2016年08月08日

呼吸器内科説明会で言い足りなかったこと

先週、呼吸器内科説明会、というものをやったのですが、予想外に多くの人が出席されていたので、却ってあせってしまい、言いたいことがあまり言えませんでした。


そもそも説明会のテーマとして考えていたのは、以下のようなことです。


  • 「これから」を生き抜くために必要なスキルとは

  • 「資格を持つ」「技術を身につける」ことは将来の安定につながるのか?

  • 呼吸器内科が目指している「臨床力の高いドクター」とは

  • 滋賀医大呼吸器内科医局に入局したドクターはこうなっていく



当院呼吸器内科で私が若い人に期待していることとして、手に技術をつける、ということよりも、確かな臨床的考え方、技量を身につける、というところがあるのですね。


例えばある手技が出来るようになる、これは外から見たときにとっても「わかりやすい」成長です。ですから、学生さんとか若い人はそういうものを求める人が本当に多い。


「専門医」だってそう。新専門医制度の話題が関係者の耳目を集めていますが、「専門医」をとる、それが至上命題と考える人が多いようなのです。それだってわかりやすい「身につけた属性」=自分のためになるもの、という考え方ですよね。


で、そういうことを志向する人ばかりになると、「技術の習得」「試験勉強」「学会出席点」のようなことに意識が向いてしまい、一見地味な「臨床的考え方とか技量」というものに対する志向がなくなってしまう。それでじっくり考える、とか、じっくり勉強する、とかいう姿勢が失われてきているのではないか、と危惧するのです。


そうなると地域における臨床力が低下するのではないか、と。若い人を見ていて、短絡思考が多いのはやはり気になるところです。


熱がある⇒抗菌薬、肺に陰影⇒肺炎、咳⇒咳止め、下痢⇒下痢止め…


そうではなく、一歩踏みとどまっていちいち考える、これは習慣化しているかどうかの問題ですから、大人(上級医)が意識させなくてはなりません。


患者さんの訴え、患者さんから得られる情報を、「面倒だ」と片付けるのではなく、きちんと向き合い、アセスメントが出来る、これからの時代、求められているのはそういう医師なのです。これはつまり、昨今話題の「ジェネラルマインドを持った専門医」ということになります。こういう習慣は初期〜後期研修で身につけないと、なかなか大人になってからは難しいようです。


10年先のことを予測するのは、正直なところ極めて難しいと思いますが、IT、AI、技術革新が進み、「技術を身につけている」ことの価値が相対的に低下することが予想されます。資格を持っていても、評判が悪いとすぐに広まってしまいます…。


こんな話をしようかと思っていたのですが、話そびれましたのでこちらで残しておこうと思います。

トップページへ

2016年06月17日

後期研修医募集要項

時々お問い合わせを受けますので、滋賀医科大学呼吸器内科における後期研修の実際、について説明をしておきましょう。


皆さんご関心のある、「専門医制度」「カリキュラム」については、まだ公開出来ません(かつ本質とは異なる)のでここでは紹介いたしませんが、基本コンセプトは「正しく理論立てて疾患の診断・評価・治療を進めることが出来る」医師を育てる、というところにあります。


もちろん、「患者さんの生活面を含めた全人的トータルケアが出来る」ことも重要ですし、「多職種と連携出来るコミュニケーション能力」も大切。いろいろ言い出せばきりがないわけですが、あえて一つウチの売りを挙げてみると、バラエティに富んだ指導医の存在があるのですね。


現在3年目で入局されたH山先生の様子をご覧頂くのが、一番後期研修について知って頂くことになると思いますので少しご紹介しますと…といっても、ガッチリ定まったカリキュラムがあってその通りに進んでいる、というわけではありません。


ウチのシステムでは、入院症例の担当は現在基本、初期研修医⇒指導医、または初期研修医⇒後期研修医⇒指導医、の組み合わせという感じですが、この組み合わせは固定したものではなく、多くの指導医と組むことで、いろいろな考え方を身につけることが出来るのです。


というのも、もちろん疾患の診かた、治療の考え方というのは、ガイドラインであったり治療指針であったり、世界共通、全国共通のものがある程度あるわけですが、あらゆることが決まり切っているわけではなくて、医師の裁量、考え方で自由に決めてよい部分、というものがあるわけです。


そこが医師の「味」になったり、個性になるわけですが、逆にそこの部分でずいぶん「ん?」と思うこともあって、そういうドクターは結構我流でクセが付いてしまっていたりするのです。私から見て「クセがあるな〜」「ちょっとアレだな〜」と思う人は、初期〜数年間であまり「上の先生」とご一緒されていなかった、ということが多いように見受けるのです。


ってことで、卒後数年以内の感受性の豊かな時期には、出来るだけ多様な「上の先生」の考え方をなぞる機会があった方がいいと思い、この形で入院患者さんの担当をしてもらっています。

トップページへ

2016年04月30日

患者さんに教えられる学び

カイゼン事項その2は、部外の方にはちょっとイメージしにくいかもしれませんが、これまでは例えば、何かテーマを与えて、それについて調べて改めて別の日にプレゼン、という感じでした。それを、自分で調べてきたことをプレゼンすると共に、患者さんのカルテに反映させる、という形式に変えました(やっぱりわかりにくいですね…)。


ともかく、折角調べてきたことをそのままにするよりも、患者さんの診療にどう活かしていくのか、そういうことを意識してもらおう、ということで変えてみたのですが、これも結構臨床の現場に学んだことをどうフィードバックしていくかのシミュレーションになるようでよかったです。



今回はそれとは別に、担癌患者さんの心情、思いから気づいたこと、をまとめてもらったりもしました。学生さんの、担癌患者さん、特に根治が見込めない症例に対するイメージって、結構ネガティブなものが多いイメージなのですが、適切な介入によって患者さん、および患者さんの周囲の方々がポジティブに変わることはよく経験されます。


今回の受け持ち患者さんが、まさに癌告知を契機に、周りの方との人間関係が好転した、そういうお話を聴かせて頂いて、なかなか書籍では学べない、臨床のやりがいや面白さに気づかれたようでした。S田さん、よく学ばれましたね。ぜひ今後に活かして下さい。

トップページへ

2016年04月29日

学生実習スタイルのカイゼン

この4月から、またまた学生実習のスタイルを変えました。


これまでに2つの班が回ってきましたが、各々、かなり学びが深まっていたようで、こちらとしてもけっこうな手応えを感じております。まあ、元々の資質もあったのかもしれませんが…。


具体的なカイゼン事項として、


  • 胸部X線写真読影道場のスタート

  • より患者さんのカルテ記載と融合した形のプレゼン発表



  • があります。たった2つ?と思われるかもしれませんが、自分としては結構時間も取るし、しんどいものです。学びの質もずいぶん上がった印象です。


    前者、胸部X線写真読影道場については、学生のみならず研修医の皆さんにも、できる限りたくさんのX線写真を見てほしい、そして出来るだけハイレベルな読影のスキルを盗んでほしい、という思いから開設しました。


    結構参加者が多くなったので、本当に意味で参加出来ている人といない人が別れるのではないか、と当初危惧していましたが、1人1所見というシステムによって、皆がともかくその写真をきちんと考える機会が出来たのが自讃ポイントです。


    それとこれまでにやっていたフィルム供覧、『やさしイイ胸部画像教室』貸与を組み合わせることによって、学生さんの読影スキルが1週目と2週目で劇的に変化するのを目の当たりにしました。研修医の先生方も然りです。もうこれはやめられませんなあ…。


    ということで、5月の亀井道場、6月の第7回大阪どまんなか、7月の第2回みやこ呼吸器カンファレンスでは、いずれも「出張胸部X線写真読影道場」形式で、参加者の方の読影力をぐぐっと上げられるような体験をして頂こうと思います。参加される方はお楽しみに。

    トップページへ

    2016年04月03日

    新年度が始まります。研修、臨床実習プログラムについて振り返り

    週明けからいよいよ新年度。当教室も新しい仲間を迎え、学生さんや研修医の学年も新たにスタートします。


    新年度の始まりに、改めて、当教室での、特に私の指導方針、指導のやり方について説明しておきましょう。というか、この1年で、かなり自分流の実習、指導のやり方が固まってきましたので、一度まとめておこうかな、と思いました。



    元々、当教室のやり方として「一度自主的に(問題が起きない程度に)やってみさせて、より高いレベルに導くように軌道修正する」という方針でやっていました。


    私が研修医の先生方を指導する機会は朝のカンファレンスなどが中心ですが、そこでは「より高いレベルでの病歴聴取」をするための病歴聴取のコツ、「より高いレベルでの身体診察のコツ」、「より高い画像診断のための、『目の付け所』」を、先生のレベルに合わせて伝授します。


