察でしっかり議論しておくべきではないかと思っていて、日頃のカンファレンスではこんな感じで進めるよう意識しています。若い人に伝わってるかな…。


胸部X線写真では、右に陰影がありそうですよね。実際に見てみましょう。


スライド2.JPG


Q:所見を述べてください。

右上肺野に無気肺
右上葉にコンソリデーション
両側びまん性にすりガラス影
右上肺野に空洞病変
右胸水



あ、読影の基本は皆さん、もうご存じだという前提で進めますね。基本についてはブログの過去記事『レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室』を参照してください。



何気なく問題を出しましたけど、これだけで所見、わかりますか??


既往にさりげなく書いてあった、「8年前に肺癌に対して化学放射線療法を行い、終診となっていた。」たぶんこれ、画像診断をする上では重要な所見じゃないでしょうか。化学放射線後って、結構縦隔が動いたりしますし…ということで、以前の胸部X線写真を確認しますと…。


スライド3.JPG


こちらは5年前のものです。もうちょっと最近のものはないのか。探して見ると、偶々他科で腹部大動脈瘤を指摘され、フォローされていたCTのスカウト画像が手に入りました。


スライド4.JPG


この写真を見ると、右上肺野の濃厚な陰影はこのときはありませんが、気管の偏位や右横隔膜の上昇は認められ、8年前の化学放射線療法による放射線肺炎〜線維化によって、右上肺がゆっくり収縮してきているようです。


今回はそこにコンソリデーションが乗って、濃厚な陰影になったものと考えられます。したがって右上肺野は無気肺ではなく×、コンソリデーション○、しかも毛髪線とおぼしき線でハッキリ境界されていますから、この陰影は上葉の陰影だとわかります○。右肋横角も以前から鈍ですので、胸水あり、という所見にはならない×でしょう。


CTもなんだかんだで撮っています。当初は以前の写真が参照出来なかった模様で…(汗)。答え合わせのつもりで見てみましょう。


スライド5.JPG


上葉にある嚢胞、または空洞は、今回のepisode以前からあったようですね。重喫煙者ですから嚢胞があったのでしょうか。


スライド6.JPG


このスライスでは、3ヶ月前の放射線肺炎像がよく見えます。ぴしっとまっすぐ境されていますね。で、今回は正常だったところにコンソリデーションが出ています。エアブロンコグラムも見られます。


ということで、元々あった放射線肺炎後の変化に、右上葉のコンソリデーションが乗った、そういう所見と考えました。


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posted by 長尾大志 at 19:57 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年05月23日

症例検討会BRONCHO8−5

これまでのところ、肺炎からの菌血症〜敗血症が疑われますから、次は診断確定へのステップと、治療の同時進行になります。


敗血症の場合、チンタラ診断を待っている暇はありませんから、悪寒戦慄があってqSOFA2点であれば、(これはどこでも判断可能!)直ちに血培⇒広域抗菌薬投与、輸液、循環・臓器モニター開始が必要です◎。敗血症になっているということは菌が体内でじゃんじゃん増えているわけで、20分で2倍⇒1時間で8倍に増えます。血培も抗菌薬も、1時間遅れると取り返しがつきません。A.S.A.P.=as soon as possible、であります。


胸部X線写真は肺炎の診断にはまだまだ必須だと思いますが、CTまではどうでしょうか○?△?。胸部X線写真で両側に広範な濃度上昇があったり、疑問に思われるような陰影があったりすれば、わからなくもありませんが…。


敗血症・敗血症性ショックの定義は最近新しくなりました。敗血症は以前の定義、SIRS(systemic inflammatory response syndrome)で強調されていた「炎症」よりも「臓器不全」があることが強調され、新しい定義(SOFA)では

  • 呼吸(P/F比)

  • 凝固(血小板数)

  • 肝機能(ビリルビン)

  • 循環(平均動脈圧)

  • 中枢神経(GCS)

  • 腎(クレアチニン・尿量)


を、( )内の指標を用いて評価します。ここでは急いで、肺以外の臓器障害を評価しなくてはなりません。◎


敗血症性ショックは、敗血症によって、ショック(臓器障害を来す低血圧)を起こした状態ですが、輸液やカテコラミンに反応しない低血圧に加えて、細胞障害、代謝障害を来している状態を表すと定義されました。


