昨日はあえて選択肢を書きませんでしたが、おわかりでしたでしょうか。
胸部X線写真では一見異常所見がわかりにくいと思いますが、cracklesを聴取したのと同じ左下肺野をよ〜く見てみると…濃度上昇が見られますね。

下行大動脈のシルエットサイン陽性であり、下葉の濃度上昇があるとわかります。CTを見ますと…

確かに左下葉、下行大動脈に接してコンソリデーションが見られます。
血液検査データを見てみると、目立つのが
WBC 17.4 H
CRP 26.26 HH
プロカルシトニン3.87 H
PLTS 138 L
FIBG 815 H
Dダイマ- 1.5 H
LDH 263 H
UN 31.4 H
CRE 1.27 H
NA 129 L
CL 95 L
P 2.1 L
CPK 2096 HH
GLU 512 HH
といったところですね。炎症反応が強く、フィブリノゲンやLDHの増加は炎症反応と臓器障害を想起しますし、高血糖は糖尿病症例のシックデイであまり特異的ではありませんが、低Na、低P、高CPK、これはいかがでしょうか。ここに先の『違和感』を解くカギがあるのではないでしょうか。
その他の検査結果を見てみましょう。
【静脈血ガス】
pH7.417 PvO2 26.9, PvCO2:43.2, BE2.8, HCO3 27.3, Na128, K4.8, Cl97, AG9.0, 282.6Osm, Glu473, Lac 23
【尿検査】
WBC-, 蛋白2+, pH6.0、潜血3+、比重1.010、ケトン1+、糖5+
肺炎球菌抗原(-)
レジオネラ抗原(+)
【腹部エコー】
腎盂拡大なし、尿閉なし、IVC 4/16mm
【ECG】
HR 77bpm、V1でrsR'、V1-3で陰性T波→右脚ブロック
Q:診断は何でしょうか?治療はどうしましょうか?
症例検討会BRONCHO
posted by 長尾大志 at 13:47
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