    特に「診断能力」を高めるために、未診断症例については診断手順に必要な、かなりいろいろな情報収集を要求します。正しい思考には正しい判断材料がなくてはなりません。私がいろいろ言うことは、かなり高水準のことも多いので、「言われた」こと自体にはなんの問題もありません。より高いレベルに行くための道標である、と思って頂ければ。


    これは研修医の先生によって、1ヶ月間という短い期間でもぐんぐん吸収しどんどん伸びる人もいれば、全く聞く耳を持たず全く成長の跡が見られない人もいます。後者が多い場合かなり心が折れそうになりますので、「聞く耳を持たれていないな」と判断した後はその方には何も言わなくなります。その方も「言われなくてラッキー」ぐらいにしか思っておられないようなので、まあwin-win、といえばそうなのかもしれません。



    そして学生さんですが、臨床実習において、今意識しているのは「質の高い考え方を養う」ということ。


    当科の臨床実習は循環器内科と併せて2週間(それでいて○○科が2週間だったりする)、という非常識的なスケジュールなので、できるだけ時間をうまく使うために、知識の伝達は自学自習に任せ、症例、患者さんの抱えている問題に焦点を合わせて、学生さんの力量に合わせた、そして自主性を尊重した課題を与えるようにしています。


    たぶん、よそではなかなか体験することのできないプログラムではないか、と自画自賛しています。この形になったのはここ2年ほどですが、それまでに比べ、明らかに学生さんの、実習中のモチベーションは高まっていると感じています。が、まあそれでも、まだポカーン、何聞かれてる???みたいな学生さんもいたりしますが、そういう方は減っている、と感じています。100%の学生さんに高いモチベーション、というのが理想ですが、なかなか道遠し…。


    実は、これらの指導は教育効果そのものも工夫しておりますが、裏のプログラムとして、その指導に対してどういう反応をするかで、大体その学生さん、研修医の資質がわかるというしくみになっていたりします。


    こちらの意図する、あるいは意図を越えた反応をしてくださる人は、その後数年間(最長10年)のフォローにおいて、卓越した伸びを見せてくださることが多い(ただし、エビデンスにはなっておりません…(・ε・)ムー)。




    今年度は、さらに指導機会を増やすべく、夕方の診察ーX線カンファレンスを新たに設けます。こちらで実践〜理論のサイクルを回し、基礎的な「診療技能」を高めていけるよう、こちらも勉強して工夫をしていきたいです。


    残念なことは、かなり質の高いことをやっているつもりではあるものの、それがoutcomeとしてわかりづらい、ということ。ある人の考え方の質が高まったことを、外から測る手段がなかなか見当たらないのですね。客観的に測れないと、自分がやっていることの妥当性もわからない。只の自己満足ではないか、という不安もあるわけです。このあたりに一層の改善・工夫の余地があるでしょう。

    トップページへ

    2015年10月31日

    カン違いとスレ違い

    日々若い人の指導、というか、若い人にゴチャゴチャ言っていると、ジェネレーションギャップに戸惑いを覚えることがしばしばあります。でも、自分の研修医時代を思い出してみると、よく似ているな〜と思うところもたくさんあるものです。


    その最たるものは、「自分を良く見せたい」「カッコ悪いところを同僚や上級医に見せたくない」という思いです。やはりカッコ悪いところは見せたくないし、「こいつ馬鹿だな」と思われたくない。それは当たり前のことなのです。私は、2年目の途中ぐらいまで(今も!?)この傾向が強く、できるだけその場を取り繕うような言動が多かったように思います。


    今思うと、それってもったいなかったな〜と思うのですね。だって、上級医にしてみれば「こいつわかっていない=教えなきゃならない」なのですから。てことは、「これを知らない、これも知らない」というアピールは、教えてもらう機会を増やすことになるわけです。


    私は2年目の途中ぐらいになって、ある程度自分のスキルに自信がついてくると、不思議なもので「知らない」ことをアピールすることが苦痛でなくなってきました。逆に、自分に自信がない人ほど、自分を守ろうとして「知ってますよ」アピールをするのでしょう。


    知らないアピールをするようになると、おもしろいものでどんどん教えていただけるのです。おかげで、3年目ぐらいまで、ほとんど耳学問で内科全般のスキルを身につけることができました。本を読まなくても、毎日のように各分野の上級医に教えを乞い、ノート、メモが増えていきました。


    やはりエキスパートに直接聞く、ってのが一番効率よく知識を蒐集できます。もちろんじっくり文献に当たる習慣、文献を正しく読むスキルも大切なのですが、「若いうちは現場で学ぶのが一番」ではないか、文献は大人になってからでもいいのではないか、そんな風に思いました。ただ私のように、本や論文を読まないまま年をとってしまうのもどうかと思いますが…。


    もちろん上級医によっては、「教えなきゃならない=ウザい」となる人もいたりするのかもしれませんが…少なくとも今の滋賀医大には、そういう上級医はあまり見受けません。いてもすぐにわかります。こちらとしては、「知らないことを教えてあげたい」と手ぐすねを引いて待っているのに、カン違い?して「知ってますよ」アピールをされると、やっぱり冷めてしまいます。


    上級医として、研修医、学生の皆さんにもっておいてほしいのは、知識ではありません。学ぼうという熱意です。そこのカン違いが多くて、こちらの熱意とスレ違いになっている、そこが残念なところです。


    あ…ひょっとして、「こんなエキスパート気取りの勘違い野郎に教わりたくない」そういう意思表示だったりするのでしょうか…(汗)。

    トップページへ

    2015年10月12日

    呼吸器内科の魅力再考

    ここ最近進路相談を受けたり、見学にこられた方とお話ししたりしていて、呼吸器内科の魅力について考える機会がありました。


    呼吸器疾患の興味深いところは、同じような症候でも病態の異なる疾患があるので、診断の奥深さ、これは間違いありません。そして身体診察と画像が密接に結びついていて、「自分、ちゃんとできている」ことが確認できる、これもやりがいのあるところです。詳しくは→呼吸器内科 ただいま診断中!を参照(笑)。


    ジャンル的にも、感染症、アレルギー、悪性腫瘍、免疫・膠原病・血管炎に、循環障害、変性疾患といった、内科的疾患のほとんどのジャンルが肺では発生します。従って取り扱う薬剤も、抗菌薬、抗アレルギー薬、ステロイド、免疫抑制薬、血管拡張薬に抗癌剤、鎮痛薬と、ありとあらゆる薬剤を使います。


    さらに吸入物質による疾患や換気障害など、呼吸器ならではの疾患も多くて、知的好奇心が刺激されます。生活上「何を吸っていたか」を聴取する、ということは、患者さんの生活を深く知ること。ナチュラルに生活歴に深く踏み込むことができます。


    胸部画像が読めるようになると「できるドクター」感が高まりますし、グラム染色や病理組織が読めるようになると、さらにできる感が増しますよね。いや、別にできなくても問題ないので、苦手な方でも安心していただきたいのですが、この「できる感」、ある程度のキャリアを経てくると、やりがいにつながるんです。


    感冒、喘息、COPD、肺炎を代表とするプライマリ・ケアから慢性呼吸器疾患、膠原病を背景に持つ感染症、免疫疾患のステロイド管理に免疫抑制薬、山ほど患者さんがおられる肺癌における緩和ケアまで、つまり急性期から終末期まで、人生のいろいろな場面を診ることにもなります。


    以前から書いていますが、呼吸器内科は「大人の小児科」。臓器としては肺を診ますが、各系統の薬を使って全身、人生に深く関わるところがやりがいではないか、という点で意見が一致しました。

    トップページへ

    2015年06月21日

    がんと仲間・生きがい

    今朝の京都新聞に、さわやか福祉財団会長の堀田力さんの寄稿がありました。終末期医療を考える上で示唆に富む内容であったのでシェアしたいと思います。


    がんの告知を受けた人が、一時大変落ち込みながら、以前やっていたギターに取り組まれるようになって、先の見えない暗さから救われたと言います。がんにとりつかれた人にも、当然生きがいは必要だといいます。


    精神的打撃から生きがいを見つけて立ち直るのをPTG(トラウマ後の成長)といいますが、人がうちひしがれている時には仲間が話を聞くことが大事で、その後仲間との絆の中で自分の能力を活かすことが生きがいである、仲間は大切だ、という主旨のお話でした。



    これを読んで思ったことは、仲間のみならず、まずは家族との関わりの中で打撃が緩衝され、絆を感じることが出来るのではないか、ということ。


    それから家族や仲間の存在がない患者さんにとっては、しばしばそういった「周りの人による支え」が不足しがちであり、投げやりになったり治療意欲がそがれたりすることも経験され、身近な存在としての医療者の果たすべき役割があるのではないか、とも思いました。