この細胞および代謝障害を表す指標として、乳酸値が用いられます◎。乳酸値>2mmol/L(18mg/dL)。乳酸増加による代謝性アシドーシスを代償するべく頻呼吸となり、呼吸数≧22回、となるわけですね。肺炎でも頻呼吸になるし、敗血症性ショックでも頻呼吸になるのです。


さてそれではプロカルシトニンの測定はこの場合必須でしょうか?エビデンスとしては弱いものしかありませんし、個人的には悪寒戦慄やqSOFAの方がよっぽど有用だと思っています△。


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posted by 長尾大志 at 13:59 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年05月22日

症例検討会BRONCHO8−4

入院時身体所見、まずバイタルサインですが、意識は清明で、脈拍数122bpmと頻脈です。血圧は普段は120前後のところ89/58mmHgですから低い。体温は36.5℃で診察時は発熱なし、呼吸数24回/分で頻呼吸、SpO2は95%(room air)ですから低酸素血症はあっても軽度です。


レジオネラ肺炎の可能性、ということであれば比較的徐脈に注意しますが、ここでは発熱なしで頻脈ですから、とりあえず当てはまりません。


血圧が低いのは菌血症〜敗血症の可能性。頻呼吸と軽度の低酸素からは肺の感染症、肺炎の存在を疑うことになります。頻呼吸と血圧低下は敗血症の判定にも使われようかというqSOFA(quick Sequential Organ Failure Assessment)のスコアに含まれていますから、これだけで2点=敗血症の疑いあり、ということになります。


qSOFAスコア

  • 呼吸数≧22/分

  • 意識レベルの変容

  • 収縮期血圧≦100mmHg




診察所見で目立つものは、右肺野のcoarse crackles聴取、これからも肺炎はありそう◎、となるでしょう。菌血症〜敗血症もあやしい○です。


尿路感染もあるかもしれませんが、少なくともCVA叩打痛など、積極的に示唆する所見には乏しいと言えます。肺結核も、鑑別に入れることを強く推奨するわけではありませんが、否定するものでもありません△。


ということで、次にやるべきことが決まって来ましたね。


Q:やるべきことは?

胸部X線写真、CT
肺以外の臓器障害を評価
喀痰培養、尿培養、血液培養
プロカルシトニン測定
輸液による血圧の維持


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posted by 長尾大志 at 18:13 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年05月19日

症例検討会BRONCHO8−4

病歴はこのあたりにして、診察に進みましょう。研修医の先生による診察記録です。


<入院時身体所見>
身長:158p、体重:57s、BMI:22.83、意識清明、JCS:0、GCS15 E4V5M6、PR:122bpm、BP:89/58mmHg(普段は120前後)、体温:36.5℃、RR:24回/分、SpO2:95%(room air)


〈頭頚部〉
眼瞼結膜蒼白なし
眼球結膜充血なし、黄染なし
眼球運動:複視なし、輻輳可、眼振なし
副鼻腔:tapping painなし、圧痛なし
側頭動脈:圧痛なし
咽頭粘膜:発赤なし、白苔なし、口蓋垂正中
扁桃:発赤なし、腫大なし
舌:発赤なし、挺舌正中
口唇:発赤なし
顔面:表情筋左右対称、触覚左右差なし
耳介:牽引痛なし
頚部:リンパ節腫脹なし、甲状腺腫大なし

〈胸部〉
心音:整、雑音なし
呼吸音:右肺野coarse crackles聴取

〈腹部〉
平坦軟、圧痛なし、皮疹なし、反跳痛なし、腸蠕動音正常

〈背部〉
CVA叩打痛なし、脊柱叩打痛なし

〈四肢〉
冷感なし、足背動脈触知可、橈骨動脈触知可、浮腫なし


Q:この時点での鑑別診断は?

肺炎はありそう
尿路感染もあるかもしれない
菌血症〜敗血症もあやしい
肺結核も鑑別に入れておくべき


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posted by 長尾大志 at 17:30 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年05月18日

症例検討会BRONCHO8−3

肺癌の転移は、こういう急性な発症様式をとることはあまりありません。しかも症状からは転移巣が多臓器にわたっている必要がありますから、なおさら、それらが「同時に、急性に」起こる可能性は低いと思われます。


他に間質性肺炎の可能性ですが、急性発症のもの、慢性経過のものが急性増悪した、膠原病や血管炎・自己免疫疾患の合併など、こちらは可能性が十分考えられますね。


そういった点から、示された症状以外の、膠原病や血管炎を示唆するような症状はないか、そして間質性肺炎のリスクとなるような、鳥の接触歴、粉塵曝露(工場での作業内容)、薬剤・健康食品・サプリメント(にんにく卵黄も含む)摂取などについても情報収集が望ましいと言えるでしょう。まあ、画像などでクサイ、となってからでもいいかもしれませんが。


銭湯利用者の似た症状の流行、というところは多分にレジオネラを意識しています。一応。でもその他接触可能性のあるグループの流行状況も含めて確認はしておくべきでしょう。


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posted by 長尾大志 at 18:19 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年05月17日

症例検討会BRONCHO8−2

病歴からの第一印象は、まず数日前からの発症、これは感染症を疑わせるものです。疾患の性質として、


  • 突然発症:破れた、詰まった、捻れた

  • 急性発症:感染症、慢性疾患の急性増悪、自己免疫疾患などなど

  • 慢性発症:いろいろ…悪性腫瘍の可能性、慢性疾患など



という感じであろうと思われます。大腸菌は20分に1回細胞分裂しますから、1時間で8倍、10時間で8の10乗で10億倍…というわけで、一般細菌による感染症では、(もちろん免疫力との攻防はありますが、ひとたび突破されると)数日で症状が完成してくることがおわかり頂けるかと思います。


比較的急性の発症で悪寒戦慄あり、という症状。悪寒戦慄というのはただの悪寒(寒気がする)とは違い、布団をかぶってもガタガタ震えが止まらないような状態をいいます。そこまでのことが起こることはそうそうありません。菌血症に特徴的な症状とされていますから、まずこの時点で警報を鳴らします。


それ以外の症状として発熱、咳、鼻汁、嘔吐。一般的に、感染症というくくりで考えると、一般細菌による臓器感染は、その臓器由来の症状が生じるものの、他臓器由来の症状は起こりにくい。それに対して感冒などのウイルス感染症では、多彩な臓器由来の症状が見られることが多いとされています。


とすると発熱に加えて咳がある、気道感染症を想起します。でも、例えば細菌性肺炎であれば、発熱に加えて咳、痰、呼吸困難などの症状が起こりますが、消化器症状や鼻汁などは見られないことが多い。まあ、鼻汁だけでしたら先行する上気道炎の名残でも矛盾はしないかもしれませんが、嘔吐が生じているのは、細菌性肺炎らしくはない。


消化器症状のある肺炎とくれば、レジオネラ肺炎か。そんなことも連想しますが、菌血症があるとすれば、これは一臓器にとどまるものではありませんから、消化器症状があってもいいでしょう。


前医でAZMが投与されていますが、無効であった。この意味するところは何でしょうか。そもそも昨今では、細菌感染症にAZMが有効であるということは期待しない方がいいくらいです。ましてや菌血症であればなおさら。ある程度効きそうな抗菌薬を投与して無効であれば、「細菌感染以外の疾患を考える」ということになるかもしれませんが、AZMを投与されても…情報はあまり増えませんが、AZMの副作用(肝障害、下痢など)が生じている可能性は想定しておく必要があるでしょうね。


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posted by 長尾大志 at 19:55 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年05月16日

症例検討会BRONCHO8−1

画像に関して書いておきたいことが一段落つきましたので、Web上BRONCHO(Biwako Respiratory Outstanding Next Conference of Hospital and Outpatient care)を再開していこうかな、と思います。実は何を隠そう、そういうお仕事のお話も頂いているからです。そうです。お仕事がらみです。



ただし、これまでとは異なり、症例のデータなどは実際ものとは少し改変した形での掲載となります。どちらかというと、症例についての細かい真贋?よりは、症例を元にしたディスカッションのところが大切です。要は、症例をベースにして講義を展開していく感じですね。


特に若い先生方にとって、何かの参考になれば幸いです。



症例:70歳代男性

<主訴>
発熱、咳嗽

<現病歴>
1日目、庭仕事をしてから夜間38.5℃の発熱、悪寒戦慄、咳、鼻汁、嘔吐を自覚した。自宅にて様子をみるも軽快せず4日目A医院を受診。アジスロマイシン(AZM)を処方され、2日間内服したが症状が改善しないため、当院当科に紹介受診された。