    がん患者のみならず要介護者も障がい者も認知症患者も、生きがいが必要である。と書いてもおられましたが、実はわれわれすべて、人間として生きるものは皆、生きがいが必要であります。ことさら、がん患者さんなどだけではありません。


    でもどうでしょう。自分は健常者だと思っている私たちは、生きがいを持って日々全力で生きているでしょうか。


    自分が生きがいを持たないものが、「生きがいを持ちましょう」と言って、説得力はあるでしょうか。




    人生最高の幸福は富でも名誉でもありません。
    自分のしたいことを見つけ、取り組むことです。
    人はそれを「生きがい」と呼んでいます。(ジョセフ・マーフィー)


    本当に幸福になれる者は、人に奉仕する道を捜し求め、
    ついにそれを見出したものである。これが私の確信である。(シュバイツァー)




    自分たちが「生きがい」を持って、全力で日々を過ごすこと。まずはここから始めなければいけないのではないでしょうか。「生きがい」「未来の希望」が持てない社会、といわれたりしていますが、皆が生きがいを持てない社会なら、どうしてがん患者さんに生きがいを持ってもらうことが出来るでしょうか。まずは自分たちから始めたいものです。

    トップページへ

    2014年08月02日

    活動報告・ポリクリ学生さんとの対話「呼吸器内科の魅力」

    8月に入りまして、ようやっと6回生アドバンス、ならびに5回生ポリクリが終了しました。これでようやく大学も夏休みモードになります。例年この時期は体力の限界に挑戦、という感じになり、終わると抜け殻のようになってしまいますね。


    これも例年なんですが、終わりの頃に「どうして呼吸器内科を進路に選んだか」という議題で学生さんたちとディスカッションをしました。


    いつも尋ねられると改めて考えるのですが、やはり臨床をやっていて面白そう、というのが一番であったと思います。5回生の時に沖縄県立中部病院に見学に行ったのですが、その時に拝見した宮城先生の教育的回診はやはりすごかった(その時は本来産婦人科を見学に行ってたのですが…)。


    出身の大学では研究を主体にしている医局が多かったのに対し、呼吸器内科は「臨床何でも知ってるよ!何でもやるよ!」みたいな先生方が多かったことも、呼吸器を決めるきっかけになりました。


    実際、呼吸器の先生方は全国どこでも臨床が大好きな先生が多く、呼吸器を選べばどの施設でも、臨床上手な先生に教えてもらえるのはほぼ間違いないと言っていいのではないでしょうか。


    昨今では家庭医、総合診療医が脚光を浴びていますが、あくまで専門性のバックボーンがあった上で総合診療もやる、研究なんかもやってみたい、ということを考えますと、総合診療のできる専門医、というのが魅力的に映ったのです。


    そして地域診療をやる上で必要な、コモンディジーズの知識、感染症の知識などを勉強する上でも、呼吸器での研修は役に立つでしょう。

    トップページへ

    2014年04月01日

    4月1日、新人の皆さんへ

    毎年恒例となりましたが、4月1日には新人の皆さんに何かお役に立ちそうなことを偉そうに申し上げることにしております。昨年の記事なぞどなたも覚えておられないだろう、ということで、一部昨年の引用です。(; ̄ェ ̄)


    上級医に言われた台詞(セリフ)
    研修医になってすぐに上級医から言われた台詞の数々。やはり刷り込みと言いますか、いまだに頭にこびりついています。


    30の法則
    内科医が行う手技はおしなべて単純作業(言い過ぎか!?)なので、単純に練習量がものを言います。「下手なのは練習が足りないから」「上手な人はたくさん練習したから」「上手になりたきゃ、練習するのみ」このシンプルな原則を頭にたたき込んでおきましょう。


    処置中に、絶対にやってはいけないこと
    患者さんは時に目隠しまでされていて、耳に神経を集中しておられますから不安を引き起こすような言動は厳に慎みましょう。


    自分で動かないと、成長しない
    物事を学ぶ過程における「スランプ」
    上にも書きましたが、成長するためには練習をしなくてはなりません。自らが動く。患者さんのところに行ってお話を聴く。診察をする。わからないことは上級医に聞く。これの繰り返し以外に医師としての成長を約束してくれるものはないでしょう。


    しかしながら、やってもやっても、全然成長の実感が得られないこともあるのです。いわゆる「スランプ」というやつ。ほとんどの研修医諸君は、これから何度となく「スランプ」を感じることでしょう。それは当たり前、というか、むしろスランプを感じないことには成長しない、と思っておきましょう。


    自分のあるべき姿(出来る自分←上級医などを見ていて、「これぐらいは」と自分に重ねて、イメージができてくる)と現実(出来ていない自分)との間にギャップがある。そのギャップを感じれば感じるほど、それを埋めるべく努力を重ねることになり、成長するわけです。


    若い人を見ていて危惧するのは、そのギャップを自覚する、居心地の悪い状態に我慢できない人が増えているのではないか、ということ。できない自分を受け入れることが困難であると、その場その場で「誤魔化す」ことになれてしまい、成長がストップします。


    上級医に対して「それは知ってます」「大丈夫です」というのも同じ。忙しそうな上級医に対する気遣いなのかもしれませんが…尋ねまくることができる、というのも一つの能力。ここは遠慮なく尋ねまくって頂きたいと思います。

    トップページへ

    2013年03月31日

    働き始める皆さんへ。

    明日から仕事始め、という方も多いでしょう。

    毎年恒例となりつつありますが、やはり今年も、フレッシュマンの方々にメッセージを、と思います。とはいえ、結構これまでにも、いろいろといいことをこのブログに書いているので、今日は、イイことを書いてる過去記事を、またまたピックアップしましょう(手抜きともいいますが…汗)。昨年とは異なり、ちゃんと各記事を解説しておきます。


    上級医に言われた台詞(セリフ)
    この頃は、毎日更新ではなく、ですます調でもありませんでした。ブログ黎明期に書いた記事ですが、それだけ言いたいことがつまってるって感じです。時代を超えた名言ですね。


    30の法則
    これも真なり。突き詰めて言うと、結局は単純作業(言い過ぎか!?)なので練習量がものを言います。


    処置中に、絶対にやってはいけないこと
    4月から、病棟でたびたび言うことになるんでしょうね。「声を出さないこと!」
    患者さんは耳に神経集中しておられますから不安を引き起こすような言動は厳に慎みましょう。


    先輩の言葉、患者さんに説明するときの心得1
    相手の理解をいちいち確認しながら話す。コミュニケーションの基本でありますが、なかなかできていません。私も学生さんに話してること、確認しなくては。


    自分で動かないと、成長しない
    結局は自分が動くのみ。制度や上級医が成長させてくれるものではなく、自分で成長していくものです。


    物事を学ぶ過程における「スランプ」
    ほとんどの研修医諸君は、これから何度となく「スランプ」を感じることでしょう。それは当たり前、というか、むしろスランプを感じないことには成長しない、と思っておきましょう。


    自分のあるべき姿(出来る自分)と現実とのギャップ(出来ない自分)を埋めるべく努力を重ねる。そのギャップを感じるほど成長するわけです。


    研修医諸君には、是非肝に銘じておいてほしい。

    「No flower without rain」。

    トップページへ

    2013年03月24日

    新たな場所への旅立ち

    異動のシーズン、お引っ越しもピーク時のようですね。


    今年卒業で働き始めるよ、という方々も、異動で新しい施設に行くよ、という方々も、期待と不安と緊張とがごっちゃになっておられることでしょう。


    ウチからも2名新天地にお送り出しているので、今回は特にドクターが(だけじゃないけど)異動するにあたって贈る言葉を。


    やはりなんだかんだいっても、これまでにやっていた「やり方」というものが身についているはずなんです。で、そのやり方には、汎用性のある「どこでも共通に行われるもの=generalルール」と、その施設でしか通用しない「localルール」がごっちゃになっているはずなのです。


    これまでに一度でも「異動」したことがある方ならおわかりでしょうが、この「localルール」がlocalであることが認識できていないと、周囲のコメディカルの方々との軋轢が生じます。


    「あの先生、やり方が変」「なんかおかしなこと言ってる」と、医学的に間違ったことをしているわけでは決してないのに、こそこそ陰口を言われたりして。


    まあ、ある程度研修医とかがくるくる回ってくる施設であれば、受け入れる方にも耐性があると期待したいところですが…。


    対策としては、とにかく聞くこと。「こちらではどのようにやってますか」「こちらの先生はどうやって指示を出されてますか」みたいに、周りの方にまずは聞く。聞くことでコミュニケーションが取れ、こちらのキャラ、やり方に慣れていただける効果もあります。


    また、特に対策せず、なんといわれようが気にせず、我が道を行く、という方向性もあるでしょう。多少やり方が違っても、何ヶ月か経過してしまえば、いつの間にかお互い慣れるもの。「患者さんのため」というスタンスさえ間違っていなければ、多少の軋轢何のその。


    というわけで、慣れてしまえばどうってことないのですが、慣れるまではいろいろ不安もあると思います。不安はとにかく周りとコミュニケーションをとることで解消しましょう。

    トップページへ

    2012年10月01日

    反る・剃る・ソル…反る子、剃る目処?

    ウチの1歳の娘は、最近かなり我が強く、気に入らないことがあると後ろにぐいーんと反って怒りを表しますが、その話ではありません。


    喘息で入院した患者さんがいまして、主治医はソル・コーテフ200mg×2回/日を開始。

    別の日には薬剤性肺障害の方に、ソル・メルコート200mg/日を投与されました。


    ここで研修医の先生は混乱します。ソル・コーテフ(そるこー)とソル・メドロール(そるめど)。同じソルで同じような量使ってるけど、使い分けはどうするの?どうして違うの?とご質問がありました。


    特に最近では、後発品花盛りでもあり、ウチでもソル・メドロールはソル・メルコートという商品に変わっています。だもんで余計ややこしいですね。


    それはさておき、ソル・コーテフとソル・メドロールの最も大きな違いは何か。それは、プレドニン換算の力価(まあ、パワーみたいなもんです)であります。


    ソル・コーテフはプレドニンの1/4のパワー、ソル・メドロールはプレドニンの5/4のパワーなんですね。


    つまり、ソル・コーテフ100mgはプレドニン25mgと同等ですが、ソル・メドロール100mgはなんとプレドニン125mgと同等のパワーになるのです。


    喘息患者さんに使ったソル・コーテフ200mgはプレドニン50mgに相当しますが、薬剤性肺障害へのソル・メルコート200mgはプレドニン250mgに相当します。


    (実際ソル・メルコートは250mgバイアル製剤があるため、200mg使われることは少ないですが、わかりやすくするために量をあわせました。)



    研修医の先生は何となく、「同じ様な量使ってるなー」と思われたようですが、実は全く異なる量を使っていたのですね。これは意識しておかないと、思わぬ事故の元。また一度ステロイドの使い方はまとめたいなと思っていますが、取り急ぎ、注意喚起しておきます。


    ステロイド製剤を使うときは、処方した薬がプレドニン換算で何mgに相当するかを意識しましょう

    トップページへ

    2012年09月23日

    ブランク考4・学位考

    ブランクと言えば私が研修医〜大学院の頃は、学位(博士号)と留学がセットというか、
    まあ何となくみんな、学位取って、お礼奉公?して、それから留学、みたいな流れがあったわけで。


    学位取って留学するのが当たり前、それで一人前、みたいな雰囲気があったりしました。(特殊だったのでしょうか?)せっかく臨床にブランクをあけて学位を取り、留学をして、得られるモノは何でしょうか。


    当時は(今も?)、「学位は足の裏についたご飯粒に似たり」という言い伝えがありまして。

    その心は、「取らないと気になるけど、取っても食えない」。


    学位を取っても、給料に反映されない現実を揶揄したものでした。


    確かに、取らないと気になるかもしれません。
    特に、大学の医局に属していると、みんな取ってるし。


    じゃあ、具体的に何の役に立つのか。考えれば考えるほど、よくわかりません。
    私個人的には、特に役に立った実感はありませんし、
    個人的に見聞したケースで実際問題学位が必要な場面を思い出してみますと…。


    たとえば大学で偉い肩書きをもらいたい(といっても講師以上か?)、とか、
    どこかの院長になりたい、とか言い始めると、どうも学位が必要なようで。


    そこから考えると、学位を持っているということは、勉強が好きな人である、偉くなりたい人である、ということがわかってもらえる、という意味があるのかもしれません。



    「医学博士」が名乗れるというのは、メリットといえるでしょうか。名刺には印刷できるんで。
    学位がなければ、名刺の肩書きはただの「医師」。


    それとて、どこの大学で取っても「医学博士」は医学博士で。
    今や京大で学位を取ろうとすれば、英文査読誌でそれなりのものに載せる必要がある。
    方や、○○大学では、日本語の症例報告でも取れる、どちらも同じ「博士」。
    そういう意味では、「博士である」だけでは「食えない」のももっともでしょうか。



    ただ、学位を取ろうとすれば、やはりそれなりに論文書いて、教授に認めてもらって、
    なんやかんや面倒くさい手続きを経なくてはなりませんので、
    そういうことを成し遂げた人、まあいえば忍耐強い人である、ということはわかってもらえるのでしょう。


    逆に、私の存じ上げている学位のない方は、あまりそういう、肩書きのようなモノにこだわらない方、
    臨床や経験の蓄積に重きを置いておられ、論文に興味のない方、大学と関係を持たれていない方、
    いわゆる「職人肌」「実力派」というイメージがあります。


    もちろん、ただ単に何もなさらず、論文も書かれず、結果学位もない。というケースもなきにしもあらず。


    まとまりませんが、学位の有無はあまりその方の本質に関係がなさそう、とは言えるのかと。
    そうはいってもブランド志向の日本では、まだまだ役にたつこともあるのでしょうかね。特に実態を知らない人に対しては…。

    トップページへ

    2012年09月09日

    ブランク考2

    ブランクについて、もう少し考察しましょう(今日が本題?)。


    医学生の皆さんや臨床研修を行っておられる皆さんは、ほとんどの方がまずは臨床医としてのキャリアを積んでいかれると思いますが、その後ひょんなことから?臨床医としてのキャリアを中断されることもあるかもしれない。


    たとえば、研究生活に入る、留学する。女性の方ではやはり出産、育児などでキャリアが途切れることもあるかもしれない。


    その際に、どの程度のブランクが許容範囲なのか。

    まあ、人それぞれといえばそれまでなのですが、私の感じている実感というものを、あくまで参考まで、ということではありますが、申し上げてみたいと思います。



    私の場合、大学院生活は完全に臨床をやりながらで、研修が済んでからのブランクはなかったのですが、それまでに基礎に行って研究を修められ、臨床に戻ってこられた先生方を10名ぐらい拝見し、上級医の意見を元に自分なりに得た結論は、「2年以上あくと、臨床の第一線ではキツイ」というものでした。


    まあ、2年でギリギリかなと。


    傍から見ていて、「立派な臨床医の方だな〜」と思える方は、ほとんどの方が臨床のキャリアを切らしておられない。


    やっぱりね、キャリアが中断すると、どうしても勘が狂ってしまうんですよ。これは。そして、どうしても年を取って、「突き詰める気持ち」が薄れてくる。で、基礎的なところをアップデートする機会もなく、「よくわからんけど、まあいいや」で済ませてしまう。


    そこを基礎からある程度やり直されて、踏ん張って突き詰めることで、ある程度カバーすることは可能でしょう。出産、育児から数年経過されて戻られて、頑張っておられる女性医師の方でも、しっかり臨床医されている方もおられます。でも、本当に、かなりの頑張りが必要だと思うのです。



    一方基礎研究をされてどっぷり時間がたった方は、やはり臨床に戻られるとしんどそうです。


    また逆に、基礎や留学なんかで研究をしようとすると、2年では全くモノにならない(言っちゃった…)わけで、2年で「合わない」と感じたら早めに引き上げ、やるんだったらもう徹底的にやってほしいと個人的には思っているんですね。


    「最近では留学希望の若手医師が少ない、嘆かわしいことだ」という声を教授陣から聞くこともあります。確かに留学をすると、ものの見方が変わり、下手をすると人生が変わる、素晴らしい体験であることは確かなのですが、その間の(臨床医としての)ブランクは、教授陣が思っておられるほど軽いモノではない、と、敢えて申し上げておきます。


    かくいう私は、幸か不幸か留学期間は2年。ブランクと引き替えに得たモノは推して知るべし…。

    トップページへ

    2012年09月08日

    ブランク考

    以前にも書きましたが、息子は3歳からスイミングに通っていて、昨年からサッカーを始めました。ただ、夏休み中は実家に帰ったりなんやかんやあったりのため、いずれも8月1ヶ月間、休会しておりました。