<既往歴>
8年前に肺癌に対して化学放射線療法を行い、終診となっていた。

【内服薬】
A医院での投薬
フスタゾール 10mg 3T
ビオフェルミン6mg 3T
ムコスタ 100mg 1T
ナウゼリン 10mg 1T
ジスロマック 250mg 2T
ロキソニン 60mg 頓服

【生活歴】
職業:電車工場勤務
飲酒:機会飲酒
喫煙:60本/日×40年間(20〜60歳)
健康食品:にんにく卵黄
旅行歴:なし
温泉歴:銭湯へはよく行く

【環境】
ペット:なし
周囲の感染:なし
肺炎球菌ワクチン未接種

【家族歴】
兄:癌 (詳細不明)

<アレルギー>
なし



Q:病歴からの第一印象は?

肺癌の転移が怪しい
感染症で間違いない
間質性肺炎の疑いもある
初期投薬がAZMなのはいかがなものか




Q:他に病歴でほしい情報は?

鳥の接触歴
工場での作業内容
にんにく卵黄の成分
銭湯利用者の似た症状の流行


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posted by 長尾大志 at 17:43 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2016年02月09日

症例検討会BRONCHO6−7

胸部X線写真では著明な皮下気腫、縦隔気腫を認めますね。皮下なのか縦隔なのか、一見区別は困難ですが、大きな構造物周囲に入って線状に存在する空気は縦隔気腫かと思われます。


胸部CTを見ると、皮下にも縦隔にもあることがよくわかります。


スライド12.JPG


気胸はなかったので、酸素投与、安静とし、激しい咳に対してコデインを説明の上投与した結果、咳は軽減し、徐々に皮下気種、縦隔気腫は改善、第38病日にはほぼ消失し、その後退院となりました。


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posted by 長尾大志 at 16:46 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2016年02月08日

症例検討会BRONCHO6−6

あるべき身体所見、まず気胸、縦隔気腫では…


  • 視診では胸郭の片側性〜両側にわたる膨驕A胸郭運動の低下

  • 触診では皮下気腫、声音振盪の減弱

  • 打診可能であれば片側性の鼓音

  • 聴診可能であれば片側性呼吸音低下、Hamman徴候



それ以外の疾患では、循環系の頸静脈怒張や心不全徴候など、感染症では発熱、cracklesなどはサッとチェックすべきでしょう。やるべき検査としては、


  • 気胸、縦隔気腫|胸部X線写真など

  • 肺血栓塞栓症|Dダイマー、心・下肢エコー、造影CTなど

  • 急性増悪、感染症|血液検査、血液培養、胸部CTなど

  • ACS、大動脈解離|心電図、心エコー、筋原性酵素など



になることでしょう。


本症例では著明な皮下気腫(皮膚の膨驕A握雪感)を認め、胸部X線写真でこんな感じでしたので…。


スライド11.JPG


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posted by 長尾大志 at 15:08 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2016年02月05日

症例検討会BRONCHO6−5

慢性に経過する間質性肺炎、急性増悪でステロイド加療中に突然生じた全身倦怠感と呼吸困難です。どのようなものが考えられるでしょうか。


まずは基礎疾患に合併するもの、それからステロイド、臥床などの状況に伴って生じるものが、何も基礎になくて起こるものよりも考えやすいでしょう。したがって、ありそうな順番としては、


  • 気胸、縦隔気腫

  • 肺血栓塞栓症

  • 急性増悪、感染症

  • ACS、大動脈解離



あたりが考えられます。急いで身体診察を行い、検査をオーダー…。


各々の疾患について、あるべき身体所見にはどのようなものがあるでしょうか。で、さしあたり、どの検査をオーダーすべきでしょうか。


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2016年02月04日

症例検討会BRONCHO6−4

長い前置き&寄り道がありましたが、ここからが本題。


そんな加療中の患者さん、ステロイド治療で軽快傾向にありました。ステロイドも漸減を始めていましたが、乾性咳嗽はずっと認めていました、鎮咳薬内服に対して本人の内服拒否強く、メジコンの内服で経過観察していましたが…。


第25病日未明、突然に全身倦怠感と呼吸困難を自覚しナースコールされました。


さて、何事が起こったのでしょうか。注意すべき病態、所見は何でしょうか。


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posted by 長尾大志 at 15:11 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2016年02月01日

症例検討会BRONCHO6−3

入院時の胸部X線写真はこんな感じです。所見はいかがでしょうか。


スライド10.JPG


両側にすりガラス〜浸潤影が見られ、肺の収縮をうかがわせる両側の横隔膜挙上と気管の弯曲が見られます。



もともと基礎にRA-IPがあり、入院時呼吸状態の増悪認めたということで、各種所見を勘案して間質性肺炎急性増悪の可能性をまず考えてステロイドパルス療法(mPSL 1g×3)を行いました。


さてここまで、前置きです(長かった…)。


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posted by 長尾大志 at 17:06 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2016年01月29日

症例検討会BRONCHO6−2

前回と同じような病歴だな、と思われるかもしれません。実際、基礎に呼吸器疾患がある症例の急な増悪、という意味で似た経過です。まあしばらくおつきあい下さい。


<入院時身体所見>
BT 38.1℃ BP 106/67 HR 122 SpO2 75(RA) RR 44
意識清明
結膜:眼球黄染なし、眼瞼貧血なし
肺音:両背側下肺野でfine crackles(+) coarse crackles(+++)
心音:整
腹部:平坦・軟、BS→
下腿:non pitting edema(+) 左<右


<入院時検査所見>
血液検査

HT (% ) 35.7 L
HB (g/dl ) 12.1
RBC 394万
WBC 20,700 H
PLTS 25.5万
TP (g/dl ) 7.6
ALB (g/dl ) 3.5 L
AST (U/l ) 20
ALT (U/l ) 16
LDH (U/l ) 288 H
ALP (U/l ) 153
G-GTP (U/l ) 48 H
CHE (U/l ) 225
T-BIL (mg/dl ) 1.12
NA (mmol/l) 129 L
CL (mmol/l) 95 L
K (mmol/l) 4.2
UN (mg/dl ) 20.2
CRE (mg/dl ) 1.22 H
eGFR ( ) 35.0
CA (mg/dl ) 8.8
P (mg/dl ) 3.2
CPK (U/l ) 60
CRP (mg/dl ) 7.75 HH


貧血なし、炎症反応上昇あり、肝機能障害なし、腎機能障害あり、でした。


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posted by 長尾大志 at 17:22 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2016年01月28日

症例検討会BRONCHO6−1

動画公開の件は見事に頓挫してしまいました。まあアンケートも、なかなか回答が頂けていないようですし、希望者も少ないということで…。ですので、そ−っと症例検討に戻りましょう。


症例 60歳代女性


<主訴>
発熱、食事摂取困難


<現病歴>
半年前に他院より紹介され、RA-IPとの診断でPSL15mg+CyA150mg内服で加療を行われていた。低酸素血症を認めたため、HOT導入を検討されていた。前日夜間より咳嗽と38℃の発熱を認め、次第に症状増悪し、食事摂取困難になったため、本日当科受診し、room airでSpO2 75%と低酸素血症認めたため即日入院となった。


<既往歴>
中学生時:虫垂炎→手術
20年前:右半月板損傷→手術(他病院)
5年前:左大腿骨頭置換術→手術(他病院)


<生活歴>
喫煙経験なし
飲酒経験なし


<家族歴>
父:胃癌
母:クモ膜下出血
兄:食道がん


<アレルギー>
特記事項なし


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posted by 長尾大志 at 17:00 | Comment(2) | 症例検討会BRONCHO

2016年01月15日

症例検討会BRONCHO4−8・振り返り

昨日の記事を読むと、本症例ではFeNOが半ば決め手となって、診断に至ったような印象ですが、実臨床の現場ではまだまだFeNOを測定出来ないことも多いと思います。その場合、どこまで診断を詰めることが出来たか、振り返ってみます。


指針を見るとFeNOが高ければ喘息として問題ないですが、そうでない場合の診断の決め手として、安定期の肺機能が正常(閉塞性障害なし)であればCOPDは否定的です。


本症例では安定期に閉塞性障害がありませんでしたので、喘息と診断して差し支えないと思いますが、そもそもの病歴で繰り返しのepisodeがありますから、「喘息の要素」はあり、少なくとも安定期の治療薬としてICS/LABAを使う、これは間違いないと思います。