    それでこの週末、久しぶりの参加となったわけですが…。
    やはり傍から見ていて、ブランクが感じられました。

    まあ、小学生レベルのことですから、たいしたことではないのですが。


    プロフェッショナル、達人の領域で、「毎日ピアノを弾かないと感覚が鈍る(ピアニスト)」「毎日筆を握っていないと落ち着かない(書道家)」みたいな台詞を聞かれたことがある方も多いでしょう。


    私も若い頃に聞いたときは、「へーそうなんだ。休みなしって大変そうやなー。」と思ったものですが、最近になって少し考えが変わってきました。



    何事にもブランクというのはつきものですが、ブランクがあくと、

    • 純粋にスキルが落ちる。

    • 気分が乗らなくなる。

    • リズムが悪くなる。

    • ブランクをあけたことについて罪悪感がなくなる。


    などなど、いろいろと起こってくる不利益の方に目が向くようになってきたのです。


    私がこのブログを毎日毎日書くきっかけとなった「ビジネス発想源」を配信されている弘中勝さんは、「百日理論」というものを提唱されておられます。


    どんなことでも、毎日(例外なく毎日、がポイントらしいです)続けると、だんだんそれが習慣付いてきて、それをしないことが気持ち悪くなってくる、百日もやれば、それが自信になり、さらに続けていくことで上達していく、ということなのです。


    そこで例外を作るとどうなるか。


    たまには休みたいものですが、ここで休んでしまうと、自分自身の中で、この休みが「週一回だからいい」「週二回でもいい」と、だんだん増えていって、連続ではなく断続することになります。断続するものは決して習慣にはならない、と断じておられるのです。



    クラブやスポーツをされている方なら、ブランクのあとに何だか調子が出ない、という感覚がおわかりでしょう。これが仕事や勉強でも、同じことなのですね。


    若いうちはそれでも、若さで何とかなるのかもしれません。しかし年を取ってくると、ブランクを補うのがしんどくなってくる。それだったら、とりあえず「絶対毎日やる」と決めて、やり続けた方がいいかと思い、まあ何とか続けているのです。


    おそらく、ブランクを許容すれば、このブログもとっくに<終了>となっていたことでしょう。
    毎日続けたことで、今では自分自身の『貴重な学びの場』となりつつあります。

    トップページへ

    2012年07月16日

    今週(先週)の活動報告まとめ

    ■抄読会発表

    AJRCCM 2008.vol.178 pp483-490

    胸水採取時の空気や薬剤混入、あるいは静置時間によってpHや糖の値が変わるか、という、ちょっとした疑問を取り上げた研究。


    特に高度なテクニックを用いたわけでもなく、ただ胸水をいろいろやって測定した、というだけなのに、誰もやっていないことをやれば一流誌に掲載されるのだなあ、と感銘を受けた論文です。


    特に若い先生に聞いてほしかったのですが、たまたま緊急気管支鏡が入り、若い先生不在での抄読会でした…。



    ■ビアパーティー

    今年も3科(放射線科、外科、内科)合同のビアガーデンがありました。
    VERSAREで行われましたが、雨模様のため急遽室内に。でもちゃんとBBQしたものを一人分ずつ持ってきていただけて、満足でした。
    (あ、写真を撮るのを忘れていましたね…)


    アドバンスの学生さんも4人参加してくれて、(色々な意味で?)お腹いっぱいになっていたようです。



    ■A社のアドバイザリーミーティング参加

    某薬剤をこれからどうする(どうプロモーションする)ねん?みたいなミーティングに参加してきました。製薬会社さんの思い、悩み、迷いなどが垣間見えて面白かったです。
    基本は、「教育」「啓蒙」だと思うんですけどね−、てなことを申し上げてきました。



    ■月刊『KOKUTAI』8月号に掲載されました!

    しつこくてスミマセン。かなりうれしかったもので。

    トップページへ

    2012年04月30日

    黄砂とアレルギー疾患

    ここ数日はここ滋賀では好天に恵まれ、うちでもようやく布団を干したり、シーツ類の洗濯をしたりできました。
    また、室内が多かった反動からか、子供たちがずっと公園で遊びます。それにつきあっていると、黄砂を感じることが多く…。



    先日メーカーMRさんから、「黄砂のアレルギー疾患への影響」というパンフレットをいただきました。


    「黄砂とは中国の内陸部やモンゴルの砂漠地帯、黄土地帯から強風により大気中に舞い上がった砂塵のことで、偏西風によって朝鮮半島や日本、さらに北米まで運ばれます。日本では春に観測されることが多くなっていますが、秋に観測される場合もあります。」(「「黄砂のアレルギー疾患への影響」小野薬品工業株式会社より)


    黄砂はもちろん砂ですが、中国上空を通る間に様々な大気汚染成分や枯草菌、真菌などが付着することで、そうした物質が砂とともに体内に入り、アレルギー疾患を引き起こすとされています。


    砂といっても、当然いろいろな大きさの粒子を含みます。風に乗って運ばれる際、大きな粒子は割とすぐに落下しますが、小さい粒子ほど遠くまで飛ばされます。

    そんなわけで、日本まで飛んでくる粒子は、中国や韓国で落下する粒子と比べて小さな粒子で、眼や鼻の粘膜のみならず細気管支にも入り込み、眼症状、鼻症状とともに喘息症状を引き起こすのです。


    そこで、小野薬品さんは「それらの症状はロイコトリエンが関与しており…」みたいなことを書いておられます。


    それもそうですが、個人的には、砂であるが故か、マスクの効果は絶大と思います。まあ、「個人的な感想」ですが、マスクをすればほぼ症状は出ずに済みます。

    むき出しの眼については、洗うのが一番と思います。曝露後すぐに洗うと、ほとんど後腐れがないようです。
    もちろん、個人差はあるかと思いますが、砂だけに花粉そのものよりも、洗い流しやすい印象があります。


    皆さんも個人的にいろいろとお考えはあるかと思いますが、患者さんに説明される際に、一つの参考になれば幸いです。

    トップページへ

    2012年04月01日

    初期研修医の皆さんに、贈る言葉たち

    明日から仕事始め、という方も多いでしょう。

    やはり今年も、フレッシュマンの方々にメッセージを、と思ったわけですが、結構これまでにも、いろいろこのブログに書いているんですね。気づけば、結構たまっていました。


    というわけで、今日は、過去の記事から、これはイイことを書いてるなー、という記事をピックアップしてお送りしましょう(手抜きともいいますが…汗)。


    上級医に言われた台詞(セリフ)
    私が研修医の頃、上級医に言われた台詞は、時代の違いこそあれ、ローテーター諸君にも何かの参考になるのではないかと思い、ご紹介する次第…
    (ちなみにこの頃は、毎日更新ではなく、ですます調でもありませんでした。懐かしいですねー)


    30の法則
    最初は慣れないことばかりで、「本当に自分に医者ができるのか」不安が多いと思いますが、初期研修中に身につけるべき手技のほとんどは、「練習すれば、必ずできるもの」なので、是非頑張って練習しましょう…


    処置中に、絶対にやってはいけないこと
    先輩の言葉です。「処置中は、ムダな声を出すな。」
    あ、もちろん、必要な指示や、アレ取って下さい、みたいなのはいいんですよ。最悪なのは…


    先輩の言葉、患者さんに説明するときの心得1
    先輩の言葉です。私が医師になってすぐに、先輩にこう言われました。
    「キミが患者さんに説明したこと、どのくらい覚えてはると思う?」…


    自分で動かないと、成長しない
    病気などで身体が動かなくなったり、下肢筋力が低下してリハビリを行うとします。
    もちろん最初は拘縮予防とかで他動的に関節を動かすわけですが、実際歩けるようになる、実働のための筋力を付けるためには、自分で動かす必要があります…


    学ぶ基本は「守破離」
    どのような物事でも、学びの基本というものはあります。
    「守」「破」「離」というのは、昔からいわれていることですが、やはり初期研修においても同じことがいえるのです。「守」これは…


    物事を学ぶ過程における「スランプ」
    何でも、物事を学ぶ過程では、伸びない時期があるようです。
    いわゆる「スランプ」と言われるものも、ここに入るのかもしれません…



    最後に、一句。

    まあええわ そう思ったら そこが到達点

    トップページへ

    2012年03月04日

    「こむら返り(腓腹筋のmuscle cramp)」が起こる理由

    患者さんで「こむら返り」を訴える方は少なくありません。


    運動不足、冷え、電解質のバランス、ミネラル不足、糖尿病、腎不全、肝硬変などいろいろな理由が挙げられていますが、「じゃあ、どうすればいいの?」という問いに対しては、なかなかこれ、というものがありませんでした。


    内科医としては傾聴をするけれども、できることと言えばストレッチやミネラル摂取をお勧めし、芍薬甘草湯を処方するぐらい…だったのですが。


    昨日行ったスポーツクラブの壁に貼ってあった、ポスターで積年の謎が解けました。



    なんと、大腿四頭筋の筋力が低下することで、腓腹筋が慢性的に緊張を強いられ、その結果crampが起こりやすくなっているというのです。


    言われてみれば、何となく納得できるような。下肢筋力が低下している患者さんがよく訴えておられるような気もします。


    じゃあ、対策は筋力アップ、リハビリということになりますね。
    それで、「筋力を鍛えましょう」みたいなことが書いてありました。


    なるほど、それも一つの要因かも。何より、行動指針が明確なのがいいじゃないですか。


    これ、整形外科、スポーツ医学では常識なのでしょうか。
    だとすれば、明らかにPR不足。もっとPRをしていただきたいものです。


    常識でないのなら、今後のデータ集積が望まれますね。
    専門の方に、是非お願いしたいところです。

    トップページへ

    2012年02月20日

    PETについて(呼吸機能イメージング研究会)2

    PETについて、限界というか、弱点を挙げてみます。


    基本的に感度が低い、というか、FDGが集積しにくい癌は、

    • 胃癌の一部

    • 肝細胞癌

    • 細気管支肺胞上皮癌(BAC)・高分化腺癌

    • 微小な癌


    です。特に径が1cm未満の癌病変は検出感度が低いとされています。
    縦隔などのリンパ節転移も、感度・特異度にまだまだ課題があります。


    逆に、良性疾患でも、結核やクリプトコッカス、サルコイドーシスなど、集積するものも少なくありません。


    そういうわけで、なかなか解釈が難しい場面も多いのが現状。


    まずは疑わしい陰影を認めたときに、質的診断と病期評価をかねて、治療効果の確認、治療後再発の有無などを見るというパターンが多いと思いますが…。


    1つ示唆されていたのは、高齢の方で、侵襲的な検査(生検)がはばかられるような場合、PETで集積がなければ、仮に癌であっても高分化と考えられるため、経過観察してもよいのではないか、ということでした。


    検診施設で、スクリーニングで撮影、ということも多いようですが、腫瘍マーカーほどではないにしても、陽性になったときにどうするか、ある程度指針がほしいところです。

    トップページへ

    2012年01月22日

    学習過程における、「知識」と「経験」のバランス

    「頭でっかち」という言葉があります。

    知識ばかりで経験を伴わない様子を指しますね。
    逆に、経験は豊富でも、それを体系づける知識が無くては、説得力がありません。


    臨床の現場では、0か1か、正か負か、白か黒かで割り切れないことも多い。
    はっきり診断がつかないことも、実は結構あるのです。


    ある診断基準を満たさない状態だって多いわけで。
    いろいろな要素が絡み合って、複雑な様相を呈していることもある。
    治療を開始して、うまくいかないことも。
    じゃあ、そこでどうするか。


    教科書なんかの知識だけだと、ここのところのニュアンスがわからない。
    学生の時によく勉強している人が陥ることもある状態です。
    頭でっかちだと、臨床医としての進歩が妨げられることもあるのです。


    むしろ、頭が真っ白の「フォーマットしたて」の状態でがんがん経験を積む方がいい。まあ本当に真っ白も困りますが、国試を通る程度の知識があればいい。



    そしてある程度の経験をへて、「ああ、ぜんぜんわからない」という状態で、本を読む。そうすると、それはもう、「砂漠が水を吸収するがごとく」知識が入ってくるのです。


    卒業時にほぼ真っ白(苦笑)だった私の個人的経験からすると、経験を積んで、追い詰められて勉強すると、それはそれは効率的に?頭に入りますので、お勧めです。
    いずれにしても、知識と経験は、バランスよく兼ね備えてナンボ、と思いましょう。




    経験と言えば、よく言われていることが、「経験が豊富なほど、やさしくなれる」というもの。

    やさしくなれる、というのは、他人のことを配慮できる、他人の事情が理解できる、つまり、多くの経験を積んだ方のほうが、「あの人は、こういう事情があるかもしれない」とおもんばかることができるようです。


    実際、いろいろ涙を流した人の方が、度量が広くなる、ということはよく言われますし、実感しているところです。
    経験豊富であると、いろいろな面で、懐が深くなる、そういえるのではないでしょうか。


    私も、もちろんまだまだ経験不足、発展途上ではありますが、それでも、これまでに、ここでは書けない、いろいろなつらい経験があるものです。やはりそういう経験を経ると、少しずつではありますが、他人の事情を斟酌(しんしゃく)することができるようになってくるように思います。

    あとはまあ、子供にかなり鍛えられている、っちゅう面も大きいですね。期待のハードルを下げる訓練は毎日やらされています(苦笑)。


    逆に、いわゆる「ネット住人」の方のように、経験、実体験が少なくて知識?に偏っている頭でっかちの人は、他人に対して思いやりが少なく、匿名で誹謗中傷したり、ネガティブな行動をとったりされるのではないか?と推測するものであります。

    トップページへ

    2012年01月15日

    追い詰められた人は「よく知らない」選択肢を選びがち

    国試も近いことですので、警句を1つ。


    選択問題で解答がよくわからないときに、たとえば

    b. Williams-Campbell症候群

    みたいな、よく知らない選択肢を選んでしまいませんか?

    ひょっとしたら自分が知らないだけで、これじゃないか、みたいな心理があるようです。




    これ、臨床医になってもあるんですね。

    よくわからない病態だ。じゃあ、よく知らない○○じゃないか、みたいな。
    それで、診断、治療に困難を来す現場を時々見かけます。


    ですから、特に内科系にいかれる若い方は、せめてcommon diseaseぐらいは「よく知らない」ということがないようにお願いします。


    ちなみにこの辺では、○○には「肺炎」がよく入ります…。

    トップページへ

    2011年12月23日

    初心者向け、スライドの作り方

    学会発表や学生さんの発表を見ていて思ったことです。

    たとえば、スライドにCTRXと書くとします。このときにCTRXだけ書いていると、いざ発表、しゃべる時にCTRX?なんだったっけ??う、原稿原稿、となり、ますますあがってしまうのです。


    学会発表初心者の場合、おすすめは次の2つ。


    • 完璧な読み原稿を作り、それをひたすら読む

    • スライドに略号だけでなく、フルスペル、読みを併記する



    どうにも自信がない、緊張すると頭が真っ白になる、そういう方の場合、完璧な読み原稿を作り、それをひたすら読むのがおすすめです。


    まあ、見ている方からすると、棒読み丸わかりなので、少し格好つけたい場合は、スライドに多くの情報を盛り込み、それを見ながらしゃべる、ということになるのですが…。


    このときにCTRXだけ書いていると、いざ発表、しゃべる時にCTRX?セフなんだったっけ??となるため、CTRX(セフトリアキソン)みたいな感じでフルスペルも書いておくと良いでしょう。

    なお、何度もこれをすると少々ウザいので、普通は初出の時だけにしますが、初心者であればまあ許容範囲ではないでしょうか。

    トップページへ

    2011年11月13日

    メーカーMR諸氏とのつきあい方

    学生の間はほとんどの人が意識することがないのに、医師になると否応なく意識することになるのが、製薬メーカーから派遣されてくる営業担当の方々、通称?(正式名称?)「MRさん」の方々とのつきあいです。


    彼らの仕事は「薬品の売り上げを上げること」ですから、いろいろな経路で先生方にアプローチされます。

    いわゆる「説明会」「研究会」の体をなすものから、医局の前でお待ちになっての直接攻撃?まで様々な攻撃があります。


    暇をもてあましている、というときはいいのですが、病棟に呼ばれて急いでいるときに声をかけてこられた場合にまで愛想よく足を止めて、応対する必要はありません。

    「時間のあるときにお願いします。」ときちんとおっしゃればよろしい。


    まあ、いろいろなスタイルがあるはいいのですが、もう少しMRさんも営業とはなんぞや、というところを考えるべきだと思います。薬を売りたいのに、医師に嫌われるような行為をしてどうするんでしょう、という人も多いですね。

    最低でも、「ビジネス発想源」無料版は読むべきです、MRの皆様。
    http://www.mag2.com/m/0000134134.html



    昔はMRさんと仲良くすると、それなりにいいこともあったようですが、最近は「自主規制」の名の下に、あまりそういう感じのことはないようです(施設にもよるようですが)。


    とはいえ、薬剤や疾患の情報を頂けたりするのはありがたいわけですから、適度な距離感でのおつきあいが勧められます。

    トップページへ

    2011年11月12日

    対診依頼の書き方2

    対診依頼の書き方ぐらい、自分の好きなように書くわい、とか、別にこれでいいんじゃないの、とか、いろいろな意見はあるでしょうが、私が昔指導いただいた先生からは「人にものを頼むときには、それなりの礼儀というものがあるだろう」と教わったものです。