それでプラスαの症状があればLAMAを加える、治療としてはそれでいいということになるわけです。


仮に肺機能で閉塞性障害があったりすると、COPDを除外は出来ません。喘息でも慢性喘息のような病態では、安定期でも咳や喘鳴、呼吸困難などが見られます。そのときに病名をどうするかは主観が入ってくると思いますが、ACOSといったり慢性喘息といったり、喘息とCOPDを併記したり、いろいろであるのが実際ではないでしょうか。


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posted by 長尾大志 at 18:19 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2016年01月14日

症例検討会BRONCHO4−7

そういうわけで本症例を指針に当てはめてみると、


  • 昨年夏にも夜間に咳がでるエピソードがあり、近医で薬の吸入を行っていた⇒繰り返すepisode≒変動性の可能性あり。

  • 20本✕50年以上の喫煙者であり、COPDの可能性もあり。

  • 安定期の肺機能とFeNOを測定しているかどうか、測定あれば参考になる。



これだけでも喘息の要素がありそうなので、ICS/LABAは使うかな、重喫煙者なので、ICS/LABAで症状が残ればLAMAも加えるかな、という感じですね。


安定期の肺機能検査は半年前に行われていました。

VC 3.1L %VC 95%
FEV1.0 2.42L %FEV1.0 103.1%
FEV1.0%-G 78.66%  


ということで、肺機能検査所見上閉塞性障害なく、COPDに該当しません。


2ヶ月前にはFeNOも測定されていて、51と高値、結果、純粋な気管支喘息、および喘息発作と診断しました。



なお、急性期の治療に関しては、喘息であってもCOPDであっても

吸入β2刺激薬
全身ステロイド

は必須で、加えて喀痰の膿性化や発熱など、感染兆候があれば抗菌薬を使用する、このあたりまでは共通でしょう。


本症例も来院時はCOPD増悪ないし喘息発作、として取り扱い、β2吸入とステロイド全身投与、酸素投与で対処し喘鳴、呼吸困難は改善傾向を示しました。明らかな感染徴候はなく、抗菌薬は投与しませんでしたが問題なく経過しました。


その後、以前の肺機能やFeNOといった情報が判明し、気管支喘息としてICS/LABA導入、その後は良好なコントロールを得ました。


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posted by 長尾大志 at 18:39 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2016年01月13日

症例検討会BRONCHO4−6

逆に、鑑別が必要なポイントのみを鑑別する、こういう観点で考えて下さい。詳しくは日経メディカルさんに連載させて頂いている記事をご覧頂きたいのですが、ミソは


  • 純粋な気管支喘息

  • 純粋なCOPD

  • ACOS



を原理主義的にキッチリ分ける必要はない(し、分けることは難しい)、ということです。要するに喘息とCOPDは症状も似ていて使用する薬剤も似ている。分ける必要がないところは無理に鑑別する必要もないのでは、と考えます。


とはいえ、


  • 気管支喘息

  • COPD

  • ACOS



の大まかなラベル付けはそれほど困難ではありません。喘息とCOPDを分けるべき大切なところはどこか、といいますと、


★ 喘息にはICSを使う


に尽きます。喘息であればICSを使うのは必須ですが、COPDでは必ずしもそうではない。研究によっては、「肺炎を増やす」というデータもあるわけで、無用のICSは使わない方がいいかもしれません(現段階でまだ結論は出ていないと思います)。


ですから、「ICSを使うべき疾患」としての『気管支喘息』という病名をつける、これには重要な意味があります。それではCOPDはどうか。


喘息に対するICS、のように、COPDに必ず使うべき薬剤、というものはありません。LAMAもLABAも、ガイドラインでは同列です。純粋なCOPDにたいしてICSを使わない方がいい、というエビデンスも、上に書いたように、キッチリとは定まっていないと思います(肺炎を繰り返している場合には避ける方がいいかもしれませんが)。


LAMA/LABAの合剤メーカーさんは、本当はそういうデータを出して合剤を売りたかったんでしょうが、今のところうまくいっていないようですね…。


なので、COPDに関しては、ガッチリと鑑別する、喘息を除外する、そこまでは必要ないかもしれません。



というわけで、いくつかの私的指針を書いておきますと、


  • とにかく大事なのは喘息の要素があるかないか。喘息の要素はこれまでにもさんざん書いてきましたが、症状の変動性(可逆性・繰り返し)です。COPDの要素があろうがなかろうが、変動性があればICSを使うべきです。