    言い換えると、専門医の先生の貴重なお時間をお借りして依頼をかけるからには、それなりの理由を明示し、礼を尽くすべきだというのです。


    自分の知識、スキルだとここまでのことは対処可能であるが、これ以上のところで専門医の専門的なスキルをお貸し願いたい、こういうスタンスが、特に上級医には好まれるようです。


    そのような内容を書くためには、ある程度こちらにも知識が無くてはならない。逆にこちらの知識を提示することで、先方に「これはきちんと回答しなければ」と思っていただく効果もあるようです。



    「○○で当科通院中の方ですが、咳が出てきてレントゲンを撮影しましたところ、以前には見られなかった両側びまん性のすりガラス影を認めました。薬剤は○○、○○を長期間使用中で、最近○○を開始しました。膠原病を思わせる症状、所見には乏しいようです。一度貴科的にご評価をいただけましたら幸いです。」


    たとえば、こんな感じでしょうか。

    (必ずこのフォーマット通りに書きましょう、という意味ではありません。あくまで、姿勢を見ていただきたいので、念のため)

    トップページへ

    2011年11月11日

    対診依頼の書き方1

    臨床をやり始めると、自分の知識だけではいかんともしがたい場面、というのがしばしば出て参ります。もちろん最初は上級医、指導医の指導を仰ぐわけですが、上級医、指導医も万能ではないわけで、専門家の診察、処置を必要とする場面もあるでしょう。


    その際に欠かせないのが、対診という行為なのです。

    対診に切っても切れないのが対診コメント、この書き方一つで、依頼先の先生に与える印象、ひいてはご返事の内容にもずいぶん影響するのではないか?といわれています。


    では、どのように書くといいのか。

    まずはよくあるよくない例から。


    「○○で当科通院中の方ですが、咳が出てきてレントゲンを撮ったら陰影があります。患者さんが貴科受診を希望されていますので、よろしくご高診ください。」


    丸投げ感丸出しですね…。
    よくない点はどこでしょう。

    皆さんなら、どう書きますか?

    トップページへ

    2011年10月07日

    研修で意識したこと

    2年目として8月〜9月まで回ってくれていたK君ですが、以前にも書いたようにこの1年で大きく成長されました。彼と話をしていて、彼なりに色々と意識して研修にあたっていたことを知り、後輩の皆さんに読んでもらえるようにテキスト化してもらいました。

    以下に原文のまま引用します。


    カンファで質問されたときに、なぜこのような質問が来たのかと考えて、臨床の視点を広げることを心がけた。

    疑問が生じたときは質問をする前に自分なりに考えて、上級医に質問するときは答え合わせのような感覚で質問した。

    なるべく自分の行う行為に根拠をもって行うことを心がけた。

    学生の時は注意されることがいやだったが、研修医になってからは、注意されることで、それを意識するようになるので+に考えることにした。ちなみに年間通して一番注意された自信があります。

    その時その時の症例をまずは教科書で一般的な知識を再確認し、見落とした症状がないか確認していった。

    (引用ここまで)

    上級医に注意されると凹むもんです。私だって今でもそうです。
    それをプラスに考えることができるかどうか、このあたりが秘訣かも。

    というわけでK君、今後ともよろしく!一緒に成長していきましょう。

    トップページへ

    2011年09月04日

    「日本人は英語がヘタ」は本当か?

    若い先生方にとってはまだまだ先のことかもしれませんが、
    論文を投稿された先生でしたら、覚えがあるかもしれません。


    英語論文を投稿し、reviewerに、「英語を何とかしろ」といわれる。
    でも、英文添削を受けて、直してもらったのに、
    今さらどこをどう直したらいいのかわからない。というケース。


    多くの場合、それは、「英語そのものの問題」ではなく、
    「論理展開の問題」と思われます。


    論理があっちに行ったりこっちに行ったり、切って貼って継ぎ足して…では、
    英語自体が大丈夫でも、reviewerに「読みにくい=英語がダメ」と判断されてしまう。

    まあ、それは諸先輩が「日本人=英語がダメ」という先入観を作ってしまったことも大いに関係があるわけで、そのうちの一人として申し訳なく思っております。


    論文投稿の際は、Backgroundを知らない第三者に読んでもらっても、すっと論理展開が伝わるように書くこと、これが大事です。

    本当に偉い先生は、難しい内容を、本当にわかりやすく語られます。英語であっても、スーッと入ってくるのですね。そういう感じをイメージして、わかりやすい、読みやすい論文を書いて下さいね。

    トップページへ

    2011年04月08日

    若手医師、学生の適切な服装とは?

    学生さんに「実習に着てくる服って、どんな服装が適切なのですか?ネクタイは必要なのですか?」と尋ねられました。

    明文化された決まりはない施設が多いと思います。

    ちなみに当院のスタッフマニュアルを見ると、「身だしなみの注意点」という項があり、服装については

    • 汚れがなく、清潔感がある

    • スカート丈は膝が隠れる長さにする

    • 白衣の前ボタンは全てかける


    とだけ、書いてあります。
    まあ、社会人なのだから、着るものぐらい自分で判断しろ、ということなのでしょう。

    学生さんの場合、そう尋ねるぐらいだから、決まりは特にないのでしょう。

    結局考え方の問題ですが、服装をきちんとすることが、どのような意味があるのかを考えてみればいいのです。


    その服装を見るのは誰か。

    同級生だけなら、ネクタイをしていたら、「合コンにでも行くのか?」ということになるでしょう。

    指導医が見たら、「きちんとしているな。」という感想を持つでしょう。

    患者さんが見たら、「この先生は若いけど、きちんとした格好をしているし、信頼できそうだ。」となるでしょう。

    第一印象というのはかなり重要で、それを覆すにはよほどの力量が必要とされます。ですから、身なりを整えるのは、誰のためでもなく、自分に対していい印象を持ってもらうためなのです

    逆に、指導医や患者さんからどう思われたいのか、それによって、服装が自ずと決まってくるということです。

    トップページへ

    2011年03月14日

    肋骨の数え方

    これもいろいろなやり方、流儀があるようですが、CTが液晶で見られるようになってからは、CTに関しては比較的簡単に肋骨が数えられるようになったと思います。


    上から数える方法

    まず鎖骨を探しましょう。
    こうなってるやつですね。

    スライド1.JPG

    鎖骨が胸骨に接続する部分のすぐ下に、第1肋骨があります。

    スライド2.JPG

    あとは1→2→3と、後ろへ数えていくだけ。

    スライド4.JPG

    くりくりスクロールさせると、どんどん下のスライスに流れていきますから、後ろへ後ろへ数えていきましょう。


    下から数える方法

    お腹の方から上がっていくと、まず第12肋骨が見えてきます。その前に11,その前に10,と、だんだん前に行くに従って番号が減っていきます。

    スライド5.JPG

    あとは、上へ上へ、くりくりスクロールさせていきましょう。

    トップページへ

    2011年02月20日

    若い女性を見たら、妊娠と思え=Hしたら、妊娠するもの

    もうこれは、広く認知されていることで、今さら私が言うべきことでもないと思うのですが、最近、個人的な経験があり、どうしても書いておこうと思いました。

    よくある?場面で、パートナーの女性が、男性に、
    「ちょっと(生理が)遅れてんねん」みたいなことを言って、男性がドッキーンとする、みたいなこと、ありますよね。

    もちろん、結婚前提、とかならこれでゴールイン、めでたしめでたし、となるのでしょうが、不倫とかだと、泥沼化は必至だったり(TVの見過ぎか?)。


    私は品行方正?なので、人生において、そのような場面には出くわすことはないだろう、と思っておりましたら、この前、そんなことになってしまったわけです。

    (女性)「気のせいかもしれんけど、来―へんねん」
    (私)「何が?(ひょっとして…)」
    (女性)「予定の日を1週間ぐらい過ぎてんねんけど…」
    (私)「(大汗…)」





    残念ながら?不倫ではありません。

    うちの奥さんに言われたのでした…。
    あのセリフは本当にドキッとしますね。実感しました。

    しかし、この年齢でできちゃったって、どやねん…。



    と、ここまではどうでもいい話でした。
    ここからが本題。

    妊娠可能年齢の女性が「妊娠は、ないと思います。」と言っても、全く当てにならないことは確かです。
    ないと思うの根拠が、そもそもそういう行為がない、ということならば、確実だと思いますが、行為があるのに、「ないと思う」のは、あまり根掘り葉掘り聞くわけにもいかず、判断に困ってしまいます。

    特に、救急に飛び込んでくる若い女性は、確率的に本物の?病気である可能性もありますが、そもそも若い人で、救急に来るような大変な病気である確率は少ない。

    それ以上に、外妊であったり、つわりであったり、という可能性が大いにある、ということはよ〜く認識しておく必要があります。


    呼吸器内科外来には、若い女性の喘息患者さんが多く来られますが、「妊娠は、ないと思います。」と(半笑いで)言われたりしたときには、(「それってどういう意味なんだろう」と思いながら)やはりFDAカテゴリーBの、パルミコートを使うのが無難かな、と思います。

    トップページへ

    2011年02月01日

    胸部レントゲン、比較のコツ

    経過の長〜い患者さんで、胸部レントゲン写真が山のようにある場合、
    しばしば陥りがちなのが、

    「入院時の写真しか見ていない」症候群。

    山のように写真があって、萎える気持ちもよくわかります。
    でも折角呼吸器科を回るのに、

    レントゲンの経過を勉強できる機会を放棄するのは、もったいない。

    これは見ときましょう、というポイントがありますので、
    ご紹介しますね。


    まずは、入手しうる一番古い画像。

    まだ発症していない時期であっても良いのです。
    というか、健常時の画像、コントロールとして貴重。

    次に、発症時の画像。あるいは初診時の画像です。
    ここで初期診断について学びましょう。
    というか、上の先生に教えてもらいましょう。

    その後治療が行われた場合、治療終了時の画像で、
    治療前と比較を行いましょう。

    その後は、治療や増悪などのイベントごとに画像を確認します。

    時間が限られている場合、イベントが多すぎる場合は、
    その後今回の入院時にいっても良いでしょう。

    レントゲンの経過そのものにも、多くの情報が含まれている。

    これを心に留めておいて下さい。

    トップページへ

    2010年12月16日

    先輩医師の言葉 前医の診断は当てにするな!

    60歳代 男性 以前から糖尿病で通院中。
    3日前から微熱、咳嗽、喀痰、動悸、息切れあり、内科受診。
    症状が出だしてから血糖が300以上に上昇。

    胸部レントゲン写真で両側に淡い網状影、心胸比やや上昇、わずかに両側CP角鈍化。
    WBC 6960、Hb 13.2、CRP 6.82、TP 6.2、Alb 3.4、GOT 36、GPT 37、LDH 683、CPK 398。

    まず診察した内科医師は、気管支炎との診断でLVFX開始。

    翌日、咳嗽、喀痰増悪し、内科再診。
    気管支炎増悪との診断で、呼吸器内科へ。

    さてさて。
    呼吸器内科医は、前医の診断に引っ張られず、正しい診断を下せたでしょうか。




    呼吸器内科医は、呼吸器というスペシャリティを持つ総合内科医たるべきである。

    トップページへ

    2010年12月14日

    先輩医師の言葉 レントゲンは以前のものと比較せよ!

    ひき続き、三浦先生のご講演より。

    石綿肺(アスベストーシス)は、石綿を吸い込んで起こる線維化です。

    線維化の場所は両側下肺で、嚢胞形成もあり、
    一見IPF/UIP(特発性肺線維症)と似ているもの。

    では鑑別のポイントは、というと、
    1つは、HRCT所見。

    もう1つは、
    「時間の経過」
    とのこと。

    石綿肺は、最初の所見が出てから症状が出るまで、
    20年以上の経過でゆっくり起こってくる。

    発見されてからも、長期間陰影の進展がないのが特徴と言えます。

    それに対し、IPF/UIPは、数年の経過で
    着実に進行してくる点が、まったく異なります。

    昨年、一昨年の胸部レントゲン写真と比較して、
    経時的な変化を見ることが、診断につながるのだ、と。

    これは、先輩の先生がいつも強調されていた
    「胸部レントゲンは、そのときの所見だけでなく
    所見の変化にも情報がある。」

    この言葉にもつながるもので、なるほどと深く頷かされました。

    トップページへ

    2010年12月08日

    ビジネス発想源

    このブログでは、日々学生、研修医の育成にあたっている私が、
    内科、呼吸器内科医を目指す若い先生方に役立つ情報を日々取り上げていきます。


    公開はされていないのでよく知らないのですが、小生が滋賀医大の学生さんによる投票でベストティーチャーに選んでいただいたらしい、と聞きました。公開されていない、というか、そもそも講師以上から選ばれるらしいので、私の名前が入っていること自体イレギュラーらしいのですが。


    ということは、教え方が学生さんにあっていたのかな、と思うのです。
    日々学生さんの指導に当たって、とにかく知識の羅列ではなく、心底から「理解してもらう」ということに重点を置いている、そこが良かったのでしょうか。
    (いや、単に授業やポリクリの担当コマ数が多いから、名前を覚えられていただけでは?という声もあり…)


    多くの大学、あるいは研修病院で、呼吸器内科医の不在が目立つこの頃。
    学生さんや若い先生方が、呼吸器内科の(教科書ではない、実践的な)知識を習得する場が少ないと言われています。

    現時点で私がやっていること、日々教えていることを、できる限りテキスト化する、それで、少しでも多くの、全国の迷える学生諸君、困っている若い先生方のためになれば、そういう思いでやっていこうと思います。


    思いついたところから書いていきますし、例えば昨日学生さんに質問されて答えた、そんな内容になるかもしれません。今日見た勉強になる症例を取り上げるかもしれません。内容が散漫になってしまう点はご容赦下さい。ある程度記事が貯まったら、カテゴリーわけをしていきますので。



    日々更新1回目の今日は、日々更新をしていくきっかけとなった、「ビジネス発想源」を取り上げます。

    これは、弘中勝さんという方が、毎日配信しておられる、ものすごいメルマガです。
    私はたまたまカナダ留学中にこのメルマガの存在を知ったのですが、その頃から、毎日、毎日、ものすごい分量の、かつ、中身の濃いメルマガが届きます。

    毎日ですよ。しかも2000号を越えています。

    医学と関係ないやんけ、と思うなかれ。
    社会人としてのあり方、学ぶ姿勢、
    患者さん(お客さん)への態度など、役に立つ情報が満載です。

    やる気のあるヒトにはぜったいお勧め。登録は→
    http://www.mag2.com/m/0000134134.html

    トップページへ

    2010年02月11日

    医学生、研修医向け推薦図書 「成功を引き寄せる地道力」國分利治著

    あまり宣伝になることもどうか、と思うのですが、特に学生さん、若い先生方にお勧めせずにはいられない本を読んだので、紹介します。

    この本の著者は、競争の激しい、ヘアサロンの業界で、驚異的な成功を収めた方です。本の表紙には氏のフェラーリ。年収は2億円。

    私が何となく思い描いていた、「意識の高い」「実力を付けたい」若い人へのアドバイス(説教?)が、これほどはっきりとした、読みやすい言葉で書かれている本はあまりありませんでした。

    あまり内容を詳しく書いてしまうと、読む気が起きなくなるかもしれませんので、印象に残った文章を要約抜粋していきます。これらの文章に何か刺激を受けた方は、読まれることをお勧めします。1冊は呼吸器内科の部屋においておきます。

    −−−−−−○−−−−−−○−−−−−−○−−−−−−

    スポーツ選手が「流した汗の量は裏切らない」というが、仕事でも同じこと。汗を流すほど、結果はついてくる。

    未来は今日の積み重ね。未来の自分は今日の行いが作る。未来においてできる人間になるためには、今日努力するしかない。

    楽をして実力を付けたいというのは、練習をせずに甲子園に行きたいという高校球児と同じ。

    仕事がつまらないというのは、責任感のある仕事を任されないから。責任感のある仕事を任されないのは、責任感のある人だと上司に思われていないから。

    「楽しく仕事をしたい」「好きな仕事をしたい」→仕事を充実させたいなら、仕事に一番時間を使うこと。趣味やプライベートにさんざん時間を費やして、仕事も充実させたいというのは虫が良すぎる。

    充実感は、一所懸命にした結果得られるもの。楽に日々を過ごしても、人生何も残らない。

    若い頃は体力勝負しろ。年を取ると必ず体力は落ちる。そうなったときに、若い頃に培った能力が生きてくる。

    「自分には個性がない」「自分を探したい」という人の多くは、単に時間の経つのも忘れて夢中になれるものがないだけ。何事でも最初はまねをしながらとことんやれば、それがあなたの個性になる。

    学生の頃の成績は、主に暗記力の差が反映される。学生の頃成績が悪くても、社会に出てからの頑張りで「大化け」する人は少なくない。

    トップページへ