  • ヘビースモーカーの高齢者が咳・痰・労作時呼吸困難を訴えたら、COPDの存在が想定されます。ただ、慢性喘息でも症状は似ています。とはいえ、COPDでも慢性喘息でも、LAMAが有効であろうという点では同じことですから、ヘビースモーカーでそういう症状の症例には、LAMAを使うのがよいでしょう。

  • 安定期の肺機能で閉塞性障害が見られても、COPD、または慢性喘息としてLAMAを使うのがいいでしょう。

  • 逆に、喫煙歴のない症例をCOPDと診断するのはなし。日本では喫煙歴がなければCOPDは否定的です。

  • 変動性がある、喘息もCOPDもどちらの要素もある、となりましたら、ACOSという病名を暫定的につけておいてもよいでしょう。



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posted by 長尾大志 at 19:46 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2016年01月12日

症例検討会BRONCHO4−5

  • 気管支喘息

  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)



の鑑別ですね。結構尋ねられることも多いですし、実際私たちも迷うことが少なくありません。


最近では、ACOS(Asthma COPD overlap syndrome:エーコス)という言葉が使われることが多くなってきました。そもそも、喘息とCOPDは同じ閉塞性障害で、似たような症状を呈しますし、両疾患を合併している症例が少なからずあることもよく知られているのです。で、そういう合併した病態をこれまでは「asthmatic COPD」や、「オーバーラップ症候群」などと呼んでいましたが、これに正式名称として「ACOS」という疾患名が付いたわけです。


そういうわけで、鑑別としては


  • 純粋な気管支喘息

  • 純粋なCOPD

  • ACOS



を区別することになります。とはいえ、なかなか「喘息の要素がない、純粋なCOPDである」「COPDの要素がない、純粋な気管支喘息である」と言い切るのは困難なのです。


特に、非専門の先生方はそこまで鑑別して何の意味があんねん、と思われるかもしれません。ごもっともですね。そこで、発想の転換です。


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posted by 長尾大志 at 19:13 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2016年01月08日

症例検討会BRONCHO4−4

さて、それでは診断です。


急性の呼吸困難で、喘鳴もある。閉塞性換気障害がありそうです。そのような症状を来す疾患としては


  • 気管支喘息

  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)

  • 気管支拡張症

  • びまん性汎細気管支炎

  • 閉塞性細気管支炎

  • 肺結核・気管支結核

  • 肺癌による肺内の狭窄

  • うっ血性心不全



などを鑑別に挙げます。


身体所見や胸部X線写真で、wheezes以外に目立った異常所見がなかったところを見ると、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、肺結核・気管支結核、肺癌による肺内の狭窄、それにうっ血性心不全である可能性はずいぶん低くなります。これらは身体所見や胸部X線写真で多彩な所見が見られますからね。


そうすると残りは気管支喘息、COPD、閉塞性細気管支炎あたりで、これらは胸部X線写真でしっかりとした所見がないわけですが、閉塞性細気管支炎は前2者に比べるとずいぶん頻度が低く、しかもたいていは原因となるきっかけ(骨髄移植、肺移植、膠原病、ガス吸入など)があるので、この場合は大変考えにくい。


というわけで、いつもの顔ぶれ、


  • 気管支喘息

  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)



が残りました。この鑑別が今回のキモです。


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posted by 長尾大志 at 16:56 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2016年01月07日

症例検討会BRONCHO4−3

<入院時血液検査所見>
HT (% ) 39.5
HB (g/dl ) 13.2
RBC (1000000 ) 4.38
WBC (1000 ) 9.9 H
PLTS (1000 ) 206
MCV (μ3 ) 90
MCH (pg ) 30.1
MCHC (% ) 33.4
FIBG (mg/dl ) 400
PT-C (秒 ) 11.2
PT-P (秒 ) 11.3
APTTC (秒 ) 29.0
APTTP (秒 ) 24.2 L
PT-ACT (% ) 99
Dダイマ- (μg/ml ) 0.5
PT-INR ( ) 1.01
TP (g/dl ) 7.8
ALB (g/dl ) 4.3
AST (U/l ) 24
ALT (U/l ) 14
LDH (U/l ) 210
ALP (U/l ) 240
G-GTP (U/l ) 28
CHE (U/l ) 313
LAP (U/l ) 49
T-BIL (mg/dl ) 0.53
NA (mmol/l) 138
CL (mmol/l) 104
K (mmol/l) 4.4
UN (mg/dl ) 11.2
CRE (mg/dl ) 0.75
eGFR ( ) 77.6
CA (mg/dl ) 8.8
P (mg/dl ) 3.6
T-CHO (mg/dl ) 190
TG (mg/dl ) 63
AMY (U/l ) 64
CPK (U/l ) 111
CRP (mg/dl ) 2.94 H
ヨウケツ ( ) (-)
ニユウビ ( ) (-)
BNP ( ) 40.38 H
トロポニンI (ng/ml ) 0.03
MYO (ng/ml ) 76.7 H
CK−MB (ng/ml ) 1.10
GLU (mg/dl ) 127 H


<血ガス>
救急 動脈ガス
pH 7.365 pO2 186 pCO2 42.4 HCO3 23.7 Lac 6


<心電図>
HR 113 bpm sinus rhythm 整


<胸部ポータブルXP>

救急受診時XP.jpg


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posted by 長尾大志 at 16:34 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2016年01月06日

症例検討会BRONCHO4−2

病歴でもっと知りたい情報…やはり同様のepisodeが繰り返していたかどうかは知りたいですね。


⇒昨年夏にも夜間に咳がでるエピソードがあり、近医で薬の吸入を行っていたとのことです。


<入院時身体所見>

BP 210/111 HR117 RR 36 SpO2 98%(マスク 9L) BT 38.2℃
意識清明、全身発汗著明

眼球結膜:黄染なし
眼瞼結膜:貧血なし
咽頭:扁桃の発赤認めず
頸部:甲状腺腫大なし、リンパ節触知せず、頸静脈怒張(-)
肺:全域でwheezes(+)
心:整、雑音なし S1→S2→S3(-)S4(-)
腹部:平坦、軟、圧痛なし
四肢:浮腫なし。ばち指なし


頻呼吸でwheezesあり、というところが目立つ所見です。


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posted by 長尾大志 at 17:33 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2016年01月05日

症例検討会BRONCHO4−1

症例 70歳代男性


<主訴>
咳嗽 呼吸困難


<現病歴>
3日前の昼頃より38℃台の発熱があり、前日より咽頭痛、咳嗽が出現、倦怠感も出てきていたため横になっていた。前日夕方より呼吸困難感が徐々に増悪し、本日朝5時頃から呼吸困難感増悪のため当院救急受診となった。


<既往歴>
高血圧、尿路結石。
副鼻腔炎や鼻茸はなし
NSAIDsでの喘息誘発なし


<生活歴>
喫煙:20本/day 20歳〜 current
飲酒:ビール350ml/day
職務:デスクワーク
アスベスト/粉塵暴露歴:なし


<アレルギー>
薬剤、食物アレルギーなし


もっと知りたい情報はありますか?


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posted by 長尾大志 at 17:47 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2015年12月31日

症例検討会BRONCHO3−3

スライド5.JPG


胸部X線写真:左肺完全虚脱


左自然気胸でした。割と典型的な症例でした。


発症が1週間前出会ったことを裏付ける要素として、そこそこ胸水がありますね。


それでは、皆さまよいお年を。

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posted by 長尾大志 at 14:30 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2015年12月30日

症例検討会BRONCHO3−2

もっと尋ねたい情報は…そうですね。痛みの性状、場所や増悪因子などでしょう。


痛みの場所はどちらかというと左胸部全体的で、吸気時に増悪したようです。


そうすると診察をしたいですね。


SpO2 93%(室内気)

打診:左に鼓音
聴診:左肺呼吸音聴取不可


…てことは、もうおわかりでしょう。

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posted by 長尾大志 at 22:22 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2015年12月29日

症例検討会BRONCHO3−1

世間は年末年始ですね。
少し軽めの症例をご紹介。


40歳代女性


1週間前に左胸痛、呼吸困難出現。近医を同日受診。逆流性食道炎として投薬を受けた。その際、レントゲンなどは撮影されていない。


その後、胸痛は治まっているが呼吸困難は持続していた。本日外斜視手術目的で当院眼科紹介受診した際に呼吸困難を訴え、当科コンサルトとなる。


既往歴:帝王切開歴(3回)
閉経:2年前
喫煙:never smoker
アレルギー歴:刺身などの生もので皮疹が出ることがある


もっと尋ねたい情報はあるでしょうか。


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posted by 長尾大志 at 19:37 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO